本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
私たち人間にとって、犬はとても身近な動物です。
そんな犬の祖先は、野生の オオカミ を家畜化したものだと考えられています。
しかしその起源は諸説があり、今もはっきりしたことはわかっていません。
どうやら人間と犬は1万年以上前に一緒に生活するようになり、少しずつ今の関係になったようです。
人間とともに暮らすようになった犬は、狩猟や牧畜の手伝い、番犬などの役割を与えられてきました。
かつては食用にもされていましたが、現在ではほとんどが愛玩目的のペットとして飼育されています。
犬を飼う時は狂犬病のまん延を防ぐための法律 「狂犬病予防法」 に基づき、以下の義務が課せられます。
犬を飼い始めたら、まずは住んでいる市町村にて 「飼い犬の登録」 をしましょう。
生後91日を過ぎていればすぐに、生後91日未満の場合は91日を過ぎてから30日以内に登録を行います。
この登録は原則犬の生涯に1度だけですが、引っ越しをする場合は引っ越し先の市町村に変更届を提出する必要があります。
そして、飼育されている犬には、年に1回の 「狂犬病予防接種」 が義務付けられています。
仮に一切室内から出さないで飼育する犬であっても、必ず予防接種を受けさせてください。
その後、飼い犬の登録時発行される 「鑑札」 、予防接種後に発行される 「注射済票」 を首輪に装着します。
鑑札には迷子札の役割もあり、犬が迷子になっても鑑札があればすぐに飼い主にたどり着けます。
犬を飼う時の義務を把握した後は、犬の飼育にかかる費用を確認していきましょう。
動物を飼うということはその時だけではなく、数年、時には十数年単位でお金がかかるということです。
この項目でなぜ勢いで犬を飼ってはいけないのか、その理由が伝わるのではないかと思います。
なお、ここで記載している金額はあくまで目安であり、地域や条件によって前後する可能性があります。
より確実な金額が知りたい場合は、自治体や病院などに確認してください。
まずは犬を飼うにあたり、 必ずかかる初期費用 を見ていきましょう。
犬をお迎えする場合は、この初期費用にプラスして犬の生体費用がかかります。
→合計:36,000円~56,000円
犬を迎えるだけで、これだけの費用がかかります。
これは最低限の初期費用であるため、高いと思うようであれば犬の飼育はやめた方が良いでしょう。
次に説明するのが、 犬を迎えてから毎年かかる費用 です。
犬を飼い始めるとエサやペットシーツなどの消耗品の他、毎年予防接種やフィラリア対策の費用が必要となります。
→合計:121,000円~226,000円
この金額はあくまで目安であり、犬種や年齢によってかかる費用は大きく前後します。
犬の体が大きいほど、かかる費用も増すと考えておくと良いでしょう。
基本的には上記の金額×犬の平均寿命をかけた金額が、犬の一生にかかる費用の目安となります。
しかし、これは犬が家族と常に一緒に暮らし、病気をせず健康的に暮らすことを前提にした金額です。
ペットホテルやシッターを使う、病気や怪我で通院することがあればさらなる費用がかかります。
犬を飼うのは非常にお金がかかることであり、十分な貯蓄が必要になるということがわかりますね。
犬を飼うための費用を確認した後は、実際に犬を迎える方法について説明していきます。
ペットショップやブリーダーから購入する以外には、どのような方法があるのでしょうか。
ペットショップやブリーダーから購入するのは、犬を迎える最も一般的な方法です。
ペットショップは手軽ですが、犬を迎えた後のサポートという面ではやや弱い部分があります。
ブリーダー は迎える時のハードルが高いものの、犬種に合わせたアドバイスやサポートが期待できます。
全国各地には飼いきれなくなった、飼い主の病気などさまざまな理由で保護された犬が多数存在します。
こちらはそういった「 保護犬 」を保護団体から引き取り、迎える方法です。
保護団体から犬を迎える場合、条件や一定のトライアル期間が設定されていることがほとんどです。
まずは最寄りの保護団体に問い合わせをしてみる、もしくは譲渡会に出向いてみると良いでしょう。
ペットショップやブリーダーから子犬を購入する場合は、 子犬の健康状態 に注意してください。
お尻や目、鼻や耳が汚れている個体は健康状態に問題があることが多いので、避けた方が良いでしょう。
できれば好奇心が強くて人懐っこい、がっちりとして肉付きの良い個体を選ぶことをおすすめします。
また、ペットショップやブリーダー自体の評判や、衛生状態も重要です。
残念ながら動物をただの商品と考え、粗雑な扱いや繁殖をする業者は少なからず存在しています。
そういった業者を避けるためにも、ペットショップやブリーダーの下調べをすることも大切です。
ネット上の評判だけで考えずに店舗や飼育舎が汚く、不衛生な業者は避けるようにしてください。
犬は太古の昔、人間が群れで暮らす野生のオオカミを家畜化した動物だと言われています。
そのため、犬は群れでの生活を好み、また群れのメンバーとのコミュニケーションを大切にします。
犬を迎えたらその性質を尊重し、家族の一員としてたくさんの愛情を注いであげてください。
この項目では、犬を飼うために必要な環境について説明していきます。
犬の飼い方をざっくり分けると、 「室内飼い」 と 「屋外飼い」 の2種類があります。
一昔前は犬といえば番犬であり、屋外で飼うのが当然とされていました。
しかし、近年は犬も家族の一員だという意識が高まり、室内飼いをする方が多くなっています。
筆者としても新たに犬を飼う場合は、室内飼いをおすすめします。
なぜなら室内飼いは天候や気温の影響を受けにくく、犬が安心・安全に暮らすことができるからです。
また、飼い主の目が届きやすく、距離が近いため病気や怪我に気づきやすいのもメリットの1つです。
※合わせて読みたい: 飼いやすくて人気の室内犬20種類!それぞれの特徴やしつけのポイントなども解説
我が家に迎えたばかりの犬は、突然の環境変化にとまどっていることがほとんどです。
むやみやたらに構うと大きなストレスになり、体調を崩してしまうことがあります。
そのため、迎え直後の数日間は彼らが新しい環境に慣れることを優先し、構いすぎないようにしましょう。
犬の方から近付いてきたら、優しく声をかけながらなでてあげると良いでしょう。
室内には犬が安心できるプライベートな場所として、ケージやクレートを用意しておきます。
小さい頃からケージやクレートに慣らしておくと、通院や災害時にも便利です。
噛まれたり壊されたりして困るものがある場合は、犬が触れる範囲に置かないことが大切です。
思いもよらないものを誤飲してしまうこともあるため、犬を飼い始めたら常に 「犬にとって危険なものは片づける」 という意識を持っておきましょう。
多くの犬が好み、楽しみにしているものが「散歩」です。
犬にとっての散歩は運動になるのはもちろん、心身を健康的に成長させる手助けにもなる大切な要素。
散歩の途中で出会うさまざまな刺激が、犬の心や社会性を育てるために欠かせないといわれています。
この項目では犬の散歩に関して、開始時期の目安や回数などの項目に分けて説明していきます。
犬を迎えたらすぐに散歩しに行きたい!と思うかもしれませんが、すぐに散歩させてはいけません。
なぜなら子犬は免疫力が弱く、あらゆる病気にかかってしまう可能性が高いからです。
散歩を開始するのは、3回目のワクチンが終了した後を目安にすると良いでしょう。
それまでは家の中に慣れてもらいつつ、下の項目で説明する 「社会化トレーニング」 を行います。
そして、本格的な散歩を始める前に、 「まて」「ふせ」 など最低限のしつけをしておきましょう。
ワクチン終了後はまず抱っこした状態で外に連れ出し、外の環境を見せるところから始めましょう。
その後少しずつ家の周りを自分の足で歩かせ、散歩する距離や時間を伸ばしていきます。
散歩は1日2回、1回の散歩は20分~60分を目安に行うと良いでしょう。
一般的に 小型犬 は散歩の時間が短く、大型犬は散歩の時間が長いといわれています。
1つ覚えておいてほしいのが、 「○○分以上散歩しなければならない」 という決まりはないということです。
どのくらい散歩をすれば満足するのかは、犬種や年齢によって大きく異なるうえ、個体差も大きいもの。
愛犬がどのくらいの距離(時間)を散歩すれば満足するのか、日々の散歩で見極めていってください。
また、散歩は大切な要素ですが、1回でも欠かすと命にかかわるということはありません。
台風や体調不良などで散歩に行けない日は、散歩の代わりに室内でたっぷりと遊んであげましょう。
※合わせて読みたい: 犬の散歩の方法とコツ!犬の散歩は何時にどれくらいの距離が適切?
犬の祖先はもともと地面に掘った巣穴で暮らし、巣穴の外で排泄していたと考えられています。
その性質を受け継いでいるのか、犬も散歩の途中(家の外)で排泄をすることが多いようです。
散歩中に犬がフンをした場合は必ず持ち帰り、自分で処理しましょう。
オシッコは持ち帰ることができませんが、ペットボトルなどに入れた水をかけてできる限り流します。
フンやオシッコは放置すると見た目が悪く、悪臭がするばかりか害虫がわく原因にもなります。
犬が散歩中にした排泄物の処理は、飼い主として大切で最低限のマナーであると心得ておいてください。
散歩に出かける際には必ずスコップやティッシュ、袋やペットボトル等の処理グッズを持参しましょう。
人間と犬が同じ空間で暮らすために、しつけは無くてはならないものです。
お互いに共通の基準を持つことで、同じ空間で安心・安全に暮らせるようになるのです。
この項目では、犬に対してどのようなしつけを行えば良いのか説明していきます。
「社会化期」とは、子犬が外界からの刺激に順応するために大切な期間のことです。
犬の場合は生後3週間~16週間ぐらいを指すといわれています。
社会化期において重要なことは、様々な人や騒音、他の動物などの刺激に慣れさせること。
この時期に十分な刺激を受けると、大人になってからの問題行動や感染症のリスクが減ります。
逆にこの時期に十分な刺激を受けられないと、問題行動が多く病弱な犬になりかねません。
そうならないためにも、子犬の様子を見ながら掃除機やドライヤーなどの音を聞かせる、家族以外の人や犬に会わせる、窓の外の景色を見せるなどさまざまな刺激を与えて慣れてもらいましょう。
なお、幼すぎる子犬の販売を禁じる 「8週齢規制」 は、社会化期を考慮して制定されたものです。
幼い子犬は愛くるしい見た目をしているため、その時期を一緒に過ごしたいと思う方も多いでしょう。
ですが、犬が元気で安心して暮らせるように、生後8週間は母犬やきょうだいと過ごさせてあげてください。
※合わせて読みたい: 犬のしつけをマスター!愛犬のしつけ方や正しい飼い方を把握しよう
トイレのしつけは犬と人間が一緒に暮らすために、一番大切なしつけといっても過言ではありません。
しっかりとトイレを覚えてもらうため、犬を迎え入れた日からトイレトレーニングを始めましょう。
まずは犬が排泄するタイミングを観察し、おやつを使って排泄する前にトイレに誘導しましょう。
トイレに誘導できたら、排泄するタイミングに合わせて決まった言葉(コマンド、掛け声)をかけます。
(例:「ワン、ツー」「シー、シー」「いち、に」など)
正しい場所で排泄できたら、すぐにほめながらおやつをあげてください。
遊ぶことが大好きな犬の場合は、ご褒美として一緒に遊んであげても良いでしょう。
トイレのコマンドを覚えてもらえれば、散歩や外出の前にあらかじめ排泄をさせることもできます。
なお、トイレの場所はなるべく静かで、人目につかないところが良いとされています。
一度トイレの場所を決めたら、なるべく動かさないようにしましょう。
トイレトレーニングのコツはとにかく叱らず、褒めてトイレを覚えさせること。
たくさん褒めて「ここでトイレをすると褒められる!」ということを覚えてもらいましょう。
※合わせて読みたい: 犬のトイレのしつけ(トイレ・トレーニング)の方法・失敗時の対処法
犬のしつけで一番大切なことは、叱らずに褒めることです。
犬は自分がとった行動に対して「褒められる」「おやつをもらえる」などのポジティブな反応があると、「これをすれば良いことがある」と認識してくれるようになります。
犬が飼い主の望む行動をしてくれたら、大げさなぐらい褒めながらおやつをあげると良いでしょう。
逆に飼い主に無視されるといったネガティブな反応があると、犬は「不快」だと感じます。
飼い主の望まない行動をする場合は、叱るのではなく犬の行動を無視すると良いでしょう。
ただし犬の問題行動によっては、無視ではしつけができないことがあります。(車やチャイムなどの音に反応して吠え続ける、噛んではいけないものを噛むなど)
そんな時はなぜ犬がそういった行動を取るのか考え、その原因や環境を変えてあげてください。
どんな時でも大声で怒鳴る、体を叩くといった体罰を行ってはいけません。
また、早い段階で「まて」「おいで」「ふせ」といった、基本的なコマンドを教えることも大切です。
コマンドを覚えることで犬との信頼関係が強まり、何かあった時に危険を回避できる可能性も高まります。
おやつを目の前にして「待て」ができた → たくさん褒めながらおやつを与える
しつけを行う際にはきちんと犬の目を見て、優しいトーンで声をかけることが大切です。
褒め言葉はどんなものでも構いませんが、なるべく統一した方が良いでしょう。
構ってほしくて飼い主に吠える → 視線を合わせず、完全に無視する
犬が困った行動をする時は、その場で対処することが大切です。
なぜなら時間が経ってから対応しても、犬にはどの行動が悪かったのかわからないからです。
無駄吠えをする場合は視線も合わせず無視をして、部屋から出ていく→部屋に戻ることを繰り返します。
少しずつで良いので、「この行動をしても無駄だ」ということを覚えてもらいましょう。
犬の健康を維持するためには、散歩だけではなく適切なケアを行うことも大切です。
この項目ではどんなケアが必要になるのか、1つ1つ勉強していきましょう。
まずは犬のケアの代表格、 「ブラッシング」 について説明していきます。
犬は被毛の長さによって、 「長毛種」 や 「短毛種」 といったグループに分かれています。
基本的に長毛種の被毛は手入れに手間がかかり、短毛種は長毛種より手間がかからない傾向にあります。
しかし、犬種によって手間の具合は異なりますが、ブラッシングをしなくても良い犬種は存在しません。
早めに正しいブラッシングの方法を覚え、習慣にすると良いでしょう。
ブラッシングをするときはまず、被毛の流れを確認します。
そして、被毛の引っ掛かりやごわつきがなくなるまで、丁寧にブラシをかけます。
ブラシは目が荒いものから使い、少しずつ目が細かいものに変えていくと良いでしょう。
仕上げに獣毛ブラシ(豚毛ブラシ)を使うと、毛艶が良くなります。
ブラッシングをすると被毛が整うのはもちろん、血行を良くする効果もあるといわれています。
ブラシをかけながら体のあちこちを触り、一緒に健康チェックをするのもおすすめです。
なお、 ポメラニアン や プードル のような犬種は毛がからみやすく、毛玉ができやすい傾向にあります。
そのため特に念入り、かつ丁寧にブラッシングをしてあげてください。
毛玉ができると見た目が悪くなるだけではなく、怪我や皮膚病の原因にもなります。
なお、犬には「換毛期」と呼ばれる、毛が大量に抜けて生え変わる時期があります。
換毛期は年に2回あり、夏が近づくと暑さに備えた密度が低くて粗い「夏毛」が、冬が近づくと寒さに備えた密度が高い「冬毛」が生えてきて古い毛が抜けていきます。
換毛期になると想像をはるかに超える量の毛が抜けるため、念入りにブラッシングをしてください。
※合わせて読みたい: 犬のブラッシングの効果、方法、道具などを解説
犬は 猫 のようにグルーミングをしないため、定期的にシャンプーをしないと獣臭くなってきます。
そして臭うだけではなく、古い皮脂や汚れがたまることで皮膚の病気にかかってしまうこともあります。
室内飼いでも皮脂に加えてほこりや汚れ、散歩した時の色々な汚れが付着して汚れがたまっていきます。
犬の被毛や皮膚を清潔に保つため、月に1~2回程度はシャンプーをしましょう。
シャンプーをする前にはあらかじめ全身をブラッシングして、毛のもつれや毛玉を除去しておきます。
その後、ぬるま湯で全身を濡らし、犬用のシャンプーを使って全身を洗い上げていきます。
犬と人間では適するpHが異なるうえ、刺激が強いため、人間用のシャンプーは使ってはいけません。
多くの犬は顔から洗うと嫌がるため、背中やお尻など顔から遠い部分から洗い始めると良いでしょう。
全身の毛の根本までしっかりと洗った後は、シャンプーが残らないようにしっかりとすすぎます。
タオルでしっかりと水気を取り除いた後、ブラシとドライヤーを使って完全に乾かして完了です。
犬にとってシャワーやドライヤーの音、そして全身を濡らされることは心地が良いものではありません。
慣れないうちはシャワーの水圧を弱くする、急にお湯をかけない、ドライヤーを急に当てないなどの配慮が必要です。
シャンプー嫌いになると犬も飼い主も苦労するため、怖い思いをさせないようにしましょう。
※合わせて読みたい: 犬のシャンプー、必要性と頻度、やり方、おすすめ商品は?
外で運動する機会が多い犬は爪が地面と触れて、自然とすり減っていきます。
そのため、第一指(人間でいう親指、狼爪とも)以外の爪は切る必要がありません。
しかし、室内飼いで運動量が足りない犬の場合は、全ての指の爪を切る必要があります。
犬は爪が伸びすぎると歩きにくくなり、動くことを嫌がるようになります。
また、伸びすぎた爪が足の肉に食い込み、出血してしまうこともあります。
爪は伸びれば伸びるほど中の血管も一緒に伸びてしまうため、伸びすぎないうちに切りましょう。
自分で爪を切る場合は、動物用の爪切りと念のための止血剤を用意します。
血管は薄いピンク色をしているため、血管を切らないように注意しながらその手前で爪を切りましょう。
爪にスマートフォンのライトや懐中電灯を当てると、血管が浮かび上がって見つけやすくなります。
万一出血してしまった時に備えて、動物用の止血剤を用意しておくとなお安心です。
爪が黒くて血管が見えない場合、自信がない場合は動物病院で切ってもらうのも良い方法です。
犬も人間と同じく、歯磨きをしなければなりません。
なぜならば、歯磨きをしないと歯垢や歯石が溜まり、歯周病や口臭の原因になるからです。
歯磨きは1日1回、可能であれば1日2回(朝晩)行うと良いでしょう。
歯磨きを習慣化するために、子犬の頃からトレーニングを始めることが大切です。
初めは味付きの歯磨きペーストを指に付け、口の周りや中に触れるところから始めます。
その後、ペーストを付けた歯ブラシを舐めさせて口の中に入れ、少しずつ歯磨きに近付けていきます。
歯を2~3本磨けるようになったら、奥歯の方まで歯磨きできるようにトレーニングを重ねていきます。
最初のうちはトレーニングができたら、少量のおやつをあげても構いません。
たっぷりと時間をかけて、飼い主も犬も少しずつ歯磨きに慣れていきましょう。
どうしても歯磨きが苦手な場合は、ガーゼを使ってできる限り歯を磨いてあげてください。
ガーゼでも磨けない場合は、歯磨き効果のあるオモチャやおやつを使用しても良いでしょう。
※参照記事: 犬向けおもちゃ10選!愛犬のストレス解消だけでなくしつけや歯磨き効果も!
「トリミング」 とはハサミやバリカンなどを使い、犬の毛を切り揃えることを指します。
トリミングはおしゃれのために行うものだと思われがちですが、実はそうではありません。
毛が生涯伸び続ける犬種の場合、適切にトリミングしないと毛をが絡まって怪我をしてしまいます。
また、肛門の周辺や足の裏など、特に汚れやすい部分の毛を延ばし続けると雑菌がたまり、皮膚の病気を引き起こすこともあるのです。
長毛種を飼う場合は、定期的に動物病院やペットサロンに行ってトリミングをしてもらいましょう。
もちろん自分でトリミングしても構いませんが、犬の皮膚を傷つけないように気を付けてください。
なお、トリミングは全ての犬種で行う必要はありません。
定期的なトリミングをする必要があるのは、生涯毛が伸び続けるプードルや パピヨン 、 マルチーズ などの犬種に限ります。
「ドッグフード」は、犬を飼育する上で欠かせないアイテムの1つです。
ドッグフードには多くの種類があるため、どれを選んで良いか悩んでしまう方も多いと思います。
悩んだ時はまず犬の好みや扱いやすさ、値段といった観点から検討しても良いでしょう。
当項目ではドッグフードの種類、そしてその選び方のポイントを説明していきます。
なお、市販品のドッグフードに頼らず、食事を手作りするという選択肢もあります。
しかし、素人が犬にとって必要な栄養を厳密に計算し、毎日用意するのは簡単なことではありません。
まずはドッグフードを使用し、慣れてきたら少しずつ手作りの食事を加えていくのも1つの手です。
あまり知られていませんが、犬用のフードには 「総合栄養食」 と 「一般食」 があります。
主食にするドッグフードは、必ず総合栄養食と書かれたものを選んでください。
総合栄養食は、犬が必要とする栄養素を全て含んでいるドッグフードのことを指します。
総合栄養食と水を与えるだけで、犬が必要とする栄養とカロリーを摂取させることができます。
一般食は栄養素より嗜好性を重視した、副食(おやつ)のことを指します。
一般食はあくまでおやつやトッピングの分類になるため、主食にはできません。
ただし嗜好性が高いため、病気や夏バテなどで食欲が落ちている時や投薬をする時に活躍します。
ドッグフードを購入する際は必ずパッケージを確認し、用途に合ったフードを選んでください。
ここまでの説明で、ドッグフードには総合栄養食と一般食があることがわかりました。
しかし、ドッグフードの種類は、総合栄養食と一般食の2種類だけではありません。
実は形状によって、さらにいくつかの種類に分かれています。
この項目では、さらなるドッグフードの種類とそれぞれのメリットとデメリットを説明します。
ドライタイプはドッグフードといわれた時、多くの方が想像する乾燥したフードのことを指します。
ドライフード、カリカリとも呼ばれるドライタイプの特徴は、水分含有量が12%以下と非常に乾燥していることです。
ドライタイプのメリット
ドライタイプのデメリット
セミモイストタイプは水分含有量が25~35%ほど、ドライタイプより柔らかいドッグフードです。
ドライタイプよりも粒が柔らかくて食べやすく、嗜好性が高いのが特徴です。
セミモイストタイプのメリット
セミモイストタイプのデメリット
ウェットタイプは缶詰やパウチに入っていることが多い、水分含有量75%以上のドッグフードです。
他のドッグフードよりも嗜好性が高いため、食欲がないと時でもウェットタイプなら食べてくれることがあります。
ウェットタイプのメリット
ウェットタイプのデメリット
※参照記事: 安心・安全なおすすめドッグフード24選!犬の餌やりの方法や注意点も解説!
ドッグフードにはさらに分類があり、犬の年齢によっても適するフードが異なります。
年齢別の区分としては 「子犬用」 、 「成犬用」 、 「シニア用」 などがあります。
犬は成長段階によって、必要とする栄養素やカロリーの量が異なるもの。
年齢や状態によって適するフードを選ぶことで、犬の健康を維持しやすくなります。
なお、ドッグフードを切り替える時は、一気に全量を切り替えてはいけません。
いきなり食べ物が変わると食べなくなることがあり、またお腹を下してしまうこともあります。
切り替えをする時はもとのフードに新しいフードを少量混ぜ、その割合を少しずつ増やしていきます。
フードの切り替えは7~10日ほどかけて、じっくり行うと良いでしょう。
動物は主食にしている物によって、体のつくりが異なります。
肉食動物は肉の消化吸収が良いため腸が短く、草食動物は草の消化吸収に時間がかかるため腸が長くなっています。
犬はもともと生肉を食べていた肉食動物でしたが、人間との生活に適応して雑食よりになりました。
そのため、犬の腸は純粋な肉食動物よりやや長く、雑食動物である人間よりも短いといわれています。
そんな犬の体のことを考えると、肉や魚の割合が多いフードを選ぶことが望ましいと考えられます。
より原材料にこだわる場合は、具体的な肉の名前まで書かれているものを選ぶことをおすすめします。
量販店やインターネット上で販売されている多くのドッグフードには、添加物が使われています。
添加物の中にも避けるべきものと特に問題がないものがあるため、1つずつ調べていくと良いでしょう。
ここでは1つの例として、 「着色料」 が使われているカラフルで美味しそうなドッグフードを挙げます。
犬は意外と視力が悪くて人間ほど色を認識できず、特に赤色は灰色にしか見えないといわれています。
つまり、着色料が使われているドッグフードがカラフルに見えるのは、飼い主だけということ。
このような理由から、着色料が使われているドッグフードはおすすめできません。
次に多くのドッグフードに使われている、 「保存料」 や 「酸化防止剤」 について考えてみましょう。
保存料や酸化防止剤は添加物ですが、ドッグフードの品質や衛生を保つために必要不可欠なものです。
入っている量が少ない方が良いのはもちろんですが、ひどく気にする必要はありません。
それでもどうしても気になってしまう…という方は、合成添加物を避けるのも1つの手です。
天然由来の酸化防止剤としては、ローズマリーやトコフェロールなどがあります。
私たち人間が普段何気なく口にしている食品でも、犬に与えると中毒を引き起こすものがあります。
この項目では犬と一緒に生活するうえで特に気を付けたい、深刻な中毒を引き起こす可能性がある食品を紹介します。
ネギ類には独特の臭いがある、 「有機チオ硫酸化合物」 という成分が含まれています。
この成分は犬にとって非常に毒性が強く、摂取すると 「タマネギ中毒」 を引き起こします。
犬がネギ類を摂取すると赤血球が破壊され、貧血の症状が現れます。
症状としては血尿や下痢、嘔吐などが見られ、最悪の場合そのまま死んでしまうこともあります。
万一犬がネギ類を食べてしまった場合は、症状の有無に関わらずすぐに動物病院に相談してください。
なお、犬に中毒を起こすこの成分は、加熱しても消えることがありません。
臭いが強い生のネギ類は食べなくても、加熱して甘みが増したネギ類は食べるということはありえます。
生はもちろん、ネギ類が入った味噌汁や鍋などの汁物にも十分注意してください。
※合わせて読みたい: 犬が食べると危険な食材の一つ「玉ねぎ」。その理由と食べてしまった場合の症状や対応について
チョコレートやココアの原料であるカカオには、 「テオブロミン」 と 「カフェイン」 が含まれています。
中でもテオブロミンという成分は犬にとって有毒で、深刻な中毒症状を起こすことがあります。
テオブロミンは人間には有益で、リラックスやダイエット目的でサプリメントに配合されています。
ただ、犬はテオブロミンをうまく代謝できないため、大量に摂取してしまうと死に至ることがあります。
チョコレート中毒の症状としては、嘔吐や下痢、不整脈やふらつきなどが知られています。
犬がチョコレートやココアを食べてしまった場合は、直ちに動物病院に連れていきましょう。
「キシリトール」 はガムやタブレットに使用されている、天然の甘味料です。
虫歯を防ぐ働きがあるといわれている成分で、犬用の歯磨きガムにも含まれていることがあります。
しかし、犬がキシリトールを摂取すると血糖が急激に低下して、低血糖状態になります。
低血糖状態になると意識の低下、けいれん、脱力、昏睡などの症状が起きることがあります。
さらには肝硬変を起こすこともあり、最悪の場合は死に至る可能性もあります。
犬がキシリトールで中毒を起こす量や条件については、現在のところはっきりわかっていません。
キシリトールに対する耐性は個体差が大きく、キシリトールを食べても問題ない犬も存在します。
ただ、外国ではキシリトールを食べて中毒死した犬もいるため、犬にキシリトールを含む食品を与えない方が良いでしょう。
アボカドの果肉や種子、皮には 「ペルシン」 という成分が含まれています。
これは人間には無害ですが、人以外の動物にとっては有毒なことが多い不思議な成分です。
犬がペルシンを大量に摂取すると、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こします。
また、種を丸ごと飲み込むと腸閉塞を、果肉を大量に食べると脂質の取りすぎによる下痢を起こすこともあります。
ただ、果肉を少量食べる程度であれば、問題ないと考えている方も少なからず存在します。
実際に海外ではアボカドを含むドッグフードが製造されており、国内でも販売されています。(メーカーは犬に良質な脂肪を含むアボカドの果肉を与えると、毛艶が良くなると謳っています。)
しかし、安全性も危険性も証明されていないため、心配であればアボカドは与えない方が良いでしょう。
犬がブドウを食べると、急性腎不全を引き起こして最悪の場合は死に至ります。
この症状は 「ブドウ中毒」 と呼ばれていますが、いまだに原因物質がわかっていません。
犬がブドウを食べると数時間で嘔吐が始まり、オシッコが出なくなって死に至ることが多いようです。
治療には大掛かりな設備(透析など)が必要になるため、ほとんどの動物病院では対処ができません。
命にかかわる可能性が非常に高いため、犬には絶対にブドウを含む食品を与えないでください。
なお、生のブドウはもちろん、ブドウを乾燥させたレーズンでも同様の症状が見られます。
むしろ成分が濃縮しているレーズンは、ごく少量(数粒)であっても中毒を引き起こす可能性があることを覚えておいてください。
※合わせて読みたい: 犬はぶどうを食べたら危険!その理由と食べてしまった際の対応について
犬も人間と同じく、さまざまな病気にかかります。
犬の病気は予防接種で防げるものから、先天的なものまで多くの種類があります。
言葉が話せない犬の病気にいち早く気づくポイントは、 「おかしいな?」 と感じたらすぐに病院に連れていくこと。
また1年に1回、半年に1回など定期的に健康診断を受けることも大切です。
この項目では犬がかかりやすい病気と、その代表的な症状について説明していきます。
日本人の死亡原因の1位は悪性新生物(がん)で、死亡総数に占める割合は30%近くになっています。
実は近年平均寿命が伸びていることに伴って、がんを発症する犬も増加しています。
がんは原因不明の病気ですが、長生きすればするほどなりやすいといわれています。
できる場所によって症状が異なりますが、食欲が低下する、体重が落ちる、元気がなくなる、体にしこりができる、呼吸が苦しそうなどの症状が現れることが多いです。
感染症は犬の体内にウイルスや細菌が入りこんで発症する、さまざまな病気のことを指します。
年1回の予防接種が義務付けられている狂犬病や、混合ワクチンで防げるジステンパーや犬パルボウイルス感染症も感染症の1種です。
中でも狂犬病は一度発症すると治療方法がなく、100%死亡するうえに人にも感染する恐ろしい病気です。
日本では1957年以降発生していませんが、今後も狂犬病を発生させないために必ず予防接種を受けてください。
ウイルスや細菌の種類によって症状は異なりますが、発熱や下痢、せきや呼吸困難などが現れることが多いです。
寄生虫による病気とは経口摂取、もしくは蚊やノミに刺されることで寄生虫が体内に住み着き、発生する病気のことを指します。
蚊によって媒介される、死亡率が高いことで知られるフィラリア症も寄生虫による病気の1種です。
虫に寄生されると下痢や軟便、貧血や発育不良などの症状が起こることが多いです。
妙に元気がない、様子がおかしい便が続くと感じたら、動物病院で便の検査をしてもらいましょう。
寄生虫の例
ここでは犬の皮膚に起こるアトピー性皮膚炎や湿疹、膿皮症などの症状を皮膚の病気と表現しました。
比較的よく見られる病気で、原因はアレルゲン物質(ノミやダニ、花粉など)の他、食べ物や蒸れなどさまざまです。
これらの病気では激しく痒がる、皮膚が赤くなる、発疹ができる、フケや脱毛などの症状が現れます。
近年は人間と同じく、アレルギー症状を発症する犬も増えています。
※合わせて読みたい: 【獣医師が解説】犬の皮膚が赤い!臭い!これって皮膚病?原因や治療法は?
関節が変形する、破損するといった原因から発症するのが関節の病気です。
犬種や遺伝的な要因で発症するものも多いため、 愛犬がかかりやすい病気があるか調べておく と良いでしょう。
関節の病気では痛みで足を引きずる、階段が登れなくなる、関節が熱を持つといった症状が現れます。
気になる症状があれば加齢のせいにせず、病院に連れて行きましょう。
ここでは脳や神経に異常な活動が起こり、発症する病気を“その他の病気”としました。
原因が先天性のものであることも多く、継続的な投薬や介護が必要になることが多いです。
これらの病気になると、けいれん、口から泡を吹く、ふらつく、姿勢が保てない、首を片方に傾ける、食欲不振、嘔吐、片目の瞳孔が小さくなるなどさまざまな症状が見られます。
顔周辺にある目や鼻、口などの器官もさまざまな病気にかかることがあります。
他の病気と比較すると見つけやすいため、 毎日しっかり犬の顔を観察する習慣をつける と良いでしょう。
肺や気管、気管支などに発症する病気をまとめて、呼吸器疾患と呼びます。
症状としては呼吸困難、せき、呼吸時に音がする(ヒューヒュー、ゼーゼーなど)などがあります。
呼吸が困難になると生活の質が下がるうえ、症状が進行すると命に関わります。
妙に息が荒い、やたらとせき込むといった症状が見られたらすぐに病院に連れて行きましょう。
全身に血液を送り届ける臓器、心臓に生じる病気を心疾患と呼びます。
心臓の機能が低下し、それに伴う心拍数の増加や心臓の肥大などが見られる命に関わりやすい病気です。
症状としては咳、息切れ、疲れやすい、呼吸困難、むくみなどが見られることが多いです。
心疾患は特定の犬種で発症しやすく、またどの犬種でも老犬になると発症する可能性が高くなります。
肥満は症状を悪化させる原因となるため、肥満にさせないことも大切です。
口から肛門までつながる器官(食道、胃、大腸、小腸など)のことを、まとめて消化器と呼びます。
目に見えない器官ですが、病気になると食欲やウンチに変化が出る(色や量、形など)ことが多いという特徴があります。
症状としては嘔吐、吐血、血便、急に苦しみだす、体重が減少するといったものが挙げられます。
特に「胃捻転」は死亡率が高く、一刻を争う病気です。
犬が食事や遊んだ後に急に苦しみだしたら、すぐに病院に連れて行ってください。
泌尿器とは腎臓と尿管、膀胱と尿道のことを示します。
メスは体のつくり的に尿道口が肛門と近いため、オスよりも膀胱炎を発症しやすい傾向にあります。
泌尿器系の病気になるとオシッコの量が減る・出ない、血尿、嘔吐、けいれんなどの症状が見られます。
日頃からオシッコの状態(色や臭い、量など)をチェックする習慣をつけておくと、異変に気付きやすくなります。
内分泌器官とは、ごく少量で体にさまざまな影響を及ぼす「ホルモン」を分泌する器官のことです。
脳の視床下部や甲状腺、卵巣や精巣などが内分泌器官に該当し、そこから分泌されるホルモンは体の成長や繁殖に至るまであらゆる機能を調整しています。
内分泌系の病気になると、嘔吐や下痢、脱毛や体重減少、元気がなくなるといった症状が起こります。
完全に目に見えない器官であるため、早い段階で病気に気づくのは難しいかもしれません。
「避妊・去勢手術」とは、動物の生殖器を摘出して繁殖ができない状態にする手術のことです。
オスの場合は精巣を、メスの場合は卵巣(もしくは卵巣と子宮)を摘出します。
健康な犬の体にメスを入れ、子どもを産めない体にするのはかわいそうだと考える方も多いでしょう。
しかし、避妊・去勢手術には、デメリットをはるかに上回る大きなメリットがあります。
この項目では避妊・去勢手術のメリットやデメリットについて説明していきます。
避妊・去勢手術に適する年齢は、生後6か月~8か月程度だとされています。
もっと早い段階で実施することもあるため、手術を受ける時期は動物病院で相談すると良いでしょう。
一般的に若い時期に手術を受けると回復が早く、脂肪が少ないため手術の難易度も低いとされています。
手術にかかる費用は、犬種や年齢によって大幅に異なります。
メスの手術は開腹する必要があるため、オスの手術よりも高額になると考えておいた方が良いでしょう。
地域によっては避妊・去勢手術を行う場合、助成金が出る場合があります。
助成金の有無については動物病院、もしくは最寄りの役場に確認してください。
犬は高齢になると、生殖器に関する病気にかかる可能性が高くなります。
特にメスは生殖器が目に見えないため、早期に子宮ガンや子宮蓄膿症などの病気に気づくのは困難です。
気づいたときには高齢で手術もできず、見守ることしかできなかった…という事例も少なくありません。
その点早期に避妊手術をすれば、生殖器系の病気を完全に防ぐことができます。
発情期に起こる発情出血(陰部からの出血)が無くなる 、という点もメリットといえるでしょう。
避妊手術をすると(特にオスは) 気性が穏やかになる 、という点もメリットとして挙げられます。
良いことばかりのように思える避妊手術ですが、当然デメリットもあります。
最大のデメリットは避妊手術をすると、その犬は二度と繁殖できないという点です。
ある日わが子の子どもが見たい、と思っても避妊手術済みの場合はどうにもなりません。
また、 避妊手術の際は全身麻酔をかけることになる という点も見逃せません。
健康な状態での麻酔はリスクが低いといわれていますが、どうしても犬に負担がかかってしまいます。
そして、1つ臓器がなくなって 消費カロリーが減る分、太りやすくなる という点も忘れてはいけません。
※合わせて読みたい: 犬の去勢のメリット・デメリット 時期はいつがいいか、費用、術後のケアは?
犬の寿命は犬種によって異なりますが、おおよそ10~15歳程度といわれています。
一般的に小型犬ほど寿命が長く、 大型犬 になるほど寿命が短い傾向にあります。
近年のドッグフードの質や医療技術の向上により、犬の寿命は少しずつ伸びています。
寿命が伸びるのは喜ばしいことですが、犬も人間と同じく年齢を重ねると筋力や視力が落ちていきます。
そして、犬の寿命が伸びた結果、介護を必要とする老犬が年々増加しています。
私たちは年老いて体の機能が衰え、老犬となった愛犬をどのように介護していけば良いのでしょうか。
当項目では、老犬の介護について説明していきます。
犬は年齢を重ねると少しずつ内臓の機能が衰え、消化吸収能力が落ちていきます。
消化器官になるべく負担をかけないように、まずは年齢に合わせたドッグフードに切り替えましょう。
1回1回のエサの量を減らし、その分回数を増やすのも良い方法です。
食べにくそうにしている、食欲が減っているようであればフードの水分量を増やしてください。
水分量の調整には肉のゆで汁や、ウェットタイプのフードを使うと良いでしょう。
さらに老化が進み、寝たきりになると自力で食事がとれなくなってしまうことがあります。
寝たきりになってしまった場合はスプーンを使い、老犬用の介護食を一口ずつ与えてください。
流動食を与える際はコツがいるため、動物病院で与え方を教えてもらうことをおすすめします。
老化が進んで筋力が弱ってくると、自力でトイレに行けなくなってしまうことがあります。
そんな時は介護用のオムツをはかせるか、寝床にペットシーツを敷いてあげると良いでしょう。
そして、こまめにオムツやペットシーツを確認して、濡れた状態が長く続かないようにしてください。
なお、体が思うように動かずに粗相をしてしまう場合は、絶対に叱らないであげてください。
思うように動けない中で叱られてしまうと犬が自信を無くし、余計に元気がなくなってしまいます。
犬は年齢を重ねると動きがだんだん鈍くなり、寝ていることが増えてきます。
しかし、全く運動をしないとあっという間に筋力が衰え、寝たきりになってしまいます。
寝たきりの生活は認知症を引き起こす原因にもなるため、状態に合わせて散歩をさせてあげてください
ごくゆっくりと歩くだけでも構いませんし、すぐに立ち止まってしまっても構いません。
自分で歩けなくなってしまった場合も、抱っこひもや台車を使って外の景色を見せてあげましょう。
外の空気を感じるだけでも、十分な気分転換やストレス解消になります。
※合わせて読みたい: 大好きな愛犬がシニアになったら考えたい、老犬との過ごし方
犬の寿命が伸びたといっても、彼らの一生は人間と比較するとあまりにも短いものです。
愛犬をどれだけ愛しても、健康に気遣ってもいつか必ずお別れの時がくることを頭の片隅に置いておいてください。
できれば愛犬が元気なうちに、家族で 「その時」 のことを相談しておくことをおすすめします。
たくさん愛情をかけた我が子との別れは、誰にとっても胸が張り裂けそうなほどつらいものです。
それは一緒に過ごした時間が短くても長くても、死因が老衰でも病気でも変わりません。
その時が来たら、死後硬直が始まる前に優しく目や口を閉じて、姿勢を整えてあげてください。
そして、ペットシーツやタオルを敷いた上に寝かせ、体を固く絞ったタオルやブラシできれいにします。
その後、内臓の腐敗を遅らせるために、保冷剤やドライアイスを遺体のお腹を中心に置きます。
残念なことですが、動物の肉体は心臓の動きが止まるとあっという間に腐敗していきます。
愛犬の体が悲惨なことになる前に、適切な方法で埋葬してあげなければなりません。
火葬する場合は、自治体もしくは専門の業者にて対応してもらいます。
お骨の返却を希望するのか、個別で火葬するのかなど各種条件は業者によって異なります。
どの業者に頼むのか、あとあと後悔しないようによく相談すると良いでしょう。
なお、個人で所有している敷地がある場合は、土葬しても構いません。
土葬する場合はなるべく深く穴を掘り、野生動物に掘り返されないように注意してください。
※他人が所有する土地、公共の場所に土葬してはいけません。
愛犬の埋葬が終わって家に帰ってくると、愛犬がいない日常に直面することとなります。
今までいて当たり前だった存在が急にいなくなると、激しい喪失感に襲われて「 ペットロス 」になってしまうかもしれません。
ですが、その悲しくて苦しい気持ちは、あなたがそれだけ我が子を愛したということ。
悲しい気持ちや苦しい気持ちを我慢せず、泣きたい時は思いっきり泣いてください。
同じようにペットを亡くしたことがある方がいたら、気持ちを打ち明けても良いでしょう。
新たに動物を飼うことによって、気持ちが癒されるという方も少なくありません。
なお、ペットロスになるかならないか、またどのくらいの期間なるかは個人差が大きいものです。
ペットロスにならなかったから愛情が薄いということはありません。
同時に、ペットロスの期間が長いからおかしいということも絶対にありません。
※合わせて読みたい: 虹の橋とは?ペットロスを癒す素敵な詩があった
本記事では犬の飼い方についてかかる費用やしつけ、お別れの時のことまで丸ごと解説してきました。
「犬を飼うこと」はかなりお金がかかり、大変なことである…ということが伝わったでしょうか。
犬を家族として迎えるのはとても大変なことですが、とても幸せなことでもあります。
なぜなら正しくしつけられ、多くの愛情を受けて育った犬は素晴らしい家族になってくれるからです。
犬を迎えるということは彼らが産まれてから亡くなるまで、10数年の時を共に生きるということ。
必ず家族全員で犬を迎えることについてよく話し合い、万全に支度をしてから迎えてください。
そして、犬を迎えたならば、ぜひたくさんの愛情をかけてかわいがってあげてください。
この記事を読んだ方が素敵な家族に巡り合い、素敵な生活を送れることを心から願っています。
▼合わせて読みたい
公開日 : 2016/06/02