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「保護犬」と「殺処分」の問題。1頭でも不幸な犬を減らすために出来る活動とは






社会問題として大きく取り上げられている「保護犬」の問題。

政治の公約に掲げられたり、自治体の目標にもなっている「殺処分」の問題にも直結する保護犬の問題ですが、人によっては「保護犬」という言葉は様々な解釈で捉えられているものでもあります。

そこで今回は、保護犬に関しての考え方や捉え方、さらには保護犬や殺処分についての問題について解説していきたいと思います。

【目次】「保護犬」と「殺処分」の問題。1頭でも不幸な犬を減らすために出来る活動とは

 

1ページ目 :

 

1.「保護犬」とは?

「保護犬」と「殺処分」

「収容犬」から「保護犬」へ

「保護犬」という言葉が一般的となった出来事

被災犬から保護犬に

2.保護犬と「殺処分」の現状について

年間に殺処分される犬の数とは

都道府県で見るとまだまだの現状

都道府県によっても異なる、犬猫の処分数

3.保護犬と自治体の活動について知りたい!

神奈川県:犬・猫の殺処分ゼロを継続中

熊本市:殺処分ゼロに乗り出したセンター職員

札幌市:販売の現場から現状を変える「8週齢規制」

青森県:女子高生たちが動き出した「命の花プロジェクト」

4.保護犬と「ドイツの動物保護事情」について知りたい!

ドイツでは殺処分が行われない?

ドイツの動物保護施設「ティアハイム」

1万頭以上が引き取られ、9割が譲渡されるティアハイム

 

2ページ目 :

 

5.保護犬の飼い方について知りたい!

保護犬との接し方

慣れない原因を突き止めましょう

6.保護犬を迎え入れる際の疑問

保護犬のしつけについて

保護犬は多頭飼いに向いている?向いていない?

保護犬の名前は変えるべき?

保護犬の誕生日は?

7.保護犬と暮らすための準備

ペット保険の加入を検討しましょう

保護犬にマイクロチップは必要?

保護犬は避妊手術・去勢手術を行なったほうが良い?

行きつけの動物病院を探し、健康診断をしてみましょう

8.保護犬を受け入れる方法について知りたい!

保護犬の引き取りの条件とは?

保護犬のトライアル

保護犬の譲渡会に参加してみる

保護犬が居るカフェ

9.保護犬を間接的に助ける方法について知りたい!

保護犬・慈善団体への「寄付」で参加

「ふるさと納税」で参加

「スタッフ」になって参加

10.保護犬に関連した作品

・【映画】犬に名前をつける日

・【絵本】ある犬のおはなし

・【書籍】世界でいちばんかなしい花

・【書籍】命を救われた捨て犬 夢之丞 災害救助 泥まみれの一歩

11.保護犬のまとめ

 

1.「保護犬」とは?

 

近年ではよく耳にするようになった「保護犬(ほごけん)」という言葉。

保護犬とは、大枠で説明すると「飼い主がいない犬」の事。

この「飼い主がいない犬」を「保護」した状態で初めて、「保護犬」と呼ぶようになりました。

 

そして、こうした犬たちを保護しているのが、各都道府県にある動物愛護センター、もしくは動物ボランティア団体です。

単に保護犬と聞くと「保護されて安心だね・良かったね」と感じてしまいますが、「保護犬」となってしまった背景には、それぞれの犬におかれた様々な問題が見られます。

 

「保護犬」だからと言って飼い主が決まったわけではなく、「命を繋ぎ止める猶予を与えられた」と言ったほうが正しいのかもしれません。

そのため、あくまでも保護犬はスタートの状態であって、保護されたからと言って安心できる状態ではないのです。

 

「保護犬」と「殺処分」

 

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この「保護犬」という言葉が一般的になる少し前には、「 殺処分 」という言葉もよく聞くようになっていました。

殺処分とは、全国都道府県にある動物愛護センターへ が一時的に「収容」もしくは「保護」された後、殺されて「処分」される事を言います。

こうして殺処分される犬も、動物愛護センターに入れられた時には「収容」するとも言われますが、「保護」するとも言われます。

 

「収容犬」から「保護犬」へ

 

 

動物愛護センターへ収容されると、一定期間が過ぎても飼い主が現れなかったり、引き取る人がいない場合には、最終的に殺処分されることとなります。

動物愛護センターへ収容される経緯には、野良犬の状態で保護される場合や、飼い主が飼育できなくなったために連れてこられるなど、色々な状況があります。

しかし、どのような理由があっても、犬を殺処分するという現状は理解に苦しむ所です。

 

近年ではこの「殺処分」に反対する動きも強くなり、動物愛護センターから民間の動物ボランティア団体が犬を引き取るという事が多くなっています。

こうして動物愛護センターからボランティア団体に「保護」された犬もまた、保護犬と呼ばれます。

近年では保護犬というと、この動物ボランティア団体に保護された犬のことを指すことが多くなりました。

 

「保護犬」という言葉が一般的となった出来事

 

保護犬という言葉が世の中に一気に浸透したのが、2007年7月16日に発生した「新潟県中越沖地震」や、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」といった未曾有の大震災によるものだったのではないでしょうか。

これらの震災は多くの人命を奪っただけではなく、様々な問題が表面化したものでもありました。

その中の一つの問題として、被災地での行き場をなくした犬を始めとしたペット・家畜の問題が大きく取り上げられたことは、皆様の記憶にも新しいのではないでしょうか。

 

多くの犬・猫等のペットや、馬・牛などの家畜は放射能汚染による問題で、為す術がないままとなってしまいました。

また一方では、野生化してしまった犬や猫、なんとか命を繋ぎ止めて生きながらえていたペット達もいました。

こうしたペット達を、当時は「被災犬」や「被災猫」と呼ぶようになっていました。

 

被災犬から保護犬に

 

ペット達を救うため日本全国のボランティア団体や動物愛護団体が立ち上がり、現地では様々な活動を行い、犬を始めとしたペット達を救済していた様子は、連日のように報道されていました。

被災地での活動で保護される被災犬もいましたが、中には被災地に留まることができずに他の場所へと移動を余儀なくされ、各地の「シェルター」へと保護されることになった被災犬・被災猫もいました。

このような出来事が起きる前までは、飼育放棄や野良犬となった犬が収容・保護されることが一般的となっていましたが、大きな不幸によって行き場をなくしてしまった犬達もまた、「保護犬」として保護されるようになったのです。

 

 


2.保護犬と「殺処分」の現状について

 

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保護犬という状態であっても、そのきっかけや境遇によって大きな違いがあるということがわかりました。

ここからは具体的に、犬が殺処分されている現状について理解を深めていきたいと思います。

 

近年では前述の通り、殺処分に対する意識も大きく変わってきています。

テレビなどでも「殺処分0達成」と言ったような報道も、目にしたことがあるのではないでしょうか。

 

一昔前とは違い、近年では民間のボランティア団体をはじめ、民間の企業や個人などもこの「殺処分」や「保護犬」の問題に対する取り組みに参加するようになっています。

こうした動きもあり、一部の自治体では殺処分される犬が0頭という成果を上げることも出来ているのです。

 

年間に殺処分される犬の数とは

 

全国で合計すると、犬だけでも平成16年度は引き取り数の合計が181,167匹、このうち返還・譲渡された数が25,297匹、殺処分の数は155,870匹という数になっています。

平成28年度になると、引取数の合計が41,175匹、このうち返還・譲渡された数が30,500匹、殺処分の数は10,424匹という数字になりました。

このように、近年では殺処分や動物愛護の関心も強まってきていることから、犬の殺処分の数や引取件数も大幅に減ってきている事がわかります。

 

とはいえ、冷静に「1万匹以上」という数字をみると、まだまだ厳しい道のりと言えるのではないでしょうか。

上記は犬の数値となりますが、猫の現状としては平成28年度の時点であっても年間に72,624匹が引き取られ、45,574匹もの猫が殺処分となっています。

 

都道府県で見るとまだまだの現状

 

前述で触れた「殺処分0を達成」しているのは自治体レベルでの話。

都道府県として見てみると、実はまだまだ殺処分0を成し遂げれていない状況です。

なお、下記のランキングは純粋に「殺処分数」だけの数で比較したもので、殺処分ではなく収容中に亡くなった犬猫の数も含まれます。

 

◎都道府県別で見た、「犬猫」の殺処分数ベスト5(平成28年度)

 

1.岡山県 31匹(引取り数 519匹 / 6%)
2.東京都 39匹(引取り数 1,059匹 / 4%)
3.福井県 127匹(引取り数 571匹 / 22%)
4.京都府 162匹(引取り数 285匹 / 57%)
5.富山県 208匹(引取り数 383匹 / 54%)

 

◎都道府県別で見た、「犬猫」の殺処分数ワースト5(平成28年度)

 

1.愛媛県 2,381匹(引取り数 2,629匹 / 91%)
2.香川県 2,261匹(引取り数 2,920匹 / 77%)
3.福島県 2,246匹(引取り数 3,011匹 / 75%)
4.茨城県 2,183匹(引取り数 3,705匹 / 59%)
5.群馬県 1,793匹(引取り数 2,488匹 / 72%)

 

◎都道府県別で見た、「犬」の殺処分数ワースト5(平成28年度)

 

1.香川県 2,050匹(猫の殺処分数 879匹)
2.愛媛県 1,127匹(猫の殺処分数 2,835匹)
3.徳島県 841匹(猫の殺処分数 549匹)
4.茨城県 772匹(猫の殺処分数 3,200匹)
5.沖縄県 614匹(猫の殺処分数 988匹)

 

◎都道府県別で見た、「猫」の殺処分数ワースト5(平成28年度)

 

1.茨城県 3,200匹(犬の殺処分数 772匹)
2.愛媛県 2,835匹(犬の殺処分数 1,127匹)
3.宮城県 2,818匹(犬の殺処分数 115匹)
4.群馬県 2,577匹(犬の殺処分数 254匹)
5.兵庫県 2,500匹(犬の殺処分数 264匹)

 

※データ参考「環境省自然環境局 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容状況(都道府県・指定都市・中核市)」

 

都道府県によっても異なる、犬猫の処分数

 

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殺処分数はもちろんですが、特に意識したい所が「引取り数」の合計と、その数に対しての割合(%)です。

「岡山県」に関しては、殺処分となったのが全体の6%、つまり残りの94%は譲渡や保護犬、もしくは収容されたままで助かることが出来ています。

 

一方、ワースト1位となってしまった「愛媛県」に関しては、全体の91%が殺処分の対象となり、譲渡・保護犬等で助かったのは僅かに9%に留まっています。

また「犬」「猫」と分けてみてみると、その数字も大きく異なってくることがわかり、犬の殺処分が多い場所・猫の殺処分が多い場所に若干の違いがあることがわかります。

 

具体的に都道府県別を数字として見てみると、行政・民間一体となった取り組みを強化している・していないの差、飼い主の飼育方法や命に対する市民意識の差が見えてきてしまうような気がします。

厳しい言い方になるかもしれませんが、不幸な犬猫を減らすためには行政や民間団体だけに頼るのではなく、市民一人一人の「目」や「行動」が無ければ、状況を変えることも難しいのです。

 

 

3.保護犬と自治体の活動について知りたい!

 

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ショッキングな数字が並びましたが、実際に殺処分数を減らすことに成功している自治体もあることから、殺処分0という状態も夢ではない事だとわかります。

ただし、本当に目指すべきは「殺処分0」という目標ではなく、あくまでも「収容数0」「保護犬0」という状態ではないでしょうか。

 

つまりは、飼い主の「ペットを飼育する」モラルの向上が一番に大切なことであり、捨て犬を1頭でも減らすことに意識しなければいけません。

捨て犬となる犬の状況には、前述でも触れた「被災犬」のような状況以外にも、

 

・一般の飼い主による飼育放棄(捨て犬)
・飼い主が高齢化した事による飼育放棄
・飼い主が病気・死亡した事による飼育放棄
・一般の飼い主による多頭飼育の崩壊
・悪徳ブリーダーの崩壊による飼育放棄
・悪徳ペットショップの経営崩壊による飼育放棄
・災害等による保護

 

などが挙げられますが、こうした問題以外にも様々な状況で捨てられる事があります。

しかしながら、差し迫っている問題を解決していく必要もあるため、近年では自治体と民間ボランティア団体が連携を取り、問題を解決していくことが基本となってきました。

 

神奈川県:犬・猫の殺処分ゼロを継続中

 

2008年に「神奈川県動物愛護管理推進計画」を策定した神奈川県。

これを機に、神奈川県では動物愛護団体と連携を進めて、殺処分ゼロへの取り組みが本格的に始まりました。

 

こうした動きもあり、神奈川県は2013年〜2016年の4年連続で犬の殺処分ゼロを達成、猫の殺処分に関しても2014年〜2016年と3年連続でゼロを達成しています。(2017/10月現在)

現在も殺処分ゼロは継続され、今後は更にその先となる「処分するための施設から生かすための施設へ」の転換が進められています。

 

この成果もボランティア団体の活動によるものももちろんですが、県民の方の取り組みに対する意識も違っているようです。

具体的にはマイクロチップの導入促進など、所有者明示の普及が進んでいる神奈川県。

今後も動物愛護問題に関して、日本国内をリードする県となるでしょう。

 

熊本市:殺処分ゼロに乗り出したセンター職員

 

熊本市では2014年に、熊本市動物愛護センターにて犬の殺処分ゼロを達成。

こうした功績は、実際に殺処分を行わなければならないセンター職員による努力や考えが元となったようです。

 

平成13年に所長になった淵邊さんがセンター職員一人一人に気持ちを聞いてみたところ、一様に殺処分したくないという気持ちでいた事を知り、こうした状況を変えるべく動き出したのです。

その後は現状を改善すべく「動物愛護推進協議会」が結成、「獣医師会」「ペット業界」「動物愛護団体」の各界から25名が参加しました。

異種とも呼べるこれら各界が集まり、同様に一致した考えは殺処分ゼロというものでした。

 

殺処分ゼロへの取り組みが始まり、熊本市動物愛護センターは安易な引き取りは行わずに説得を続け、殺処分せざるを得ない時には飼い主を立ち会わせるなど、「嫌われる行政」へと変わっていきます。

こうした地道な活動が報われ、2014年から1年7ヶ月の間は殺処分ゼロを成し得たのです。

 

無責任な飼い主は減少傾向にあったものの、熊本地震の影響により被災犬や迷子の犬が増加してしまったためというのもあったでしょう。

センターだけでの活動では限界があったためにゼロ行進というわけにはいきませんでしたが、熊本市でのこうした動きは全国区へと伝わり、殺処分問題にいち早く取り組んだ功績として伝わりました。

 

札幌市:販売の現場から現状を変える「8週齢規制」

 

殺処分の問題に直結しないものの、不幸な犬を増やさないための政策として札幌市が掲げた政策が「犬猫の8週齢規制」。

この8週齢規制というのは、ペットショップなどで販売される子犬・子猫を生後8週間は引き離してはいけない・販売してはいけないというもの。

 

これまで、犬猫は5週間過ぎから販売されることがありましたが、子犬にとっての5週間というのはまだ離乳も済んでいない犬もいれば、「親」からの十分な「栄養」や「躾」が入っていない犬もいました。

そのため子犬は十分な社会性を身につけられないまま販売に出され、やがては問題行動を取るようになり、知識のない飼い主が飼育放棄をするという悪循環を生んでいます。

 

十分な政策ではないにしても、不幸な犬猫を1頭でも出さないための小さな一歩となる条例が、この「8週齢規制」なのです。

また、札幌市はボランティア団体の協力が功を奏し譲渡率が向上、札幌市動物管理センターの収容期間も、これまでの7日間から無期限に延長されました。

札幌市での犬の殺処分数は、2014年からゼロとなっています。

 

青森県:女子高生たちが動き出した「命の花プロジェクト」

 

 

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テレビでの報道でも有名になった、青森県立三本木農業高等学校(動物科学科愛玩動物研究室)の女子高生たちが始めた「命の花プロジェクト」。

この命の花プロジェクトは、彼女たちが殺処分される動物たちの現状を知るために「青森県動物愛護センター」を見学したことから始まりました。

 

当時の青森県で、年間2000頭もの動物が殺処分されるという残酷な現状もさることながら、彼女たちが最も衝撃を受けたのが、殺処分された後の動物たちの姿でした。

あまりクローズアップされることがありませんが、殺処分されたあとの動物たちは「事業系廃棄物」として処理されることとなり、遺骨はゴミとして廃棄されることとなります。

 

殺処分という現実も衝撃的ですが、遺骨がゴミとして積み上げられている現実に、彼女たちは大きなショックを受けることとなります。

せめて土に還してあげたいという彼女たちの気持ちは、遺骨を砕いて土に混ぜ、その土で花を育てる「命の花プロジェクト」という形で動き出しました。

2012年から始められているこの命の花プロジェクトは、有名芸能人をはじめ、多くの市民をも巻き込むプロジェクトとして成長し、殺処分という現実と向き合う大事な機会を与えるものへと成長しています。

 

平成28年度の青森県の犬猫殺処分の数は、1,052頭の引き取りに対して643頭の殺処分。

数字的にはまだまだ減らせる数ですが、彼女たちの勇気ある行いは、多くの動物達の命を繋ぎ止めているのです。

 


4.保護犬と「ドイツの動物保護事情」について知りたい!

 

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犬猫の扱いなど、「動物愛護」という観点で話をする際によく引き合いに出されるのが、ペット先進国と言われる「ドイツ」です。

ドイツは日本で考えるよりも、遥かにペットに対しての考え方がより人間に対するものに近く、「人」と「犬」との差が限りなく近いものになっています。

例を挙げてみると、 ドッグフード などに使用される原材料は人間が食べられる部位・グレードでなければならなかったり、バスやデパートも犬と同伴で入ることが出来ます。

 

また、これらの「決まりごと」は法律で定められたものであります。

ただし、ドイツでは犬を飼育する際には「犬税」が課せられ、年間1〜2万円の犬税を収める必要があります。

この犬税は、可愛いからと言って安易に犬を飼ってしまう抑止力になるだけでなく、公共の清掃費や街中に設置されるうんち袋の整備など、公共の様々な部分に犬税が使われています。

 

ドイツでは殺処分が行われない?

 

ドイツの「ティアハイム(Tierheim)」という施設をご存知でしょうか。

近年では日本における、犬の殺処分問題に対してのひきあいで、このドイツのティアハイムが紹介される事が多くなりました。

 

そしてよく聞かれるのが、ドイツは犬の殺処分0という話です。

この、ドイツの殺処分0という数字。

前述のように、犬に対しての人との関わり方を考えると、殺処分0という数字も不思議では無いように思いますが、実は一概に0とは言えないのかもしれません。

 

というのも、ドイツでは日本のような動物愛護センターを行政が運営していないため、そもそも殺処分事態が存在していないのです。

とはいえ、犬税が課せられるドイツにも犬を粗末に扱う人間は存在するようで、飼育放棄される動物も少なくありません。

そこで登場してくるのが「ティアハイム」と呼ばれる施設です。

 

ドイツの動物保護施設「ティアハイム」

 

 

ドイツでは「ティアハイム」と呼ばれる施設で、捨て犬の保護や里親探しが行われており、ドイツ国内の500ヶ所以上にこのティアハイムが存在しています。

ティアハイムはドイツ語で「保護施設」の意味を持ちますが、日本の「動物愛護センター」とは大きく異なる施設となっています。

 

特筆すべき相違点は、ティアハイムは企業や市民からの寄付金等によって成り立っており、行政は一切介入していないという点。

先に、ドイツでは犬税が課せられると説明しましたが、ティアハイムの運営資金は犬税から使われることはありません。

 

例を取ると、ドイツでも最大規模のティアハイム「ティアハイム・ベルリン」(東京ドーム4個分の大きさ!)を運営するベルリン動物保護協会では、会員から年間20ユーロ(2,700円ほど)を募り、会員数は15,000人にもなるのだそう。

 

1万頭以上が引き取られ、9割が譲渡されるティアハイム

 

 

ドイツでは殺処分が行われないといった認識や、犬税の導入で犬が大事にされているという認識を持ちますが、そんなドイツでも年間に1万頭以上の動物がティアハイムにやってきます。

しかし一方では、9割もの動物が新しい飼い主と出会い、ティアハイムを巣立って行く現状があるのです。

 

またこのティアハイムの多くは、日本の動物愛護センターのようなイメージとは違い、より厳密に清潔に管理されている「ペットショップ」のイメージに近い施設になっています。

そのため、新たなペットを迎え入れるのにティアハイムを訪れる人も少なくはありません。

このように、ドイツでは犬に対しての考え方や飼育の仕方、ペットの迎え入れ方が日本とは大きく異なるのです。

 

ドイツでは市民の考え方や取り組み方の違いがあるため、日本の現状に当てはめて考えることは難しいのですが、日本でもこの「ティアハイム」を目指していこうといった取り組みも多く見られるようになってきました。

日本では平成16年度の統計で見ると1割弱しか譲渡されていなかったのに対し、平成28年度の統計では7割弱にまで譲渡率が上がってきています。

 

 

ここまでは、保護犬に関連する状況について解説していきました。

次のページからは、実際に保護犬を迎え入れる際の具体的な事について説明していきたいと思います。


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