本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
フクロウは鋭い爪とくちばしを持ち、動物の肉を食べる鳥類 「猛禽類」 の一種です。
全世界には200種を超える仲間がいて、そのほとんどが夜に狩りをする 夜行性 です。
南極を除く世界中に生息し、日本にも数種類のフクロウが生息しています。
先程も説明しましたが、世界には200種を超えるフクロウが存在すると言われています。
あまりにも数が多いため、この記事で全てのフクロウを紹介することできません。
そのため、この項目ではペットとして飼われることが多いフクロウを中心に、5種のフクロウについてその生態や生息地を紹介していきます。
アフリカに生息する、フクロウの仲間"コノハズク”の一種です。
かわいらしい見た目に加えあまり大きくならないことから人気が高く、ペットとして飼育している人が多い種類です。
名前だけ見ると体が大きいように思えますが、全長は20cmほどしかありません。
実は“コノハズク”の仲間は全体的に体が小さく、アフリカオオコノハズクはコノハズクの中では大きいためこのような名前が付けられているそうです。
アフリカオオコノハズクは、体を細めて木に擬態する姿や、威嚇して体が大きく膨らませる姿がテレビで取り上げられ、一躍有名になったことがあります。
学名:Otus suniaPtilopsis leucotis
生息地:アフリカ(サハラ砂漠以南)
体長:19~24cm
寿命:15年ほど
※合わせて読みたい: 「けものフレンズ」にも登場!小さくて可愛い「コノハズク」の生態やペットとしての飼育方法
シロフクロウは、その名の通り全身が真っ白い羽毛に覆われたフクロウです。
映画“ハリー・ポッター”の主人公・ハリーのペット、ヘドウィグといえばすぐにイメージができる方も多いのではないでしょうか。
若いシロフクロウは全身が黒や灰色の羽毛で覆われており、成長に伴って全身が白くなっていきます。
そして、オスは全身がほぼ真っ白になりますが、メスは白い羽毛に黒や茶の模様が残ります。
ヘドウィグは本来メスのシロフクロウですが、映画ではオスのシロフクロウが役を演じたそうです。
基本的に北極圏で生息するシロフクロウですが、まれに渡り鳥として北海道に飛来することもあります。
学名:Bubo scandiacus
原産地:北極圏(ツンドラ地帯)
体長:66~72cmほど
寿命:25年ほど
※合わせて読みたい: ハリーポッターにも登場!シロフクロウの生態や飼い方
メンフクロウはお面を被ったような、独特な顔つきが特徴的なフクロウです。
野生における生息数や亜種が非常に多く、世界中に広く生息しています。
人の生活圏に巣を作って生活することが多く、英語では「Barn Owl」(納屋のフクロウ)と呼ばれているそうです。
そのためか比較的人に慣れやすく、フクロウの仲間の中では比較的飼いやすい種類と言われています。
学名:Tyto alba
原産地:アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、東南アジア、オーストラリア
体長:35~40cm
寿命:10〜15年ほど
※合わせて読みたい: ハリーポッターにも登場!神秘的な雰囲気「メンフクロウ」の生態や飼い方
モリフクロウは、森林に生息するフクロウです。
日本に生息するフクロウ(ウラルアウル)と似ていますが、全く別の種類で日本には生息していません。
モリフクロウの特徴は頭が大きくて全体的にずんぐりとしている、実にフクロウらしい体型。
性格はおっとりしていて大人しく、比較的人に慣れやすいようです。
見た目のかわいらしさと慣れやすさから、ペットとしての人気が高い種でもあります。
学名:Strix aluco
生息地:ヨーロッパ全域、アフリカ北西部
体長:37cm~43cm
寿命:15~20年ほど
コキンメフクロウは非常に体が小さいフクロウで、英語でも「Little owl」と呼ばれています。
そんなコキンメフクロウは、ギリシア神話では女神アテナの使いとされている鳥です。
学名にも「Athene」の名前が付けられ、知恵や芸術、農業の象徴とされています。
かわいらしい見た目のコキンメフクロウですが、神経質で攻撃的な傾向が強いとされています。
また、小さな体からは想像もできないくらい鳴き声が大きいため、猛禽類初心者にはおすすめできません。
学名:Athene noctua
原産地:ヨーロッパ、東南アジア、北アフリカ、中近東、中国
体長:19~23cm
寿命:15年ほど
ここまでフクロウには多くの種類があることを紹介してきました。
ところでフクロウと似た鳥で、 「ミミズク」 という鳥がいるのはご存じでしょうか。
ミミズクの仲間は名前に「◯◯ズク」と付くことが多く、先程紹介したフクロウたちの中では「アフリカオオコノハズク」がミミズクの仲間に当たります。
フクロウもミミズクも、どちらも分類上は「フクロウ目フクロウ科」の動物です。
そしてどちらも目が丸くて大きく、ふわふわの羽に覆われた猛禽類というところも同じです。
生態にも見た目にもほとんど差がなく、唯一の違いが 「羽角(うかく)」 と呼ばれる耳のように見える羽毛があるかないかという点です。
基本的に羽角があればミミズクの仲間、なければフクロウの仲間と考えると良いでしょう。
しかし 「ウサギフクロウ(タテジマフクロウ)」 のように羽角があるフクロウもいれば、 「アオバズク」 のように羽角がなくても◯◯ズクと名付けられているミミズクもいるため、一概には判断できないのがややこしいところです。
なお、羽角は耳のように見えますが、人間の耳と違って音を集めるような作りにはなっていません。
一部の鳥になぜ羽角があるのか、どのように役に立っているのかはまだはっきりとわかっていません。
フクロウには多くの種類があり、その大きさも千差万別です。
最も小さなフクロウの一種 「スズメフクロウ」 は体長15cmほど、世界最大のフクロウの一種 「カラフトフクロウ」 は体長61~84cmほどとかなりの差があります。
カラフトフクロウが翼を広げると、その大きさはなんと1.4mほどになるそうです。
ちなみに、ペットとして飼育されているフクロウは、20~40cm程度の大きさのものが多いようです。
それ以上の大きさになると、飼育環境を整えるだけでも相当な費用とスペースが必要になります。
フクロウは 「ホーホー」「ホッホッホッ」 「ゴロスケホーホー」 といった声で鳴きます。
そして、威嚇する時は 「ギャア」 と想像以上に大きな声で鳴きます。
実はフクロウはあまり鳴かないとも、声が大きいとも言われる両極端の意見がある動物です。
フクロウが鳴くかどうか、鳴き声が大きいかどうかは種類や個体差による違いが大きいようです。
つまり 「鳴かないと思って飼ったら想像以上にうるさかった!」 という事態が起こるかもしれません。
集合住宅でフクロウを飼う場合は、騒音対策や近所への配慮は必須と考えておいた方が良いでしょう。
フクロウは猛禽類、つまり肉食性の動物です。
野生では ネズミ や イタチ などの小型哺乳類や小鳥、昆虫を捕獲して食べています。
種類によっては魚を捕り、食べているフクロウもいるようです。
フクロウの大きな特徴の1つが、 「首が横方向に大きく回転すること」 です。
動物園やカフェなどでフクロウの背中側を見ていたら、急にこちらを向いて驚いたという経験がある方もいるのではないでしょうか。
フクロウの首は1回転まではできませんが、 最大でなんと270° まで回すことができます。
これほど首が回る理由は、彼らの体つきと食生活にあると考えられています。
フクロウは、目が顔の真正面についている動物です。
動物の目は真正面についていると物を立体的に見ることができる代わりに、物が見える範囲が狭いという弱点があります。
小動物を狩るフクロウたちはその弱点を補うため、首を回して視野を広く保ってるようです。
もう1つ、フクロウならではの特徴は 「非常に静かに空を飛ぶこと」 。
彼らの羽音は非常に静かで、近くで飛び立ったとしてもほとんど音がしません。
フクロウの羽音が静かな理由は、ずばり “狩りの成功率を上げるため” 。
主に夜活動し、小動物を捕らえて食べる種類のフクロウは総じて羽音が静かだと言われています。
フクロウが静かに飛べる秘訣は、風切り羽に生えている 「セレーション」 と呼ばれるギザギザの羽毛にあります。
羽毛のギザギザが空気を拡散することにより、静かな飛行を可能にしているのです。
なお、この仕組みは新幹線の騒音対策にも生かされ、私たちの生活を影ながら支えてくれています。
フクロウの繁殖事情は、種類によって大きく異なります。
1例となりますが、野生のフクロウ(ウラルアウル)は孵化後10か月程度で繁殖できるようになります。
そして、年に1回(3~5月頃)繁殖期を迎え、1回の産卵で2~5個の卵を産むとされています。
フクロウはもともと神経質な動物ですが、繁殖期を迎えると更に神経質な傾向が強くなります。
中にはパートナー以外の動物に対して攻撃的になり、孵化した雛を食べてしまう個体もいます。
自宅で繁殖を目指す場合はフクロウが交尾や子育てに専念できる、静かで安定したスペースを確保することが必須事項と言えるでしょう。
フクロウは種類が多く、その生態は簡単にはまとめられません。
ここでは一例として、日本に生息しているフクロウ(ウラルアウル)の生態をまとめています。
分類:鳥綱 フクロウ目 フクロウ科
和名:フクロウ、梟
学名:Strix uralensis
英名:Ural owl
分布:ユーラシア大陸北部(スカンジナビア半島から日本にかけて)
大きさ:50~59cm
鳴き声:「ホーホー」「ホッホッホッ」「ゴロスケホーホー」
食性:肉食
繁殖:
性成熟・孵化後約10か月
孵化日数・27~29日
寿命:15〜20年
ここまではフクロウの生態や種類について説明してきました。
ここからは、フクロウをペットとして飼いたい!と考えている方に向けて “ペットとしてのフクロウ” について説明していきます。
「フクロウをペットとして飼うこと」 は法律的にも技術的にも可能なことです。
しかし、ペットとしての歴史が浅く、飼育方法が確立しきれていないフクロウを飼うことは簡単なことではありません。
まずはフクロウをペットとして飼う場合の購入方法、そしてフクロウの値段についてご紹介します。
フクロウは猛禽類の知識が豊富なショップや専門店、ブリーダーから購入しましょう。
まれに一般的なペットショップでも販売されていることがありますが、猛禽類の知識がないショップから購入することはおすすめできません。
なぜなら、猛禽類を初めて飼育する場合、次から次へと相談したいことが出てくる可能性が高いからです。
特に初心者の方は猛禽類に詳しいスタッフがいる、猛禽類専門店やブリーダーから迎えることをおすすめします。
なお、日本国内には野生のフクロウが数種類生息しています。
しかし、野生のフクロウは種類を問わず 「鳥獣保護法」 によって保護の対象となっています。
そのため、ペットとして飼うために捕獲するのはもちろん、仮に怪我をしたフクロウや迷子になった雛であっても、無許可で保護・飼育することはできません。
どのような理由でも鳥獣保護法に違反した場合は、 6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金 に科せられる可能性があります。
もしフクロウを保護するような事態になった時は、必ず市町村の役所に連絡・相談をしてください。
フクロウの値段は種類によって異なりますが、 おおよそ15万円から60万円ほど のようです。
珍しい種類やカラーの場合、なんと100万円以上になることもあります。
フクロウをお迎えする際は値段だけで決めず、必ず健康状態を確認することをおすすめします。
フクロウを迎える場所を決めたら、次にフクロウを飼うための準備を整えていきましょう。
猛禽類を飼うために使う道具は、一般的なペットショップでは置いていないものばかり。
買い忘れて焦ることが無いように、必要な物を確認しながら1つ1つ念入りに準備を進めましょう。
まずはフクロウを飼育するにあたって、必要なアイテムを用意しましょう。
フクロウには大きく分けて 「放し飼い」、「半放し飼い」、「係留飼育」、「ケージ飼育」 の4つの飼い方があります。
飼い方によって用意すべきものが異なりますが、猛禽類初心者の場合は「半放し飼い」か「係留飼育」をおすすめします。
どの飼育方法を選ぶとしても、まずは下記5つのアイテムを揃えておきましょう。
フクロウで使う道具パート2!
— 豊橋総合動植物公園(豊橋のんほいパーク (@non_hoi_park) January 18, 2019
右からエサ入れ、ピンセット、アンクレット、アンクレット用の留め具
となります。
エサ入れとアンクレットは自作なんですよ✨ #のんほいパーク #のんほい月別 #豊橋 #動物園 #フクロウ #道具 pic.twitter.com/Eeq9AsiL9v
「アンクレット」とは、フクロウの足に付ける足革のことです。
次に説明する「ジェス」を取り付けるために必要なもので、フクロウにとっては首輪のような役割を果たします。
メンフクロウさん用のジェスを
— ふくろうの集うカフェQuill @中崎町 (@CaffeQuill) July 24, 2019
たくさん作りました🌱🦉🌱 #中崎町 #フクロウカフェ #ふくろうカフェ #ふくろう #フクロウカフェ #ふくろうの集うカフェQuill pic.twitter.com/pdXp1QAd19
「ジェス」は先程説明したアンクレットに通して使う、手綱のような役割を果たすアイテムです。
革製やロープ製のものがありますが、革製の方が固くて丈夫だと言われています。
ユーラシアワシミミズク用のリーシュとロープジェスを頼まれたのでザイル(登山用ロープ)を使って制作。
— 荒鷲仮面 (@Tukinowakotetsu) April 5, 2019
ハリスホークくらいならパラコードでも大丈夫なんやけど、ユーラシアに何度も齧られると流石に切れそうやからね💦
釣具屋でより戻し買ってくれば市販の1/10くらいのコストで出来る♪ #フクロウ pic.twitter.com/7dIRFrECFT
「リーシュ」はジェスに付けて使う、いわゆるリードのような役目を果たすアイテムです。
フクロウのサイズや使用用途に合わせて、太さや長さを調整して使用します。
「パーチ」は止まり木のことで、フクロウにとっては家のような存在になるものです。
なるべく安定感があるもの、そしてフクロウのサイズに合ったものを選んであげると良いでしょう。
サイズや形、重量感にこだわって自作する方も多いようです。
「ファルコングローブ」は猛禽類の飼育に欠かせない、とても丈夫な革手袋です。
フクロウの爪は非常に鋭く、手袋をしない状態で手に乗せると人間が怪我をしてしまいます。
そのため、フクロウを手に乗せる時はファルコングローブをはめ、その上に乗ってもらう形になります。
彼らのくちばしや爪の力は想像以上に強く、噛まれたりひっかかれたりすると大変なことになります。
治療や災害時などのフクロウを捕獲する必要に迫られた時、フライトの練習をする時などあらゆる場面で使用することになるため、必ず用意しておいてください。
なお、アンクレット、ジェス、リーシュの3点は必需品かつ消耗品です。
作り方講座を開催しているショップもあるため、作り方を覚えて自作するのも良いでしょう。
必需品5つが揃ったところで、「半放し飼い」と「係留飼育」に必要なアイテムも見ていきましょう。
ご機嫌がよろしいようでございます pic.twitter.com/zM2kBPYs9F
— `(◉▾◉)´ ブボブボの祝祠 (@iwashi_bb) July 13, 2019
半放し飼いとは 「基本的には室内に用意したケージもしくはパーチで飼育し、人がいる時だけ室内で放し飼いをする」 飼育方法です。
半放し飼いの大きなメリットは、フクロウがある程度自由に動けること。
運動不足やストレスの解消ができるうえ、飼い主もフクロウが動き回る姿を見て楽しむことができます。
ただし、放し飼いをしている間はフクロウの動きを確認し、ロストしないように注意する必要があります。
また、フクロウが落ち着ける時間を確保できるように、放し飼いをしていない間は人間の視線をさえぎれるような環境(ケージやついたてなど)を用意してあげてください。
係留飼育とは、 「フクロウが動き回る範囲を制限し、常にパーチ付近でリーシュを付けた状態にして飼育する」 方法です。
最大のメリットはフクロウに関する事故で最も多い、ロストを避けられる点にあります。
また、来客時や通院時などフクロウを繋がらなければならない状況になった時、捕獲や係留のストレスが少ない点もメリットと言えるでしょう。
次にフクロウに適する、飼育環境を整えましょう。
フクロウは何にでも興味を示す、とても好奇心旺盛な動物です。
あらゆるものに興味を示すため、思いもよらない物を誤飲してしまうことがあります。
誤飲事故を起こさないように、フクロウが生活する場所は片付けて余計な物を置かないようにしましょう。
また、フクロウは季節や種類を問わず、温度管理が必要な動物です。
自分のフクロウに適する温度を知り、適切にエアコンを使用して室温を管理してください。
基本的に暖かい地域出身のフクロウは暑さに強くて寒さに弱く、寒い地域出身のフクロウは暑さに弱くて寒さに強い傾向があるとされています。
フクロウの飼育環境が整ったら、次はフクロウのエサを用意しましょう。
肉食動物であるフクロウのエサはマウスやヒヨコ、 ウズラ などの小動物です。
どれも生餌のほか、丸ごと冷凍されたものが猛禽類のエサとして販売されています。
在庫を切らして困ることがないように、常にある程度の量をストックしておくことをおすすめします。
中にはペットとしても飼われる小動物たちをエサにするのは抵抗がある…という方もいるでしょう。
厳しいことを書きますが、これらのエサに抵抗がある方は猛禽類の飼育を辞めておいた方が賢明です。
なぜなら、1度猛禽類を飼い始めたら、10年以上毎日これらのエサを与えることになるからです。
フクロウは本来、捕らえた獲物をほとんど残さず、丸ごと食べる動物です。
そして肉だけではなく、内蔵や血も食べることで生きるために必要な栄養を摂取しています。
そんなフクロウに人間用の食肉を与え続けると、いずれ必ず栄養失調を起こします。
彼らを健康的に育てるためには、内蔵や骨がついた状態の肉を与える必要があることを覚えておいてください。
なお、マウスを与える時は腸を、ヒヨコを与える時は卵黄を取り出す下処理が必要となります。
これらの処理をすることが生理的に厳しい方や、エサの支度に時間をかけたくない方は処理済みのエサを使っても良いでしょう。
しかし、フクロウの体は獲物を丸ごと食べ、不要なものはペリット(食べたものが消化されずに吐き出される)として吐き出す仕組みになっています。
彼らの健康のためにも、なるべく自然の状態に近いものを食べさせてあげたいものです。
なお、冷凍のエサを主食にすると、一部の栄養素が不足しがちになるという説もあります。
猛禽類用のカルシウムやビタミンなどのサプリメントが販売されているため、気になる方は使ってみても良いでしょう。
フクロウをお迎えしたショップで、おすすめのサプリメントや与え方があるか聞いてみてください。
フクロウをペットとして飼う際は、定期的に手入れをする必要があります。
この項目ではフクロウに健康かつ清潔に暮らしてもらうために必要な手入れと、手入れに必要なアイテムをご紹介します。
フクロウのような猛禽類の爪とくちばしは、人間の爪と同じく一生涯伸び続けます。
野生の猛禽類であれば、爪やくちばしは狩りや食事をすることで適度にすり減っていくもの。
しかし、ペットとして飼われている猛禽類はすり減る速度が遅いため、飼い主が定期的にメンテナンスをしてあげる必要があります。
爪やくちばしが伸びすぎると自分の体に刺さる、どこかにひっかけるなどのケガの原因になります。
メンテナンスの頻度は個体や飼育環境によって異なりますが、少なくとも半年に1度は行いましょう。
ただ、フクロウの爪は黒っぽい色をしていることが多く、血管がわかりづらいことが多いです。
深く切りすぎると出血してしまうことがあるため、できれば猛禽類に詳しい獣医やショップの元で1度爪切りをするところを見せてもらい、コツを教えてもらうことをおすすめします。
なお、爪を切る際は人間用の爪切りではなく、大きめの動物用(犬猫用)の 爪切り を使ってください。
万一出血してしまった時に備えて、動物用の止血剤を用意しておくと安心です。
自分でメンテナンスをすることが難しい場合は、信頼できる獣医やショップに依頼すると良いでしょう。
フクロウは水浴びをして、体や羽を清潔にする習性があります。
自由に水浴びができるように、フクロウが入れる大きさの容器を用意して浅く水を張っておきましょう。
フクロウは水があれば好きな時に水浴びをして、自分の体をキレイにしてくれます。
十分なスペースを確保できない場合は、霧吹きで羽に水を吹きかけて水浴びをさせても良いでしょう。
フクロウを水浴びさせる時には、必ず常温の水を使ってください。
また、シャンプーや洗剤などの“脂を落としてしまうもの”は絶対に使わないでください。
フクロウをはじめとしたほとんどの鳥類は脂を分泌し、羽に塗りつけることで自分の体を守っています。
大切な脂が落ちてしまうため、フクロウの水浴びには絶対にお湯やシャンプーを使ってはいけません。
換羽中でちょっとボサボサ気味のシロフクロウ。でも、元気です。 #@ichikawa_zoo pic.twitter.com/6BI93bnwMN
— 市川市動植物園(公式) (@ichikawa_zoo) September 21, 2013
フクロウには年に1回、換羽(かんう)と呼ばれる全身の羽が生え変わる時期があります。
換羽の時期になると、全身の羽が驚くほど抜けはじめます。
その様子は朝に床を掃除しても、昼や夕方になったら床が羽根まみれになるほど。
これだけ羽が抜けたら飛べなくなるのでは?病気なのでは?と心配になりますが、換羽は生理現象なので特に心配はありません。
しかし、全身の羽を生え変わらせるため、この時期のフクロウは大量のエネルギーを必要とします。
栄養不足にならないように配慮し、栄養価が高いピンクマウスを与えても良いでしょう。
体重が落ちないように、定期的に体型を確認しつつ体重を測ることをおすすめします。
なお、新しい羽は羽鞘(うしょう)と呼ばれる、ストロー上の鞘(さや)の中で作られます。
羽鞘は新しい羽が生えると、古い羽根と共にぽろぽろと大量に落ちます。
羽根や羽鞘は放置しておくと不衛生なうえ、人間側のアレルギーや喘息の原因にもなりかねないもの。
換羽の時期を迎えたら、とにかくこまめに掃除することを心がけてください。
ここまでフクロウを飼育するうえで、最低限必要なアイテムや手入れ方法について説明してきました。
この項目ではフクロウを飼育する上で、注意して欲しい・知っておいて欲しいことをご紹介します。
動物病院は日本全国各地に存在していますが、実は 犬 と 猫 以外診察できない病院も少なくありません。
特にフクロウなどの猛禽類(鳥類)の知識があり、きちんとした診察ができる動物病院は多くないのが現状です。
そのため、フクロウをお迎えする前に、必ず猛禽類の診察ができる動物病院を探しておいてください。
フクロウをお迎えしたショップが提携している動物病院があれば、ぜひ紹介してもらいましょう。
紹介してもらえなかった場合は、インターネットやSNSの情報を頼りに、1軒1軒診察ができるか確認するほかありません。
どちらにしても、何か起きてから動物病院を探し始めるのではあまりにも遅すぎるということだけは肝に銘じておいてください。
フクロウをはじめとした、鳥類をペットにした時に多いトラブルが 「ロスト」 です。
ロストとは、窓を開けている時にフクロウを放してしまった、繋いでいたジェスやリーシュが切れてしまったなどの理由からフクロウが逃げてしまい、そのまま迷子になってしまうことを指します。
1度外に逃げてしまったフクロウを捕獲するのは、簡単なことではありません。
また、ペットのフクロウは自力で餌を捕ることができないため、野生で生きていくこともできません。
「フクロウをロストすること=フクロウの命に関わること」であると覚えておきましょう。
フクロウを飼う時はロストしないように、部屋の戸締りや窓の開閉に細心の注意を払ってください。
なお、 インコ などの小鳥は、ロストを防ぐ目的で風切羽を切る「クリッピング」を行うことがあります。
完全に室内で飼うならばフクロウにクリッピングをしても良いのでは?と考える方もいるかと思いますが、現状フクロウにクリッピングを施すことは一般的ではありません。
ここまでフクロウの飼い方、そして飼う時に注意して欲しいことを説明してきました。
フクロウが簡単に飼える動物ではないことが伝わったでしょうか。
それでもフクロウを飼いたいと考えている方は、まずフクロウを飼育している施設に行ってみることをおすすめします。
ぜひ間近でフクロウの大きさ、爪やくちばしのするどさを感じてみてください。
そして、10年以上パートナーとして寄りそって行けるかじっくりと考えて頂ければと思います。
富士は富士で楽しいですけど。
— Charlie SAKURADA (@CharlieSAKURADA) December 6, 2019
ショーの主役のスピード勝負なら、こちらの方が速くて面白いです。
(画像は全て2014年1月4日に撮影) #富士花鳥園 ( @fujikachoen ) pic.twitter.com/6rzzXqiePM
富士花鳥園はその名の通り、花と鳥を扱うテーマパークです。
園内では約30種、約100羽ものフクロウやミミズクが飼育されています
色とりどりの花が咲き乱れる温室内では、なんと数種類のフクロウたちが放し飼いされています。
そして、バードショーでは猛禽類らしい迫力満点の姿を見せてくれますよ。
住所:静岡県富士宮市根原480-1
マップ: Googleマップ
電話番号:0544-52-0880
入園料:
大人(中学生から):1100円
小学生 : 550円
幼児(未就学児):無料
シニア(65歳以上):880円
開園時間:
4月1日~11月30日まで:9:00~17:00
12月1日~3月31日まで:9:00~16:00
休園日:年中無休
公式ホームページ: 富士花鳥園
おはようございます☀
— いしかわ動物園(公式) (@ishikawazoo_jp) October 6, 2019
本日は、開園20周年を記念して、中学生以下の入園料が無料です👛
13時半からの開園20周年記念式典後には、より見やすくなったフクロウ舎がリニューアルオープン🦉
たくさんのイベントを準備して、みなさんのお越しを待ってま~す👋 #いしかわ動物園20周年 #本日もナイトズー pic.twitter.com/OwM358kUZc
石川県にあるいしかわ動物園では、開園20周年記念として2019年にフクロウ舎が改築されました。
フクロウをより近くで観察できて、フクロウの生活音(羽音など)を感じられるフクロウ舎はフクロウ好き必見の施設です。
園内ではシロフクロウ、フクロウ、オオコノハズクの3種類が飼育されています。
住所:石川県能美市徳山町600番地
マップ: Googleマップ
電話番号:0761-51-8500
入園料:
一般 :840円
3歳以上中学生以下:410円
開園時間:
4月1日から10月31日:9:00~17:00
11月1日から3月31日:9:00~16:30
休園日:
火曜日(火曜日が祝祭日の場合はその翌平日)
12月29日~1月1日
公式ホームページ: いしかわ動物園
ハクチョウ池そばのシマフクロウのケージですが、療養のため長らく主が不在でしたが、先日からトカチとムムのペアが戻っています。やはり彼らがいないと北海道ゾーンは何か物足りないですね。 pic.twitter.com/SrQlfpxY
— 釧路市動物園 (@kushirozoo) November 21, 2011
釧路市動物園は、北海道の中で最大の敷地を持つ動物園です。
園内にある 「ふくろうの森」 ではワシミミズク、コミミズク、オオコノハズク、エゾフクロウ、シロフクロウの5種が飼育されています。
中でもシマフクロウは、国内では北海道のみに生息する日本最大のフクロウです。
釧路市動物園は野生のシマフクロウの保護や治療を行う、シマフクロウ保護育成センターにもなっています。
住所:北海道釧路市阿寒町下仁々志別11番
マップ: Googleマップ
電話番号:0154-56-2121
入園料:
一般:580円
中学生以下:無料
開園時間:
4月10日~体育の日:9:30~16:30
体育の日の翌日~4月9日:10:00~15:30
休園日:
12月~2月の毎週水曜日(祝祭日を除く)
12月29日~1月2日
公式ホームページ: 釧路市動物園
その他、東京都内でフクロウと触れ合えるカフェを紹介している記事もありますので、こちらもご覧になってください。
→ 東京のフクロウカフェ10選!新宿・渋谷・池袋などの有名なフクロウカフェを紹介
フクロウはかわいい見た目と、猛禽類ならではの野性味や鋭さを持ち合わせている、魅力的な動物です。
しかし、ペットとしてのフクロウの歴史はまだ浅く、ペットとして飼うのは簡単なことではありません。
彼らと一緒に暮らしはじめると毎日エサの小動物を処理し、常にロストしないように注意を払わなければならない…そんな手間がかかり、かつ繊細な取り扱いが10年以上求められ続けられることが伝わったでしょうか。
それでもフクロウをペットにしたい方は、ぜひその気持ちを大切にしてください。
お迎えする前にはフクロウについて良く調べ、飼育本を1冊以上読むことをおすすめします。
そしてしっかりと準備を行い、信頼できるショップを探して素敵なパートナーを見つけてください。
フクロウのように飼っている人や情報が少ない動物を飼育することは楽しい反面、とても大変なもの。
大変な分、きちんと誠実に向き合えば彼らはとても良いパートナーになってくれるでしょう。
本記事を読んでくださった方のフクロウライフが楽しく、素敵なものになることを願っています。
▼フクロウの関連記事
最終更新日 : 2021/04/09
公開日 : 2016/03/23