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ハリネズミは、アフリカからロシアまでの広い範囲に生息しているハリネズミ科のほ乳類です。
ネズミという名前がついていますが、実はネズミよりモグラに近い動物です。
現在日本国内でペットとして流通しているハリネズミは、ほとんどがアフリカハリネズミ属の ヨツユビハリネズミ (別名:ピグミーヘッジホッグ)です。
このことから、本記事では基本的にヨツユビハリネズミについて解説していきます。
なお、同じハリネズミの仲間でも、ハリネズミ属のハリネズミ( アムールハリネズミ・ナミハリネズミ など全4種)は特定外来生物に指定されているため、日本国内では販売・飼育できません。
野生のヨツユビハリネズミは、 アフリカ(セネガル~ザンベジ)のサバンナ地帯 に生息しています。
サバンナ地帯は年間を通して気温の変化が少なく、年間平均温度が18℃以上という特徴があります。
このことを考えると、ヨツユビハリネズミにとっては日本の冬が寒すぎることがわかりますね。
ヨツユビハリネズミの大きさは体長15~25cm程度(平均は20cm程度)です。
体重はオスで500~600g、メスで250~400g程度です。
大人が両手の手のひらの上に乗せると、すっぽりとおさまるくらいのサイズです。
ハリネズミは 「ピーピー」「キューキュー」 という、まるで鳥のような高めの声で鳴きます。
怒っている、あるいは威嚇している時は 「シューシュー」「フシュー」 と鳴きます。
ハリネズミは肉食傾向の強い、雑食性の動物です。
野生のハリネズミは昆虫やミミズ、カタツムリや小鳥の卵、植物の種やキノコなどあらゆるものを食べています。
ハリネズミ最大の特徴は、名前の由来にもなっている 背中に生えた針 です。
実はハリネズミの針は、毛が固まってできたものです。
しかし、1本1本は非常に硬く、針を立てたハリネズミを素手で持つととても痛いです。
また、ハリネズミの後ろ足の指は基本的に5本ですが、ヨツユビハリネズミは4本しかありません。
このことから“ヨツユビ”ハリネズミという名前が付けられています。
ハリネズミのオスは生後6~8ヶ月、メスは2~6ヶ月で性成熟すると言われています。
妊娠期間は30~35日間で、一度に1~7匹の子供を産みます。
なお、生まれたての赤ちゃんハリネズミの針は柔らかく、母親がケガをしにくいようになっています。
翌日からは針が伸びはじめ、生後1週間ほどすると固い針になります。
分類:哺乳綱 食虫目 ハリネズミ科
和名:ヨツユビハリネズミ(別名:ピグミーヘッジホッグ)
学名:Atelerix albiventris
英名:Four-toed hedgehog
分布:アフリカ(セネガル~ザンベジ)のサバンナ
大きさ:
体長・15~25cm程度
体重・オス…500~600g程度、メス…250~400g程度
鳴き声:「ピーピー」「キューキュー」
食性:肉食よりの雑食性
繁殖:
性成熟・オス…生後6~8ヶ月、メス…生後2~6ヶ月
妊娠期間・30~35日
寿命:4~6年(10年近く生きることもある)
※合わせて読みたい: ハリネズミの寿命はどれぐらい?ハリネズミに長生きしてもらうために注意したいこと
ここからは実際にハリネズミを飼うことを前提に、購入方法や飼育方法を解説していきます。
どんなものを用意すれば良いのか、どんな点に注意すれば良いのかチェックしていきましょう。
ハリネズミはペットショップのほか、ブリーダーから購入できます。
購入する時は以下の項目を確認し、なるべく健康な個体を選ぶようにしましょう。
動物は体調が悪いと鼻水で鼻が、目ヤニで目が、そして下痢でお尻が汚れることが多いものです。
どれだけその個体が気に入ったとしても、体調が悪い・悪そうな個体をお迎えするのはおすすめしません。
ハリネズミの 値段は1頭あたり1~3万円程度が目安です 。
色や年齢、産地によって値段に大きな幅があります。
※合わせて読みたい: ハリネズミの生体の値段、飼育にかかる費用は?
ハリネズミを飼うためには様々なものが必要です。
実際にお迎えする前に、最低限以下のアイテムを用意しておいてください。
ハリネズミを飼う時に、絶対に用意して欲しいのがケージです。
脱走やケガのリスクを考えると、放し飼いはおすすめできません。
ケージはハリネズミ、もしくは小動物用のものを選ぶと良いでしょう。
その際巣箱や回し車などを置いても、十分な広さがあるものを選んでください。
スノコがあるとハリネズミが足を引っかけてケガをする可能性があるため、取り除いておいた方が良いでしょう。
次にエサを用意します。
主食は栄養バランスが調整された、ハリネズミ専用フードを与えると良いでしょう。
副食には生きた昆虫類(ミルワームやコオロギなど)を与えると喜びます。
生餌のほかには果物や野菜、ゆで卵やささみなどを少量与えても構いません。
※合わせて読みたい: ハリネズミの餌のあげかた・好きな食べ物・与え方の注意点
ハリネズミは小さな体に似合わず、運動量が多くパワフルな動物です。
ときおりケージの中で暴れて、エサ入れをひっくり返してしまうことがあります。
エサ入れは適度に重く、かつ深すぎないものにすると良いでしょう。
水入れはボトルタイプでも、皿タイプでも構いません。
皿タイプの場合は、エサ入れと同じくひっくり返されにくいものを使うことをおすすめします。
床材はペットシーツ、ウッドチップ、トイレ砂など色々なものがあります。
どの床材もメリットとデメリットがあるため、ハリネズミの様子を見ながら選ぶと良いでしょう。
いくつかの床材を組み合わせて使っている方も多いようです。
以下に、それぞれの床材のメリットとデメリットを説明します。
ペットシーツは糞尿の状態や色を確認しやすいというメリットもあります。
ただし、ハリネズミがかじって穴を開けてしまう場合は、使用を避けた方が良いでしょう。
ウッドチップを使う場合は広葉樹由来のものを選び、針葉樹由来のものは避けましょう。
ハリネズミは針葉樹アレルギーを起こすことが多い と言われています。
床材としてトイレ砂を使う場合は、水に濡れると固まるタイプは避けましょう。
固まるタイプは体についてしまった、あるいは飲み込んでしまった場合に思わぬケガの原因となります。
ハリネズミは狭いところが大好きな動物です。
ケージの中でも安心して休めるよう、巣箱を用意してあげましょう。
野生のハリネズミは地面に巣穴を掘る、もしくは岩陰などの狭い部分を巣穴として使っています。
ヨツユビハリネズミは寒さに弱く、 気温が18℃を下回ると冬眠してしまう ことがあります。
そして、一度冬眠してしまうと上手く目覚めず、多くの場合そのまま死んでしまいます。
ハリネズミを飼う時は冬眠させないように、適切な温度管理をすることが非常に大切です。
温度管理はハリネズミを飼う上で一番重要なポイントといっても過言ではありません。
気温が下がる秋~冬にかけては、必ずペット用ヒーターを入れましょう。
ケージの中もしくは外にパネルヒーターを敷き、ケージを毛布で覆って保温をすると良いでしょう。
その際ケージの中を一定の温度に保てるように、サーモスタットを付けることをおすすめします。
もちろん、エアコンを入れて部屋ごと暖めても構いません。
筆者が勤めていた動物園では、保温球のヒーターとサーモスタットを使っていました。
先程も説明しましたが、ヨツユビハリネズミは低温に弱い動物です。
ケージには必ず温度計を設置し、こまめに温度を確認する習慣をつけましょう。
なお、 ヨツユビハリネズミの適温は、24~28℃程度 と言われています。
彼らは極端な暑さにも弱く、室温が 30℃を超えると夏眠(かみん)してしまう こともあります。
夏場はエアコンを入れ、室温を適切な温度に保つようにしてください。
エサ皿の項目でも説明しましたが、ハリネズミは意外と運動量が多い動物です。
運動不足にならないように、ケージの中に回し車を設置すると良いでしょう。
ハリネズミの足がはさまらない作りになっているもの、そして静音設計のものがおすすめです。
ここまでハリネズミの飼い方や必要なものを説明してきました。
当項目では筆者が飼育員時代に良く質問されたことの中から、特に “ハリネズミをペットとして飼う前に知っておいてほしい” と思うことを説明していきます。
ハリネズミの針はとても固いものです。
しかし、ハリネズミがリラックスしていて、針が寝ている時は触っても痛くありません。
人に良く慣れたハリネズミであれば、針を撫でさせてくれることもあります。
その反面ハリネズミが怒る、もしくは警戒して針が立っている時に触るととても痛いです。
ハリネズミの針が立っている時は、触らない方が良いでしょう。
ただ、ケガの治療や薬を飲ませる時など、どうしてもハリネズミを触らなければならない時もあります。
そういった時のために、皮手袋を用意しておくと安心です。
ハリネズミも動物である以上、糞尿には特有のにおいがあります。
しかし、他の動物と比べると、においは少なめだと感じていました。(主食によってにおいの強さが大きく変わります)
それでもにおいが気になる方は、排泄物をすぐに片付ける習慣をつけましょう。
ハリネズミは、基本的にしつけることができない動物です。
まずハリネズミは、 トイレのしつけができません 。
そのため、排泄物を見かけたら、すぐに片付ける必要があります。
しかし、ハリネズミはキレイ好きで、決まった場所で排泄する個体が多い傾向にあります。
そういった個体の場合は、トイレトレーニングをしても良いでしょう。
ハリネズミのトイレトレーニングは、“ハリネズミが排泄する場所を狙ってトイレを置く”という方法になります。
また、ハリネズミはトイレと同じく、 かみ癖のしつけもできません 。
かみ癖がある場合はハリネズミがかむ理由を考えて、かまれないように飼い主の方が工夫をするしかありません。
残念ながら、ハリネズミは自分の名前を覚えません。
犬や猫のように、名前を呼んでもこちらに来るようなことはありません。
基本的に 観賞用のペット と考えた方が良いでしょう。
ハリネズミは一般的になってきたとはいえ、まだまだ数が少ないペットです。
意外と知られていないことですが、小動物やエキゾチックアニマルの十分な診察経験があり、適切な治療ができる動物病院は多くありません。
ハリネズミをお迎えする前に、近所にハリネズミの診察ができる動物病院があるか調べておきましょう。
そして、定期的に(年に1回など)健康診断に通い、獣医との信頼関係を築いておくことをおすすめします。
23日(日)の13時頃から、夜行性動物館付近の芝生広場(憩いの広場)で、ハリネズミのお散歩を行います。是非、可愛いハリネズミに会いに来てくださいね!
— 豊橋総合動植物公園(豊橋のんほいパーク (@non_hoi_park) June 22, 2019
天候や動物の体調等により中止する場合もあります。 #のんほいパーク #動物園 #豊橋 #ハリネズミ #お散歩 pic.twitter.com/w31kDHmqJa
ハリネズミはペットショップで良く見かけますが、動物園で観察してみるのも面白いものです。
動物園ではどんな施設でどんなエサを与えているのか観察することによって、飼育にいかせることが見つかるかもしれません。
当項目ではハリネズミとふれあえる動物園と施設を紹介します。
静岡県にある伊豆アニマルキングダムでは、ヨツユビハリネズミにさわることができます。
一緒にマタコミツオビアルマジロというアルマジロもさわって、さわり心地を比べてみてはいかがでしょうか。
園内ではホワイトタイガーを観察しながら食事ができたり、サイやキリンにエサをあげたりと様々な体験ができますよ。
住所:静岡県賀茂郡東伊豆町稲取3344
マップ: Googleマップ
電話番号:0557-95-3535
入園料:
大人 2,400円
小人(4才以上) 1,200円
開園時間:
4月~9月 9:00~17:00
10月~3月 9:00~16:00
休園日: 公式ホームページ・営業のご案内を参照
公式ホームページ: 伊豆アニマルキングダム
オービィ横浜は神奈川県のみなとみらい駅に直結している、屋内で動物たちとふえあえる施設です。
「アニマルスタジオ」や「アニマルガーデン」ではハリネズミのほか、カピバラやアルマジロとふれあうことができます。
最先端の映像機器を使った、オービィならではの体験イベントにも参加してみてください。
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目5番1号MARK IS みなとみらい 5F
マップ: Googleマップ
電話番号:045-319-6543
入園料:
大人(18歳以上) 800円
中人(中学生・高校生) 500円
小人(小学生) 300円
幼児(幼稚園・保育園) 無料
シニア(60歳以上) 300円
開園時間:
月~木 9:00~21:00
金~日・祝・祝前日 9:00~22:00
休園日:不定休(マークイズみなとみらいの休館日に準じる)
正直なところ、ハリネズミは犬や猫のようになつくペットを飼いたい方には向かない動物です。
のんびりとかわいい動きを観察したい方、マイペースな動物と暮らしたい方、省スペースで動物を飼いたい方にとっては良いパートナーになってくれるでしょう。
ただし、ハリネズミのように変わった動物をお迎えする時には、事前にその生態や必要なものをよく調べてください。
そしてしっかりと準備を整えてから、楽しいハリネズミライフを送ってくださいね。
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最終更新日 : 2021/02/01
公開日 : 2016/03/18