本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
狩りをする肉食動物は、親が捕まえた動物を生きたまま運んできて、子どもに遊ばせることで、狩りをすることを学ばせます。
ネコ科の動物はイヌ科などほかの動物と比べ、爪を隠して音を立てずに走れることや、垂直跳びが可能な運動能力を備えていることから、単独の狩りが得意だと言われています。
家猫は狩りをする必要はありませんが、本能的に狩りの行動に近い遊びをします。
この習性を理解しておくと、猫との遊び方が見えてきます。
「狩りの練習」であることを考えると、仔猫の激しい行動にも納得できるかもしれません。
「隠れる」「追いかける」「獲物を捕まえる」という狩りに必要な行動をもとに、遊びを考えてみると猫の好きな遊びを見つけることが出来るでしょう。
ダンボールの中で、自分は見つかっていないと思って隠れている様子のルル🐱
— ペットペディア-ねこねこ団 (@Petpedia_neko) March 11, 2020
……見えてるよ🤗 #ルル #メインクーン #petpedia #ペットペディア #猫のいる幸せ #ダンボール猫 #猫のいる暮らし #ねこねこ団 pic.twitter.com/oiVYutE4MJ
猫の狩りは、隠れて獲物を待ち伏せし、近づいてきたところで素早く飛びかかるという方法で行われます。
猫が隠れていたら、探すふりをしてあげると、猫はとても喜んで隠れ続けることがあります。
また、見つけられないふりをして通り過ぎると、背後から飛びついてくることもあります。
多頭飼いの場合、どちらも若い猫だと、追いかけっこをする姿が良く見られます。
追いかけっこは、キャットタワーをよじ登るなど立体的に動けるものを用意しておくと、たくさん運動出来て、より満足感を得ることが出来るでしょう。
ネズミの形をしたおもちゃに紐がついたものなど、いわゆる「猫じゃらし」を使った遊びも猫が夢中になるものの一つです。
紐を動かし、先に着いたおもちゃを生きているように動かすことで、猫に刺激を与え、狩猟本能をくすぐることが出来ます。
とても手軽に猫とコミュニケーションを取りながら遊べる方法ですが、注意点もあります。
中には、毛糸など紐状の物を口に入れてしまう猫もいて、そういった場合とても危険です。
紐状の物は食べるつもりがなくても、猫のギザギザの舌に絡まって取れなくなり、飲み込んでしまうことがあるからです。
最悪の場合、腸閉塞になり命にかかわることもあるので、遊んでいないときは、必ず猫の手の届かないところにしまっておきましょう。
また、布製のものを食べてしまう猫もいます。
安全性を第一に考えて、猫の癖や好みに合わせたおもちゃを選ぶようにしてください。
仔猫のときは勿論のこと、成猫、シニア猫になっても「遊ぶこと」はコミュニケーションや運動不足解消の観点からとても大切なことです。
猫と遊ぶ時間の目安や、それぞれの年齢でどのような遊びを取り入れたら良いのか見ていきましょう。
猫に人気の遊び方について、具体例もご紹介します。
どれも家の中にあるもので簡単に出来る遊びなので、ぜひ試してみてください。
特に仔猫のうちは、遊びの時間は毎日最低でも10〜15分程度を2回確保すべきだと言われています。
成猫や老猫になっても、コミュニケーションの時間は変わらないくらい取るように心がけましょう。
仔猫は、生後4週間くらいから狩りのような動作をするようになります。
体も発達してきて、機敏な動きが出来るようになってきます。
仕事や家事で疲れているときに、仔猫と遊ぶのは大変です。
そんなときに活躍するのがレーザーポインターです。
レーザーを仔猫のいる場所から少し先に届くように動かすだけ。
これなら、立ち上がっておもちゃを取りに行く必要もありません。
こたつの中に居ながら、猫と遊ぶことが出来ます。
レーザーは照射する場所を自在にコントロールすることが出来るため、「投げたものが思わぬ場所に飛んでいってしまう」ということがないのも嬉しいところです。
室内の物を壊してしまったり、猫がおもちゃを追いかけてどこかにぶつかってしまったりする心配もありません。
ただし、獲物を実際に捕まえるということが出来ないため、そのことがストレスを生む可能性もあります。
その時はボールやおもちゃでの遊びと組み合わせると良いでしょう。
また、レーザーの光を直接猫の目に当てないように気を付けてくださいね。
こちらは、光のシルエットがねずみの形をしたLED使用のおもちゃです。
ボタンを押すだけで照射するので、おもちゃのオンオフも簡単。
昼間の室内でも、遮光カーテンなどがあれば十分にライトが識別できますよ。
価格: 871円(税込)
電池: 単4形電池1個必要
今日から仕事始めの方や、いつもの日常が始まる方が多いですかね🤔
— Petpedia (@Pet_pedia) January 6, 2020
そんなすこーしテンションの下がってしまう1日にはクスッと笑える、ダンボールにひそむもふもふ妖怪の動画をお届け🐱
にゅっにゅっと手を出してきます😂 https://t.co/t3l3ihr0IT #ルル #メインクーン #petpedia #猫あるある pic.twitter.com/FAR99UgrkT
文字通り段ボールで猫用の家を作るというものです。
家というと大がかりに思えるかもしれませんが、作り方はいたって簡単です。
段ボールにカッターなどで穴を開け、倒れないように固定するだけ。
猫はその穴から出たり入ったりして、狭い空間を楽しみます。
成猫は仔猫よりは活動量が減ってきますが、まだまだ誘えば積極的に遊ぶ猫もいます。
しかし、年齢を重ねると猫も動くのが億劫になり、運動量が少なくなってきます。
代謝も落ちてくるので、太ってしまう猫もいます。
運動不足にならないように、体を動かせる遊びを選びましょう。
まだ遊び盛りの成猫は、アルミホイルを丸めたものを投げるだけで喜んで追いかけます。
捕まえるとカサカサと音が鳴るのが楽しいようです。
シニア猫は関節が硬くなり、体の動きも鈍くなります。
無理な動きはしないように気を付けながら、猫のペースを尊重して遊ぶと良いでしょう。
ティッシュの空き箱などを繋げたり、紙袋を利用したりしてトンネルを作ります。
外から音を鳴らすことで、猫が興味を持って中をくぐることが出来ます。
運動量を増やすことが出来る上に、無理な動きにもならないため、体を痛める心配もありません。
こちらは直径25cm、長さが120cmのキャットトンネルです。
出入口の他に、トンネルの真ん中あたりに出入りできる窓が1つ付いています。
直線ではなくS字なので、そのくねくねを楽しむ猫ちゃんも多いのだとか。
また、折り畳み式なので、使わないときはコンパクトに収納できるのも嬉しいポイントです。
価格: 1,480円(税込)
サイズ: 25cm×120cm
シニア猫になると一人で遊ぶことを好むようになることもあります。
ボールなどを一人で転がし遊んでいるときは、無理に遊びに誘うことはせず、一人遊びの時間も大切にしてあげましょう。
飼い主と遊ぶことが減るシニア猫に対しては、マッサージでコミュニケーションの時間を取りましょう。
頭や背中、肢などを優しくなで、猫が気持ちよさそうにするところを見つけましょう。
念入りにマッサージすることで、体の表面のしこりなど異常も見つけやすくなり、病気の早期発見にも繋がります。
留守にする時間が長い場合は、猫のストレス軽減のために、なるべく長持ちする遊び道具を用意しましょう。
餌を詰めるおもちゃは、猫の狩猟本能を刺激するので、夢中になることができ、留守番時のストレスを解消するのに有効です。
留守中は飼い主の目が届かないので、与えるおもちゃは、猫が齧って食べたり絡まってしまったりしないことが重要です。
多頭飼いをしている場合、「飼っている頭数」「飼っている猫それぞれの年齢」「性格」によって遊び方は異なります。
新たに仔猫を迎えるときは、一般的に先住猫が若いうちの方が受け入れられやすいと言われています。
相性が良ければ、遊び方を指南してくれることもあるでしょう。
飼い主が遊びに誘う場合、今まで先住猫にかけていた時間が減ってしまうことがないように気を付けてください。
1頭ずつに接する時間は、なるべく平等にするのが望ましいです。
ただ、遊ぶ順番に関しては、先住猫を優先すれば良いというわけではありません。
後から来た猫の方が力関係が強くなった場合、先住猫だからといっていつも先に遊んでしまうと、先住猫がいじめられてしまうことがあります。
順番は力関係が強い猫から、同じくらいの場合には、順番は決めずにランダムに遊んであげるのが良いでしょう。
シニア猫は新しい猫と遊びたがらない場合も多く見られます。
無理に一緒の空間に居させるのは、シニア猫にとってストレスになりかねません。
年齢に差があったり相性が悪かったりする場合には、離れて落ち着ける場所を作ってあげることも大切です。
仔猫のときに激しく遊ぶのは、ある程度仕方がないとはいえ、新品の家具に傷をつけられたり、大事な物を落とされてしまったりすることは最小限に抑えたいものです。
また、危険な場所に近づくことも怪我に繋がるので、避けたいですよね。
ここでは、そんな「遊んで欲しくない場所や物」で遊んでしまうときの対処方法についてお伝えします。
移動出来る物は、閉まっておいたり、猫の入らない部屋に置いたりするなど片付けておきましょう。
ある程度の年齢になれば、遊んでいて物を落とすことも減ってきます。
移動出来ない家具などについては、カーペットを裏返して敷いたり、両面テープを貼ったりすると、その場所に猫が乗らなくなることが多いです。
猫は、高いところに登ると落ち着く習性があります。
キャットタワーを用意したり、爪とぎ器などを高い位置に置いたりすることで、猫が安心して過ごせる場所を作ってあげましょう。
落ち着く場所を用意することで、その場所にいる時間が増え、そのほかの近づいてほしくない場所への関心が薄れることがあります。
おやつや食餌用の食器も高い場所に置くと良いでしょう。
可愛いからと何気なく行っている猫との遊びが、思わぬトラブルに繋がってしまうこともあります。
次のような行動が見られたときは、猫との遊び方を少し見直してみましょう。
手など、飼い主が体の一部をおもちゃのように差し出して遊んでしまうと、興奮した猫が噛んだり引っかいたりして怪我をする原因になります。
また、遊んでいないときでも「スリッパの上から噛まれる」など攻撃対象になりやすくなるので、体の一部や身に着けるもので猫と遊ぶことはやめましょう。
猫は獲物に忍び寄るように近づき狩りをする動物です。
猫の遊びも狩りを模したものであるため、通常おもちゃを追いかけるときや飛び掛かるときに鳴き声は出しません。
もし声を発しながらおもちゃに飛び掛かっているような場合は、一見遊びのように見えてもストレスや恐怖を感じている可能性があります。
犬の場合は、遊びに誘うように吠えることもありますが、猫の場合、声をあげるのは威嚇のときのみで、遊びで声を出すことはありません。
声を出しながら何かに飛び掛かっているのを見かけたら、飛び掛かる対象となっているものを出来る限り猫の目に触れさせないようにし、落ち着いてから違うもので遊ぶようにしましょう。
猫同士で威嚇の声をあげる行動が見られた場合は、寝る場所は別々の部屋にするなど、少し距離を取るようにした方が良いでしょう。
飼い主の方を見て遊びの催促をする猫もいます。
その可愛さに、つい遊んでしまうという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、それを繰り返していると、猫は鳴けば遊んでもらえると学習し、夜中でも明け方でも関係なく飼い主を遊びに誘うために鳴き続けるようになってしまうことがあります。
そうならないために「鳴く」「前肢をかける」「前肢で叩く」などの猫の関心を求める行動には反応しないようにしてください。
猫が落ち着いているときに、飼い主から遊びに誘うようにしましょう。
猫と遊ぶときのポイントをお話してきましたが、猫の年齢や好みに合わせて喜ぶ遊び方を見つけてみてください。
遊ぶときには、猫の表情や行動をよく見ながら安全に楽しむことが重要です。
遊びを通して猫とのコミュニケーションを深めていきたいですね。
執筆・監修:獣医師 近藤 菜津紀(こんどう なつき)
原因不明の難病に20年以上苦しみながらも、酪農学園大学獣医学科を卒業後、獣医師免許を取得。
小動物臨床や、動物の心理学である動物行動学を用いたカウンセリング、畜場での肉の検査(公務員)など様々な経験を経て、現在は書籍の執筆や講演活動などを行なっている。
車椅子生活をしながら活動する、日本で唯一の「寝ながら獣医師」。
最終更新日 : 2021/01/29
公開日 : 2021/01/29