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インコは鳥類の中でもとりわけコミュニケーションが取りやすく、華やかな見た目や一人暮らしでも飼育が可能という点からも、ペットとして人気があります。
しかし、飼育に関して気を付けておきたいことはたくさんあるため、本記事を通してお伝えします。
ビタミンB1欠乏症(脚気、脚弱症、チアミン欠乏症、多発性神経炎)
インコはオウムよりも広く分布しており、その生息域はアメリカ、アフリカ、アジア、オーストラリアとポリネシアに至る太平洋東方まで。
ほとんどのインコは木のうろに巣をかけ、一夫一婦でつがいを作ります。
基本的に種子食ですが、果実やナッツなどの他に、葉や昆虫、時には他の動物を捕食する種類も存在します。
また、コミュニケーション能力に長けていて、 九官鳥 と同様に教えることによって人語を操るようになることまであります。
記録では、100語以上喋ることができた個体もいるようです。
その他、大きさや寿命は種類によって実に様々です。
主に小型のもので全長約12~20cm、体重約50g。
中型のもので全長約25~30cm、体重約60~80g。
大型のものでは、尾の長さを入れるとなんと全長約90cmとかなりの大きさで、体重は小さなものだと約350gです。
寿命は約5~50年と、種類によっては長寿になるものもいます。
もし長寿のインコを迎えるのであれば、一生の付き合いになることも考えておきましょう。
インコの生体の値段は種類や個体差によって大きく異なります。
セキセイインコのような小型でお手頃なものではおよそ3,000円程度。
小型でも色合いによっては3万円以上になる固体もいます。
中型であれば1万円~12万円程度。
大型のインコともなれば30万~120万円程です。
合わせて読みたい: インコの値段っていくら?人気の種類を毛色毎に徹底解説!
インコを飼うためには一体いくら必要なのかをご紹介します。
便宜上、費用はセキセイインコを飼育する場合の参考価格になります。
合計:29,000円
合計 3,000円
上記を見ても分かる通り、犬や猫を飼育するのに比べて大分安く抑えられます。
なお、理由としては以下が挙げられます。
ただし、病気やけがの治療費は高額です。
地域や病院によっても異なりますが、だいたい初診料として1,000~1,500円ほど。
フンの検査が500~1,500円ほど、そ嚢液の検査が800~1,500円ほど、健康診断をするだけでも2,000~3,000円ほどの出費は覚悟しておきましょう。
何か病気が見つかって、さらに細かい検査が必要になったり、深刻な病気で手術や入金が必要になると、高額の料金を支払わなければならなくなります。
手術の内容にもよりますが、手術代は数万円から十万円、入院費は1日あたり2,000~5,000円ほどかかります。
合わせて読みたい: セキセイインコを飼う前に!品種、値段、特徴、飼い方…事前に知っておきたいコトまとめ!
最もポピュラーなセキセイインコについて、お世話の仕方を解説していきます。
インコのヒナの飼い方は2段階に分けられ、時期により飼い方が違います。
インコのヒナの体はとても小さく羽もまだ生えていません。
そのため寒さが大敵となるので、 26~28℃の間に温度を保ちます。
昆虫等を入れるプラスチックケースにティッシュペーパー等を入れて、こまめに取り替えましょう。
また、餌については市販のパウダーフードの 総合栄養食を38~42℃位のお湯でふやかして与えます。
雛の餌としては粟玉(あわだま)というものが昔から使用されていたのですが、炭水化物ばかり多くてタンパク質が少ない栄養バランスとなっているので、あまり推奨されていません。
それでも雛が好んで食べる場合が多いので、全体の二割程度までなら混ぜても良いでしょう。
温度は高すぎては火傷の原因となり、低すぎてはインコのヒナが餌を食べないため注意が必要です。
この時期のインコのヒナには、1日5~6回、2~3時間おきに餌をスプーンや注射器の様な物で与えましょう。
まだ体力もなく、食べる量もそのう(鳥の胃袋のような所)の張り具合から判断しなくてはなりません。
ヒナには徐々に羽が生え始め、成鳥らしくなってることから、飼い方も変わってきます。
鳥カゴに低めの止まり木を設置し、底に柔らかい干草やキッチンペーパー等の緩衝材を敷き、ヒナが落ちても怪我をしないようにします。
餌は成鳥用の餌へとの切り換えをします。
まずは、以前と同じ物を与えつつ、粟や稗(ヒエ)の混合シードやペレットフード等を床(キッチンペーパー)の上に少しばら撒いておきます。
毎日体重を測って、挿餌(さしえ)が減っても大丈夫かを確認しましょう。
体重は減るようであれば、まだ一人餌だけでは栄養が足りていないので、挿餌での補助がまだ必要と判断します。
ヒナが徐々にシードやペレットを突付く様になってきたら以前の餌は減らし、最終的には成鳥用の餌のみにします。
羽が綺麗に生え揃い、餌も成鳥用の物が食べられるようになったら、1日30分程度カゴから出して遊んであげるのも良いでしょう。
その際、狭い隙間に入ってしまう等の事故に注意が必要です。
インコを含めた小鳥は本来体温が非常に高く、約42℃前後もあるため、寒さに弱い動物です。
若くて元気一杯の時は、かなり寒い気温でも耐えられるようですが、少しでも体力が落ちたり、食欲が減ったりすると、低体温に陥り弱ってしまいます。
冬は電球型の保温器等を用意した方が無難です。
室温は20度を下回らないようにエアコンで管理することを推奨します。
たとえ夏場でも、保温器が必要になることがあります。
ケージを置く場所は冷房の風が直接当たらない場所に設置するなど、温度が極度に変化しないように気を遣いましょう。
もちろん、高体温症にも注意が必要なので、保温器をセットしたケージの半分はタオル等をかけて暖かくして、反対側は温度が逃げるようにしておくと小鳥が自由に選べるので、保温と高体温症予防の両方に対応することができます。
床面の糞掃除は毎日、あるいは2日おきには行いましょう。
また、餌入れや水入れもこまめにきれいにしてあげてください。
餌は減り具合を毎日チェックし、また床の清掃をする際には糞便の状態と数を大まかに確認して、何か気になることがあれば病院に相談しましょう。
放鳥とはインコを籠から出し、運動不足やストレスを解消させることです。
また、放鳥を行うことで飼い主とのコミュニケーションを図ることができます。
インコに取っても飼い主にとっても大切な時間ですね。
ただし、時間も決めずにダラダラと放鳥しているのは適切とは言えません。
思わぬ事故を避けるためにも、放鳥する時間は1日に1時間程度にしておきましょう。
以下が放鳥をする際の注意点になります。
部屋のドアも閉じ、ほかの家族がドアを知らずに開けてしまわないよう、前もって放鳥することを知らせておきましょう。
また、誤って窓にぶつかってしまったときのために、レースのカーテンを引いておくと安心です。
鳥は体の中にフンをためておくことができず、食べたらすぐに排泄する動物です。
フンを出さないようにする方法はありませんが、ケージから出している間はインコをよく観察し、フンをしたらすぐに片付けましょう。
保護カバーを付けるほか、インコがかじって遊ぶおもちゃを用意し、そちらに興味を持っていかせるのも対策のひとつです。
紙は小さく千切ってしまうので、大切な書類や本は避難しておきましょう。
また、家の中にはインコにとっては危険なものも沢山あります。
例えば、とがった鉛筆や冷えていないアイロン、炊飯器の蒸気、観葉植物にもインコに有毒なものがあります。
こういったものは予め片付けてから放鳥を行うようにしましょう。
インコを飼う時に知っておくと良いのは、インコには噛み癖があるということです。
噛み癖のしつけをきちんとしておかないと、飼い主がケガをしてしまったりする可能性も高いので、できるだけ早い段階でこの噛み癖についてのしつけは行うのが良いでしょう。
手や指をかまれた時などは、くちばしの奥に軽く指を入れてみたり、息を強めに吹きかけたりして、人間の指を噛むと嫌なことがあるのだと関連付けて学習をさせしつけを行いましょう。
インコを飼うとなればやはり憧れるのが、手乗りにするということでしょう。
セキセイインコをはじめ、 文鳥 のように手乗りに育てるのは比較的簡単です。
ただ、小さい頃から飼育することが必要です。
ヒナの頃は頻繁にエサを与える必要があるので、その時に手に乗せたり、籠から出すときに手に乗せたりと、とにかく気が付いた時には手に乗せるようにすれば良いのです。
日常的にそうしていれば、手に乗りたがりますし、頭にも肩にも腕にも触れたがるようになります。
成長した大人のインコを飼う場合、後から手乗りにするのは難しいと言われています。
確実に手乗りにするにはやはヒナから育て、手に乗せながらお世話をすることが重要なのです。
また、どちらかと言えばオスの方が手乗りになりやすい傾向にあるので、手乗りを希望するならオスを飼育するようにしましょう。
インコにしゃべってもらうには「しゃべると楽しい!もっとしゃべりたい!」と思ってもらわなければいけません。
飼い主との信頼関係がとにかく大切です。
求愛行動の一環としてお喋りやさえずりをするので、たくさん話して欲しいという場合にはオスを飼育するようにしましょう。
名前を読んでインコに自分の名前を覚えてもらいましょう。
インコの目を見ながら「〇〇ちゃん」と楽しそうな雰囲気で呼びかけることが大切です。
そうしているとインコも「〇〇ちゃん」と返してくれるようになることがあります。
インコが自分の名前をしゃべったら「すごい!」「〇〇ちゃん、やったね!」とオーバーリアクション気味に喜んであげたり、おやつをあげるなどして、おしゃべりが楽しいものだとインコに覚えてもらいましょう。
名前を言えるようになったら、「〇〇ちゃん、おはよう」「〇〇ちゃん、お休み」など時間や行動と言葉を、関連付けさせて教えていきましょう。
一通りの言葉を覚えてきたら、迷子になった時のために、住所を覚えさせるのもいいかもしれませんね。
インコのおしゃべり訓練の注意点として、決して言い間違えても怒らないようにしましょう。
インコはあなたと楽しくおしゃべりしたいと思い、一生懸命言葉を覚えようとします。
時間をかけてゆっくり楽しみながらトレーニングをしてください。
今回は飼育数の多いセキセイインコの繁殖について解説していきます。
大型のインコ(コンゴウインコなど)は、性成熟(繁殖できる)まで4〜7年もかかります。
一括りにインコの繁殖といっても、大きく異なることがわかります。
セキセイインコの繁殖自体は実はそれほど難しくはありません。
しかし、実際考えなければならない事は繁殖が終わって、ヒナがかえってからの方が多いのです。
インコはつがいになると、年間平均で10個程度の卵を産みます。
このように、インコの繁殖は計画的に行う必要があります。
繁殖以後のこともきちんと考えた上で、インコを繁殖させるかどうか検討しましょう。
鳥類の繁殖行動は「巣引き」と言われています。
セキセイインコの発情は生後数ヶ月で発生し、性成熟(繁殖できる)は生後6〜7カ月です。
ただし、メスは適齢期が1歳~3歳なので、この期間に巣引きさせるようにしましょう。
適齢期以外の時期だと、母鳥の体に及ぼす様々なリスクが大きくなってしまいます。
インコは季節によって発情期が決まっていないので、飼い主は特に発情期を見逃さないように注意しなければなりません。
冬は低温によりヒナの死亡や卵詰まりのリスクが高くなるので、避けるようにしましょう。
オスの求愛行動が頻繁になります。
具体的にはメスへの吐き戻し(いわゆるラブげろ、発情吐出)や、尾羽を左右に振ってお尻をこすりつける行動が増えます。
対象はメスのインコだけとは限らず、飼い主や犬や猫などのペットにも求愛行動をとることがあります。
オスは発情期になると羽色が鮮やかになり、メスはクチバシが変色するようになります。
メスの発情行動は、お尻を挙げて交尾を許容する体勢(シャチホコポーズ)をとったり、止まり木や紙を千切って巣材を集めたり(営巣)もします。
わかりやすい発情サインなので、しっかりと観察しておきましょう。
発情期がきたら、候補の相手とお見合いさせましょう。
ケージ越しに顔を合わせてから、一つのケージに入れてみましょう。
相性が良ければ、オスが求愛行動を繰り返した後、2羽で仲良く隣り合っている姿が見られるはずです。
逆に、相性が良い年齢の近いオスとメスを共に入れておけば発情は容易に引き起こされるので、繁殖につながっていきます。
また、栄養価の高いペレットを追加することで発情を誘発します。
無計画に発情を引き起こすと病気になり短命になるので、ずっと一緒にしておくのは止めましょう。
相性が悪い場合にはケージ越しにケンカするので、その場合には無理に繁殖させるのは諦めるようにしてください。
メスが巣箱にいる時間が長くなったら、中で卵を温めているサインです。
ヒナは18日前後で卵からかえる ので、巣箱の中から雛の声が聞こえるまでは親鳥にストレスを与えないようにしましょう。
巣箱の中を見たり、手を入れたりしてはいけません。
インコの繁殖は意外と簡単に行うことができますが、先述した通り、インコの繁殖を試みる前にきちんと最後まで面倒を見ることができるのかを熟考しましょう。
新しい命にはきちんと責任を持って対処することが大切だということを忘れてはいけません。
カフェインがインコにとっては猛毒です。
カフェインやタンニンが猛毒です。
揮発性のアルコールを知らずに吸引してしまい、歩行困難などの急性症状が出てしまうケースもあります。
塩分、糖分が鳥にとって多すぎます。
また、麺類や御飯は粘性が高く、カビになりやすいため、そのう炎(後述します)の原因になります。
そのうとは鳥類の消化器官の一部です。
刺激が強く、中毒症状を引き起こします。
有毒なソラニンが含まれています。
タバコに含まれるニコチンが有害です。
テフロン加工のフライパンなどの「焦げ付き防止」に使われている物質である ”ポリテトラフルオロエチレン” が猛毒です。
また、加熱したフライパンから有害なガス(フッ素化合物)が発生し、そのガスで鳥が急死することもあります。
発症すると10分~で死に至る、致死性の高い物質です。
テフロン加工のフライパンを予熱で温めて、空焚きしてしまうことでインコを殺してしまうことがあるため注意してください。
カーテンの重りに使われており、放鳥時にかじって、亜鉛中毒になった例が報告されています。
鳥のいる部屋で使うと、急性中毒になることもあります。
アロマ効果があるお香の煙も、実は鳥には有毒です。
口に入れると、中毒を引き起こすものがあります。
シードとは、その名の通り種のことです。
日本でもっともポピュラーな餌であり、インコの重要な主食です。
インコも好んで食べるのですが、これだけでは栄養バランスが悪いために、小鳥の飼育歴史が長いヨーロッパではペレットが主流です。
ペットショップに行くと、いろいろな穀物の種子が配合された混合シードが売られていますが、ヒエ、アワ、キビがミックスされたものが多いようです。
シードを主食にする時には以下に述べるように野菜やカルシウム剤(ボレー粉)、総合ビタミン剤も併用するようにしましょう。
また、小鳥といえばムキ餌といった図式が一般的ですが、実際にはこれだけでは不十分です。
できれば、殻付き混合餌の方がより良いでしょう。
殻付き混合餌も完全とは言えませんが、ムキ餌よりは栄養的なバランスが良いようです。
逆に欠点は、殻が散らばって周囲を汚すことや、餌がまだ十分入ってると思っていたら実は殻だけだったと言う話を耳にします。
これを飼い主が見て「まだ餌がある」と勘違いしてしまうと、餌の交換が遅れ、最悪の場合はインコが餓死してしまうこともあります。
こうならないためにも、餌の交換は特にこまめに行う必要があります。
一日一回はエサ入れの様子を見て、殻がたまっているようならゴミ箱の上などで息を吹きかけると、殻だけを取り除くことができます。
参考価格:683円(税込)
メーカー名:黒瀬ペットフード
内容量:1L
原材料:ヒエ、ムキオート麦、シード、アワ、キビ、赤キビなど
ペレットとは、インコに必要な栄養を考えて作られた総合栄養食のことです。
犬にとってのドックフードのインコ版のようなもので、栄養的に大変優れた餌だと言えます。
もしどうしても食べてくれないのであれば、ビタミン剤やサプリメントを別で与えるなどして栄養管理をしましょう。
ちなみに、主食の7割以上がペレットの場合、ビタミン剤などのサプリメントは必要ありません。
状況によっては特定の栄養素を過剰に摂取してしまうことになるので、野菜類を与える程度にしてください。
参考価格:1,907円(税込)
メーカー名:黒瀬ペットフード
内容量:600g
原材料:コーングリッツ、米粉、小麦粉、脱脂大豆、大豆粉、脱脂米ぬかなど
副食は常に主食を補足する形で与えるべきです。
その量や内容は、個体や年齢、体調などによって異なります。
また、味付きのものは、偏食になったり栄養バランスを崩す元になるので積極的に与えるべきではありません。
副食には新鮮な野菜を与えましょう 。
なお、以下が副食に適したものです。
青菜(小松菜、チンゲン菜)、ブロッコリー人参、カボチャ、サツマイモ、ソラマメ、キャベツ
ボレー粉、カトルボーン、卵の殻、ミルワーム、にぼし、ゆで卵黄身、果物類
合わせて読みたい: 何を食べさせたらいいの?インコの餌について知っておきたいコトまとめ!
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日頃から愛鳥の健康に気を遣うことは飼い主の義務ですよね。
特に健康面に問題が無くとも、ヒナを飼いはじめて二週間経ったらまず病院に連れていき健康診断をしてもらうのが良いでしょう。
それ以降も、一年に一度はお医者さんで健康診断を受けることをオススメします。
以下はインコがかかりやすい病気についてのまとめです。
病院に症状を説明する際にお役立てください。
自己診断に基づいて治療を行うことはリスクが大きいので、必ず獣医さんに症状を説明する際の参考程度に留めてください。
胃炎になり食欲減退、元気消失し、時に吐き気や嘔吐、胃潰瘍、胃出血、血便、黒色便、貧血などの症状があります。
感染により胃腸の消化能力の低下が起こる為、食べた種子が消化されずにそのまま排泄され(全粒便)、食べても食べても痩せていってしまいます。
最悪の場合は突然死もありえます。
多くの鳥類の胃に生息している、棒状の微生物でカビの仲間である ”メガバクテリア” によって起こる色々な疾病を、メガバクテリア症(マクロラブダス症)と言います。
主な感染経路は母親から子への垂直感染と言われ、親から子へ与えられる吐き戻しのエサからの感染。
また、同居している鳥の糞を食べたり、オスの求愛時の吐物から移ることもあります。
感染したからといって全ての鳥が発症するわけではありませんが、発症し感染が進行した場合、慢性化するとなかなか治らない病気です。
特にセキセイインコは感受性が高く、発症すると重症化あるいは死亡することが多いです。
発症する前に早期発見、早期治療すれば、抗真菌剤を投与することで完治も可能な病気です。
日頃から愛鳥の様子を観察し、何か異変を感じればすぐに病院に相談しましょう。
最初は脚のしびれや筋肉の痛み、跛行(足をひきずりながら歩く)が始まり、片足から両足と進行します。
やがて、足先だけで体を支えられなくなると、かかとをついて歩くようになり、嘴や翼を使って移動するようになります。
さらに進行すると、呼吸困難や循環障害、脳神経障害により痙攣を起こして死亡してしまうこともあります。
たくさんの栄養素が必要な巣立ち後の幼若期に見られ、特にアワ玉のみの挿し餌で飼育されている幼鳥が最も発症しやすいです。
ビタミンB1は穀類に含まれ通常欠乏しませんが、アワ玉を作る過程でほとんどが減少してしまうので、アワ玉のみでは欠乏するのです。
さらに、巣立ちの時期には運動量も増えてB1消費量も増加してしまうのです。
欠乏状態になると、神経の糖代謝の阻害が起き、多発性神経炎が起きます。
予防はビタミンB1豊富な食餌給与で、幼若鳥用のペレット、もしくはパウダーフードが適切です。
幼鳥や産卵期の鳥に見られ、なかでも骨軟化症はオカメインコで多く発生します。
腸管からのカルシウム吸収ができなくなるため、幼鳥は成鳥不良、成鳥では骨軟化症、骨折、骨粗鬆症などが起こります。
ビタミンD3不足の食餌をしている鳥は日光 浴不足が引き金になり欠乏症となります。
冬場は特に発生率が高まります。
家では日光浴を一日最低15分、ガラス越しなら30分は行いましょう。
甚急性、急性、慢性の3型に分けられ、甚急性型は肺炎、腸炎、急激な体重減少、死亡など。
1か月齢前後の幼鳥に見られる急性型は沈鬱、発育羽毛の異常、そ嚢食滞、下痢など。
若鳥~成鳥に見られる慢性型では羽鞘(うしょう)の残存、出血、折れ、くびれ、ねじれ、変色などの羽毛障害、進行性の脱羽、脂粉の減少、嘴や爪の過長や脆弱化などが見られます。
PBFDは、サーコウイルスの感染によって引き起こされ、重篤かつ致命的な感染症疾病です。
PBFDは主に3歳以下のあらゆるオウム・インコ類に多く発症し、病鳥の糞便及び羽毛ダストまたは汚染環境を介しての水平感染の他、母子の垂直感染があるようです。
潜伏期間は早いもので2~4週、遅いもので数カ月~数年に渡ります。
また、この病気ではリンパ系器官が障害され、免疫不全になることが知られています。
オーム病はクラミジア・シッタシの感染によって引き起こされる人畜共通感染症です。
人ではインフルエンザ様症状を示し、治療が遅れると肺炎や気管支炎などの呼吸器疾患を起こします。
鳥類では一般に無症状ですが、発症すると元気消失、食欲不振、体羽の租造化、体温低下、震え、昏睡、結膜炎、呼吸困難、鼻炎、副鼻腔炎、衰弱、脱水、黄色~緑色便、水様便があり、死亡することもあります。
あらゆる年齢の鳥類全般に罹患する可能性があり、世界中で発生が見られています。
病鳥の糞便、分泌液及び羽毛ダストまたは汚染環境を介しての水平感染のほか、垂直感染も知られています。
潜伏期間は数日~数週以上で、不顕性感染または持続感染することも珍しくありません。
日頃から愛鳥の様子を観察し、重篤化するまえに病院に連れて行きましょう。
マイコプラズマ病は、マイコプラズマ菌の感染によって引き起こされる呼吸器疾患です。
鳥類のマイコプラズマ病は、慢性呼吸器病及び関節炎を引き起こし、結膜炎、鼻炎、副鼻腔炎、気管支炎、気嚢炎にまで進行することもあります。
セキセイやオカメインコでは結膜炎や副鼻腔炎が慢性化することが知られています。
病鳥との直接接触、病原体を含む飛沫物やほこりを介しての水平感染の他、介卵による垂直感染も知られて います。
疥癬はダニ目、ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症です。
セキセイインコによく見られ、口角や脚の鱗(うろこ)が最初に侵されやすく、次第に嘴、ろう膜顔、脚全体に広がり、嘴や爪が徐々に変形し過長します。
多くは痒みを伴い、重度の場合衰弱死することもあります。
ヒゼンダニの仲間は鳥の体を離れると長く生きていられず、鳥同士が接触することで伝搬すると考えられます。
病変部を掻爬あるいはテープスタンプし、顕微鏡検査で成虫、卵を見つけることで診断します。
治療はマクロライド系駆虫薬の経口投与、あるいは経皮投与で、通常良好に治癒します。
愛鳥が身体を痒がっていたり、上記のような症状が見られたら、すぐに病院に相談しましょう。
主に腹部に多く見られ、結節状~扁平状に腹壁の皮膚が膨らみ黄色くなったものです。
原因は様々ですが、肥満、甲状腺腫、慢性肝不全、メスの持続発情に伴う高脂血症が続くことにより発生します。
過発情になると女性ホルモン(エストロジェン)過剰から高脂血症になり、加えて抱卵班(抱卵期になると腹部の皮膚が分厚くなる)や腹部ヘルニアで皮膚が進展してしまうことが関連するのではないかと考えられています。
発情が収まると黄色腫も消えてしまうことも多いです。
原疾患を治療することが大切で、治療と同時に多くの症例では、高脂血症を改善するための投薬や食事療法が必要とされます。
また、内科的な治療による効果がなかった場合には、外科的に摘出する場合があります。
過発情を予防することが大切です。
セキセイインコの場合、通常1年に1~2回の産卵周期があり、1回の周期に4~7個産卵します。
これを上回る産卵回数、産卵数になれば過剰産卵と言えます。
栄養的に充足し、卵管に異常がなければ問題は起こりませんが、栄養不足や卵管異常を同時に生じていると、卵の変質や変形、卵塞などあらゆる繁殖関連疾患の原因となります。
変形性関節症などの骨と関節の異常を起こし、脚を引きずる、脚を挙げる、飛べない、羽の位置が変わる、貧血などの症状が出ることがあります。
発情ばかりしていると、骨へのカルシウムの沈着も進行すると全ての骨の骨髄が消失(カルシウムの沈着)していきます。
骨髄の消失が上腕骨の場合、本来空気が入る場所なので(上腕気嚢)、空気が入ることが出来なくなります。
多骨性骨化過剰症は骨が重くなるだけではなく、空洞な骨のようにしなやかさが無くなり、硬くなるので折れる(骨折)などの事故が起こりやすくなります。
セキセイインコによく起こり、過発情の時だけでなく繁殖異常を持つメスや精巣腫瘍を持ったオスにも見られます。
精巣に発生する腫瘍です。
3歳以上のセキセイインコに特に多く見られます。
精巣は熱に弱く、高温に長期間さらされると腫瘍化しやすくなると考えられています。
発情期になると精巣は著しく腫大し各臓器と密着します。
鳥の体温は42℃前後なので、精巣は高温の中でさらされることになり、更に持続発情している状態では精巣が長期間高温下で存在することとなるのです。
精巣腫瘍の中にはエストロジェンを大量に分泌するタイプがあり、これがメス化を起こします。
例えば、ろう膜の変色(青色→茶褐色)、交尾の受け入れ姿勢や巣作り行動などのメスの行動、骨髄骨の形成などが起こります。
精巣が体内の中で肥大すると他の臓器や神経を圧迫するため、脚の麻痺や胃腸の通過障害、呼吸症状なども見られます。
卵が膣部あるいは子宮部から一定時間経過しても出てこない状態をいいます。
床でうずくまる、沈鬱、膨羽、食欲不振、長時間のイキミ、呼吸 促迫などですが、無症状の場合もあります。
卵塞の時間が長くなると痛みによりショック症状を起こすことも多く、 突然死することもあります。
腹部に卵が触知されてから24時間以内に産卵されない場合は卵塞ということになります。
初産や過剰産卵の時によく起こり易く、更にビタミン、ミネラル不足の食餌を与えていたり、日光浴が不足している時にも発生率が高くなります。
原因は様々ありますが、低カルシウム血症による神経的な子宮収縮不全、運動不足や栄養不足、疾病などによる産卵に必要な筋力の低下、変形卵や未成熟卵、巨大卵などの卵の形成異常による通過障害、ストレスによる産卵機構の急停止 、ホルモン失調、外傷などによる卵管口の閉鎖 があります。
卵塞になった場合は、何らかの処置が必要なことが多いです。
卵を触知して24時間経っても出てこない場合は、必ず病院に相談するようにしましょう。
腺胃が様々な疾患から拡張している状態を言います。
種類によって発生の原因が異なり、コンゴウインコやヨウム、バタンなどでは、胃を支配する神経へのウイルス感染。
セキセイインコの場合は、慢性胃炎や胃癌、マクロラブダス症、胃閉塞など 様々な疾患から二次的に起こる可能性があります。
急性に発症した時には、食欲不振、食滞、嘔吐、緑便などの一般症状が見られます。
慢性化した場合は症状が見られないこともありますが、胃の機能が著しく低下しタンパク質の消化ができなくなるため、たくさん食べても痩せてしまう消耗性疾患となります。
原因の確認のため糞便検査や ウイルス感染の遺伝子検査なども有効なので、体重の減少や病的症状が見られる場合は 病院での診察を受けましょう。
毛引き症は自分で羽毛を引き抜く症状を言います。
皮膚を傷つけることにより出血し、毛引き症の場合には頭部の羽毛は正常に生え揃っていることが多く、頭部の羽毛にも脱毛が見られるときには毛引き症ではない可能性があります。
嘴の届かない顔周囲以外の体のあらゆる部位の羽毛を抜いてしまい、地肌が丸見えの状態までなることがあります。
多くのインコで見られますが、特にコザクラインコ、ボタンインコ、オカメインコ、ヨウム、バタンなどに多いようです。
これらの種類に特徴的なのは、知能が高くて愛情細やか、人になつく内向的なタイプであることです。
環境の変化などのストレス、退屈で周囲の気をひこうとしたりするなどの心因的なもの、ワクモ等のダニなどの外部寄生虫やヘキサミタなどの消化管内寄生虫、ウイルスの感染によるもの、栄養障害、皮下脂肪の過剰な沈着による血行障害、外傷など、多くの原因が考えられると言われています。
痛風は、尿酸が体液中に飽和状態になり(高尿酸血症)、産生された尿酸結晶の刺激によって起きる病気です。
痛風は内臓痛風と関節痛風の2つに分類されます。
内臓痛風は、尿酸の結晶が臓器に沈着するため、虚弱、食欲不振、突然死することがあります。
関節痛風は主に脚の関節に尿酸がたまり、脚をあげる、止まり木に上手く止まれない、脚の関節の腫れ、関節部分に黄白色の隆起(尿酸節)が見られる、食欲不振、虚弱、羽を膨らますなどの全身症状が表れることもあります。
原因としてタンパク質などの栄養過多、脱水、細菌・ウイルス感染症による毒血症、消化管出血、腎尿細管上皮障害をもたらす慢性ビタミンA欠乏などがあります。
特に慢性腎不全をもつ高齢のセキイセイインコで痛風が頻繁に見られ、、オカメインコやコザクラインコでも少数見られます。
水分を多く含んだ野菜をあげる、高タンパク質の食餌は避ける、水はいつも切らさずにおくことが予防になります。
そのう内のエサが腐敗、細菌が増殖すると炎症を引き起こします。
原因となる主な菌は、カビの一種であるカンジダやトリコモナスなどのなどです。
臭い嘔吐や口臭、生あくびなど。水をよく飲む、首の付け根の皮膚に充血が見られるなどの症状があります。
予防は、エサを清潔に保つ事、特に水分の多い挿しエサは傷みやすいので注意します。成鳥は、体力が低下した時に菌が繁殖しやすいため、免疫力を高め体力をつけておく事が大切です。
皮膚にあらわれるイボ状のものの他、腫瘍は腎臓、卵巣、精巣などの内部に出来ることもあります。
体表のもの以外は発見しづらく、症状もしばらく表れません。
症状として、セキセイインコの場合はろう膜の色がおかしい、腹のふくらみ、元気がない、うまく飛べない、歩けない、フンの状態が悪い、呼吸が早い等があります。
早期の発見が重要になるので、日頃から愛鳥の様子は注意深く観察し、定期的に健康診断を受けるなどしましょう。
本記事ではインコを飼育する際に必要なことをご紹介しました。
一度飼うと、もしかしたら一生のお付き合いになるかもしれない彼らですが、多彩な表情を見せてくれるインコに、あなたもきっと夢中になることでしょう。
ぜひ愛情を持ってインコと接してあげてくださいね。
※合わせて読みたい: どの種類が初心者にも飼いやすい?インコの人気種の特徴や飼い方。オウムとの見分け方も解説
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/02/07
公開日 : 2016/08/13