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まず、インコの餌と聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
「やっぱり鳥類だから木の実…?」
漠然とそう思われた方もいらっしゃるかもしれません。
野生のインコは穀物や植物の種子、ときには昆虫を食べており雑食です。
それでは、お家でペットとして飼われているインコには、何をどれだけ食べさせたら良いのでしょうか。
インコの食事量は3.5~5gくらいと言われていますが、個体差があります。
また、インコに食べさせるべき餌は一種類ではなく、人間と同じように色んな栄養素を持つ食物をバランス良く与えることが適切です。
インコの健康的な食生活のために、それぞれの餌がインコの食事としてどのような役割を持っているか、理解しておく必要があります。
インコの主食にはシードとペレットの2種類があります。
どちらもインコの主食となりますが、一般的にどちらかを与えるか、両方与えることが多いです。
それぞれ良い点と悪い点があり、一方をインコの主食にする場合は副食の選び方も異なります。
シードとは、その名の通り種のことです。
もっともポピュラーな餌であり、インコの重要な主食です。
ペットショップに行くと、いろいろな穀物の種子が配合された混合シードが売られていますが、ヒエ、アワ、キビがミックスされたものが多いです。
上記の三種類に、 カナリーシード とよばれる穀物を加えたものもあります。(もっとも、カナリーシードは嗜好性が高く、脂質も高いので、主食として食べさせないのが普通です。)
混合シードには様々な比率でミックスされたものが売られていますが、 ヒエ5: アワ2: キビ1 が一般的です。
市販のものを買わずに、自分でミックスする場合は、この比率を参考にしてみてください。
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市販の混合シードには、 殻付きのもの と、 殻のない むき餌 と呼ばれるタイプのものがあります。
どちらを買うか、悩まれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
むき餌はシードの殻が散らからず、掃除の手間が省けるので飼い主さんにとっては嬉しい餌と言えるでしょう。
しかし、インコにとって良い餌とは言えません。
殻をむいて餌を食べるのは、インコたちの食事の楽しみのひとつです。
殻をむく行為がストレス解消にも繋がるため、デリケートな個体の子には良いと言えます。
また、殻つきの混合シードはむき餌よりも栄養価が高く、水分も適当に保たれています。
むき餌に比べて腐敗がしにくいというメリットもあります。
ただ、気を付けてほしいことがあります。
殻付きの餌にすると、インコが食べた後に殻がエサ入れに残ってしまいます。
これを飼い主さんが見て、「まだ餌がある」と勘違いしてしまうと餌の交換が遅れ、最悪の場合は インコが餓死 してしまうことがあります。
こうならないためにも、餌の交換はこまめに行う必要があります。
一日一回はエサ入れの様子を見て、殻が溜まっているようなら、ゴミ箱の上などで吐息で吹いて取り除きましょう。
また、病気で殻がむけないインコのためには、むき餌の方が適切なので、体調をしっかり把握して餌を選んであげてください。
ペレットとは、インコに必要な栄養を考えて作られた総合栄養食のことです。
シードと比べ、栄養的に優れた餌だと言えます。
しかし、インコにとってはシードの方が美味しいようで、嗜好性は低めです。
人工飼料なので、シードと比べると色も形も単調なものが多く、インコの食の楽しみを考えると必ずしも良い餌とは言えないかもしれません。
そうとはいえ、シードでは補えない栄養素がバランス良く配合されているため、インコの健康を考えるならぜひ食べさせてあげたい餌です。
栄養面を重視して主食をペレットだけにしている飼い主さんも多くいらっしゃるようですが、 できればシードと一緒に食べさせてあげてください。
その際、シードとペレットは別の容器に入れるようにしましょう。
また、主食の7割以上がペレットの場合、ビタミン剤などのサプリメントは必要ありません。
場合によっては特定の栄養素を過剰に摂取してしまう ことになるので、野菜類を与える程度にしましょう。
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ペレットを与えるときに問題になるのが、なかなかペレットを食べようとしないインコがいるということです。
特に長い間シードが主食で、途中でペレットに切り替えようとした場合に、この問題が起こりやすいです。
このようなときには、まずシードのエサ入れに少しだけペレットを混ぜてみて、徐々にペレットの割合を増やして味に慣らしていく工夫が必要です。
もしペレットだけ避けて食べているようなら、こまかく砕くかすりつぶして混ぜると、確実に食べさせることができます。
インコは糖分を好みますから、ペレットに少しだけ砂糖をまぶすのも良いでしょう。
ただ、糖分の摂りすぎは健康によくないため、量に気を付け、切り替えが完了したらペレットだけにします。
手乗りインコの場合には、飼い主さんが手から与えてあげるのも有効かもしれません。
完全に食べてくれるようになったら、エサ入れの中身をペレットだけにしましょう。(シードとペレットの両方を与えるときは、前述したように別々の容器に入れます。)
ただ、急に中身がペレットだけになってしまうと、警戒して全く食べないインコいますので、切り替えは慎重に行いましょう。
ペレットはメーカーによって味が違うため、好き嫌いの激しいインコの場合は、色々な種類を試してみるのもいいかもしれません。
海外から輸入しているメーカーがほとんどですから、急に手に入らなくなったときのことを考えると、出来る限り複数種類のペレットを美味しく食べてくれるようにしたいですね。
最近では、人工飼料のペレットでも単調にならないように香りをつけたり、色をカラフルにしたり、形も様々なものが多く出てきました。
バリエーション豊かな食事だと、インコも食べるのが楽しみになってくれるかもしれません。
ただ、色がついているものはインコのフンの健康チェックの妨げになるので、おやつにあげるのが良いでしょう。
餌と同じく、重要なのが飲み水。
基本的に水道水で問題ありませんが、塩素が気になるようでしたら、浄水器の水を与えるか、一度沸騰させてからよく冷ましたものを与えてください。
ミネラルウォーターを与えるときは、硬水ではなく軟水のものを与えると良いでしょう。
もちろん、飲み水は一日1~2回は交換して、夏場はこまめに取り替えます。
餌も飲み水と同じで交換が欠かせませんが、交換をするのは主食と、これからご紹介する野菜類だけで大丈夫です。
ミネラルを摂取するための副食は、一度設置したらなくなるまでそのままにして、ときどき傷んでいないかをチェックしてあげましょう。
インコの餌には野菜が欠かせません。
特に シードだけを主食としているインコ の場合、ビタミン類が不足しがちになるため野菜は必須です。
総合栄養食のペレットが主食でも、野菜にはちぎって食べたり、かじったりする楽しみがあるので、与える方が良いでしょう。
そうとはいえ、野菜といっても色々な種類があります。
中にはインコにとって有毒となるものもあるので、何を与えたらいいのかしっかり把握しておく必要があります。
インコにとって理想的だと言われている野菜は小松菜です。
昔はツルの餌だったともいう小松菜は、たいていのインコが喜んで食べてくれる野菜です。
ビタミンも豊富で、ミネラルも含まれています。
新鮮なものを生のまま与えましょう。
他にも、下記のようにインコの餌となる野菜はあります。
与える場合、無農薬のものが理想です。
インコは少量の薬品でも影響を受けてしまうことがあるため、農薬の心配があるときはよく水洗いをしましょう。
無農薬の野菜は傷みやすいので、できれば毎日代えてあげるのが良いです。
また、野菜の他にも、春先にあらわれる野草はインコの大好物となります。
具体的には タンポポの葉 、 シロツメクサ 、 ナズナ 、 ハコベ 、 イヌビエの実 、 オオバコ などです。
野菜がインコの健康にとって良い餌となることは分かりましたが、中には食べさせてはいけないものがあります。
具体的には以下のものがあげられます。
キャベツ 、 芽キャベツ 、 ホウレンソウ 、 アボカド 、 ジャガイモの芽 、 生の豆類 、 ネギ類 、 ニラ などです。
いずれもインコにとって毒となる成分を含み、食べると様々な問題を引き起こす可能性があります。
絶対に与えてしまわないよう、気を付けなければいけません。
また、毒となる成分は含みませんが、 白菜 や レタス は水分を多く含むため下痢の原因となります。
与えない方が無難と言えるでしょう。
ちなみに、インコが食べると害になる植物というものがあります。
アジサイ 、 アサガオ 、 オシロイバナ 、 カポック 、 ゴチノキ 、 ニチニチソウ 、 スイセン 、 スズラン 、 ポインセチア 、 ベンジャミン 、 ベゴニア 、 ヒヤシンス 、 セントポーリア など、たくさんの種類があげられます。
これらの植物を自宅で育てている場合は、 インコを近づけないようにしましょう。
インコは好奇心旺盛で、興味のあるものにはどんどん近寄ってつついたりもしますから、放鳥のときには特に注意が必要です。
好き嫌いの激しいインコは、野菜をなかなか食べないこともあります。
ヒナのときから刻んで与えていれば問題ありませんが、成長後は難しい問題です。
そういうときは、鳥籠やケージの底に、小松菜などの野菜を転がしておくと、興味を持ったインコが食べてくれることもあります。
よく懐いているインコであれば、飼い主さんが美味しそうに食べてみせると食べたがるかもしれません。
ひとつの野菜だけではなく、色々な種類のものを試してみると良いでしょう。
また、ペレットが主食のインコの場合、無理に食べさせなくても良いという考え方もあります。
そうとはいえ、様々なものを食べることで栄養の偏りを失くすことができますから、好みの野菜を見つけてあげると良いですね。
シードが主食で野菜嫌いなインコは、ビタミンの摂取量が心配になるため、ビタミン剤を与えつつペレットを試してみたり、上記の方法で野菜嫌いを克服させるようにしてみてください。
主に補助栄養となるミネラルやヨウ素、カルシウムを摂取するための餌です。
ここではビタミン剤なども含みます。
主食の餌では補いにくい、上記のような栄養素を補充する役目があります。
シードやペレットと違って常食する必要はないので、毎日取りかえたり、継ぎ足したりしなくても大丈夫です。
また、ペレットが主食のインコには、副食は不可欠ではないため必要に応じて与えましょう。
副食で補う栄養素には、インコに必要なビタミン類のほか、 ミネラル や ヨウ素 、 カルシウム などがあります。
ミネラルやヨウ素はシードが主食のインコに不可欠ですし、カルシウムは骨や卵の形成に必要となります。
特にメスのインコは、カルシウムをしっかり摂取していないと、卵づまりを引き起こしてしまうこともあるため注意してください。
それでは、これらの栄養素を適切に摂取するにはどのような餌が良いのかをご紹介します。
ボレー粉とは、牡蠣の殻を砕いて粉にしたものです。
これを餌として食べさせることで、 カルシウム や ヨウ素 を補うことができます。
ボレー粉の中には色付きのものも売られていますが、人工着色料や不養分を含むものもあるので、白いものがおすすめです。
また、市販のボレー粉は汚れている可能性があります。
開封したら水で洗い、電子レンジで殺菌するか天日干しをしましょう。
湿気を吸いやすいので、エサ入れにいれた後はカビに注意してください。
インコが過剰に栄養素を摂取しないためにも、エサ入れは比較的小さめのものを使いましょう。
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メーカー名:黒瀬ペットフード
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カトルボーンは、イカの甲羅を干したものです。
カルシウム の摂取に役立つので重宝されています。
与えるときは、ケージなどにくくりつけて固定するのが良いですが、見た目をこわがってしまうインコには、砕いてエサ入れにいれてあげましょう。
また、胃腸の弱いインコはボレー粉よりも、カトルボーンの粉末を与えた方が胃に優しいです。
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内容量:2枚入
生産国:日本
鉱物飼料 には、 塩土 や グリッド 、 ミネラルブロック などがあります。
これは主に ミネラル の補給になりますが、塩分ですので摂り過ぎると内臓の負担になってしまいます。
ミネラルを摂る必要のある夏前や、繁殖期にはケージの中に設置し、その他の時期は与えないようにしましょう。
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メーカー名:黒瀬ペットフード
内容量:220g
生産国:日本
鉱物飼料に限らず、副食はすべて 食べ過ぎ注意です。
食いしん坊なインコの場合は量を調節したり、カトルボーンは砕いて与えるなどして、食べさせ過ぎないように工夫しましょう。
また、 ビタミン剤 などのサプリメントは、特に偏食で栄養に偏りのあるインコ、ペレットも青菜も食べたがらない食の細いインコなどに、必要に応じて利用するのが適切です。
その際、 必ず成分や含有量が明記されているものを与えましょう。
おやつですから与え過ぎはいけませんが、少量なら毎日与えても良いものもあります。
インコにとっておやつは食べる楽しみが大きいですし、飼い主さんとコミュニケーションをとることで、いっそう仲良くなるためのきっかけをつくることにも繋がります。
インコにとってのおやつは、高脂肪分のシードのほか、果物があります。
シードのおやつには、 ヒマワリの種 、 麻の実 、 サフラワー 、 エゴマ 、 ナタネ などがあげられます。
これらは特にコザクラインコや、オカメインコ、中型大型のインコが好みます。
他にも 青米 、 エン麦 、 そばの実 、 キヌア 、 カナリーシード 、 かぼちゃの種 、 粟穂 も、多くのインコちゃんに好まれます。
主食の混合シードに含まれることもある カナリーシード は、インコの大好物ですし、 粟穂 は主食のアワなので、毎日でもおやつとしてあげることができます。
それ以外に、中型、大型のインコには むきクルミ や ドライフルーツ 、 ナッツミックス などを与えると喜びます。
生の果物のおやつには、 りんご や みかん がおすすめです。
インコにおやつをあげるときに気を付けてほしいことがあります。
それは、おやつを 与え過ぎないようにする ということです。
シードのおやつは高脂肪のものが多いですし、果物には糖分がたくさん含まれています。
シードは少量を食べさせ、果物を与えるときはひとかけら程度にしましょう。
さらに、 果物 を与えるときに注意してほしいことがあります。
実は、果物の種にはインコにとっての 毒成分 が含まれているのです。
りんごの種 、 イチゴの種 、 ももの種 、 アンズの種 、 ビワの種 などは、絶対に与えないようにしましょう。
中型、大型のインコに ドライフルーツ を与えるときも、なるべく着色料、保存料のないものを与えるのが良いです。
また、人間の食べるものは基本的に与えてはいけません。
インコが人間の食べ物を食べてしまうと、病気になってしまいます。
おやつを食べさせたいからといって、 人間のお菓子やごはんを与えるのは絶対にやめましょう。
最後に、インコの餌についておさらいをします。
インコの主食は主にシードとペレットの2種類があります。
主食と共に絶対に欠かせない飲み水は、毎日交換してください。
インコは野菜類からビタミンを摂取する必要があります。
※ 白菜 や レタス には毒はありませんが、水分が多く下痢をしやすくなるため与えない方が良いです。
インコは副食でミネラル、ヨウ素、カルシウムなどを摂取する必要があります。
主な副食: ボレー粉 、 カトルボーン 、 鉱物飼料 (塩土、グリッドなど)
副食は与え過ぎないように注意してください。
ビタミン剤 などのサプリメントは必要に応じて利用するようにしましょう。
インコのおやつには、シード類と果物があります。
※ りんごの種 、 イチゴの種 、 ももの種 、 アンズの種 、 ビワの種 を与えないように注意してください。
おやつはときどき、少量を与えるようにすし、人間のお菓子やごはんは絶対に与えないようにしましょう。
インコに与える餌について、基本的なことがお分かり頂けたかと思います。
中には食べさせてはいけないもの、注意すべきことも多くありましたが、 飼い主さんが気を付けてあげることで、危険を回避することができるはずです。
インコが元気に過ごすことができるよう、 美味しいものをバランス良く食べさせて、健康に気遣ってあげてくださいね。
※合わせて読みたい: どの種類が初心者にも飼いやすい?インコの人気種の特徴や飼い方。オウムとの見分け方も解説
公開日 : 2016/05/29