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最近、山間部や農村部だけではなく街中でもイタチの目撃がなされています。
写真で見ると可愛らしい出で立ちではありますが、家に侵入されると様々な被害を受けたりします。
今回は、イタチについての様々な知識を説明していきます。
ペットとして飼えるのかであったり、イタチの種類や特徴も紹介していますので、どうぞご覧ください。
インターネットで「イタチ」と検索すると、「撃退」や「駆除」の方法がずらりと並びます。
少し残念に思えますね。
現在、イタチに対してのイメージはあまり良くないかもしれません。
イタチの歴史をみていくと一言では言えないものがあります。
その理由として「イタチ科」として属する動物は多岐に渡るからです。
また、生息地も南極の一部に住むものから海洋、陸地に住む種類も存在。
イタチ科の動物は54種類も存在。
食肉目(ネコ目)の動物全体の中でも最大となっています。
多様なイタチ科だけあって専門家の研究でも確実に分かっていないと言われています。
しかし、ある学者らの研究でイタチ科共通の祖先は2000万年前に存在していたのではないかと推測されています。
そこから、色々と枝分かれして、現在のような多種にわたるイタチ科の種類が誕生。
次のテーマで詳しくみていきますが、日本には4種7亜種の在来種と、1種の外来種の合わせて5種8亜種のイタチ属に属する動物が生息しています。
中でも日本全土に生息しているのは「ニホンイタチ」。
ニホンイタチの歴史をみていくと本州、四国、九州では自然分布となっていますが、北海道は違うようです。
明治初期に本州から北海道に出航した船にニホンイタチが侵入し、その後野生化。
つまり、北海道のイタチ生息は偶然の産物と言えるわけですね。
それとは反対に北海道周辺の島々である利尻島や礼文島、奥尻島、焼尻島にはネズミの駆除対策で人為的に移入。
また、本州では西日本、九州、四国では「チョウセンイタチ」の生息があります。
チョウセンイタチは基本的に対馬以外では外来種。
チョウセンイタチの拡散は1949年ごろと言われています。
九州地方に侵入して生息が拡大してきた説や太平洋戦争前後に飼育されていた説があります。
ちなみに、チョウセンイタチは「特定外来生物による生態系などに係る被害の防止に関する法律」では特定外来生物の対象外になっているため、防除対象からは外れていますね。
イタチの発生は確証が掴めないほど前になっていて、日本でもいくつかの種類が存在。
現在は都会でも目撃されるなど人々は警戒をするようになっています。
先にも紹介したように様々な種類が存在するイタチ。
イタチ科には24属55種類の動物が分類されています。
その中で、イタチ属には16から18種が存在し、日本に生息している種類は全てイタチ属。
イタチ属で有名なのは、小型のオコジョや日本でも生息しているイイズナ、ニホンイタチやチョウセンイタチが亜種となっているシベリアイタチでしょう。
最近、ペットとして注目されている フェレット もイタチ属の仲間ですね。
日本に生息しているイタチ属の種類は以下のようになっています。
以上、在来種7種、外来種1種が生息。
日本での生息はニホンイタチが多かったものの、チョウセンイタチの拡散でニホンイタチは減少傾向にあります。
生活様式も種類によって様々。
地上性のアナグマや樹上性のテン、水性の カワウソ 、ラッコもイタチの仲間になります。
説明しきれないほどの種類がイタチの仲間になっているわけです。
ここからはイタチ科全体の特徴と日本に生息しているイタチの特徴を紹介します。
イタチ科全体の特徴として、細長い体つき、短い四肢が挙げられます。
他のネコ目の動物と少し異なる点として、爪のある5本指を持っていること。
また、鋭い刃を持つことも特徴的です。
肛門の近くには臭腺を持っていて、縄張りの主張で活用します。
体の大きさは手のひらに乗る大きさのイイズナやラッコのように、 犬 と似た大きさの種類まであります。
寿命はオコジョのように4年から6年と短い種類もあれば14年も生きるヨーロッパケナガイタチも。
どのイタチもほぼ雑食性でミミズやカマキリ、 トカゲ といった昆虫や爬虫類、両生類を食べます。
時々、自分よりも大きい体のニワトリにも果敢に襲い掛かります。
日本では農作物を食い荒らすなど人々を悩ませる原因ですね。
イタチの天敵は鷹などの鋭い爪やくちばしを持った猛禽類。
その他、キツネなど一部の哺乳類も天敵と言われています。
猛禽類より生態系の食物連鎖ではイタチが少し上。
しかし、猛禽類などの鳥類は上空から音もなく飛び降りてきてイタチの赤ちゃんを連れ去ります。
ですから、イタチは猛禽類に警戒しているわけですね。
多くのイタチは可愛らしい顔とは裏腹に攻撃的な面があります。
野生のイタチへ迂闊に触れようとすると噛み付いたり引っ掻いたりしますのでご注意を。
威嚇するときには「キッ、キッ、キッー!」と高い声を小刻みに出して鳴きます。
フンは雑食性ともいうこともあり、かなりの悪臭。
水分を含んだフンは途切れることなく細長い特徴があります。
先にも紹介しましたが、イタチの肛門周辺には臭腺があり外敵を発見すると悪臭を放ちます。
悪臭を放って、外敵が怯んでいるあだに逃走。
放たれた悪臭はしばらく取れないと言われています。
いわゆる「イタチの最後っ屁」と言われるものです。
以上がイタチの特徴になりますが、全ての種類に当てはまるわけではないのでご了承くださいね。
それでは次に日本に生息しているイタチの特徴を説明します。
ニホンイタチの体はオスとメスで多少異なります。
オスの体長は27〜37cm、メスは16〜25cm。
尻尾も長く、オスは12〜16cm、メスは7〜9cmです。
さらに、体重はオスが290〜650gでメスは115〜175gほどになっていますのでオスの方がメスよりワンサイズ大きめ。
毛の色はそれぞれで違いがありますが体や尻尾は茶褐色から黄褐色。
歯は全部で34本あり獲物を捉えるため、便利になっていますね。
生息は本州、四国、九州と広範囲に生息。北海道に偶然に、離島には人為的に移入されています。
冬眠をすることはなく年中活動し、昼夜問わず行動していることも特徴的ですね。
寒さの厳しい冬でも水に入って潜んでいることもあります。
川や湖、湿地などの水辺が主な活動域ではあるものの樹木に登ったり森林帯にも行動範囲。
時々、後ろ足2本で立ち上がり、辺りを見渡します。
繁殖期は九州で年に2回、北海道で年1回。
発情期は4月中旬から6月上旬と暖かくなった時期になります。
1度の出産で3〜5匹のを出産しますが、多いときには8匹産むことも。
したがって、ニホンイタチの繁殖力は非常に強いと言えますね。
子育てはメスだけで行い、生後10週目ほどで自分で餌を捕獲できるようになり、秋には親離れしていきます。
寿命は比較的短く、野生であると2年ほどなっています。
ちなみに、屋久島や種子島に生息している日本イタチは「コイタチ」として区別されています。
チョウセンイタチはシベリアイタチとも呼ばれることがありますので同じ種類として解説します。
チョウセンイタチもニホンイタチと同様、オスがメスよりもワンサイズ大きめ。
体長はオスが28〜39cm、メスは25〜31cmで尻尾はオスオスが16〜21cm、メスは13〜16cm。
体重はオスが650〜820gでメスは360〜430g。
体の色は山吹色が特徴で額の中央から鼻にかけて濃い褐色の斑紋があります。
体の大きさでは尻尾が体長の半分以上でニホンイタチよりも大きめになっていることが特徴。
日本では先にも紹介したように本州では西日本、四国、九州に生息。
また、世界の生息はユーラシア大陸北部、ヨーロッパ東部、中国にも生息しています。
中国では体の色から「黄大仙」と呼ばれ、立ち姿が仙人の瞑想や祈りの姿に似ていると例えられています。
普段は農耕地や林のある住宅地、山麓などに生息。
あまり山間部に入らず、日本では住宅街に生息している場所もあります。
ネズミや鳥類といったものから甲殻類、魚、ときには果実の柿を食べることもあり、ニホンイタチよりも植物を好む傾向。
繁殖期は春先で1度の出産で2匹以上を産み、多いときには12匹もの赤ちゃんを出産。
1949年ごろに船舶に紛れ込んで朝鮮半島から九州に侵入したと考えられているチョウセンイタチ。
さらに、同時期、毛皮業者が養殖のために持ち込んだ個体が逃げ出して繁殖したことも考えられています。
その結果、西日本を中心に分布。
西日本ではニホンイタチよりもチョウセンイタチの方が優勢となり、ニホンイタチを山間部へ追いやっている状況。
住宅街をうろつき、人間が飼っているニワトリを襲撃し食べるなど攻撃性は高いと言えますね。
キタイイズナの体長はオスが17〜18cm、メスは15〜17cmで異なりますが尻尾の長さに違いはなく2〜3cm。
体重はオスが80〜100g、メスは50gほどで小さめの種類となっていますね。
毛色は下顎からお腹の部分真っ白で尻尾の先だけが黒、それ以外は毛色が季節で異なり、夏は茶色で冬は白。
それゆえ、冬場のキタイイズナは真っ白になるわけですね。
歯の数はキタイイズナも34本となっています。
生息は北海道の場所を問わず、エサとなるネズミが生息している場所に潜んでいます。
冬眠をせずに年中活動し、昼夜問わず行動しています。
エサはネズミの他に魚やカニ、昆虫、ミミズと動物食。
他にもサクラやヤマブドウなど植物も食べています。
繁殖期は他のイタチと似通っていて、4月から始まり8月にかけてとなっています。
年に1、2度出産して4〜6匹の子供を産み、子育てはメスが実施。
産後4週間ほどで視力を得て離乳、その後、8週目になると自ら捕食します。
その頃を境にして、産後12周目までには親離れすることがほとんど。
キタイイズナはネコ目での動物では世界で最小の大きさ。
手のひらに乗るくらいのサイズ感でしょうか。
北海道に生息しているキタイイズナとは染色体の構造が少しだけ違っています。
成獣の大きさでもオスは15〜18cm、メスは11〜22cmとかなり小さめのイタチの種類。
尻尾は2〜3cm、体重25〜250gとキタイイズナよりも少しだけ大きくなっています。
毛色はキタイイズナと一緒ですが、夏は褐色。
冬に白色になるのは一緒ですね。
生息は青森、岩手、秋田と北日本の限られた地域にしかありません。
非常に希少性のある動物と言えますね。
エサはキタイイズナと同様で繁殖も変わりないと考えて良いでしょう。
北海道に生息するオコジョで俗名をエゾイタチとも言います。
体の大きさはオスが24cmほど、メスは22cmほどですので見た感じで大きさの違いはわかりにくいでしょう。
尻尾が短いのも特徴でオスとメス共に70mm程度となっています。
毛色は下顎からお腹の部分が白、尻尾の先が黒くなっています。
季節で毛色が変わり、夏は茶色、冬は白となるためキタイイズナを少し大きくした印象。
北海道の山間部に生息し、準絶滅危惧種にに指定されています。
エゾオコジョも冬眠せずに年中活動、昼夜行動し繁殖期以外は単独行動が基本です。
既存の穴や隙間を好んで身を潜めたりもしますね。
エサも動物食ですが、植物も食します。
交尾時期が5月から6月にかけてで、出産が翌年の4月から5月にかけて。
出産まで時間がかかるのは受精卵が子宮壁にたどり着くまでに時間がかかるからです。
巣穴で出産してメスだけが子育てを行います。
生後から5週間ほどで視力を得て離乳も同時期。
生後12週間くらいで自分で捕食が可能になり、親離れとなります。
エゾオコジョとほぼ同じような見た目のホンドオコジョ。
ホンドオコジョの方がエゾオコジョより少しだけ体が小さくなっています。
ヤマイタチやクダギツネとも呼ばれています。
生息は東北地方と中部地方などの山間部や関東では標高1200m以上の山岳部。
生息地域で野生化したアメリカンミンクがいるところでは劣勢に立たされ、個体数は減少傾向。
その他の生息地域でも個体は減少傾向で、準絶滅危惧種に指定されています。
長野県では天然記念物の指定も受けています。
行動範囲の広さが特徴でオスの場合、40haから広い場合になると80haにも及びます。
縄張りを持っている他、機動性にも優れていて木に登ったり泳ぐことも可能。
エサはネズミやモグラ、 鳥 、鳥の卵、時には自分より大型のノウサギやライチョウも捕獲して食べます。
山小屋がある場所では捨てられている残飯を食べることも。
日本に生息する外来種、アメリカミンク。
単にミンクと呼ばれることもあります。
日本では1928年ごろに毛皮をとる目的から北海道に持ち込まれて養殖。
1960年代以降に逃げ出したアメリカミンクが野生化し問題になっています。
現在、アメリカンミンクは宮城や福島、群馬、長野で定着していることがわかっています。
飼育も可能ですが、檻の二重化やマイクロチップでの個体識別をした上で環境省へ申請が必要です。
頭胴長が36〜45cm、尻尾は30cmほどで体重は1kg前後。
毛色は暗褐色が日常的で尻尾の先が少し黒目になっています。
河川や海岸などの水辺に生息していることが多いことと、見た目が似ていることから カワウソ と見間違えられます。
しかし、行動範囲が異なりオスは数km圏内、メスは数百mとなっていますね。
水辺を好んで住むことから、甲殻類や魚類を捕食することが多くなっています。
イタチは一目見ると可愛い動物ですが、日本では様々な被害が発ししています。
都市部で被害にあうのはチョウセンイタチによるものが多いとのこと。
被害の内容は以下になっています。
また、野生化したアメリカミンクからの漁業被害も発生しています。
様々な被害に対応する民間業者や駆除グッズが増えてきていますので検討してみるといいでしょう。
我々、人間に被害をもたらしたりするイタチですがペットとして飼うことのできる種類もあります。
その種類、値段や飼育方法をご覧ください。
ペットとして人気のある種類はフェレットと呼ばれる種類です。
かなり人懐っこい性格で、見た目も可愛らしく大人気。
平均的な体長はオスが40〜50cm、メスは35〜45cmとメスが少し小さめ。
オスの体重は1.5〜2.5kg、メスが0.75〜1.5kgほど。
長生きするのもフェレットの特徴で7〜10年が平均寿命で、長いと15年も生きる場合も。
フェレットはさらに5種類に分類され、マーシャルフェレット、パスバレーフェレット、ルビーフェレット、アンゴラフェレット、マウンテンビューフェレットが存在しています。
ルビーフェレットは日本で入手困難、アンゴラフェレットはしつけの難しさから初心者は避けたほうがいいですね。
初心者にオススメはおっとりした性格で飼いやすいマーシャルフェレットです。
気になるのは購入価格、購入した後の飼い方。
値段は出身ファームや毛色でも異なりますが2〜13万円となっています。
初心者にオススメで、人気の種類でもあるマーシャルフェレットは比較的高価。
人気色のホワイトは10万円を超える場合もあります。
安価に購入したいときはパスバレーフォレットを狙ってみましょう。
2万円ほどで買えることもあります。
パスバレーフェレットはマーシャルフェレットに次ぐ人気の種類。
体格が良く病気にも強く、性格も荒くないため飼いやすい種類ですね。
飼い方として、購入後、フェレットを環境に慣れさせるためにまずはそっとしておきましょう。
家の中をうろうろしたり、匂いを嗅いだりしますが次第に環境に慣れてきます。
慣れてきたら名前をつけてご飯の時や遊んであげる時には呼んでくださいね。
遊んであげる時はおもちゃを用意してください。
飼い主の手で遊んでしまうと手をおもちゃと勘違いし、引っかかれてしまいますよ。
それから、飼育の時には以下のものを用意します。
どれも、ペットショップや購入するお店で購入可能と考えられます。
お家に連れてくる前に準備してフォレットを迎えてあげましょう。
可愛いフェレットですが、時には病気にかかることもあります。
一番かかりやすいのは癌となっています。
症状で特徴的なのは尻尾から脱毛が始まったり、体重の減少。
白血球の一部が癌になるリンパ腫にかかることもあります。
そのほか、元気がのない状態が続いたら低血糖になる病気、インスリノーマの疑いもあります。
普段と様子が違っていたら一度、病院に連れて行きましょう。
フェレットはイタチの仲間。
イタチの肛門には臭腺があり臭い分泌液を撒き散らします。
悪臭予防のために臭腺除去手術をしておきましょう。
手術後もこまめな掃除をしてあげてくださいね。
先ほど紹介したような病気にかからないように半年に1度を目安に健康診断もしましょう。
フェレットは病気にかかりやすい種類が多くなっています。
そして、性格上、チョロチョロと動き回りいたずら好きですので怪我にも注意が必要。
フェレット室内で飼うことになるわけですが暑さに弱い動物ですので、特に夏場はエアコンで室温を15〜23度に保ってくださいね。
種類が豊富なイタチ。
日本では何かと人間に危害を加えますが、ペットとして人気の種類もあります。
野生のイタチも発見すると可愛らしいと言えます。
特徴を知ってうまく向き合いましょう。
公開日 : 2017/10/12