本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
それではまず、なぜ猫が人間を噛むのかその理由を探っていきましょう。
猫に噛まれないようにするためには猫が噛む理由を分析し、知ることが大切です。
この項目では猫がどういった場合に人間を噛むのか、5つのパターンに分けて説明していきます。
なお、本記事では「甘噛み」は1種の愛情表現・相手を傷つける目的ではない噛み方のこと、「本気噛み」は相手を攻撃して傷つける・獲物として捕獲するための噛み方のことを表します。
1つ目の理由としては、 「猫なりの愛情表現である」 ということが考えられます。
猫にはコミュニケーションや愛情表現の一環として、猫同士で甘噛みしあう習性があります。
この習性から、なでてもらった時や嬉しい時にお返しのつもりで甘噛みをしてしまうことがあります。
しかし残念なことに、猫にとっては愛情表現であっても噛まれた方は痛みを感じるものです。
このパターンの場合は噛まれた瞬間に おもちゃ を差し出し、猫の興味を移すと良いでしょう。
なお、猫は本来母親や兄弟と一緒に成長する中で、生きるために必要なことを学んでいきます。
そしてお互いにじゃれ合いながら甘噛みしあう中で、噛む時の力加減を覚えていきます。
ただ、早い段階で母親や兄弟と離されてしまうとこういった学びがないため噛み癖がつきやすく、常に本気噛みをする力加減を知らない猫になってしまいます。
特に生後間もない頃に捨てられてしまった 保護猫 には、こういった傾向が出やすいといわれています。
次に考えられるのは、 「なでられることが嫌になったから噛んだ」 ということです。
ご存知の通り、猫はとても気まぐれな動物です。
自分がなでられたい時だけ、なでられたい場所だけなでられたいのが猫という動物です。
最初はおとなしくなでられていても、途中で気分が変わって飽きるということは珍しくありません。
もう満足しているのになでられ続けると嫌になり、噛んでその気持ちを伝えてくることがあります。
この場合は猫が満足するタイミングを見極め、飽きてきたと感じたら手を離すと良いでしょう。
3つ目に考えられるのは、 「本能を刺激されたから」 という理由です。
猫はもともと小型の哺乳類や鳥類を捕まえて食べる、生まれつきのハンターです。
本能的に動くものに強く興味をひかれ、つい追いかけて噛みつきたくなってしまいます。
そのため、なでられている時も人間の手や腕の動きが気になり、本能がうずいてしまいます。
そして、ついうっかり噛みついたり、引っかいたりしてしまうことがあるようです。
この場合は狩りに近い遊びができる、猫じゃらしや釣り竿といったおもちゃで遊ばせると良いでしょう。
生後数カ月の子猫が甘噛みしてくる時は、 「歯がかゆいから噛んでいる」 のかもしれません。
猫の乳歯は生後1カ月ほどで生え、生後3~6か月ほどで抜けてその後永久歯に生え変わります。
生え変わりの時期は歯茎がむずがゆくなって、ついつい何かを噛みたくなってしまうようです。
このむずがゆさや噛みたいという衝動は、歯が生え揃えば自然とおさまります。
これは多くの子猫が通る1つの成長の過程ですが、この段階で噛み癖をつけないように注意しましょう。
子猫 に噛まれてもそこまで痛くありませんが、ここで人の手を噛んでいると噛み癖が付いてしまいます。
噛み癖が付く前に猫用のおもちゃを与え、そちらを噛む習慣をつけさせると良いでしょう。
家に迎えたばかりの猫に噛まれたとしたら、それは 「身の危険を感じたから」 かもしれません。
猫は身の危険を感じると威嚇する、噛みつく、引っかくといった手段で自分を守ろうとします。
特に人に慣れていない野良猫や保護猫の場合、こういった行動に出ることが多いと考えられます。
また、人間に慣れている猫でも、ケガや病気で体調が優れない時に同じような行動に出ることがあります。
これは体に触れさせないことで、自分の身を守ろうとしていると考えられます。
何をしても噛みついてくる猫の場合は、最初は丈夫な手袋をはめてお世話をすると良いでしょう。
距離が縮まって信頼関係が築けるようになったら、改めて噛み癖を直す方法を試してみてください。
ところで、猫に噛まれた後、噛まれた場所をなめられたという経験はありませんか?
噛まれた後になめられると、「反省しているのかな」「謝っているのかな」と思いますよね。
ですが、この行動は反省している訳ではなく、 “獲物を捕ったつもりになっている” という状態と考えられます。
一見健気に見える行動ですが、獲物を捕まえた喜びを表現しているだけ…と思うと切ないですね。
なお、この行動は大型の野生ネコ科動物である ライオン や トラ にも見られます。
ちなみに 犬 も人間に噛みついた後、その部分をなめることがあります。
この行動には「自分の方が強い」「お前より地位が高いぞ」という意味が込められていると言われています。
犬より地位が下だと思われると言うことを聞いてもらえなくなるため、日頃から甘やかしすぎないように注意しなければなりません。
猫の舌には 「糸状乳頭」 (しじょうにゅうとう)という、小さなトゲ(突起)が大量に生えています。
このトゲは意外と硬いため、猫になめられるとザラザラとした感触があり、少し痛みを感じます。
猫の舌がザラザラしているのは、猫がもともと肉を食べていたからだと考えられています。
この舌で動物の骨をなめると、骨についた小さな肉片も残さずこそぎ取って食べられるのです。
これはネコ科の動物に共通した特徴で、ライオンやトラ、チーターやヒョウなどの舌にも見られます。
ライオンやトラになめられるとかなり痛く、タワシでこすられているような痛みを感じます。
ここまではなぜ猫が人間を噛んでしまうのか、その理由を見てきました。
猫の習性や気持ちが噛む理由だとわかりましたが、できれば噛まれたくないですよね。
それでは、猫に噛まれないようにするためには、どのようにすれば良いのでしょうか。
この項目では、猫に噛まれないようにするための方法を5つ紹介していきます。
なお、一度ついてしまった噛み癖を直すためには、長い時間と根気が必要です。
焦らず怖がらず、猫に向き合ってじっくりと取り組んでいきましょう。
最初に紹介するのは、 「噛んではいけないことを教える」 方法です。
猫に噛まれてしまったら噛まれた部分を引き抜かず、猫の口の奥にその部分を軽く押し当てます。
そして猫の目を見て、鋭く大きい声で「痛い」「ダメ」と叱りましょう。
叱る時に猫の名前を呼んでしまうと、「名前=叱られる」と認識してしまうので注意してください。
猫が目をそらし、口を離したら別の部屋に行き、しばらく猫の前から姿を消します。
遊んでいる時に噛んできた場合は遊ぶのをやめ、同じように対処してください。
この行動を繰り返し、猫に 「人を噛むと遊んでもらえなくなる」 ということを覚えてもらいます。
思うように効果が出ない場合は、しつけ用のスプレーを併用しても良いでしょう。
なお「噛まれたら噛み返す」という方もいますが、この方法には賛否両論あります。
猫を叱る時に大切なのは、その時・その場で叱ることです。
後から叱られても、猫はどうして叱られたのか、何が悪かったのかわかりません。
そして、どれだけ強く噛まれても、絶対に叩く・蹴るなどの暴力をふるわないことも大切です。
暴力をふるうと猫がおびえてしまい、良好な関係を築けなくなってしまいます。
リンゴから抽出した天然の苦み成分が含まれた、犬猫向けのしつけ用スプレーです。
猫が噛んでくる部分にスプレーしておくと、苦みを嫌がって噛みつかなくなります。
ただし効果には個体差があり、スプレーを使っても全く気にしない猫もいます。
参考価格:1,799円(税込)
メーカー:ニチドウ
重量:473ml
原鎖国:アメリカ
2つ目は 「噛んでも良い物(グッズ)を与える」 方法です。
生まれつきのハンターである猫にとって、「噛みたい」という欲求は本能的なものです。
その欲求を我慢させるのではなく、噛んでも良い物を用意して発散させてあげると良いでしょう。
おもちゃやぬいぐるみを与える時は、なるべくシンプルで安全なものを選びましょう。
物があまりにも小さかったり、パーツが多かったりすると誤飲してしまう恐れがあります。
3つ目は 「とにかくたくさん猫と遊ばせる」 方法です。
猫が噛みついて来る時は体力が有り余っている、もしくはストレスがたまっている状態かもしれません。
そんな時は猫と一緒にたっぷりと遊び、余った体力とストレスを発散させてあげましょう。
遊ぶ時は猫の狩猟本能を刺激し、満たすタイプのおもちゃを使うと良いでしょう。
猫じゃらしや釣り竿など、狩りに近い動きを再現できるタイプのおもちゃがおすすめです。
猫の狩りは獲物が来るのをじっと待つ“待ち伏せ型”なので、遊ぶスペースの近くに身を隠せる場所(トンネルや段ボールなど)を作るとより楽しんでくれるかもしれません。
なお、猫と遊ぶ時は必ず手ではなく、おもちゃを使ってください。
なぜなら手で遊ぶと猫が「手=おもちゃ」と認識してしまい、噛み癖の元となる可能性があるからです。
子猫の甘噛みは我慢できても、成猫に噛まれると怪我をして流血沙汰になってしまうかもしれません。
子猫の頃から遊ぶときは、必ずおもちゃを使うということを徹底しておくと良いでしょう。
※合わせて読みたい: 猫のおもちゃ選びのコツとおすすめおもちゃ。最高額はなんと〇〇万円!?
ドッグフードで有名なメーカー・ドギーマンの猫用品ブランド、キャティーマンのおもちゃです。
釣り竿の先にあしらわれた天然の鳥の羽が、猫の狩猟本能を刺激します。
参考価格:221円(税込)
メーカー:キャティーマン
重量:16g
原産国:中国
4つ目は 「猫に噛まれる前にスキンシップをやめる」 方法です。
噛み癖がある猫とスキンシップをする場合は、ある程度なでた(遊んだ)段階で手を離しましょう。
その後、猫がまだ甘えてくるようであれば、スキンシップを再開します。
また、猫をよく観察し、どのようなサインの後に噛みついてくるのか見極めることも大切です。
一般的には猫がしっぽを大きくゆらし、耳が後ろ向きに立てた(いわゆる” イカ耳 ”)時は機嫌が悪いといわれています。
5つ目は 「もう1匹猫を飼い、多頭飼いにする」 方法です。
遊び相手ができればほどよく体力を消費し、かつストレスも発散できて噛み癖が直る可能性があります。
ただし、この方法は十分なスペースが確保できて、経済的に余裕がある方以外にはおすすめしません。
良かれと思って新しい猫を迎えても先住猫の相性が悪く、同じ部屋で暮らせない…という事態が起きる可能性もあります。
新たに猫を迎える際はしっかりと準備を整え、猫が不幸にならないように配慮してあげてください。
猫が人間を噛む理由や噛み癖がつく理由、そしてその対処法について説明してきました。
猫にも噛みつく理由があること、そして噛み癖は少しずつ直していけることが伝わったでしょうか。
猫にも感情があり、飼い主に愛情を向けることもあれば、不快な感情をぶつけてくることもあります。
どんな時も猫の感情に寄り添い、遊んだり少し距離を取ったりと臨機応変に対応してあげてください。
記事中でも触れましたが、一度ついた噛み癖を直すのはとても大変なことです。
ですが、人間も猫も幸せに暮らせるように、噛み癖がある猫にも根気強く向き合ってあげてください。
▼合わせて読みたい
公開日 : 2016/10/31