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今回ご紹介する「イカ耳」は、その名の通り猫の耳に関するものです。
まずは「イカ耳」とはいったいどのようなものなのかについてご紹介します。
「イカ耳」の「イカ」というのは、海に生息するあの「イカ」のことを指しています。
煮物にしたり、焼いたり、お刺身で食べる「イカ」のことです。
イカが猫の耳とどう関係あるのかはまだ分かりにくいですよね。
まさかイカのように猫の耳が真っ白になってしまう…なんてことはありませんのでご安心ください。
「イカ耳」というのは、猫がある感情をあらわにするときに起こるものです。
「イカ耳」とは、猫の耳の色のことではなく、形のことを指しています。
猫の耳が横方向にピンと張っているのを見たことはありませんか?
横方向に耳が張っているとき、恐らく猫の耳は寝てしまった状態になっているのではないでしょうか。
この状態を上から見ると、まるで「イカ」のように見えることから「イカ耳」と呼ばれるようになりました。
一般的に「イカ耳」とは、猫の耳が横向きに向いている状態を指しますが、上向きに立ち上がっている場合も一般的に「イカ耳」に含まれます。
この状態の猫の耳は、「イカ」以外に「飛行機」の翼のようにも見えることから、「飛行機耳」と呼ばれることもあります。
猫の耳は、猫自身の意志によって動かされています。
それは人間が瞬きしたり、何かを取ろうと指や手を動かすのと同じ原理です。
その中でも猫の耳は、感情によってよく動くパーツだと言われています。
つまり、「イカ耳」になるときには猫に何らかの感情が働いているということになります。
猫がなぜイカ耳になるのかを知る前に、感情豊かな猫の耳のことについてご紹介します。
猫の歴史を遡ると、猫たちは森や草むらのような暗闇の中を好んで生活してきたと言われています。
わずかに差し込む光を頼りに、外敵や天敵から逃れたり、食べるための獲物を待ち伏せしたりしていました。
そのような生活を送っていく中で猫の耳は進化を遂げ、中でも聴覚は猫の五感の中で最も発達した部分となりました。
その優れた聴力は、猫の範囲25~75,000ヘルツ程度まで達すると言われています。
ちなみに、人間の場合は20~20,000ヘルツとなりますので、猫の聴力の凄さがお分かり頂けるのではないでしょうか。
比較対象として、犬の聴力は40~65,000ヘルツほどとなっています。
この数値から見てとれるのは、猫の聴力は高音の域に対して抜群に優れた感度を持っているということです。
たくさんの音を聞き取り、聞き分け、自分たちの身を守ったり狩りをする猫たち。
まるでアンテナのように使われる耳は、音を拾うためにいろいろな動きをせわしなく行っています。
その耳を動かしているのは、「耳介」と呼ばれる耳のひらひらした部分にある筋肉です。
あんなに薄い部分に筋肉があるのかと驚かれることでしょう。
薄い耳介の部分には数多くの筋肉があり、その複数の筋肉を使い、猫たちは自らの意志で耳を左右別々に動かしたりすることができるのです。
猫の耳の動きには、猫の気持ちや感情が連動していることが分かっています。
イカ耳になっている猫の状態は、何かに警戒していることが多いと言われています。
しかし、猫のイカ耳は警戒心からくるものだけではなく、いろいろな感情を表現していますので、順にご紹介していきます。
先ほど猫の耳の進化についてお話ししたとき、獲物を狩るために聴力が進化したという話をしました。
実はそのことがイカ耳と強く繋がっているのです。
イカ耳のときの猫の感情で、最もよくあげられるのが何かに警戒している状態です。
猫は常に周りの環境と、自分の置かれている状態を確認しています。
そのとき重要な役割を果たすのが「耳(聴覚も含む)」です。
耳の力をフル稼働にして、周囲や何かに対して警戒をします。
警戒しているとき猫の耳が横を向いているのは、集音機の役割を果たしているからです。
わずかな音すら聞き逃さないよう、猫の耳は横向きに倒れ集中しています。
何かに不安になっている時も同じで、その不安に対する元凶を見つけるため、それらから逃れるためにもイカ耳になります。
すべては野生の中で外敵や天敵と対峙してきた猫の歴史が物語っています。
聞きなれない音や敵の出す音を聞き分ける、聞き取ることで自分たちの身を守ってきたのです。
イカ耳になるとき、ヒゲが前のめりになっていたり、頭をゆっくり左右に動かしたりする仕草も見受けられます。
このような状態のとき、猫にうかつに触ると危険です。
敵と認識されてしまい、威嚇されたり爪で引っかかれたり、噛みつかれたりなどの攻撃を受ける可能性がありますので、そっとしておいてあげましょう。
しかし、実際は何かに夢中になって集中しているときにイカ耳になることの方が多いと言われています。
何かが気になって、その音を探そうと聞き耳を立てているときも猫の耳は「イカ耳」になります。
ただ、このときのイカ耳は「怖い」や「怒っている」ときの感覚とは異なります。
警戒したり不安がっているときのイカ耳とは少し見た目が異なりますので、よく観察してみてください。
何かに関心を抱き、その音に集中しているイカ耳は、少し立ち上がり後ろに引いているような状態になっています。
よくみると顔つきも違うので、飼い主さんならその違いがすぐに分かるかもしれません。
何かを狙うハンターのように瞳孔が少し開き気味になっていることもあります。
窓の外から聞こえる鳥の鳴き声や、風で木々が揺れる音、自動車やバイクの音など、猫たちはさまざまな音を拾い、その中からお目当ての音を探し出そうと集中してイカ耳になっているのです。
警戒しているというのとは違う感情表現も、イカ耳で表します。
おやつがもらえなかったり、飼い主さんが構ってくれなかったり、今は触って欲しくない気分だったりすると猫はストレスを感じます。
猫はマイペースで、自分の思うまま優雅に暮らすのが基本スタイル。
その中で自分の思うようにいかないとなるとストレスが溜まるのも当然です。
ストレスの原因が猫のわがままではなく、理不尽なことが原因だとしたら、見つけ出して取り除いてあげましょう。
飼い主さんが何らかのアクションを起こしとき、猫の耳がイカ耳から元に戻れば、そのイカ耳はイライラや不満のあらわれだったと言えます。
もしかしたらイカ耳にすることで、私たち人間に抗議してきているのかもしれません。
※合わせて読みたい: 猫にストレスを与えないお世話の仕方
警戒心と似ている感情で、怒っているときにも猫の耳は「イカ耳」になってしまいます。
怒るという感情と、警戒する・怖いと感じる感情はとてもよく似ています。
どうやってその違いを見分けるかは、耳以外の状態をチェックしてみましょう。
分かりやすくすると、猫同士がケンカをし始める臨戦態勢のような状態と思ってください。
相手に負けないように体の側面を相手に見せ、弓なりに背中を曲げ、毛を逆立てる。
こうすることで、少しでも自分を大きく見せて強そうに見せるのです。
このような状態で猫がイカ耳になっているときは、君子危うきに近寄らずです。
猫自身の気持ちが落ち着くまでそっとしておいてあげた方が良いでしょう。
もし原因が分かるようであれば取り除いてあげるのもいいですが、一触即発の可能性もあるため気を付けてください。
警戒や怒りを超え、恐怖を感じてしまっているときも猫はイカ耳になってしまいます。
恐怖の感情が強いとき、カッと目を見開き瞳孔も大きく開いてしまいます。
いくつかあるイカ耳の中でも、おそらく耳を一番頭にくっつけるように平たく寝てしまっている状態なのではないでしょうか。
飼い主さんと良い関係を築けている猫であれば、この感情のイカ耳をみることは少ないかもしれません。
どちらかと言えば、飼いはじめの慣れるまでの日々に多く見られるはずです。
このような感情のイカ耳のときも、猫本人に任せてそっとしておいてあげるのが吉です。
姿勢を低くし、相手を挑発しないように必死に体を小さく見せようとしている姿は少し気の毒に見えるかもしれません。
しかし、猫にとってはそうすることで服従することを表し、攻撃しないでほしいとお願いしているのです。
その場の環境や飼い主さんに慣れてくれば、自ずとこの感情のイカ耳をみることは減ってきます。
猫が落ち着けるようにそっとしておいてあげたり、環境を整えてあげてください。
捉えどころのないマイペースさが魅力でありながら、実は耳やしっぽで感情豊かにお喋りする猫たち。
イカ耳とはなんなのか、イカ耳になる理由や猫の気持ちについてご紹介しました。
なぜイカ耳になるのかを知っているだけで、猫とのコミュニケーションの幅はぐっと広がります。
もしイカ耳のときは、あまり関わらず様子見するのが一番良いでしょう。
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公開日 : 2019/03/26