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犬の平均寿命は、現在10歳を超えています。
その理由は飼育スペースが外から室内が主流になったことや、ペットフードの改良、そして獣医学の発達にあります。
様々な理由で以前と比べて私たち人間と犬が一緒に生きられる時間は長くなりました。
「大好きな愛犬といつまでも一緒にいたい」
愛犬家なら誰もが思うことですよね。
しかし、犬の寿命が伸びれば伸びるほど、シニアの時間が長くなるのも事実です。
シニア犬になれば、体の色々なところに不調も出てきますし、若い時と同じようにはいきません。
人間同様に膝が痛い、疲れやすくなった、病気がちになってしまうなどが考えられるでしょう。
犬は言葉を話せませんので、そういった少しの変化に気付いて対応してあげられるのは、私たち飼い主です。
愛犬の小さな変化を見過ごさないよう、シニアになったらどんな体の変化が起きるのかを把握しておきましょう。
犬は種類や大きさにもよりますが、一般的に7歳頃からシニア期に突入すると言われています。
この頃から、体には少しずつ老化の兆しが出始めるわんちゃんも多いです。
我が家の2匹の愛犬は、とても元気だったのですが、1匹は10歳頃から、もう1匹は11歳頃から老化現象が目立つようになりました。
具体的にはどのような変化があるのか、見ていきましょう。
白系の毛色だとわかりにくいかもしれませんが、目の周りや口周り、また背中など体全体に白髪が出始めます。
若い頃と比較して毛艶が悪くなったり、毛が細くなる・薄くなるなど毛が弱っているのが目立つようになります。
目やにが増えたり、目が白く濁ったりすることがあります。
運動量や食べる量は変わっていないのに、痩せてきたり、反対に太りやすくなることもあります。
歯周病が原因で口臭がひどくなることがあります。
出来物や腫瘍が増えることもあります。
悪性の腫瘍の可能性もあるので、気付いた時点で一度獣医さんに相談した方が良いでしょう。
大好きな散歩に行きたがらなくなることがあります。
また、散歩の速度が遅くなったり、途中で歩かなくなってしまうようになることもあります。
以前は駆け上がっていた階段に登らなくなったり、登ることはできても降りられなくなります。
ソファーに登らなくなるような上下運動が鈍くなったり、室内の物にぶつかるようになることもあります。
名前を呼んでも反応が遅い時があります。
以前は食事の用意をすると飛びついてきたのに、反応しない時があるなど鼻や耳が悪くなっている可能性も出てきます。
寝ている時間が長くなったり、帰宅しても気付かずに迎えにきてくれないことがあります。
人間でも高齢の方は少しずつ食が細くなりますよね。
それは犬も一緒です。
純粋に食欲が落ちる場合もありますし、口周りの不調(歯が痛むなど)によって食べるのがしんどくなってしまう場合もあります。
また、病気によって食欲が落ちている可能性もあります。
普段はとても食欲旺盛なわんちゃんにとって、食欲が落ちてしまうことは非常に辛いことですし、極端に食べない場合や長引く場合は命にも関わります。
不調を感じたらなるべく早めに獣医さんへの相談が必要です。
その他、性格に変化が出たり、トイレを粗相してしまうことが増えたなど様々なところで老化のサインが出始めます。
毎日一緒にいるとどうしてもわずかな変化は見逃してしまうがちですが、「7歳を過ぎたら犬は高齢」ということを意識して気にかけてあげるようにしましょう。
犬の平均寿命は以前に比べて伸びていますが、その分病気のリスクも高まります。
特に高齢のわんちゃんが病気にかかると、若いわんちゃんと比較して体力や免疫力が落ちているので、重症化しやすいです。
また、年齢によっては全身麻酔のリスクに体が耐えられない可能性もあり、手術ができないこともあります。
高齢犬の場合は、若いわんちゃん以上に病気の早期発見・早期治療が重要になってきます。
ひとえにがんと言っても色々な種類があり、臓器にできるがん、雌犬に多く見られる乳腺腫瘍、骨にできるがん、口の中にできるがんなど様々です。
また、がんには具体的な予防法もありません。
ただし、健康診断によって発見できることがある病気なので、定期的な健康診断が重要です。
高齢になってくると心臓の臓器にも老化が見られ、機能が衰えてきます。
心臓病も健康診断によって早期発見できることが多いです。
腎臓は、血液を濾過することで体の中の老廃物をおしっことして排出する役割を担っています。
もし腎臓が衰えると、老廃物を外に排出することができずに体の中に留めてしまい、「尿毒症」という病気を引き起こすこともあります。
腎不全は、心臓病などによってある日突然発症する急性腎不全と、日々の腎臓への負担によってじわじわと進行する慢性腎不全があります。
このように、本当に突然亡くなってしまうケースがあります。
持病も何もなかったのに突然亡くなってしまう場合は、原因もわからず飼い主にとってもどうやって受け入れればいいか混乱してしまうことでしょう。
わんちゃんの場合は、人間と違って死因がわからないから解剖するというケースはほとんどないと思います。
なぜ、愛犬が死ななければならなかったのか、わからずとても辛い思いをするかもしれません。
突然死を完全に防ぐことや原因を解明することは難しいですが、腫瘍や心臓病、内分泌疾患による塞栓症や、急性出血が原因のことも多く、それらの基礎疾患は日頃の定期検診で事前に察知して、突然死のリスクを減らすことに徹した方が良いです。
高齢になるとたくさんの病気のリスクが高まります。
我が家の愛犬は、14歳を過ぎた高齢犬でしたので、3〜4ヶ月に1度、動物病院にて定期検診を行い、健康には気を使っていたつもりでしたが、ある日突然急性の病気にかかってしまい、頑張って闘病してくれたものの亡くなってしまいました。
高齢でしたので、良く頑張ってくれたという思いと、どうにかして助けてあげられなかったのかという思いがいつまでも募ります。
しかし、定期的に健康診断に連れて行っていた中での急性の病気だったので、避けようがなかったと自分を納得させることができました。
また、14歳を過ぎるまで病気もほとんどなく、健康で元気一杯に走り回っていられたことは、愛犬にとってはとても幸せなことなのではと前向きに考えられました。
犬の健康管理は、わんちゃんの病気の発見だけでなく、飼い主の気持ちの面でもとても重要なものだと思います。
ただし、わんちゃんによっては通院自体が負担になることもあります。
わんちゃんに負担にならない程度を考えた上で通うこと、またわんちゃんに負担ならないように、わんちゃんにあった動物病院や獣医さんを探してあげることも重要なことです。
前述の通り、老化のサインは体や行動のいたるところにあります。
大事な愛犬とのコミュニケーションを大事にして、日々の変化に気を配ってあげることが非常に重要です。
また、病気の発生リスクも高まっているので、少しでもおかしいと思ったらなるべく早く動物病院に連れて行ってあげましょう。
シニア期に突入し、愛犬に老化の兆候が見られたら、状態に合わせて生活環境を整えてあげましょう。
シニアに入ったからと言って、散歩を急に減らす必要はありません。
まだまだ元気に歩いているうちは、積極的に散歩に行ってあげましょう。
散歩をして筋力を付けてあげた方が健康状態を保ちやすいです。
しかしながら、愛犬が歩きにくそうにしていたり、立ち止まってしまうのを無理やり引きづって散歩に出かけるのはやめましょう。
愛犬のペースに合わせて無理のないようにお散歩してあげてください。
ちなみに、我が家の散歩が大好きだった愛犬は、11歳頃の夏に突然散歩中に歩かなくなってしまい、もうお散歩いけないのかなぁと心配しましたが、グルコサミンのサプリを与え始めたらまた元気に歩くようになり、13歳で亡くなる少し前まで元気にお散歩に出かけていました。
上記の例が全てのわんちゃんに当てはまる訳ではありませんが、歩けなくなったことに原因がある場合は対処してあげることで良くなることもあります。
また、歩けなくなってしまった場合でも、バギーや犬用のバッグで外の空気を吸わせてあげることも気分転換になりますので、上手く道具を活用するのもおすすめです。
下記のように室内を過ごしやすくしてあげることもとても大切です。
このように、わんちゃんの状況に合わせて対応策を施しましょう。
高齢になると食欲が落ちるだけでなく、反対に食に対する欲求が異常に強くなってしまって肥満になったり、消化機能が衰えてしまって下痢をしやすくなってしまう場合もあります。
シニア期向けの食事や病気にかかっているわんちゃんのための療法食のフードなどもあるので、食欲や消化機能に異変を感じたら、食生活を見直してあげましょう。
日頃から、たくさんの時間を共有していると思いますが、わんちゃんとの時間は永遠ではありません。
人間よりも寿命が短いわんちゃんたちと過ごす時間はあっという間です。
わんちゃんと一緒の時間を少しでも多くとって、たくさん可愛がってあげてください。
今はわんちゃんと一緒に出かけられるドッグカフェや宿も増えています。
休日を利用してドッグランで遊ばせてあげるのもいいでしょう。
もちろん、どこかにお出かけをしなくても大好きな飼い主さんと近所をお散歩して、家の中では飼い主さんが側にいてくれることがわんちゃんたちにとっては何よりも幸せなことです。
また、時間を多く共有することは、それだけわんちゃんの異変に気付くきっかけも多くなります。
動物は、私たちにたくさんの幸せをくれますよね。
愛らしい姿を見ているだけで癒されますし、元気で走り回っている姿を見ているだけで元気が出ます。
しかし、動物たちにも必ず「老い」はやってきます。
人間社会でも「介護」はとても大変ですが、犬も高齢化してきたからこそ「介護」の問題が生じてきます。
元気に走り回っていたわんちゃんが、自分で歩けなくなり、食事ができなくなり、排泄ができなくなります。
寝たきりになると「床ずれ」にならないように数時間おきに体勢を変えてあげたり、通院も頻繁になってしまうこともあるでしょう。
「生き物を飼う」ということは、そのような状態になっても最後まで責任を持ってお世話するということです。
家族として迎え入れる時、「最後まで何があっても見捨てずに家族の一員として支える」覚悟を持って迎え入れてあげてください。
大事な家族の一員である愛犬。
いつまでも一緒にいたいけれど、どうしても愛犬の方が先に年をとってしまいます。
少しでも長く一緒に年を重ねられるように、少しでもたくさんの思い出を一緒に作れるように愛犬の変化になるべく気を配って、素敵なシニアライフを送らせてあげましょう。
最終更新日 : 2021/04/23
公開日 : 2018/11/29