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愛玩犬とは、その名の通り可愛がられるために育成・交配された犬種のことを指します。
牧羊犬や 猟犬 のような労働ニーズはありませんが、古くから人間の「小さくて可愛いものを愛したい」という感情のニーズを満たしてきました。
愛玩犬に共通する特徴としては、大きな目に平坦な顔立ち、コロコロした体にふわふわな被毛など、見た目がかわいいということです。
成犬になっても仔犬のような仕草をし、小さな体で一生懸命動いている様子が人間の「かわいがりたい本能(キュートレスポンス)」をくすぐります。
合わせて愛玩犬に求められるのは、陽気さと高い順応性です。
どんな環境にもすぐに慣れることが出来て、周囲を明るくする気質が求められています。
もちろん社交性も兼ね備えており、人間や他犬に対してフレンドリーに振る舞える犬種がほとんどです。
愛玩犬は猟犬のように群れて仕事をしてきた犬ではないので、1匹で遊ぶことも得意としています。
愛玩犬の歴史は遥か昔、紀元前にエジプトの王ラムセス2世が小型犬と共に葬られていたことが記録されているのが始まりです。
その後は西洋・東洋問わず皇帝や貴族のペットとして進化してきました。
16世紀のヨーロッパでは愛玩犬は貴婦人たちの膝犬としても大流行したそうです。
そもそも 小型犬 とは、中型〜大型犬の突然変異で生まれた犬が元になったと言われています。
そこから人間が改良を重ね、キュートレスポンスをくすぐるような可愛らしい顔の犬に進化させていきました。
愛玩犬とは、美しい見た目にも注力して作られてきた犬です。
長く柔らかい被毛を持つ犬種が多いので、短毛種の犬に比べるとお手入れにはそれなりの手間がかかります。
特に耳の後ろや脚の付け根の毛は細く柔らかいため、ブラッシングをサボるとすぐに毛玉になってしまいます。
毛玉になることで、皮膚が引きつって皮膚を痛めてしまうため注意が必要です。
一日数分のブラッシングで回避出来ることなので、お手入れは欠かさずに行いましょう。
また、体が小さい愛玩犬はケガをしやすくもあります。
チワワやマルチーズのような特に体の小さな犬は、ソファーや座っている飼い主さんの膝からの飛び降りは危険なので気を付けましょう。
愛玩犬の中にはとても活発な犬もいるので、日々の運動量を確保するのが大変かもしれません。
「うちの犬は大きな犬と走り回るのが大好きだから」と ドッグラン で大型犬専用のコーナーに入れてしまう飼い主さんも見かけますが、思いきり走っている最中に大型犬とぶつかったらケガをしてしまうことがあります。
ルールは守りながら、ケガをしないように運動できる環境を見つける事も大切です。
愛玩犬のしつけで一番大切なのは「必要な時には心を鬼にする」ということです。
見た目から仕草まで何もかもが可愛いのが愛玩犬の特徴ですよね。
いつまでも小さくて赤ちゃんのような存在なので、つい甘やかしてしまう人も多いのではないでしょうか。
そんな方にも簡単に取り入れられるしつけのポイントを2つご紹介していきます。
例えば犬が乗ってはいけないソファーに乗った時、人間の食べ物を欲しがった時、飼い主さんの気分によって「今日は特別に良いよ」ということはありませんか?
犬はその「今日だけは特別」ということをあまり理解出来ません。
そのため、飼い主さんの気分次第で注意されたりされなかったりすると、犬は混乱してしまいます。
しかし、何度か許されたことは覚えているので、注意されたことに不満を持って攻撃性が出てしまう可能性もあります。
その時々の気分だけではなく、家族全員がルールを守って犬にしつけをしましょう。
犬の呼び戻しやお座りを覚えさせる時におやつ等のご褒美を使うことってありますよね。
犬がコマンドを覚えたらおやつは使わないようにするのがポイントなのですが、それはなぜでしょうか?
もしも愛犬が道路に飛び出してしまった時、おやつを持っていなくて呼び戻せなかったら…
興奮している愛犬を落ち着かせたいのにおやつを持っていなかったら…
急な状況でご褒美が無かったとしても、言うことをきかせられることが理想です。
毅然とした態度で愛犬と向き合い、信頼関係を築いて頼れるリーダーになれたらご褒美はいらなくなるでしょう。
日本では戦後の愛玩犬ブームによって小型犬を飼育する家庭が一気に増えました。
更に2000年代に入るとチワワを起用したCMの影響でチワワブームが起こり、飼育する人の数に伴ってパピーミルと呼ばれる仔犬量産工場も増えたのです。
愛玩犬ブームは犬種を変えながら現在も続いています。
ペットショップでは月々の安い支払いで犬を購入出来るようになり、人気の小型犬は素人繁殖ですら需要があるほどです。
ただ、この愛玩犬ブームによって、簡単に飼えるようになった犬を捨てる人が増えてしまったのです。
「小型の愛玩犬はお金がかからない」「散歩もほとんど必要ない」などと言われることがありますが、そんなことはありません。
大型犬 とさほど変わらないお金がかかりますし、適度な運動も必要です。
見た目の可愛さで飼い始めて甘やかした結果、吠えや咬傷などの問題行動を起こすようになったので捨てるという人も中にはいます。
犬を飼うということは何があっても十数年間の命に責任を持つということ。
それを犬を飼う全ての人がまっとう出来たなら、捨てられる犬はいなくなるはずです。
ヨークシャーテリア や ミニチュアダックス 、 ポメラニアン も愛玩犬にまとめられることがあるのですが、今回はJKC(ジャパンケネルクラブ)の第9グループ「愛玩犬」の中から日本でも人気の愛玩犬をご紹介します。
愛玩犬で有名なチワワやトイプードルはご存知の方も多いと思うので、今回は体の大きい愛玩犬からご覧ください。
原産国:フランス
体重:約10kg〜13kg
体高:約23cm〜31cm
フレンチブルドッグは、イギリス原産のブルドッグがアレンジされた犬種です。
1800年代のイギリスにおいて、小型のブルドッグは全く人気が無く、労働者に安く売られていました。
彼らがフランスへ出稼ぎに行った際に、地元のテリアやピンシャーなどとの交配があったことで、現在のフレンチブルドッグが誕生したと言われています。
フレンチブルドッグの特徴は「バットイヤー(こうもりの耳)」と呼ばれる大きくピンと立った耳です。
非常に陽気で天真爛漫な性格をしており、人や他犬に対してもとてもフレンドリーに振る舞うことが出来ます。
その分興奮しやすい犬種でもあるので、しつけの際には「落ち着くこと」を覚えさせるのが良いでしょう。
なお、ブルドッグ気質も兼ね備えているため、勇敢で積極的な一面もあります。
日本でも熱烈な愛好家が非常に多い犬種で、フレンチブルドッグ専門誌まであります。
※合わせて読みたい: フレンチブルドッグの歴史、性格、毛色、飼い方
原産国:アメリカ
体重:約7kg〜9kg
体高:約28cm〜38cm
見た目がフレンチブルドッグと似ているので混同してしまう人も多いのではないでしょうか。
フレンチブルドッグとの見分け方で簡単なのは、ボストンテリアの方が耳の先が尖っているのが特徴です。
体つきもやや細めで、顔のシワも多くありません。
ボストンテリアはブルドッグとテリアの交配によって作られた犬種なので、テリア特有の頑固さが顔を覗かせることがあります。
しかし、基本的な性格において気難しさは一切無く、社交性もあるため初心者にも飼いやすい犬種と言えます。
また、活発なので運動量は愛玩犬の中でも多めです。
運動の一環としてドッグスポーツを取り入れてみるのも良いでしょう。
※合わせて読みたい: 小さなアメリカ紳士、ボストンテリアの性格や飼い方を徹底分析!
原産国:中国(後援国:イギリス)
体重:約6.5kg〜8kg
体高:約25cm〜28cm
パグは冷静で判断力に優れた犬種です。
多少の頑固さはあるものの、基本的な性格は穏やかなので、他犬との社交性もありケンカはほとんどしません。
人間と一緒にいることが大好きな犬種であるため、一人のお留守番には向かないです。
短頭種の愛玩犬の中でもひときわマズルが短く表情が読みにくい部分があるので、しつけにおいてパグの気持ちを表情から読み取るのは難しいかもしれません。
※合わせて読みたい: パグの性格や毛色、飼い方
原産国:中国(後援国:イギリス)
体重:約6kg前後
体高:約23cm〜33cm
チャイニーズクレステッドドッグは、日本ではあまり馴染みのない犬種ですよね。
体のヘアレスが特徴的で、ミニチュアの馬のようにも見えます。
気品がありプライドが高そうに見えます
しかし、実の性格はとてもお茶目で人懐こいので、元気いっぱいに遊ぶオンと、部屋で静かに過ごすオフを使い分けられる犬種です。
原産国:チベット(後援国:イギリス)
体重:約6kg〜7kg
体高:約25cm前後
ラサアプソもあまり聞いたことが無い犬種ではないでしょうか。
しかし、イギリスやアメリカ、ショードッグ界隈では珍しい犬種ではありません。
このラサアプソは愛玩犬で有名な シーズー と良く似ており、アメリカでは1960年まで一緒の犬種とされていました。
以来、シーズーがより可愛らしさを求めらて改良されたのに対し、ラサアプソは野性味のあふれる気質はそのままで見た目も凛としている特徴が残されています。
飼い主への服従心は持っているものの、他の愛玩犬に比べて警戒心が強いタイプになります。
人や他犬に対して吠えやすくなってしまうので仔犬の頃からのしつけは重要です。
原産国:イギリス
体重:約5kg〜8kg
体高:約30cm〜33cm
キャバリアキングチャールズスパニエルは穏やかで柔軟性のある気質を持っているので、愛玩犬の中でもひときわ飼いやすい犬種と言えるでしょう。
愛情深く人とのスキンシップが大好きなので、膝の上に乗ってきたり飼い主さんの洋服の上に寝てみたりと、常に飼い主と一緒に行動することを好みます。
ケンカを好まない社交性の良さは、チームワークを発揮しながら猟を行ってきた祖先のスパニエルに由来していているそうです。
おっとりしているように見えて、実は好奇心が旺盛な一面があります。
誰にでも興味を持って近づいてしまうので、番犬には向かない性格です。
※合わせて読みたい: キャバリアの性格、毛色、値段、飼い方
原産国:ベルギー
体重:約3.5kg〜6kg
体高:約20cm前後
ベルギー原産のグリフォンと呼ばれる犬種は、ブリュッセルグリフォンの他にベルジアングリフォン、プチバラバンソンと3種類います。
日本で多く飼われているのはブリュッセルグリフォンですが、他の2種類とは被毛の色や長さが違うだけで気質や体格は変わりません。
ブリュッセルグリフォンは、ワイアーコートのピンシャーにパグの血が入った事で作り出されたとされています。
性格は優しく平和主義なので、他犬とのケンカはほとんどありません。
元気に跳ね回る事はあるものの運動量はさほど多く必要としないため、初めて犬を飼う人や高齢の方でも飼いやすい犬種でしょう。
原産国:チベット(後援国:イギリス)
体重:約4kg〜7kg
体高:約20cm〜28cm
シーズーはラサアプソとペキニーズを交配させて作られた愛玩犬です。
体は小さいですが細くはなく、意外としっかりした四肢をしています。
活発に遊ぶ時もあれば冷静に物事を観察する時もあり、とてもバランスの取れた気質をしています。
社交的で愛情深く、小さい子どもや年配の人がいる家庭でも飼いやすい犬種と言えます。
賢いため、しつけ方を間違えてしまうとワガママに育ちやすいので気を付けましょう。
※合わせて読みたい: シーズーの飼い方!室内犬の定番!
原産国:中国(後援国:イギリス)
体重:約3.2kg〜6.4kg
体高:約20cm〜30cm
2000年もの間、中国の王朝で愛玩犬として繁殖されてきたペキニーズ。
中国最初の純血種と言われています。
長年愛されてきた愛玩犬とはいえ、性格は頑固な面があります。
仔犬の頃からしっかりと主従関係を結び、ルールを守らせるようにしてください。
短頭犬種によく見られる呼吸器の問題を避けるために、ブリーディングは慎重に行う必要があります。
素人繁殖や大量繁殖をしている場所からの購入は避けましょう。
※合わせて読みたい: ペキニーズの飼い方、毛色、性格、値段
原産国:日本
体重:約4kg〜5kg
体高:約25cm前後
狆は古くから日本に存在する愛玩犬で、江戸時代にはお座敷犬として人気があったそうです。
温厚で愛情深い性格は、長いあいだ人と共に過ごしてきたからでしょう。
日本犬 と言っても 柴犬 や 秋田犬 などとは逆で、社交性が高く家族以外にも愛想よく振る舞える犬種です。
しかし、家族以外の人と会わずに育てると警戒心の強い犬になってしまうので、仔犬の頃からの社会化は必須です。
原産国:フランス・ベルギー
体重:約4kg〜5kg
体高:約20cm〜28cm
パピヨンは飾り毛のついた大きな耳が特徴的であることから、フランス語で「蝶」を意味するこの名前が付きました。
性格は朗らかで優しく、とても元気いっぱいな犬種です。
飼い主さん以外の人や他犬とも仲良く過ごすことが出来るので、ドッグランでは楽しく過ごせるでしょう。
また、スポーツが万能であることから、ドッグスポーツの大会に出れば上位を狙える可能性も秘めている万能犬です。
※合わせて読みたい: 貴婦人も愛した愛玩犬「パピヨン」のルーツや性格、飼い方
原産国:メキシコ
体重:約1.5kg〜3kg
体高:約15cm〜23cm
チワワといえば、愛玩犬代表と言っても過言では無いですよね。
世界一小さな犬種ですが、お世話にかかる手間や費用、しつけに関しては大きな犬と大差はありません。
うるんだ瞳に華奢な体をしているチワワですが、実はとてもしっかり者で勇敢な一面があります。
2010年には奈良県警が行った嘱託警察犬審査会の捜索救助の部でチワワが合格し、 警察犬 になったというニュースもありました。
責任感が強いため、飼い主さんが頼りないと「自分がしっかりしなくては!」という気持ちを持ちやすい犬種です。
チワワに頼られるくらいのリーダーになることで、良い関係性を築くことが出来ます。
※合わせて読みたい: チワワの性格、大きさ、飼い方
原産国:フランス
体重:約3kg前後
体高:約24cm〜28cm
トイプードルは、認定されている4サイズの中で一番小さなサイズになります。
カラーバリエーションは多く 豊富な被毛は様々なカットを楽しむことが出来ます。
テディベアカットやアフロカット、プードルの代表的なカットとも言われるラムクリップ(顔や脚先の毛を刈り込むスタイル)も人気ですよね。
プードルは非常に陽気で人懐こい犬として人気ですが、学習能力が高く運動神経も良いので、狩猟犬やサーカスドッグとして活躍した歴史も持っています。
エネルギーが余りやすい犬種であるため、普段の散歩に加えてドッグスポーツなどの運動も取り入れてあげると良いでしょう。
水も大好きなので夏はプールで遊ぶのもおすすめです。
※合わせて読みたい: トイプードルの毛色、値段、種類、飼い方
原産国:中央地中海沿岸地域
体重:約2kg〜3kg
体高:約23cm〜25cm
近年ではトイプードルのようなテディベアカットが人気なマルチーズですが、本来は絹のように滑らかな長い毛を持つ小型犬です。
マルチーズは紀元前、古代ギリシア文明が栄えた頃から貴族の間で飼育されていました。
性格は朗らかで優しく、子どもの遊び相手としても十分な気質を備えています。
近年ではトイプードルやチワワとのミックス犬としても人気がありますが、トイプードルとのミックス犬になると更に陽気で甘えん坊な性格になるそうです。
※合わせて読みたい: マルチーズの飼い方、毛色、性格、値段
可愛らしい愛玩犬をたくさん紹介してきましたが、お気に入りの犬種は見つかりましたか?
これから飼おうと思っている方も、現在一緒に暮らしている方も、愛玩犬の魅力をたっぷり引き出してたくさん可愛がってあげてくださいね。
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公開日 : 2019/04/22