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秋田犬の正式な読み方は「あきたいぬ」です。
しかし一般的には「あきたけん」の方が浸透しています。
ヘレンケラーがアメリカに連れて帰ったり、ロシアのプーチン大統領のペットになるなど世界的にも有名な犬種です。
本記事では、秋田犬について詳しく見ていきます。
さっそく見てみましょう。
体格はがっしりと力強いですが、一方ですらっとした長い足を併せ持っています。
均質の取れた体は世界中から評価されています。
三角形の耳と太い巻き尾も特徴の1つです。
成犬になると平均体高は、オスが64~72cm、メスが58~67cm程度です。
完全に大型犬サイズです。
成犬の平均体重は、オスが40~60kg、メスが30~50kg程度です。
立派な被毛に覆われているため寒さには強いです。
秋田犬の個体価格は、体格、毛の長さ、血統で価格が変わります。
安い個体では2万円程ですが、高い個体だと20万円程します。
一般的には6~12万円程で販売されていることが多いです。
寿命は大体10~15年程です。
秋田犬はもともと、猟師に就いて獲物を追い立てるマタギ犬として飼育されていました。
秋田県大館地方を中心として飼育していたので「大館犬(おおだていぬ)」と呼ばれていました。
中型犬であった大館犬を品種改良で大型犬にした種が現在の秋田犬の原種です。
なぜ大館犬を大型犬にする必要があったのか、その背景には闘犬があります。
江戸時代に大館地方で闘犬が盛んに行われるようになりました。
土佐闘犬で有名な高知県もそうですが、当時の外様大名は、江戸幕府によって武力の向上になりそうなことは厳しく規制されていました。
そのため、闘犬を行い、藩士の闘志を向上させようとしました。
大館地方では、当時の藩主であった佐竹氏によって奨励されました。
明治時代に入ると、他の地方の犬種や外国産の犬種との交配を積極的に行い、品種改良が進められました。
品種改良を進めた理由としては、中型犬の大館犬は大型犬の土佐闘犬になかなか勝つことができなかったからです。
そして「マスティフ」や「グレートデン」など洋犬の血を混ぜ、品種改良したことによって大型犬になりました。
1908年(明治41年)に秋田県での闘犬が禁止されました。
それ以来、秋田犬の数は減少し始めました。
個体数の減少や品種改良による種の乱れから「秋田犬を保存すべし」という声が上がり、大正時代には秋田犬の保全運動が始まりました。
1927年(昭和2年)には秋田犬の種の保存、復興のために「秋田犬保存会」が設立されました。
そして1931年(昭和6年)には秋田犬が日本犬として初めて国の天然記念物に指定されました。
それによって現在の秋田犬の種が確立され「秋田犬」と呼ばれるようになりました。
ちょうどこの辺りの時期に 「忠犬ハチ公」 のエピソードが起こっていました。
その後、戦争で秋田犬の数はさらに激減し、戦後には血統の正しい秋田犬はわずかになっていました。
わずかに残った秋田犬から再び純血種として繁殖させていき現在に至ります。
忠犬ハチ公は秋田犬の忠実さを一躍有名にしたエピソードです。
ハチは東京帝国大学農学部の教授である上野英三郎氏に飼われていた秋田犬でした。
ハチは上野氏が出勤するときには必ず見送り、時には最寄りの渋谷駅まで送り迎えすることもありました。
ハチを飼い始めて1年ちょっと経った1924年(大正13年)、上野氏が急死してしまいます。
その後、ハチが毎日のように上野氏が出勤する時間と帰宅する時間に渋谷駅へ行っては上野氏を待っていました。
ハチはよその家へ渡されたり拠点を転々としましたが、必ず渋谷駅へ向かい、道中必ず旧上野邸を覗いていたと言われています。
毎日渋谷駅に現れるため、当初は人間に邪魔者扱いされ、虐待やいじめなど、ひどい扱いを受けることもしばしばありました。
大型犬=凶暴、危ない、といった偏見があったことも要因の1つです。
それでもハチは渋谷駅へ行くことを止めませんでした。
ハチが上野氏を迎えに行くために渋谷駅を訪れていることを知っていた日本犬保存会の初代会長、斎藤弘吉氏は、1932年(昭和7年)に人間にひどい扱いを受けながらも渋谷駅へ向かうハチを哀れみ、ハチのことを東京朝日新聞に寄稿しました。
新聞でハチの行動の真意が報道され、世間の人々の心を強く打ちました。
有名になったハチは「ハチ公」と呼ばれ、かわいがられるようになりました。
ハチ公像も建てられました。
ハチはフィラリアで亡くなる1935年(昭和10年)までずっと渋谷駅へ通い続けました。
亡くなったとき、ハチの告別式には多数の人が訪れたとのことです。
ハチ公のエピソードは映画やテレビドラマやアニメにもなり、後世まで語り継がれています。
渋谷駅前にある忠犬ハチ公像は待ち合わせの超定番スポットです。
都内在住でない方で、東京観光へいらした際には是非立ち寄ってみてくださいね。
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ハチ公のエピソードでも取り上げた通り、 秋田犬は飼い主に対して忠誠心が高い犬 です。
言うことをよく聞き、賢く従順です。
きちんとしつければ、無駄吠えもほとんどしません。
見知らぬ人には警戒心が強く、家族を守ろうとするので番犬としても優れていて、 家庭で飼うのには理想的とも言えます。
一方で、闘犬としての本能も残っていますので、きちんとしつけていないと飼い主以外には攻撃的な一面を見せることもあります。
また、感受性が強いため、驚かせたり、不快なことをすると危害を加えられる可能性があります。
秋田犬の歴史のところで秋田犬は国の天然記念物だということを説明しました。
「国の天然記念物なのにペットとして飼育してもいいの?」
と、思った方もいると思います。
国の天然記念物は、傷つけたり、採取することが禁止されています。
飼育が禁止なのではありません。
秋田犬を含め、犬は元々家畜だったものなので飼育する場合、野生個体を捕獲することにはなりません。
ですから飼育しても問題ない訳です。
逆に他の種は、飼育しようとすると野生の個体を捕獲しなければなりません。
そのため飼育することはできません。
秋田犬は飼育可能な天然記念物です。
秋田犬は秋田県原産のため、寒さにはとても強いです。
最適温度は15~21℃とされています。
夏場は外で飼育する場合、直射日光の当たらない風通しの良い場所に犬小屋を置いてあげる必要があります。
先祖の大館犬がマタギ犬であったこともあり、秋田犬は体力があります。
朝晩1回ずつ、それぞれ1時間程度の散歩をさせてあげる必要があります。
運動不足になるとストレスを抱えてしまうのでしっかり散歩させてあげましょう。
1回当たりの散歩の距離をしっかり取ってあげることが重要です。
また、暑さには弱いので夏は涼しい時間に散歩させてあげましょう。
秋田犬のしつけで特に意識してしつけなければならないことが2つあります。
それは「噛み癖」と「無駄吠え」です。
秋田犬は噛む力が強いです。
そのためきちんとしつけをしていないと、噛みつかれたとき、思った以上のケガをしてしまう恐れがあります。
見知らぬ人には警戒心が強いので、きちんとしつけましょう。
また、無駄吠えもなくさなければなりません。
秋田犬は比較的声量が大きいと言われています。
ご近所付き合いを悪くしないためにも大切なことです。
名称:秋田犬
歴史:秋田犬大館地方にいた大館犬を品種改良して誕生した。
個体価格:2~20万円程度。
寿命:10~15歳
大きさ:体高58~72cm程度、体重30~60kg程度。
特徴:がっしりとした体格にすらっとした長い足。
性格:忠実で従順、見知らぬ人には警戒心が強い。
飼い主に忠実で家庭犬としては理想的な性格の秋田犬。
ぜひ秋田犬を家族に迎えてはいかがでしょうか。
公開日 : 2016/12/18