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小型犬も活躍中?「警察犬」の仕事内容や、活躍する警察犬の種類






犯人の逮捕や行方不明者の捜索など、様々な事件で警察の捜査に貢献している「警察犬」。
普段はあまり見かける機会もない警察犬ですが、警察犬の仕事や内容はどのようなものなのでしょうか。

また、警察犬になるためにはどのような条件が必要となるのでしょうか。
今回はそんな警察犬の仕事内容や仕組みについて、解説していきたいと思います。

【目次】小型犬も活躍中?「警察犬」の仕事内容や、活躍する警察犬の種類

 

1ページ目 :

 

1. 警察犬について知りたい!

増加傾向にある警察犬の出動件数

2. 警察犬の仕事について知りたい!

臭いを「追跡」する仕事

臭いを「選ぶ」仕事

「警備」の仕事

3. 警察犬と「警備犬」の違いについて知りたい!

4. 警察犬の歴史について知りたい!

警察犬制度の廃止と再開

5. 警察犬の7種類について知りたい!

◎ジャーマン・シェパード・ドッグ(German Shepherd Dog)

◎ドーベルマン(Doberman)

◎ラブラドール・レトリバー(Labrador Retriever)

◎コリー(Collie / Rough Collie)

◎ボクサー(Boxer)

◎エアデール・テリア(Airedale Terrier)

◎ゴールデン・レトリバー(Golden Retriever)

6. 警察犬の「嘱託警察犬」について知りたい!

様々な犬種が登場!

日本初の小型犬の嘱託警察犬

7. 警察犬になる方法について知りたい!

高い能力を必要とする「ゼロ回答」

8. 警察犬の「訓練士」になる方法について知りたい!

「直轄警察犬」の訓練士になるには?

「嘱託警察犬」の訓練士になるには?

 

2ページ目 :

 

9. 警察犬の活躍について知りたい!

◎名犬「アルフ号」

◎10分で事件を解決させた警察犬

◎現役最年長の警察犬「バロン号」

◎映画などでも有名になった警察犬「きな子」

◎逆境を乗り越え、警察犬になった「アンズ」

10. 警察犬の引退と寿命について知りたい!

警察犬慰霊碑

11. 警察犬のまとめ

 

1. 警察犬について知りたい!

 

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犬は非常に発達した嗅覚を持っており、ニンニク臭は人の2,000倍、酸臭は人の1億倍もの嗅覚を持つ動物です。

また、聴覚に関しても犬は65Hz〜50,000Hz、人は16Hz〜20,000Hzと、人間よりもはるかに発達した聴覚も持っています。

 

犬のこうした能力を活かし、更に犬の持つ素質を利用して捜索や警備等を行うのが「警察犬」です。

警察犬というくらいですから、警察が管理している犬と思われますが、実のところ全ての警察犬を警察が飼育・管理しているわけではありません。

 

日本では警察が飼育・管理している約150頭の「直轄警察犬」と、民間で飼育・管理される「嘱託警察犬」に分けられ、合わせると全国で約1,450頭の警察犬が活動しています。

警察犬は日夜、様々な事件現場で警察官とともに活動を行い、人間では気がつくことのできない臭いや音を察知し、捜査の質を向上させています。

特に、行方不明者の捜索や犯人の捜索などの仕事において、無くてはならない存在となっています。

 

増加傾向にある警察犬の出動件数

 

近年は国民の高齢化とともに、認知症高齢者の徘徊による行方不明事件などが増加してきているのは、 ニュース   などでも御存知のとおり。

こうした事件に伴い、警察犬の出動件数も年々増加してきているのです。

 

2015年の茨城県警の調べでは「犯罪捜査」が34件、「行方不明者捜査」が59件で、主に高齢者の行方不明捜査など、出動件数は2014年度の2倍以上に増加。

2016年の神奈川県警の調べでは合計の出動件数が610件、前年比よりも121件の増加で、うち「行方不明者の捜索活動」が465件と全体の8割を占めていたのだそう。

2017年度に関しては、1月〜4月の時点ですでに前年同期を10件以上上回る239件との事ですから、本年度はさらに増加していく事が予想されています。

 

このように、全国的にも警察犬の出動件数は増加傾向にあり、警察犬に対する認識や信頼も高まってきているのです。

 

 


2. 警察犬の仕事について知りたい!

 

 

警察犬のイメージはとても勇敢で、事件があればすぐに駆けつけるというイメージですが、実際のところはそこまで身近な存在というわけではありません。

 

警察犬は普段、私達の目の届くところで活動する機会は少なく、ニュースやテレビドラマ・映画などで目にすることの方が多いかもしれません。

イメージとしては主に犯人を追跡したり、犯人を見つけて飛びかかると言った内容のものが多いですが、日本は比較的平和な国であるため、犯人に飛びかかるというシチュエーションはそう頻繁にある事ではないかもしれません。

 

そこで気になるのが警察犬が行う職務内容ですが、警察犬が行う仕事は主に5つの仕事に分けられます。

 

臭いを「追跡」する仕事

 

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◎足跡追求活動

 

現場に残されている犯人の遺留品を元に臭いをたどり、犯人を追跡する「足跡追求活動(そくせきついきゅうかつどう)」。

ドラマや映画などでもお馴染みの仕事内容が、この足跡追求活動です。

犯人の臭いはもちろん、犯人が触れたものからも臭いを追跡し、その臭いを元に犯人の行方を追い詰めていきます。

 

◎捜索活動

 

麻薬や違法薬物・爆発物等の探知や、行方不明者の捜索を行う仕事内容。

前述でも触れた高齢者の行方不明者の捜索が、この「捜索活動」にあたります。

地域によっては山中や雪山での捜索活動など、非常に厳しい環境での捜索活動も行われ、「救助犬」としての仕事も合わせて任せられる場合もあります。

 

 

臭いを「選ぶ」仕事

 

◎臭気選別活動

 

犯人の遺留品と、容疑者の臭いが一致するかどうかを特定する仕事内容。

事件解決・犯人逮捕のために非常に重要な役割をしめています。

 

具体的な方法としては、臭いが付けられた5つの布を木製の台に置き、証拠となる臭いを警察犬に嗅がせ、同じものを取ってくるといった方法が行われます。

実際にこの結果は裁判でも認められるものであり、重要な証拠となる場合も多いのです。

 

 


「警備」の仕事

 

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◎警戒活動

 

主に要人を守る活動や、重要施設の見回り及び警戒を行う「警戒活動」。

パトロールや監視、護送といったシーンで出動する事となります。

屈強なガードマンも威圧感がありますが、屈強な警察犬もまた、不審者に威圧感を与え、犯罪を未然に防ぐ効果を与えています。

 

◎逮捕活動

 

犯人の武器・凶器の奪取や、犯人逮捕時の逃走阻止や見張りを行う「逮捕活動」。

警察犬の仕事内容の中でも、特に危険度の高い仕事内容です。

 

 

3. 警察犬と「警備犬」の違いについて知りたい!

 

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警察犬の他にも、警視庁と千葉県警にのみ配備されている「警備犬」と呼ばれる任務につく犬もいます。

警備犬も基本的には警察と行動を共にしますが、その内容はより危険なものとなり、爆発物の捜索や災害救助、犯人を追い詰めるといった仕事内容になります。

 

警備犬の任務は「首輪」によって識別され、付けられた首輪の種類によって警備犬も自らの任務を認識しています。

例えば、「革」の首輪を付けられた時には、犯人制圧の任務が与えられたと認識し、それはすなわち人に噛み付く事を許される事と認識します。

一方、「鈴」が付いた首輪を付けられた時には、災害救助などの任務が与えられたと認識し、ハンドラーから離れた位置での捜索を行う事と認識するのです。

 

警備犬に関しては、対テロリストの警備や爆発物の捜索も任務となるため、今後日本で開催される大きなイベント等でも出動することとなるでしょう。

また、現在は成田国際空港などへも出動し、爆発物捜査にあたることもあるようです。

 

警察犬と警備犬、似ているようですが、より危険度の高い任務をこなしている犬たちもいるということを認識しておきましょう。

 

 


4. 警察犬の歴史について知りたい!

 

 

世界で初めて警察犬が誕生したのは、1896年のドイツのことでした。

 

始めは捜索などの仕事ではなく、警察官とともにパトロールを行うことから警察犬としての活動が始まったと言われています。

その後は、ベルギーやイギリスにも警察犬が採用されていき、日本で初めて警察犬が導入されたのは、1912年12月1日(大正元年)のこと。

 

日本で初めてとなった警察犬は、イギリスから購入した「 コリー 」と「 ラブラドール・レトリバー 」の2頭で、この2頭の主な職務は防犯目的の広報活動だったようです。

その後の1940年4月(昭和15年)には、防犯活動を職務とした警察犬6頭が導入、新たに警察犬舎も設けられました。

 

警察犬制度の廃止と再開

 

第2次世界対戦以降、戦争の激化に伴い1945年(昭和20年)頃には警察犬制度が廃止となってしまいます。

その後、警察犬制度が再開されたのは、終戦から約7年後となる1952年(昭和27年)でした。

この時に民間訓練士が警察犬を訓練する他、飼育や管理も行う「嘱託警察犬制度」が創設され、民間警察犬が12頭、民間訓練士が10名指定されました。

 

その後の1956年3月(昭和31年)には、警察庁鑑識課が飼育・管理する「直轄警察犬」制度が発足、警察犬6頭と警察官4名が訓練を開始します。

2016年の時点で、警察庁鑑識課では シェパード 27頭、ラブラドール・レトリバー5頭の警察犬が任務を行なっています。

 

 

5. 警察犬の7種類について知りたい!

 

警察犬はどのような犬種でも認定されるわけではなく、「警察犬」として適した資質がある犬種かどうかがポイントとなります。

 

その資質には「運動能力の高さ」や「知力の高さ」「我慢強さ」「落ち着き」といったポイントが挙げられ、この資質を満たし、警察犬に向いている資質を持つと認められる犬種は、全部で7犬種に絞られます。

 

ただし、下記に挙げる7種類は「日本警察犬協会」が指定・認定している犬種ですが、「嘱託警察犬」に関しては以下に挙げる 犬種 が全てではありません。

 

◎ジャーマン・シェパード・ドッグ(German Shepherd Dog)

 

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警察犬のイメージが最も強い犬種と言えば「 ジャーマン・シェパード・ドッグ 」。

「ジャーマン・シェパード」と呼ばれる場合もありますが、日本では「シェパード」という呼び方が一般的です。

 

シェパードは「軍用犬」として作出することを目的とした犬種で、牧羊犬としても優秀であった「オールド・ジャーマン・シェパード・ドッグ」をベースとして交配し、改良されたのがジャーマン・シェパード・ドッグです。

 

軍用犬としては主に「伝令」や「運搬」「警備」と、まさに人に変わる働きをしていた非常に優秀な犬種ですが、過去にはナチス・ドイツの印象も強かった為に、虐殺されていたという暗い過去を持つ犬種でもあります。

 

しかし一方では、イギリス兵やアメリカ兵がシェパードを自国へと連れて行ったことでその能力の高さが知れ渡ることとなり、作業犬として優秀な犬種であることが認知されるようになります。

 

現在では警察犬と言えばシェパードと言われる程となり、「軍用犬」や「麻薬探知犬」「災害救助犬」「盲導犬」「介助犬」など、高度な訓練を必要とする様々な作業犬の代表格となっています。

 

・原産国:ドイツ
・グループ:1G(牧羊・牧畜犬グループ)
・体高:55cm〜65cm
・体重:22kg〜40kg
・寿命:10年〜12年

 

◎ドーベルマン(Doberman)

 

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警備やガードマンといったイメージも強い「 ドーベルマン 」。

ペットとして飼育される中で時折、事件を起こす危険な犬種という悪しきイメージも強いドーベルマンですが、シェパードと肩を並べるほどに優秀な犬種でもあります。

 

それもそのはず、ドーベルマンは優秀な「警備犬」として作出された犬種で、ジャーマン・シェパード・ドッグを始めとした、いくつかの犬種を交配することで誕生した犬種なのです。

 

警備犬としての要素に加え、ペットとしての要素も考慮して改良された犬種でもあり、意外と勘違いされがちですがドーベルマンの気質は警戒心がありながらも、穏やかで友好的な一面もある性格なのです。

 

ドーベルマンに関する幾つかの事件は、おそらく飼い主の飼育の仕方に問題があるためということも考えられ、しっかりと躾や訓練を行うことで、飼い主にも従順で頼もしくも優しい相棒になる犬種でもあるのです。

 

作業をこなす事が好きな性格であることや、勇敢な性格を持ち合わせている点も警察犬に選ばれる大事な要素で、しっかりとした主従関係が成り立つ犬種であることから、警察犬に適した犬種となっています。

 

・原産国:ドイツ
・グループ:2G(使役犬グループ)
・体高:63cm〜72cm
・体重:32kg〜45kg
・寿命:10年〜13年

 

◎ラブラドール・レトリバー(Labrador Retriever)

 

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盲導犬としてのイメージも強い「 ラブラドール・レトリバー 」ですが、警察犬や救助犬等の使役犬としても活躍する、オールマイティーな犬種の一つです。

 

ペットとしても愛される人気の高い犬種の一つですが、元はレトリーブ(獲物の回収)を得意とする犬種で、活躍の場は湖や海など、水上や水中に浮かぶ獲物を回収してくる仕事に従事してきました。

 

そのためラブラドール・レトリバーは「水かき」が発達しており、他犬種よりも泳ぎに関して万能である事が特徴としてあげられます。

また、御存知のとおり非常に温厚な性格で訓練性も高く、使役犬としての能力が高いため、警察犬として採用される機会も多いのです。

 

ラブラドール・レトリバーは警察犬や盲導犬の他、「探知犬」「狩猟犬」「災害救助犬」「セラピー犬」「補助犬」といったように、私達の身の回りのあらゆるシーンで頼りになる、非常に優秀な犬種のひとつです。

 

・原産国:イギリス
・グループ:8G(その他の鳥猟犬グループ)
・体高:54cm〜62cm
・体重:25kg〜36kg
・寿命:10年〜13年

 

◎コリー(Collie / Rough Collie)

 

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イギリス・スコットランド原産の「 コリー 」は牧羊犬として従事してきた大型犬で、古い歴史を持つ犬種のひとつ。

「名犬ラッシー」でお馴染みのコリーも、警察犬に適した犬種として活躍しています。

 

牧羊犬としても人気の高かったコリーですが、ドッグショーなどが盛んになってきた頃には、その容姿の美しさから主にショードッグとして活躍の場を移してきました。

しかしながら、持ち前の訓練性の高さやコミュニケーション能力の高さが評価され、警察犬としての資質も十分であることから、警察犬として採用される場合も多い犬種です。

 

コリーには長毛の「ラフ・コリー」と短毛の「スムース・コリー」が存在しますが、スムース・コリーは頭数もラフ・コリーに比べ少ないため、日本国内の警察犬においてはラフ・コリーが一般的となっています。

 

・原産国:イギリス(スコットランド)
・グループ:1G(牧羊・牧畜犬グループ)
・体高:50cm〜66cm
・体重:15kg〜34kg
・寿命:8歳〜12歳

 

◎ボクサー(Boxer)

 

 

ドイツ原産の中型犬、「 ボクサー 」も警察犬として適した犬種の一つです。

元はイノシシや鹿・クマ等の狩りに使われていた「ブレンバイザー」と呼ばれていた猟犬をベースにしている犬種で、「マスティフ」や「テリア」「 ブルドッグ 」「 グレート・デン   」といった犬種が交配に使用されています。

 

闘犬のような面々な並びますが、主にボクサーに求められていた仕事は獲物を捉えて飼い主が来るまで殺さずに噛み伏せておく事で、「力の強さ」「強靭な顎」「噛み付いたまま呼吸ができる」と言った点が重要視されました。

 

戦時中は軍用犬として採用され、主に「警護」や「伝達」といった仕事で活躍、戦後においても警察犬や軍用犬、闘犬としても使われてきました。

日本では比較的珍しい部類に入るボクサーですが、ドイツではシェパードに次ぐ人気の犬種でも知られ、現在ではショードッグとしての人気も高い犬種になりました。

 

訓練性も高く飼い主に対して従順、非常に丈夫な肉体と力の強さを持つボクサーは、ひとたびスイッチが入ると恐れ知らずな気質で家族を守る犬種のため、警察犬としての資質を持った犬種の一つとして挙げられています。

 

・原産国:ドイツ
・グループ:2G(使役犬グループ)
・体高:53cm〜63cm
・体重:25kg〜30kg
・寿命:10年〜12年

 

◎エアデール・テリア(Airedale Terrier)

 

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数ある「テリア」犬の中でも、特に警察犬としての能力が高いテリアが、キング・オブ・テリアの呼称を持つ「エアデール・テリア」です。

そう呼ばれる要因となっているのが、テリア犬の中でも一番に大きな体格を持っているという点と、作業や訓練を特に好むその性格です。

 

イギリスを原産とするエアデール・テリアは、本来は猟犬として働いていた犬種で、非常に訓練や作業を好む犬種としても知られていました。

 

カワウソ 猟を得意とする「オッター・ハウンド」や、猟や警備・家庭犬としてなど万能な性質の「アイリッシュ・テリア」などと交配させることで、より万能なテリアであるエアデール・テリアが作出されたのです。

 

常に指示待ちを期待しているような犬種で、かつ筋肉質な体を持っているために作業犬としての信頼度も高く、シェパードが登場する以前のイギリスやドイツで初めて警察犬として採用されていたのは、このエアデール・テリアだったそうです。

 

こうした性格が認められ、戦時中は伝達などの役割や負傷兵の発見といった仕事をこなし、現在では警察犬として活躍する犬種となっています。

 

・原産国:イギリス
・グループ:3G(テリアグループ)
・体高:58cm〜61cm
・体重:23kg〜32kg
・寿命:10年〜12年

 

◎ゴールデン・レトリバー(Golden Retriever)

 

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ラブラドール・レトリバーと同様、レトリーブ(獲物の回収)を得意としている「 ゴールデン・レトリバー 」。

性格に関してもラブラドール・レトリバーと同様、飼い主に対して従順で我慢強く、非常に温厚な犬種として、日本でも人気の高い大型犬のひとつです。

 

ラブラドール・レトリバーは水中からのレトリーブを得意としていますが、ゴールデン・レトリバーが得意とするのは「長時間」においてのレトリーブ。

非常に我慢強く、なおかつ水中や陸上でのレトリーブに適しており、自慢の長毛は冷水の中でも長時間活動できるという特徴を持ちます。

 

こうした性格は警察犬としての資質を満たすものでありますが、ゴールデン・レトリバーもラブラドール・レトリバーも共通するのが、温厚すぎるという点。

人間に対して警戒心も薄く非常に温厚、性質も優しすぎるために、警護などの仕事には向きません。

 

一方で「嗅覚」を利用した仕事においては他犬種よりも能力が高く、ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーが担う警察犬としての仕事は、捜索などの仕事がメインとなっています。

 

・原産国:イギリス
・グループ:8G(その他の鳥猟犬グループ)
・体高:54cm〜62cm
・体重:25kg〜36kg
・寿命:10年〜12年

 

 


6. 警察犬の「嘱託警察犬」について知りたい!

 

昭和27年に創設された日本の「嘱託警察犬制度」。

嘱託警察犬とは、前述の通り民間の訓練士が飼育・管理・訓練を行い、出動要請があればすぐに出動する警察犬のことを言います。

 

嘱託警察犬は毎年審査会を開催し、嘱託する警察犬の選考を行なっており、任期は1年間と決められています。

 

また、警察犬は訓練士とペアであることが重要で、警察犬を管理・誘導する訓練士を「ハンドラー」と呼びます。

直轄警察犬にも担当のハンドラーが存在しますが、嘱託警察犬においても同様にハンドラーとなる訓練士が必要になるため、嘱託警察犬に選出されれば警察犬とハンドラーも出動する体制でいる必要があります。

 

様々な犬種が登場!

 

 

嘱託警察犬に関しては、実力があれば上記に挙げた7犬種に限らず、どんな犬種でも都道府県によっては警察犬として任命されます。

警察犬には「追跡活動」や「臭気選別」など、全ての活動においてオールマイティーな犬も存在しますが、その多くは得意とする科目が存在し、その分野で専門的に活躍しています。

 

嘱託警察犬に関しても、それぞれに得意なジャンルで活躍している場合がほとんどで、中にはシェパードやラブラドール・レトリバーも顔負けな実力を持つ 小型犬 もいるのです。

 

また、小型犬が有利となる現場は、被災地や狭い場所での捜索です。

大型犬 では捜索できないような狭い場所でも、小型犬であれば難なく通ることもでき、瓦礫の下などになっている際でも見つけられる可能性が格段に上がるのです。

 

特に日本では震災以降、小型犬による捜索の重要性が高まっているため、各地で続々と小型犬の嘱託警察犬が誕生してきています。

 

日本初の小型犬の嘱託警察犬

 

現在、各都道府県で直轄警察犬を導入しているの26都道府県とわずかで、残りの地域に関してはこの嘱託警察犬に依頼している状況です。

 

日本で初めてとなった小型犬の嘱託警察犬は、2010年1月1日に和歌山県警が登録した ミニチュア・シュナウザー の「クリーク号(愛称:くぅ)」。

クリーク号が専門としたのは臭気選別活動で、2008年に一度落選したものの、2009年には見事に合格、日本初の小型犬警察犬が誕生しました。

 

クリーク号のほか、その後も「 ロングコート・チワワ   」や「 柴犬 」「 トイ・プードル 」「 ミニチュア・ダックスフンド 」「 パピヨン 」など、様々な小型犬の嘱託警察犬が各地で誕生しています。

 

 

7. 警察犬になる方法について知りたい!

 

 

前述の通り、嘱託警察犬は小型犬も含む、すべての犬種が警察犬になれるチャンスがあると言っても良いでしょう。

では、具体的にどのような方法で嘱託警察犬は選出されているのでしょうか。

 

嘱託警察犬になるためにはまず、「嘱託警察犬審査会」に出場する必要があります。

この嘱託警察犬審査会では、基本となる「服従試験」をはじめとした、幾つかの試験・競技に合格する必要があります。

 

また、警察犬だけではなく、ハンドラーとなる訓練士も警察犬の訓練士資格を所有していることも重要となります。

審査科目は「足跡追求」「臭気選別」「服従・警戒」「捜索」といった科目があり、それぞれの試験で高得点を取る必要があります。

 

高い能力を必要とする「ゼロ回答」

 

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嘱託警察犬になるためには厳しい試験に合格する必要がありますが、例えば「臭気選別」の試験では、臭いの付けられた5枚の布を選別台に設置し、正解の臭いがついた布を持ってこれるかをテストします。

 

このテストを4回行い、確実に正解する必要があるのです。

また、「ゼロ回答」と呼ばれる試験も存在します。

 

ゼロ回答とは、5枚中5枚とも全て間違いの布が置かれており、同じ臭いはなかったと判断するという、高い能力を必要とする試験内容もあるようです。

 

こうした試験に合格するためには、素人が行う訓練では厳しいものがあるため、通常であれば訓練学校で訓練を行う必要があります。

ハードルとしては高いものですが、実践となる現場捜索では失敗は許されません。

 

こうして厳しい訓練や試験を見事に合格することで、ようやく嘱託警察犬に登録することが出来るようになるのです。

 

 


8. 警察犬の「訓練士」になる方法について知りたい!

 

 

警察犬は訓練士となるパートナーが共に行動することで、はじめてその力を発揮します。

そのため、ハンドラーとなる訓練士も警察犬同様に、非常に重要な役割を担っているのです。

 

そんな嘱託警察犬の訓練士ですが、素人がちょっと学んだからと言ってなれるものではありません。

 

嘱託警察犬をトレーニングする際には、基本となる「服従訓練」から始まりますが、一般家庭でペットとして躾を行うものとは全く別のものになります。

基本的な服従訓練とは、

 

・停座(正面や横に座らせる)
・伏せ(伏せの状態で、長時間待たせる)
・脚側行進(横について、歩速を合わせて歩く)
・休止(マテの状態で、長時間待たせる)
・招呼(呼んですぐに来させる)
・立止(その場に立ち、長時間待たせる)
・障害飛越(合図で走らせたり、障害物を飛び越す)

 

以上のような内容が、基本的な服従訓練となります。

この服従訓練を習得して初めて、「足跡追求訓練」「臭気選別訓練」といった、警察犬としての訓練が始まるのです。

 

「直轄警察犬」の訓練士になるには?

 

直轄警察犬は「警察」が管理する犬になるため、直轄警察犬の訓練士もまた「警察」の一員となります。

そのため、直轄警察犬の訓練士になるためには警察官の採用試験に合格して、警察官になる必要があるのです。

 

その後は「鑑識課」に所属することとなり、配属先で訓練に励む事となりますが、配属先はどこになるかはわからず、またすぐに異動になる場合もあります。

 

「嘱託警察犬」の訓練士になるには?

 

 

嘱託警察犬の訓練士になるためには民間の訓練所に入所し、3年〜5年の経験を積んで「公認訓練士」の資格を取得する必要があります。

資格取得後は訓練所で「見習い訓練士」として雇用される場合が多く、訓練所に住み込みで働き、技術を学んでいくことでプロの訓練士を目指していきます。

 

映画「きな子~見習い警察犬の物語~」でも見習い訓練士の日常が描かれていますが、訓練士の日常は朝も早く、夜は遅いといった厳しいものですが、多くの訓練士の方が嘱託警察犬と一心一体となって頑張っているのです。

 

警察犬の能力を最大限に引き出すのは訓練士の腕にかかっていますので、「警察犬」ばかりに目が行きがちですが、優秀な警察犬には「優秀な訓練士」が必ず側にいるのです。

「犬が好き」という気持ちとは別に、大きな大志を抱いていなければ難しい仕事です。

 

 

ここまでは警察犬の仕事内容や、警察犬に関する基本的なものについて解説していきました。

次のページでは、具体的な警察犬の活躍事例や、警察犬の引退について解説していきたいと思います。


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