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古くからドイツにいた小ぶりな体のスタンダード・シュナウザーを基礎に配合し、農場のネズミ捕りとして生み出されたのがミニチュア・シュナウザーだと言われています。
しかし、その頃はまだ 犬種 として特定されておらず、ミニチュア・シュナウザーだと特定されたのはアメリカに渡ってからだと言われています。
アメリカでは テリア グループに属されていますが、実際にはテリア血統ではありません。
ちなみに、ドイツで口髭のことを「シュナウツ」と言い、シュナウザーの名前はそこから来ていると言われています。
ミニチュア・シュナウザーの特徴は、何といっても立派な髭と眉毛。
口元の髭は、ねずみ取りの際に害虫にかじられないように備わったと言われています。
狩捕犬として育てられた犬なので、生まれてすぐ尻尾を切られるのも特徴です。
好奇心旺盛で、勇敢なのに警戒心が強くて甘えん坊。
たまに吠え癖があったり頑固なところもありますが、賢く大人しいので、比較的飼いやすい犬種です。
ミニチュアシュナウザーにはいくつか異なる毛色があります。
害獣駆除を目的として育てられた犬種なので、活力があり丈夫な体をしていますが、それでも気を付けておきたい病気をご紹介します。
目のレンズの役割をしている水晶体のタンパク質が変化し、白く濁る病気です。
犬は歳を重ねていくとともに、白内障にかかりやすくなります。
しかし、ミニチュア・シュナウザーの場合、5歳以下という若いうちから白内障にかかることもあります。
これには、遺伝が関与していると言われています。
視力が残っているうちは、点眼薬を用いた治療を行いますが、残念ながら白内障を治すことはできません。
ただ、中には失明してしまった後でも手術で視力の回復が期待できるケースもあるため、すぐ諦めずに獣医さんとよく相談してみるのもいいかもしれません。
基本的に若年性白内障で網膜や神経にも支障が出てしまうと、視力の回復は難しくなります。
加齢に伴って目が白くなるものに、核硬化症というものもあり、白内障と間違われます。
核硬化症であれば、視力はあまり低下しません。
角膜、水晶体、網膜を確認する検査が必要なので、動物病院で確認してもらいましょう。
膵臓から分泌されるインスリン(=食後に上昇した血糖値を処理してくれるホルモン)が不足し、高血糖の状態が続き、尿に糖が排泄される病気です。
症状としては、尿の量や回数が増え、水を飲む量も増えます。
また、食欲は増進しているのに対し、体重が減少することもあります。
病気が悪化すると、下痢や嘔吐が見られるようになり、重篤な場合は昏睡状態に陥ってしまい、命の危険性もあります。
基本的に、発見される時には糖尿病は重症になっていることが多く、入院治療が必須になります。
糖尿病だけが単独で悪さをしていることはなく、だいたいは膵炎や胆嚢炎、膀胱炎、子宮蓄膿症など、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪くなる)がある状態です。
入院は軽度なもので一週間、併発している病気によっては三週間ほどの点滴入院とインスリンの調整が必要です。
治療費も目安としては、軽度であれば10万円~、重症であれば30万円~となります。
糖尿病と共に、膵炎や胆嚢炎がひどく、腎不全が悪化して、食欲が改善しない場合には治療をしても亡くなってしまうことがあり、とても恐ろしい病気です。
退院後にはインスリンの注射を毎日必ず打ち、決められた量の決められた治療食を決まった時間に食べることが大切です。
時間的、費用的、精神的にも糖尿病は飼い主にも大きな負担がかかってしまいます。
ここでは、ミニチュアシュナウザーを飼いたいと思った際に、あらかじめ知っておきたいポイントをご紹介します。
ミニチュア・シュナウザーの価格は、おおよそ30〜45万円前後だと言われています。
例外ですと、毛色が珍しいほど高額になったり、オスよりメスの方が繁殖できることから相場が高くなったりもします。
これは他の犬種にも言えることです。
ミニチュア・シュナウザーは好奇心旺盛で走り回りますが、従順な性格で知能も高いので、しつけやすい犬種と言えます。
害獣駆除目的として育てられた犬種なので、体力が有り余っています。
こまめに散歩に行くことでストレス発散となるので、出来る限り毎日連れ出してあげましょう。
ただし、どの犬種もそうですが、夏場は暑さに注意してあげてください。
英表記:Miniature Schnauzer
原産国:ドイツ
起源:小型のシュナウザーは19世紀末に繁殖されたと言われています
公認団体:JKC(ジャパンケネルクラブ)
体重・体高:体重は4〜8kg、体高30〜35cm
体型:小さいが力強くがっしり
毛種:粗毛種 ダブルコート(換毛期には抜ける)
毛色:ブラック、ホワイト、ソルト・アンド・ペッパーなど
入手しやすさ:容易
値段・価格30〜45万円前後
寿命:12〜15歳程度
特徴:硬い毛と立派な髭
性格:好奇心旺盛、賢い
かかりやすい病気:若年性白内障、糖尿病、高脂血症、胆泥症
今回はミニチュアシュナウザーの特徴や飼い方をご紹介しました。
ぜひお迎えする際の判断材料にして頂ければと思います。
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/03/08
公開日 : 2016/05/26