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ジャックラッセルテリアは、テレビや映画などへの出演で人気の 犬 となりましたが、歴史的には比較的新しい 犬種 です。
ジャックラッセルテリアの始まりは、1819年にイギリスのオックスフォードの神学生だったジャック・ラッセル氏が、ある1匹のテリア犬と出会ったことから始まります。
牛乳屋が連れていたトランプという名前のメスのテリアを、ジャック・ラッセル氏は一目で気に入り買い取りました。
トランプは短い足で、耳と目の部分が褐色でほとんどが白の被毛を持ち、フォックステリアに似た外見だったとされています。
ジャック・ラッセル氏は、トランプのことを「夢に見た犬」だと言うほど気に入っていました。
なお、ジャック・ラッセル氏は大学を卒業後に牧師になるのですが、キツネ狩りの愛好家であり、トランプをもとにしてキツネ狩り用の キツネ を巣穴から追い出すことを得意とする犬の産出に取り組むようになりました。
ジャック・ラッセル氏が愛したトランプは、活動的でスタミナがあり、穴に逃げ込んだキツネを追いかけていく果敢さも持ち合わせていたのです。
ラッセル牧師はさらに優秀な狩猟犬を作るために、 ビーグル やボーダー・テリア、 ブルテリア などと交配させました。
その結果、ジャック・ラッセル・テリヤは気性の激しい面を持つ犬になったと言われています。
しかし、狩猟犬としては大変優れていたために狩猟愛好家からは評価され、それまでは単にフォックステリアと呼ばれていましたが、牧師の死後に「ジャックラッセルテリア」と呼ばれるようになったのです。
ただ、現在のジャックラッセルテリアがトランプの血を受け継いだ子孫であるかどうかは良く分かっていません。
晩年のラッセル牧師は経済的に困窮しており、牧師が亡くなったときに犬達は売られてしまったのです。
さらにラッセル牧師は1875年に創立された「フォックステリア・クラブ」の創立メンバーでしたが、ジャックラッセルテリアがどのようにして産出されたのかの記述は見つかっていないことから、トランプの血統が確かに現在のジャックラッセルテリアに引き継がれているかどうかはよくく分かっていないのです。
ジャックラッセルテリアはテレビなどにも登場して人気の犬種となりましたが、実はイギリスのケネルクラブには登録されていません。
愛好家たちが、ジャックラッセルテリアはあくまでも狩猟犬であり、ショードックとなって個性が消えてしまうことを嫌ったため、ケネルクラブに登録されなかったと言われています。
ジャックラッセルテリアは狩猟本能を高めるために気性が荒い面があるのですが、これを改良した犬種がパーソンラッセルテリアです。
パーソンラッセルテリアはラッセル牧師が育てた犬の容姿を失わず、気性の粗い面を改良し、ショードックとして確立された犬種です。
イギリスのケネルクラブにはパーソンラッセルテリアのみが登録されています。
現在ではジャックラッセルテリアは気性の粗さから敬遠されることが多く、穏やかなパーソンラッセルテリアの方が普及しているようです。
ジャックラッセルテリアは狩猟犬として優秀だったために、イギリス以外にも持ち出されました。
イギリスの雨や雪などの気候に対してジャックラッセルテリアの被毛は短毛であったために気候から体を守る面ではあまり適していませんでしたが、オーストラリアの気候はジャックラッセルテリアに合っていたようです。
オーストラリアでは狩猟犬というよりも牧羊犬として活躍し、現地の気候や牧場での使役に向くように改良もされました。
オーストラリアのジャックラッセルテリアは性格も穏やかに改良され、ペットとしてやショードッグとしても飼育できるようになりました。
オーストラリアのケネルクラブには1972年にジャックラッセルテリアが犬種として登録されています。
現在普及しているジャックラッセルテリアはオーストラリア系の犬が多いようです。
アメリカではジャックラッセルテリアを改良した犬を「ラッセルテリア」として登録していますし、日本ではジャックラッセルテリア、パーソンラッセルテリアの両方が登録されています。
ジャックラッセルテリアは欧米では特に人気で、多くのテレビや映画に登場しています。
映画「マスク」のマロイ、映画「アーティスト」のジャック、テレビドラマ「夢見る小犬ウィッシュボーン」のウィッシュボーンなどほかにも多数あります。
ビクターのキャラクター犬、絵画「His master’s voice」に描かれた蓄音機から聞こえてくる鳴き飼い主の声に聞き入る犬ニッパーは、ジャックラッセルテリアであると言われています。
映画やテレビなどで多数使われたことから、多くの国でジャックラッセルテリアは人気になました。
実際に映画「マスク」を見てジャックラッセルテリアをペットにしたという人もいます。
しかし、ジャックラッセルテリアは、その見かけからは想像しがたい気性の荒い面を持った狩猟犬で飼育が簡単な犬ではなかったために、日本では多くの犬が遺棄されるということもありました。
現在でも、ジャックラッセルテリアの里親募集は絶えずされている状況です。
※合わせて読みたい: 犬の里親になるには?犬を里親として譲り受ける方法と注意点
ラッセル牧師が産出したテリアは狩りの能力を重視したため、容姿についてはさまざまであったとされています。
ジャックラッセルテリアの容姿は固定化されていますが、大きさは4㎏未満の 小型犬 タイプから12㎏以上の 中型犬 タイプまで存在します。
足が短めなので体高より体長が長く、胴長短足の容姿。
耳はボタン耳(完全なたれ耳ではなく耳の上部が垂れ下がり、耳の穴を隠している)です。
大型犬 並みに体力があり、動きも俊敏でパワフルであるためドッグスポーツが得意です。
体高 23cm~30cm
体重 4㎏~6㎏
小型犬に分類されますが、個体によっては10㎏以上の体重になることも。
10歳~15歳。
平均的な小型犬の 寿命 です。
ジャックラッセルテリアの被毛の長さはスムース(短毛)、ラフ(長め)、ブロークン(スムースとラフが混ざったもの)の3種類。
狩猟の際に体を守ることができるように荒い毛質となっています。
色は黒と茶、白、黒と茶と白のトライカラー、白黒とバリエーションが豊富です。
ジャックラッセルテリアは恐れずに狐を巣穴に潜ってまで追うことが求められ、改良された犬種です。
ジャックラッセルテリアの元となったラッセル牧師の犬「トランプ」は狐を負うことにかけては何も恐れず、非常に熱心だったとされています。
現在のジャックラッセルテリアもトランプのようにとても勇敢で恐れ知らず。
その勇敢な性格が「攻撃的な性格」となってしまうことがあるので注意が必要です。
あまりがまん強い性格ではなく、繊細さも持ちあわせているので、正しい扱いをしてあげないとそれが攻撃性になって現れることもあります。
飼い主や家族に対しては愛情深く、忠誠心が強いです。
ジャックラッセルテリアは頭もよく、好奇心旺盛。
テレビや映画に多数登場したのも、容姿のかわいさだけではなく訓練や撮影についてくることができる賢さがあったからでしょう。
遊ぶことが大好きでさらに運動能力も高いのでドッグスポーツがとても得意です。
特に動くものには非常に興味をそそられるので、 小動物 を追いかけてしまったり、自転車や車まで追いかけてしまうこともあります。
狩猟本能が高いので、 猫 のような他の動物との同居はあまり向いていませんし、ほかの犬に対してもケンカを吹っかけてしまうことがありますので訓練は必須です。
ジャックラッセルテリアは小型犬ですが、とても活動的で多くの運動が必要な犬です。
運動不足になると問題行動を起こしてしまうので、アパートで飼うことには向いていません。
散歩 のとき以外にも遊んだり運動したりできるように庭のあるうちがベストでしょう。
ジャックラッセルテリアは動くものを追いかけてしまう習性があるので、庭にはフェンスを設けて、犬を放置しないようにしましょう。
ジャックラッセルテリアは穴を掘ることもできますし、ジャンプ力もありますから油断は禁物です。
ジャックラッセルテリアは短毛のうえ、体脂肪の少ない犬です。
小型犬でありますし、あまり寒さに強くありません。
また、日本の夏の温度と湿度は犬の命が危険になるレベルになってきているので、室内飼育をしてクーラーで温度と湿度を管理してあげましょう。
ジャックラッセルテリアは飼い主にとても愛情を持ちますし、放置されると破壊行動や攻撃性が強くなってしまいます。
家族と一緒に過ごせるように室内飼育をしてあげましょう。
愛情不足は問題行動を招きます。
ジャックラッセルテリアの食事には高タンパク低カロリーの品質の良い ドッグフード を選んであげましょう。
犬の健康のために、添加物や穀類の含有量が少ないフードを選んであげたいですね。
タンパク質が十分でないと免疫力が落ちて皮膚病などの原因にもなります。
肥満はジャックラッセルテリアの体を不健康にしてしまいますし、胴長短足の体形には余計に負担になってしまいます。
太らせすぎないように 餌 の量と運動量に気を付けてください。
ジャックラッセルテリアのスムースコートは抜け毛が多いので、短毛であっても週に1度程度のブラッシングが必要です。
ラフとブロークンは抜けるはずの毛が抜けにくくなっているときがあるので、スリッピング(手ですいて)毛を取り除いてあげます。
ブラッシングなどを定期的に行うようにすれば、ジャックラッセルテリアの被毛は汚れにくいので、1~2カ月に1回程度の シャンプー で被毛はきれいに保つことができます。
ジャックラッセルテリアも他の犬種と同様に歯肉炎になりやすいです。
できれば毎日、少なくとも週に2~3回は歯みがきをしてあげましょう。
歯肉炎を放置すると歯が抜けるだけでなく、皮膚や内臓などの病気を引き起こすこともありますので、健康で長生きをしてもらうためには日々の口腔ケアは大切です。
液体歯みがきを併せて使うと犬のストレス軽減にもなりますし、高い効果が期待できます。
ジャックラッセルテリアは被毛の手入れなどはほとんど手間がかかりませんが、唯一毎日したほうが良いケアが歯磨きです。
歯みがきやブラッシングなどを嫌がらずにできるように子犬のころから体に触れられることに慣れさせておきましょう。
ジャックラッセルテリアはとてもエネルギッシュな犬なので大型犬と同じくらいの運動量が必要です。
1日に1時間以上の散歩が必要ですし、散歩以外にも庭でボール遊びやゲームができるといいですね。
ジャックラッセルテリアは好奇心が旺盛で楽しいことが大好きで退屈が苦手です。
散歩もときどきはコースを変える、ドッグスポーツを取り入れるなどすると運動だけでなく知的好奇心も満足させることができます。
散歩や戸外で運動するときは、ほかの動物や犬を追いかけてしまわないように注意してください。
ドッグラン で他の犬にケンカを売ってしまうようなときは、貸し切りにできるドッグランを利用するといいでしょう。
ジャックラッセルテリアは小型犬ですが、優れた運動能力とともに持久力も持ち合わせています。
そのエネルギーを運動で発散させてあげないと、破壊行動や攻撃性が助長されてしまいます。
散歩や遊びで十分に運動ができれば室内では大人しくしていることができます。
ジャックラッセルテリアの飼い主になるには、犬と一緒に運動し遊んであげる時間を確保できなければなりませんね。
ジャックラッセルテリアはとても賢く、狩猟犬であったために自分で判断し行動することができる自己判断能力の高い犬です。
ケンカっ早く、辛抱強い性格でもないため、 しつけ はしっかりと行わないと手に負えない犬になってしまいます。
ジャックラッセルテリアのしつけには、犬の訓練の仕方を知っていることとリーダーシップが取れることが大事になってきます。
訓練はしていいことと悪いことやコマンドの出し方など一貫性をもって行います。
ときには厳しい態度も必要ですが、威圧したり怒鳴ったり暴力を振るったりすることは絶対にやめましょう。
自分が納得いかないことで怒られたり、必要以上の叱責をされたりすることは人間に脅威を感じることになり、不信感につながります。
ジャックラッセルテリアは楽しいことが大好きなので、ごほうびをあげる、遊んであげるなどの喜ぶことをたくさん用意し、ほめてあげるしつけをするようにしましょう。
ほかの動物や犬を追いかけてしまわないように、特にマテやコイなので訓練は確実に実行できるようにしてください。
訓練は繰り返し行い指示に従えるようにする必要がありますが、ジャックラッセルテリアは辛抱強い性格ではないので、訓練の時間は短時間で終わるようにすると飽きずに楽しく行うことができます。
ジャックラッセルテリアは早期から社会化を促進しましょう。
自分より大きなキツネを狩るために改良されたジャックラッセルテリアは恐れ知らずで、大型犬にもひるむことはありません。
攻撃性が高いことは現在の日本のペットとしての暮らしでは好ましいことではありませんし、ジャックラッセルテリア自身がケガをしてしまったり、加害者になるようなことがあってはいけません。
家族以外の人や犬とのコミュニケーション能力を身つけさせるために、公園や公共の場所に連れ出すなど、様々な体験をさせて社会化を促進しましょう。
ジャックラッセルテリアは初心者には向いていない犬ですが、経験豊富な人であっても簡単に飼えない場合もあります。
しつけ教室は、訓練を受けられるだけでなく、他の犬とのコミュニケーションをとる機会にもなりますのでおすすめです。
預けっぱなしにするのではなく、一緒に参加できるしつけ教室を利用すると人間も犬の扱い方を学ぶことができます。
ジャックラッセルテリアは外見重視ではなく、狩猟での実益を求めて改良された品種であり、その後もショードッグとして扱われることを嫌うなど無理な品種改良がおこなわれませんでした。
そのため、遺伝疾患等が少ない犬種ですが、気を付けたい病気がいくつかあります。
小型犬に多く見られる病気で、大腿骨頭への血流が不足することで発症し、足を引きずるように歩く、足の痛み(触ると痛がる)などの症状がみられます。
遺伝が関係していると推測されていますが、原因はよく分かっていません。
安静療法や外科手術が治療法として用いられます。
小型犬に発症しやすい症状です。
膝蓋骨(膝関節のお皿の部分)が正常な位置から外れてしまう症状です。
初期段階では症状が現れないことがありますが、進むにつれて足を床につかないなどの症状が見られるようにになります。
先天性のこともありますが、ケガなどの後天性による場合も多く、ジャックラッセルテリアのような行動的な犬はケガをしないようにすることも予防になります。
ジャックラッセルテリアは活動的で楽しいことが大好きなので、10代の子供の良き友人となってくれます。
しかし、あまり辛抱強い性格ではないので幼い子供との生活は向いていないでしょう。
子供には犬の扱いを教えるととともに、子供と犬だけで遊ばせないようにしてください。
ジャックラッセルテリアとほかのペットとの同居も慎重に検討すべきでしょう。
もともとが狩猟犬ですし好戦的な面もあるので、訓練や社会化が十分に行われている穏やかな個体以外は難しいでしょう。
ジャックラッセルテリアの価格は10万円~28万円。
ジャックラッセルテリアに対する専門知識を持ち、愛情をもって飼育している ブリーダー から購入しましょう。
あまり早期に母親や兄弟から引き離すと、その後の犬の性質や社会化に悪影響を及ぼします。
犬を適切に扱っているかどうか、ご自分の目で確かめることをおすすめします。
ジャックラッセルテリアは映画出演やかわいい容姿で日本でも人気の犬種になりましたが、その外見とは異なり飼いやすい犬ではありません。
そのため、多数のジャックラッセルテリアが遺棄されてしまいました。
現在でも遺棄は少なくありません。
里親募集掲示板でも常に募集されてします。
遺棄されて犬の里親になることは大変意義があることです。
※合わせて読みたい: ペットの里親・飼い主になるための条件-保護犬・猫・動物を引き取りたい人達へ-
原産国 : イギリス
値段 : 10万円~28万円
毛色 : 黒と茶、白、黒と茶と白のトライカラー、白黒とバリエーションが豊富です。
寿命 : 10歳~15歳。
体重 : 4㎏~6㎏
体高 : 23㎝~30㎝
特徴 : 足が短めなので体高より体長が長く、胴長短足の容姿。耳はボタン耳(完全なたれ耳ではなく耳の上部が垂れ下がり、耳の穴を隠している)です。大型犬並みに体力があり、動きも俊敏でパワフルであるためドッグスポーツが得意です。
性格 : 好奇心が強く賢く、勇敢で恐れ知らず。飼い主や家族に対しては愛情深く、忠誠心が強いです。
かかりやすい病気 : レッグ・ペルテス病、膝蓋骨脱臼
注意点 : 賢いので訓練についてくることは容易ですが、運動能力が高くけんかっ早い性格でもあるため訓練は必須です。
ジャックラッセルテリアは賢く行動的な犬なので、犬に時間を割くことができ、犬と一緒に活動することを楽しめる飼い主さんであれば楽しく暮らせますし、ジャックラッセルテリアは良い家庭犬となってくれるでしょう。
一方で、非常にパワフルで果敢な一面があるので訓練や飼育の知識は必須です。
あこがれだけで飼育した結果、多くのジャックラッセルテリアが遺棄されている現状があります。
ペットにするからには、飼えるかどうか十分に検討し、最後まで面倒を見るという責任感を持って家族として迎えましょう。
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公開日 : 2018/03/10