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短足で歩く姿が可愛らしいマンチカン。
公認されているものだけで50種類はいると言われている 猫の種類 の中でも、国内トップクラスの人気を誇ります。
今回はマンチカン誕生の歴史から、毛色や性格、飼う際に知っておきたい注意事項などを幅広くまとめました。
マンチカンの起源は諸説あり、イギリス(1944年)やソビエト連邦(1956年)において突然変異体として見つかった記録が残っています。
品種の直接的な原型は、1983年にアメリカ・ルイジアナ州でトレーラーの下に住んでいた、突然変異の短足猫とされています。
発見された短足猫は保護され「ブラックベリー」と名付けられ、珍しい体型をしているということから様々な研究の対象とされました。
結果的に短足は足に障害があったわけではなく、遺伝子の突然変異によって形が変わったものだということがわかりました。
それ以外の点に関しては"健康"と診断されたため、人間の手によって異なる品種との交配が進められ、血統猫にするための動きがなされていったのです。
ブラックベリーは通常の足の長さの短足猫と交配させられ、その子供の中には新たに短足猫が誕生します。
この頃、短足であるマンチカンを巡り多くの論争が引き起こりました。
内容は"珍しい形をしたマンチカンをどんどん繁殖させようとする人たち"と"マンチカンは遺伝的な異常を持つ猫だから繁殖させてはならないという人たち"の意見の衝突です。
そんな論争が巻き起こりながらも、遺伝学上は"健康"と認められていたマンチカンは、1995年にTICAより新種として認められ、徐々に飼育数が増えていくことになります。
TICA(The International Cat Association)とは、アメリカを本拠地とする世界最大の血統登録機関およびキャットショー公認機関です。
ちなみに、マンチカンの名前の由来は「オズの魔法使い」に登場する「munchkin(マンチキン)」(英語で小さい人・子供を意味する)に由来しています。
マンチカンといえば、上ばった大きな目と丸みのある耳がとっても愛らしいですが、最大の特徴はなんといっても 人気犬 である ダックスフンド のように短い足です。
ぎゅっとつまったような極端に短い足で、特に前足が短いことが特徴的です。
しかし、マンチカンといえばすべて短足というわけではありません。
実は短足のマンチカンは全体の30%ほどで、残りは他の猫と比較した際に少し足が短い程度のものです。
マンチカンと同じように、体に変形のある猫の種類で有名なのが スコティッシュフォールド です。
全体の30%ほどの確率で耳が折れています。
少し話が脱線しましたが、マンチカンの短足には3種あり、足の長い順に スタンダード 、 スーパーショート 、 ラグハガー となっています。
足の長さが若干違うからといって、見た目以外に特徴の変化はありません。
また、通常の足の長さをしている他の猫の種類と比較しても、マンチカンは足が短いからといって運動能力が劣るわけではありません。
足が短いからこそ飛ぶ距離には制限がかかる場合もありますが、普通にジャンプや木登りもできるのです。
体型は筋肉質で引き締まったセミフォーリンに類されます。
セミフォーリンはやや小さめの細み体系ながらもずっしりと重みのある体が特徴で、顔は逆三角形です。
マンチカン以外に代表される品種としては、 スフィンクス 、 アメリカンカール 、 トンキニーズ 、 エジプシャンマウ などがあげられます。
小人と言われるほど短い手足を持つマンチカンの性格は、とても人懐っこく社交的な性格の子が多いです。
明るく元気な甘えん坊で、茶目っ気のある仕草に癒されると注目を集めています。
社交的な性格であるということから、新しく出会った人に対しても優しく接してくれますし、先住猫がいたとしても喧嘩することなく生活することができます。
また、好奇心旺盛なので、家の中をあちこちと場所を探索しながら元気に動き回る姿が見られます。
猫用のおもちゃ で遊ぶことはもちろん、遊んでもらうことも大好きなので、心ゆくまでコミュニケーションを堪能することができます。
高いところに登ることも好きなので、 キャットタワー を用意して部屋の中でも高さを担保してあげることも大切です。
大人のマンチカンの性格は、聞き分けもよく賢い傾向があるため、「お留守番を上手にできる猫」と言われることもしばしば。
ただし、猫だけのお留守番は長くても一泊にしてあげてください。
留守番をさせる際も、たっぷりの キャットフード 、水を数か所に置く、お風呂の水は抜いておく、夏は微弱の冷房、冬は暖房をかけるなど環境を整えて出かけるようにしましょう。
マンチカンは甘えん坊なので、お留守番のあとはたくさん甘えさせてあげてくださいね。
その他には臆病な性格も持ち合わせています。
飼い主に大きな声で怒られたりした場合、恐怖を感じてなつくことがあまりなくなってしまいます。
マンチカンとの信頼関係を築くためにも、怒るときは優しく感情的にならないようにしてあげることが大切です。
マンチカンは歴史上、さまざまな猫種と交配されてきたためにバリエーションが多く、毛色や長さ、頭や耳の形までと実に種類も豊富なところが魅力でもあります。
ここでは色柄系のマンチカンのいくつかを紹介します。
マンチカンの価格は血統書付きであるかどうか、生後からどれだけ経っているのかなどで相場が大きく変わり、その相場は4~45万円ほどです。
価格が高いマンチカンの条件は下記の通りです。
成猫や中足・長足のマンチカンの場合は価格が安くなる傾向があります。
最近では、スコティッシュフォールドと交配させて生まれた耳の折れているマンチカンや、 アメリカンカール と交配させて生まれた巻き耳のマンチカンなどが販売されているケースがあります。
そのような品種はTICAでは公認されていませんので、もしペットショップやブリーダーでいかにも血統猫かのように販売されていたら注意が必要です。
TICAはマンチカンを同種同士、または雑種との交配しか認めていません。
理由はマンチカンを他の純血種と交配させてしまうと、遺伝病の遺伝子を他の品種にまで与えてしまう恐れがあるためです。
そのことから、マンチカンを他の血統猫と交配させているペットショップやブリーダーは、あまり正常とは言えませんし、これからの猫ちゃんのことを真剣に考えているとは言い切れません。
大切な命を預かる場合は、その提供元のことをしっかりと事前に調べた上で検討するようにしましょう。
マンチカンは一般的な猫よりもかなり小さい種類の猫で、一般的には下記の通りです。
ただし、マンチカンは太りやすいので、こまめな運動を取らせたり、えさの量に気をつけてあげる必要があります。
マンチカンの平均寿命は11歳~13歳で、一般的な猫の平均寿命が15歳前後とされているため、短めの 寿命 と言えます。
ただし、平均寿命を超え20歳まで生きたマンチカンも存在するようなので、普段からしっかりと体調管理等をしてあげることで、長く一緒に暮らすこともできるでしょう。
好奇心旺盛なマンチカンは、どんなおもちゃにも興味を示して遊んでくれます。
その一方で昼寝が多いという性質もあり、大人のマンチカンで1日15~16時間、赤ちゃんや年をとった時は20時間程寝るのだそう。
寝ていることが多いのは怠けているわけではないので、無理に起こしたりせずにそっとしておいてあげましょう。
マンチカンは賢いので、 しつけ をすればトイレなどもよく覚えてくれます。
ただ、基本的には臆病で用心深いので、怒鳴り続けるしつけは「敵」とみなされてしまいよくありません。
爪とぎ もそれをしないようにするのではなく、爪とぎおもちゃやダンボールを用意してあげるのが良いでしょう。
短毛でも長毛でも、マンチカンは一年中抜け毛をしており、特に夏前に大量の抜け毛がおきます。
放っておくと家中が抜け毛だらけになってしまうので、ブラッシングやコーミングをしてあげるのが望ましいです。
短毛なら1日1回のブラッシング、長毛なら朝晩一回ずつのブラッシングとコーミングが理想です。
お風呂は体に負担がかかるため、基本的に入れる必要がありません。
どうしても必要な場合でも、半年に1回程度で十分でしょう。
マンチカンは少し太り易い体質をしています。
ある程度運動できる環境を整えたり、日ごろから食事の管理をしっかりと行うようにしましょう。
また、脚が短い分、「脊椎間ヘルニア」になる可能性が他の種類の猫に比べて高いです。
脊椎間ヘルニアとは、背骨の間にあるクッションの役目を脊椎間がつぶれ、変形してしまった状態を表します。
足をひきずっておかしな歩き方をしていたり、急に運動をしなくなったときは、脊椎感や背骨に異常が起きているのかもしれません。
さらに、長毛のマンチカンの場合は「毛球症」にも気を付ける必要があります。
毛球症とは、毛づくろいのときに飲み込んだ体毛が消化器官内に溜まってしまう状態をいい、食欲不振や毛玉を吐くことができない、便秘などの症状が現れます。
この毛球症はブラッシングで防ぐことができるので、こまめにブラッシングをしてあげる必要があります。
名称:マンチカン
英表記:Munchkin
原産国:アメリカ
誕生年: 1995年
公認団体:TICA
原種: 野良猫
特徴: 短足、くるみ形の目、丸みを帯びた耳
体型:セミフォーリン
性格:好奇心旺盛、人懐っこい、甘えん坊、賢い、臆病
毛種:短毛種、長毛種
毛色:レッド系、クリーム系、キャリコ、シルバー、カメオ、ブラック、トーティー、ダイリュートキャリコ、ホワイト、ブルー、ブラウンマッカレルタビー
値段: 4~45万円程度
大きさ:2.3~4.5kg
寿命:11~13歳
ブラッシングの頻度:1日1~2回程度
かかりやすい病気:肥満、脊椎間ヘルニア、毛球症
マンチカンは愛らしさもさることながら、好奇心たっぷりで活発な様子から元気をくれる猫ちゃんです。
新たな家族の一員として、是非マンチカンを検討してみてはいかがでしょうか。
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最終更新日 : 2021/06/07
公開日 : 2016/07/17