本ページに掲載のリンク及びバナーには広告(PR)が含まれています。
公認されているものだけでも50種類はいると言われている 猫の種類 。
その中でも、今回はスコティッシュフォールドにフォーカスを当ててご紹介していきます。
本記事はスコティッシュフォールドを生まれたての子猫から成猫になるまで飼っていた筆者が、"もし飼うなら事前に知っておいて頂きたいこと"を徹底的に解説した記事です。
これからスコティッシュフォールドを飼おうとしている人も、現に今飼われている人も、一度チェックしてみてください。
本ページではスコティッシュフォールドの歴史・値段・寿命・折れ耳の理由・スコ座り・毛色についてまとめていきます!
※本文内に登場するブラックの毛色のスコティッシュフォールドは、筆者が実際に飼っていた猫ちゃんです。
スコティッシュフォールドをペットにするなら知っておきたいコト:歴史は?
スコティッシュフォールドをペットにするなら知っておきたいコト:値段は?
スコティッシュフォールドをペットにするなら知っておきたいコト:寿命は?
スコティッシュフォールドをペットにするなら知っておきたいコト:折れ耳の理由は?
スコティッシュフォールドをペットにするなら知っておきたいコト:スコ座り
スコティッシュフォールドをペットにするなら知っておきたいコト:毛色は?
スコティッシュフォールドをペットにするなら知っておきたいコト:性格は?
スコティッシュフォールドをペットにするなら知っておきたいコト:特徴は?
スコティッシュフォールドをペットにするなら知っておきたいコト:体重は?
スコティッシュフォールドをペットにするなら知っておきたいコト:かかりやすい病気は?
スコティッシュフォールドの歴史は意外と浅く、その起源は1961年のイギリス・スコットランドに遡ります。
当時、スコットランドの中部に位置するテイサイド地域の農村にて、羊飼いをしていたウィリアム・ロスが発見した一匹の白猫がスコティッシュフォールドと言われています。
その白猫はメスで耳が折れ曲がっており、他の猫とは見た目的に一線を画していました。
名前は「スージー」と名付けられ、月日が経っても折れ耳は治らず、1963年になると子供を複数産むようになりました。
生まれた子猫の中にも折れ耳の猫がいたことから、耳が折れているということは遺伝によるものだと考えられ、スコティッシュフォールドは計画的に繁殖させられていきます。
ウィリアム・ロスとその奥さんであるメアリー・ロス夫妻は、「スージー」を発見した現場のオーナーから譲り受け、「スヌークス」と改名して他の猫の種類と交配を進めていきました。
他の種類の猫というのが「 ブリティッシュショートヘア 」のオスで、生まれたきたのが折れ耳で白いオス猫でした。
名前は「スノーボール」と付けられ、地元のキャットショーに展示されて注目を集めていくのです。
1966年に、ロス夫妻はイギリスの猫血統登録団体であるGCCF(Governing Council of the Cat Fancy)に登録し、スノーボールを土台としてスコティッシュフォールドを正式な猫の品種として確立させようとする動きをしていきます。
その考えに賛同した遺伝学者のパット・ターナーにより、 アメリカンショートヘア との交配が進められ、スコティッシュフォールドの原型ができあがっていくのです。
はじめはGCCFも珍しい折れ耳猫であるスコティッシュフォールドの繁殖には協力的でしたが、折れ耳の猫に耳の障害が出る件が続出し、1971年にはスコティッシュフォールドの繁殖と正式な登録を辞めることにしています。
同年、イギリスでの繁殖を余儀なく諦めざるを得なくなったロス夫妻は、スコティッシュフォールドをアメリカの遺伝学であるニール・トッドに譲り渡し、スコティッシュフォールドはアメリカへと行くことになるのです。
その後は、スコティッシュフォールドは原産のイギリスではなく、アメリカの地にて繁殖を繰り返されていくことになります。
中心的に交配に用いられたのは、ブリティッシュショートヘア・アメリカンショートヘア・ エキゾチックショートヘア などです。
やがて遺伝学者の努力が功を奏し、1977年にスコティッシュフォールドは血統猫の健康促進を最大の目的に掲げる団体「CFA(THE CAT FANCIERS' ASSOCIATION, INC.)」に正式に登録されました。
CFAはアメリカ・ニュージャージー州に本部ビルを構え、血統猫を作る上で出てくる遺伝的な欠陥を排除した猫しか登録されることはありません。
しかし、GCCFでは未だにスコティッシュフォールドの耳を骨軟骨異形成としているため、公式には品種として認めていません。
骨軟骨異形成とは、遺伝により骨が十分に発達しない病気のことです。
正式にスコティッシュフォールドという名前が付けられたのは1994年で、それまでは折れ耳のうさぎである「 ロップイヤー 」にちなんで「ロップ」などと呼ばれていました。
名前の由来はスコティッシュ(スコットランドの)とフィールド(折りたたまれた耳)を掛け合わせたものです。
スコティッシュフォールドと言えば猫の中でも知名度の高い猫ちゃんですが、まだその歴史は浅かったなんて意外ですよね。
スコティッシュフォールドの値段は、垂れ耳かそうでないか、短毛か長毛かなどによって値段に差が出てきます。
おしなべると、おおよそ10万円が平均的な相場といったところです。
猫の中でも人気の種類ですので、比較的お求めやすい価格で販売されていることが多いです。
金額は立ち耳で短毛である方が安い傾向(10万円以下)があります。
その反対に、垂れ耳で長毛である方が高値(10万円以上)がつきやすくなります。
また、数万円で扱っているところもあるかもしれませんが、その際には何かしらの理由があると思ってもらった方が良いです。
例えば、生後半年以上経っていてもう赤ちゃんではなかったり、健康管理が丁寧に行き届いていなかったりというようなことが考えられます。
もしも安く良いスコティッシュフォールドをペットにしたいと考えているのであれば、ブリーダーから直接購入する方法を取りましょう。
ペットショップはブリーダーから猫を仕入れてお客様に販売しているので、ブリーダーに直接やり取りをして購入すれば、質の良くて安いスコティッシュフォールドが見つかるはずです。
気を付けたいポイントとしては、ブリーダーは個人でやられている人が多いため、その人を本当に信頼できるかが大事になってきます。
何回もお会いして心の底から信頼できる人だと判断した場合にのみ、そのブリーダーから購入を検討するようにしましょう。
お金で命を購入することになるので、何よりも慎重に行動することが大切です。
スコティッシュフォールドの寿命は、平均的な猫の年齢と同等で約10年程度と言われています。
しかし、事前に知っておかなければならない重要なことがあります。
スコティッシュフォールドはとても可愛らしい猫なのですが、玉に瑕な点は体が他の猫に比べて弱く、病気になりやすいということです。
病気に関しては遺伝的なものなので、未然に防ぐことはできません。
そのため、スコティッシュフォールドをペットにする場合は病弱ということを十分に知った上で飼うようにしましょう。
スコティッシュフォールドは耳が折れているのが特徴的な猫ですが、実は耳が折れている可能性は30%程度なのです。
要は、立ち耳のスコティッシュフォールドの方が多いのです。
可愛らしい垂れ耳にフォーカスされて、スコティッシュフォールド=垂れ耳として定着するようになりました。
垂れ耳のスコティッシュフォールドは、「遺伝性骨形成異常症」という病気です。
文字通り、遺伝的に骨形成異常が起きたスコティッシュフォールドが垂れ耳になるということです。
そもそも、垂れ耳のスコティッシュフォールドは突然変異体です。
それを人間の手によって改良され、スコティッシュフォールドという品種が誕生しました。
したがって、人工的に遺伝性が生み出されてしまったものなのです。
先述したような病弱な体質は、このことが大きく起因しています。
垂れ耳の場合、耳の内側が外部にさらされていない状態なので、伝染病にはなり辛いという利点があったりします。
みなさんは「スコ座り」という言葉を聞いたことはありますか?
下記の画像を見て頂きたいのですが、こちらがスコ座りと言われるものです。
ご覧の通り、もはやおっさんに見えますよね。
ものすごい貫禄です。
でも、なぜこのような格好をするのでしょうか?
これは前のページで記載した遺伝性骨形成異常症が関係してきます。
骨形成の異常から、この スコ座り が楽だとする説があります。
そのため、スコ座りをするのは耳の折れている猫に主に見られるということがわかっています。
また、猫は股間を舐めて綺麗にしようとする習性があるので、その際にする姿勢とも言われたりしますね。
その姿はまるで人間やプレーリードッグのようと言われています。
ここではスコティッシュフォールドの代表的な5つの毛色をご紹介していきます。
レッドは茶色を表しており、淡い茶色が特徴的な色です。
見た目は優しい雰囲気を醸し出しており、定番のカラーですよね。
こちらの定番のカラーで、灰色の縞模様が入っているのが特徴ですね。
アメリカンショートヘアに代表される毛色で、レッドタビーと同様に人気です。
トーティはブチ柄を表し、猫の個体によって様々なブチ柄が出現します。
逆を言えば、世界に1匹だけの毛色の猫ちゃんと言うこともできますよね!
クリーム色やホワイト系の色を表します。
全身が白系で清潔感のある容姿が印象的です。
クリーム系やホワイトとは逆に、見た目は真っ黒です。
その容姿はシックでクールな印象があり上品ですよね。
スコティッシュフォールドはとにかくおとなしいです。
普段はあまり鳴くことはないですが、ご飯がほしいときや喉が渇いたとき、かまってほしいときなど、いわゆる「何かをしてほしいとき」に鳴くことが多いです。
無駄鳴きは少ない種類なので、近隣住民に迷惑がかかることはまずないと言っても良いでしょう。
優しくて人懐っこく、初めて猫を飼う人にもおすすめしやすい種類ですね。
ただ、人懐っこく甘えたがりな性格であるがゆえに、飼い主の構う時間が少ないとその分ストレスもたまりやすくなってしまいます。
気を付けて頂きたいのは、おっとしりしているあまり運動も特にしないというところです。
スコティッシュフォールドは極めて運動不足になりやすい種類なので、隙間時間が出来たら、可能な限り一緒に遊ぶ時間を作ってあげましょう。
一緒に遊んであげる際は猫のおもちゃを使ってあげると効果的です。
どんなおもちゃで遊んであげれば良いかわからない方などいましたら、下記に猫のおもちゃをまとめた記事がありますので、そちらを参考に検討してみてください。
※参考記事
おすすめの猫のおもちゃ20選!おもちゃの種類や、猫のおもちゃ選びのポイントも解説
世界的に有名な歌姫であるテイラー・スイフトがスコティッシュフォールドを2匹飼っているのは有名な話ですが、ここではスコティッシュフォールドに見られる3つの特徴をあげていきます。
スコティッシュフォールドの最大の特徴は、何度も記述していますが折れ耳のところです。
折れ耳の猫は最初から耳が折れているというわけではなく、生後13日目〜23日目に掛けて様子が変わってきます。
この期間に耳が折れるかどうかが重要なポイントになってくるわけです。
ブリーダーの方は折れ耳猫の方が高値が付くため、この期間が過ぎるまでは気をゆるめることができません。
その他には顔や体がまるっこく、目がぱっちりとしているところがあげられます。
鼻は幅広く横顔は綺麗な曲線を描いていて、全体的にまん丸なのが特徴的です。
耳が折れていてまん丸なお顔と、ぱっちり開いた目という観点から、しばしば見た目はフクロウのようと言われることがあります。
毛の長さはショートヘアが一般的かもしれませんが、短毛種と長毛種の2種類があります。
後者は「ロングヘアフォールド」や「ハイランドフォールド」と呼ばれたりすることがありますよ。
スコティッシュフォールドの長毛種の遺伝子は短毛種に比べて劣勢であるため、ペットショップやブリーダーの元で長毛種を発見したら、それはラッキーかもしれません。
出会えれば幸運と言われるまでに希少性があります。
男の子か女の子かによって、体重には違いがあります。
男の子であれば約3kgから6kg、女の子であれば約2.5kgから5kgです。
体格が良い分、男の子の方が体重は重めですね。
先述したようにスコティッシュフォールドは運動不足になりがちな種類なので、上記の平均的な体重を把握しておくことで、体重をチェックしながら肥満か否かを確認するようにしましょう。
猫じゃらしや猫の遊び道具になりそうなものを事前に準備しておき、時間があるときは都度一緒に遊んで運動不足の解消を目指しましょう。
運動以外に管理すべき大切なことは「食事」です。
目安としては12時間に1回の1日合計2回、猫ちゃんの体の大きさに合わせて適量のご飯をあげるようにしてください。
参考までに、成猫の健康的な体を維持するために適正な1回の食事量は「体重×80kcal」の公式で算出することができます。
横着してずっとお皿の上にキャットフードを出しっ放しにするということは絶対にやめてください。
あったらあるだけ食べてしまいますので、猫ちゃんが肥満になる原因を生み出してしまうことになります。
スコティッシュフォールドは病弱なことで有名です。
ここではどんな病気にかかりやすいかを3点記載していきますので、事前に十分な知識として持って頂きたいです。
前のページでも記載しましたが、折れ耳のスコティッシュフォールドはこれにあたります。
また、症状が出るのは耳だけではなく、その他の骨が変形したりコブになったりすることがあります。
骨の変形は生後3ヶ月〜2年の期間で出てくることが多く、一度変形した骨は元に戻ることがありません。
場所によっては歩くことに支障が出る可能性もありますし、生涯痛みを伴う可能性だってあります。
体のどこかの部位にコブのようなものが見られたり、動くときに体を痛そうにしていることがあれば、動物病院に連れて行くようにしてください。
スコティッシュフォールドは生まれつき内臓が弱く、心筋症や尿結石などの内臓疾患を発症する子が多いです。
実際に、筆者の飼っていたスコティッシュフォールドは心筋症で急逝してしまいました。
ちなみに、心筋症は心臓が内側に向かって大きくなっていく病気で、体に十分な酸素が送られることがなく息切れや咳をするようになり、最悪の場合は「死」に至ります。
正直、飼い主として毎日目にしていたとしても異変を発見するのは困難です。
今飼っている猫ちゃんが健康だとしても、スコティッシュフォールドは"遺伝的に"突如として発症する可能性が高い病気ですので、定期的に専門医に診てもらうことが最低限大切になってくるでしょう。
特に折れ耳のスコティッシュフォールドを飼う場合ですが、耳が折れていることによって耳の通気性が悪かったり菌がたまりやすく外耳炎になることがあります。
湿気が多くなったりすると耳の中の細菌が繁殖しやすくなりますので、耳掃除は1週間に1回は必ずするようにし、出来る限り耳の中は綺麗にすることを心がけましょう。
原産地:スコットランド
誕生年:1961年、CFA認定は1977年
公認団体:CFA、TICA
原種:雑種
毛種:長毛種、短毛種
目色:ブルー
公認毛色:レッドタビー、シルバータビー、トーティ、クリーム、ブラックなど
価格:10万円ほど
平均寿命:10歳ほど
体重:男の子 3~6kg、女の子 2.5~5kg
特徴:全体的に丸っこくて目がくりくり、30%ほどは耳が折れている
性格:温厚でおとなしい
かかりやすい病気:遺伝性骨形成異常症、心筋症や尿結石などの内臓疾患、外耳炎などの耳の病気
スコティッシュフォールドは飼いやすくて、ペットにするのは初心者向きだと言えます。
人懐っこくてまん丸なお顔が可愛いスコティッシュフォールドを。
病弱ということを理解した上で大切にすることができるのであれば、是非とも家族の一員にしてあげてくださいね。
最終更新日 : 2021/03/23
公開日 : 2016/03/24