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まずはエジプシャンマウのこれまでの歴史について見ていきましょう。
エジプシャンマウのマウは古代エジプト語で「 猫 」の意味です。
エジプシャンマウの起源は紀元前古代エジプトの最古のイエネコであると言われています。
古代エジプトの壁画にエジプシャンマウによく似ている猫の壁画が残されており、骨格が似ているミイラも発見されていることからそのように考えられています。
近代になりエジプシャンマウの特徴である細かいスポット模様を持つ細身のボディの猫がエジプトのカイロで発見され、ヨーロッパに持ち込まれました。
後にアメリカに渡って正式な品種として固定化されたために、エジプシャンマウという名前ではありますが、原産国はアメリカと表記される場合もあります。
現在のエジプシャンマウのもととなったのは、ローマに滞在していたロシアのナタリー王女に与えられたメスの 子猫 であると言われています。
靴箱に入れられていた子猫をエジプト大使館の少年から譲り受けたという物語が伝わっています。
ナタリー王女は子猫に「バーバ」という名前を付け、アメリカに渡ったときにバーバと2匹の子猫も一緒にアメリカに連れて行ったのが渡米の最初だったと伝えられていますが、ナタリーが王女であったという説には異論もあるところです。
しかし、ナタリー王女だとされるナタリー・トルベツコイという女性がエジプシャンマウをヨーロッパからアメリカに持ち込み繁殖したのは事実のようです。
ナタリーが何者であったかは定かではありませんが、アメリカで猫主として確立したエジプシャンマウは1968年に公認されました。
人気の猫種になったエジプシャンマウですがもともと数が少なく、近親交配によって繁殖が行われたために遺伝疾患が見られるようになってしまいます。
そこで、1980年代にエジプトからエジプシャンマウと同種と思われる猫を輸入し、交配に使うことで健全なエジプシャンマウの血統を維持することに成功しました。
エジプシャンマウの最大の特徴は美しいスポット模様。
エジプシャンマウのスポット模様は人間による遺伝子改良によってできたわけではなく、最初から有している固有のものであるという点においてもとても珍しいです。
ほかにも ベンガル 、 オシキャット などスポット模様がある猫はいますが、人為的に作り出されたものです。
被毛は短毛でシルバー、スモーク、ブロンズの毛色があります。
そのほかに公認されていませんがブラックとブルーも存在します。
頭は小さく三角形に近い形。
耳は大きめです。
瞳も印象的でグースベリーグリーンと呼ばれる少しくすんだ感じの緑色の大きなアーモンド形の目をしています。
体は筋肉質でスリム。
身体能力が高く、走る速さは猫種で最速の時速48㎞を記録しています。
エジプシャンマウの後ろ脚は前足よりやや長いので、つま先立ちをしているように見えます。
オス3~5㎏、メス3~4㎏と中型の大きさです。
エジプシャンマウは家族に対しては愛情深いですが、人見知りで怖がりの面がある繊細な性格をしています。
慣れない場所にはストレスを感じ、なじむのに時間がかかります。
家族への愛情は深いので膝の上でなでてもらうことも大好きです。
エジプシャンマウは活動的な猫で狩猟本能が強く、遊ぶのが大好き。
頭もよいので猫じゃらしなどを使ったり、取って来いなどのゲームをしてあげたりなど飼い主が一緒に遊んでくれることを好みます。
怖がりなエジプシャンマウは、来客や騒々しい環境が苦手。
猫はストレスに弱い動物と言われますので、これらのストレスを感じない環境にしてあげることも必要でしょう。
身体能力に優れた活動的な猫なので、室内でも高い場所などを用意してあげるといいですね。
12歳~15歳。
平均的な寿命の長さです。
遺伝疾患が少ない品種なのでもっと長生きできる可能性は大きいでしょう。
エジプシャンマウは、本来は自然発生した猫種でしたが一時は近親交配等で遺伝疾患が多くみられるようになりました。
その後の原種に近い猫との交配により遺伝子の正常化が成功し、現在では遺伝疾患が少なくなりました。
一般的に猫がかかりやすいと言われる、歯肉炎、膀胱炎や尿管結石、腎臓病などはエジプシャンマウも気を付ける必要があります。
特にシニアと呼ばれる10歳以降の年齢になったら定期的に健康診断を受けることをお勧めします。
エジプシャンマウは珍しい品種です。
病気や交通事故から守るため、そして行方不明にしないためにも室内飼育を推奨します。
猫は高い場所が好きですし、エジプシャンマウは活動的な猫なので、 キャットタワー やキャットウォークなど室内で登ることができる場所を用意してあげましょう。
また、 爪とぎ はエジプシャンマウが立ち上がって伸びて爪とぎできるような背の高いものを用意してあげるとストレス解消に役立ちます。
短毛なので週に1回程度のブラッシングで被毛をきれいに保つことができます。
抜け毛はそれほど多くはないですが、健康チェックもかねてブラッシングをしてあげるとい
いですね。
自分でグルーミングしてきれいにしますし、室内飼育をすれば特にお風呂などに入れる必要がありません。
もし、匂いがしたり汚れを感じたら病気である可能性が高いので獣医を受診することをお勧めします。
ほかの猫種と同じように歯肉炎にはなりやすいので歯磨きができるとベストですが、難しい場合は液体歯磨きなどを使用して口腔内の健康に留意しましょう。
活動的で好奇心があるエジプシャンマウは子供との相性もいいですが、あまり幼い子供のいるご家庭には向いていません。
猫の扱いが理解でき、エジプシャンマウの活動エネルギーについていける10代の子供に最適です。
犬 とも仲良くできますが狩猟本能が強いため、 鳥 や 小動物 などのペットとの同居は避けたほうががよさそうです。
価格は20万円~30万円。
めずらしい猫であることからもブリーダーからの購入になるでしょう。
その際は、エジプシャンマウの専門知識を持ち、愛情をもって飼育しているブリーダーから購入するようにしてください。
日本は特に業者に対する動物愛護の規制が緩いので、悪質ブリーダーはたくさんいます。
生まれたばかりの子猫の様子は見られなくても、清潔で適切に飼育されているかどうか自分の目で確認してから購入されることをおすすめします。
1.原産国:アメリカ(エジプト)
2.歴史:原種となる猫は古代エジプトのイエネコ。イエネコの祖先ともいわれる。ヨーロッパからアメリカに持ち込まれ、一時は近親交配のために品種としての危機を迎えるが、エジプトから原種に近い猫を輸入、交配させることで健全な猫種となる。
3.特徴:最大の特徴はまったく人為的な手が加えられえていないスポット模様。スリムな体形で、筋肉質。運動能力が高い。後ろ脚が長いのでつま先立ちしているように見える。
4.性格:遊びが好きで活発だが、臆病で繊細な面がある。賢く家族への愛情は深い。
5.大きさ:オス3~5㎏、メス3~4㎏、中型の大きさ。
6.寿命:12歳~15歳
7.気を付けたい病気:エジプシャンマウ特有の遺伝疾患はみられない。猫のかかりやすい病気には同等に気を付ける必要はある。
エジプシャンマウは独特のスポット模様を持つ、美しい猫です。
そのスポット模様が人工的に作り出されたものでなく、古来の固有のものであることがさらに魅力的です。
臆病な面や運動能力に秀でた面などを考慮しながら住空間を充実させてあげれば、エジプシャンマウも快適に楽しく生活できるでしょう。
公開日 : 2017/09/07