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(2)関節系の病気(肘間接の形成異常、股関節形成不全、関節炎)
土佐犬と聞いて写真のような 犬 をイメージした方がほとんどだと思います。
実は厳密にはこの犬種は土佐犬ではありません。
土佐闘犬 が正式名称です。
土佐犬は現在の 四国犬 と呼ばれている種のことを指します。
これが四国犬です。
四国犬と土佐闘犬の関係を説明すると、土佐犬に他の種を交配してより闘犬向きに品種改良された種が土佐闘犬です。
この土佐闘犬というのは土佐犬とは別種です。
そして、元々の土佐犬は中型犬で土佐闘犬との混同を避けるために四国犬と改称されました。
現在、一般的に土佐闘犬を土佐犬と呼ぶのは土佐"闘"犬を省略してそう呼んでいます。
この記事では土佐闘犬のことを取り上げて紹介していきます。
土佐犬の起源は14世紀の鎌倉時代から室町時代あたりに四国の土佐藩(現在の高知県)において闘犬として用いられたことだと考えられています。
藩士の士気を高めるために奨励され、最初に使われたのが現在の四国犬と呼ばれている犬種です。
四国犬は山の中でイノシシ狩りに使われていた狩猟犬です。
四国犬が土佐闘犬に大型化したのは明治時代に入ってからのことです。
四国犬に、前田犬、オールド・イングリッシュ・マスティフ、 ブルドッグ 、 ブルテリア 、 グレートデン などを交配され、これらの犬種の関与によって耐久力と闘争心のある闘技犬として品種改良されました。
この時代に加えられたマスティフの血を色濃く残していることから、土佐闘犬は現在ジャパニーズ・マスティフとも呼ばれています。
高知県高知市では長らく、伝統的な闘犬の見せ場として「土佐闘犬センター」が営業していました。
創立50周年を期に、2014年4月からは施設名を「とさいぬパーク」に改めています。
この伝統的な興行に対し、動物愛護の観点からは反対意見が出ているものの、「文化財」や「観光資源」といった側面が優先され、現時点で法的な規制はかかっていません。
体格は日本犬の中では群を抜いて引き締まった筋肉質な体型です。
頭は大きく、皮膚は弛んでいて、噛まれても痛くありません。
耳はほとんどがたれ耳です。
体高は60~95cm程です。
体重は小さい個体では30kg台の個体もいますが、大きい個体であれば100kgを超えます。
平均は90kg台です。
毛色はレッド、ブラック、フォーン(金色がかった茶色)が一般的です。
虎毛やホワイトも少数ながらいます。
昭和初期までは白地に赤のまだらを持つ犬が多くいました。
しかし、闘犬として闘わせたときに赤のまだら模様が、飛び散った血のように見えて怖いということから、その後の品種改良で赤色の犬が多くなりました。
毛質は短くて硬いです。
性格は、勇敢で大胆です。
大型犬 特有の寛容で人懐っこい穏やかな一面も持っています。
一方で闘犬用とつくられた犬なので、闘争本能は脈々と受け継がれています。
オスがメスをめぐって闘うときは異常なまでに攻撃的になります。
また、見知らぬ者には警戒心と闘争心をむき出しにします。
しかし、きちんとしつければ、飼い主に忠実な犬になります。
土佐犬の寿命は10~12年程と言われています。
最高で18歳まで生きた個体がいます。
土佐闘犬の子犬は一般的に20万円前後で販売されていることが多いです。
血統によっては50万円近くかかることもあります。
一般的なペットショップでは販売されていることはありません。
直接 ブリーダー などから購入します。
高知県桂浜で闘犬大会が行われています。
そこで気に入った個体がいれば、飼い主さんに声をかけて 子犬 を購入するという入手ルートもあります。
土佐闘犬の飼育方法を紹介していきます。
土佐闘犬は他の犬に比べて飼育が難しく、厳しいとされています。
不幸な事故が起こったりしないためにもしっかり理解を深めて飼育しましょう。
また、イギリスでは土佐闘犬は危険犬種として規制がかかっています。
日本においても地域によって条例によって規制などがあったりします。
自分の住んでいる地域の条例は事前に確認しておきましょう。
飼育に必要な物は基本的に普通の犬と変わりませんが、 全てにおいて頑丈である ということが絶対条件です。
普通の大型犬と同じものではなく、土佐闘犬専用の物を用意しましょう。
これは人が土佐闘犬に襲われないようにという点からもそうですが、土佐闘犬を加害者にしないという点から重要なことです。
また、犬の飼育方法に関しては下記の記事も参考になりますので、是非ご覧ください。
犬の飼い方まとめ。費用、ご飯、ト イレ、しつけ、病気、老後のお世話まで
土佐闘犬は檻のような頑丈な ケージ で飼育する必要があります。
広い庭に頑丈な囲いをつくるなど、人が簡単に近づけないようにしましょう。
普通の犬のように、紐でつないで庭で飼うといっただけではダメです。
上記写真の檻は実際に土佐犬を飼われる方向けのもので販売もされています。
土佐闘犬の攻撃性や危険性を考えた場合、脱走する可能性や庭に誰かが入ったときに襲われるリスクは少しでも残してはいけません。
もちろん狭い檻にずっと入れてしまうことはストレスになります。
しっかり散歩など運動はさせてあげましょう。
他の種類の犬を違った飼い方推奨するのは、あくまで土佐闘犬の闘争本能を考慮するという点から、放し飼いなど、無責任な飼育環境をつくることはやめましょうという意味です。
土佐闘犬用の頑丈な檻をオーダーメイドでつくってくれるところもあるので飼育環境に応じてどのような檻にするか決めましょう。
土佐闘犬は力がものすごく強いので、土佐闘犬用もしくは大型犬用の中でも特に丈夫な物を使いましょう。
市販の普通の 首輪やリード では土佐闘犬の力に耐えることができない可能性があります。
エサ を入れる食器や、水入れは壊れにくいステンレス製がおすすめです。
選ぶ基準としては壊れにくさだけで構いません。
トイレ用品はトイレトレーでも ペットシーツ でも構いません。
大型犬の土佐闘犬に合うような大きいサイズの物を用意しましょう。
これは散歩のときにつける必要があります。
きちんと しつけ をしていても散歩のときに本能的に攻撃性が出てしまうケースが考えられます。
また、あってはならないことですが、散歩中に脱走したりすると、ふとしたきっかけで人に攻撃してしまうこともあります。
散歩中に出会う人にとっても土佐闘犬が歩いていると怖いという人もいるかもしれません。
そのような人たちを少しでも安心させるために口輪は用意しておきましょう・。
土佐闘犬は闘犬目的でつくられた犬種です。
初心者の方が興味本位で飼育することはかなり難しいです。
大型犬で力も強いので設備投資やエサ代もかなりの額になります。
土佐闘犬の飼育には10年生きた場合で430万程かかると言われています。
費用やしつけ面など、最後まできちんと責任を持って面倒を見る覚悟を持てなければ飼うべきではありません。
それ程飼育する上で責任の重い犬種です。
土佐闘犬のしつけにおいて重要なことは、攻撃すべき場面以外で攻撃しないように飼い主が制御できるようすることです。
土佐闘犬はきちんとしつけたら飼い主に忠実になる犬です。
闘犬用として育てたい場合は、闘犬用のしつけをしないといけないので別物として考えてください。
闘犬を禁止している国は多く、闘犬目的で飼育している人は少ないです。
土佐闘犬のしつけは実際に土佐闘犬を飼育している人に聞くのが1番です。
購入する際にしっかり譲っていただく飼い主さんと連絡先を交換してしつけ方法を学びましょう。
特殊な犬なので土佐闘犬を飼育している人とつながることはしつけに限らず、飼育する上で重要です。
土佐闘犬はしっかり散歩などでしっかり運動量を確保する必要があります。
1日に朝晩2回の散歩を1回あたり60分はしてあげる必要があります。
散歩の際は、人通りや他の犬が通らない早朝や深夜に口輪をつけ、首輪と胴輪でしっかりと繋いで、できれば力の強い方2名で出掛けるなど、細心の注意が必要です。
都会での飼育、女性の飼育、お子様、高齢者、多頭飼育は不向きです。
土佐闘犬は皮膚が弱いため、皮膚病にかかりやすいとされています。
濡れタオルで体を拭いてあげて清潔な状態を保ちましょう。
また、エサも脂肪分が少ないエサを与えましょう。
大型犬で体重が重いので関節系の病気にはかかりやすいです。
関節系の病気にならないようにするために1番気をつけるべきポイントは肥満です。
肥満を防ぐには運動量とエサの量を管理することは重要です。
犬の1日に必要なカロリーは、一般的には「(体重×30+70)×係数」で算出できるとされています。
係数は、幼犬(生後4ヶ月まで)3.0、幼犬(生後1年まで)2.0、妊娠中&授乳中のメス犬2.0、避妊・去勢なしの犬1.8、避妊・去勢済の犬1.6、中高齢期の犬1.4、減量が必要な犬1.0だそうです。
ジステンパーはジステンパーウイルス(CDV9)による感染症です。
飛沫、接触感染で感染します。
感染後3~5日で急に発熱します。
発熱は短期間で治まりますが、数日間隔を空けて再び発熱し、少なくとも1週間は継続します。
このような発熱パターンはジステンパーの特徴の1つです。
ウイルスが全身に拡散すると、結膜炎、鼻水、激しい咳、血便を伴う下痢を発症します。
胸腺の萎縮などリンパ系組織の機能低下は細菌の2次感染を引き起こします。
皮膚病として紅斑、水疱、膿疱の形成、過角化および不全角化による肉球の肥厚(硬蹠症:こうせきしょう)が見られます。
末期ではウイルスが神経系に達し、痙攣や麻痺など神経症状を示し死に至ります。
致死率は90%と非常に高いです。
予防としてはワクチンを接種することが挙げられます。
しかし、ワクチンを接種していても免疫力が弱っていたら感染することがあります。
ジステンパーに限らず、様子がおかしかったらすぐに動物病院へ連れていってあげましょう。
膣過形成とは、大きく肥大したメスの膣が体外に飛び出してしまう病気です。
3歳以下の大型犬に見られる病気です。
エストロゲン、プロゲステロンといった女性ホルモンのバランスが崩れ、膣の内壁が以上に分厚くなることが原因です。
発情期が終わって女性ホルモンの分泌量が正常になると元に戻ることが多いです。
ですからしばらく様子を見ましょう。
犬が舐めないようにエリザベスカラーやオムツを装着しましょう。
予防としては、生活環境を整えてホルモンバランスを崩さないようにしましょう。
突出物を見つけたら動物病院へ連れていきましょう。
もし、違う病気であれば大変です。
名称:土佐闘犬
歴史:明治時代に現在の四国犬に他の犬種を交配させて品種改良をすることで現在の土佐闘犬が誕生した。
値段:20~50万円程
寿命:10~12年程
大きさ:体高は60~95cm程、体重の平均は90kg台
特徴:筋肉質な大きな体
性格:勇敢で大胆、飼い主には忠実
かかりやすい病気:関節系の病気、皮膚病、ジステンパー、膣過形成など
土佐闘犬を飼育する上で重要なことは、覚悟、責任、正しいしつけです。
土佐闘犬が人やペットを襲ってしまったという不幸は起こっています。
飼い主さんが真面目に飼育していても起こってしまうこともあります。
こればかりは土佐闘犬の生まれ持った本能ですし、そもそも人間が闘犬用に品種改良したのですから、土佐闘犬を責めることはできません。
きちんと飼育すればおとなしいですし、忠実でかわいらしい犬です。
悲しい事故を防ぐためでもありますが、土佐闘犬のためにも飼育するなら責任を持って飼育してあげましょう。
土佐闘犬を飼育するのは難しそうと思われたかもしれません。
しかし、それを補うような魅力を持つのもまた事実。
ぜひ土佐闘犬を見に行って触れ合うところから始めてみてください。
公開日 : 2016/11/29