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犬特有の感染症は数多く存在しますが、そのいくつかは毎年の予防接種を受けることで防ぐことができます。
犬の予防接種には、 狂犬病ワクチンと混合ワクチン(2種~11種まで) があります。
これにより下記の病気を予防することができます。
なかには一度かかってしまうと、完治させることが難しい病気もあります。
また、ジステンパーやパルボのように致死率が非常に高いものもあります。
レプトスピラ症はウイルスではなく細菌が原因になりますが、人にも感染する人獣共通感染症です。
犬を飼い始めたらまず初めに予防接種を受けさせることをお勧めします。
※関連記事: 【獣医師監修】犬の予防接種の費用、種類、時期
オスの精巣、メスの卵巣・子宮を摘出する手術のことです。
望まぬ妊娠、犬同士の性行為による感染症や、生殖器の病気に関して予防が可能です。
また、遺伝する病気を持つ犬が出産を行った場合、その子犬にも病気が遺伝する場合もあります。
病気を予防するといった観点からも、不妊手術を受けさせることをお勧めします。
不妊手術のデメリットとしては性的ストレスから開放されたり、ホルモン分泌がかわるため、肥満になりやすくなります。
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・ 【獣医師が解説】犬の避妊手術のメリットやデメリットは?避妊手術の流れも紹介
病気の早期発見や予防のためにも、1年に1回、健康診断を受けるのが良いでしょう。
シニア期に入った犬は、健康診断を1年に2回受ける方が良いです。
犬にとっても、肥満は万病の元になります。
糖尿病や肝臓障害、免疫力の低下はもちろんのこと、関節や骨にも負担がかかります。
食べすぎや運動不足、避妊手術後のカロリー摂取量の調節には気を遣いましょう。
犬がストレスを溜めると ”常同行動” という異常行動をとるようになることがあります。
これは、同じ場所ばかりをずっと舐める、くるくる回るなどが代表的で、特徴は同じことをひたすら繰り返すことです。
この常同行動の結果、何らかの障害が起こるようになると常同障害といわれるようになります。
なお、犬のストレスの原因として次のようなことが考えられます。
他にもストレスを与える要因があれば早急に改善する必要があります。
複数の犬が同じ器でご飯を食べたり、同じトイレを使用していると、そこから感染症が広がる場合があります。
多頭飼いをする場合は出来る限り、複数のご飯の器やトイレを用意しましょう。
また、感染する病気を持つ犬が居る場合は、他の犬とは別部屋で飼う等の配慮が必要です。
ブラッシングは、被毛に付着した汚れやほこりを取り除くためにまめに行うようにしてください。
汚れを取り除くだけでなく、ブラッシングをすることで血液循環が良くなります。
優しく話しかけながらブラッシングをすることで、コミュニケーションをとることもできます。
身体をくまなく触ることで、できものを見つけたりかさぶたや傷に気が付くこともあります。
短毛の犬種と長毛の犬種では、使うブラシやクシの種類も変わります。
ブラシには「スリッカー」「ピンブラシ」「豚毛のブラシ」などがあり、それぞれ主な使用目的は下記の通りです。
このようなブラシやクシに共通して言えることは、強くこすったり、被毛を引っ張るように使わないことです。
痛みを覚えると次回からブラッシングを嫌がる可能性もあるので、優しくブラッシングしてあげてください。
犬に歯磨きは必須です。
歯磨きをせずに放っておくと歯石が溜まったり、歯周病や口臭の原因になります。
歯に付着した歯垢は3日で歯石になります。
歯垢は歯磨きで除去できますが、歯石は歯磨きで除去することが困難です。
歯磨きはできれば一日一回、最低でも三日に一回は行いましょう。
歯磨きに慣れさせるためにも、子犬の頃から口周りや口の中に触れることに慣れさせておきましょう。
触れても驚かなくなったら、以下の手順で歯磨きに慣れさせます。
嫌がって磨かせてくれない場合は、犬の歯磨き効果のあるグッズを利用してみてください。
運動量が充分な犬は爪と地面が自然にこすれあい、勝手にすり減っていくのでケアの必要はありません。
しかし、運動量の少ない犬や室内犬は磨り減ったりしないため、伸びた爪で自分の体を足で掻いたときに皮膚を傷つけ感染症の原因にもなります。
そういった場合は爪切りが必要です。
犬の爪は人間と同様、根元の部分には神経と血管が通っています。
十分に注意して、犬用の爪切りで傷つけないように少しづつカットしましょう。
万が一切りすぎて血が出る場合もあるので、念のため事前に止血剤を用意しておいてください。
※関連記事: 【獣医師が解説】犬に爪切りは必要?爪切りの選び方から爪切りのコツを紹介
散歩は重要ですが、必ずしなければ死んでしまうということではありません。
熱中症予防のため、猛暑の時間帯は避けたり、体調が優れない時はお散歩を控えるなど、その日によって様子を見ながら決めると良いでしょう。
いざ愛犬が病気になってしまった場合、いつも連れて行ってる病院がお休みで慌てることがないよう、出来ることなら連れて行ける病院はいくつか見つけておくのが良いでしょう。
新しく受診する病院ではカルテを作成する必要もあります。
既に受診を済ませ、病院側でカルテが作成してあれば、愛犬の状態を把握しやすくなり、診察や治療もスムーズです。
予期せぬ事故や病気で多額の医療費が必要になることがあります。
人間の保険と同様、月々一定額の保険料を払っておけば、医療費を半額程度に抑えてくれる ”ペット保険” という仕組みがあります。
いざという時のために、ペット保険への加入を検討しておくのも良いでしょう。
※関連記事: ペット保険とは?知っておきたいペット保険の種類や選び方のポイント、おすすめペット保険会社10社の特徴をご紹介!
愛犬の病気や異常をいち早く発見するためには、彼らの健康な状態というものを知っておく必要があります。
日頃からスキンシップをとり、身体が以下のような状態であるか確認をしましょう。
健康な状態であれば、犬の耳は特別悪臭を放つことはありません。
耳をめくってみて悪臭が無いか、耳の中が汚れていないか、傷が無いか、耳を痒がっていないかを確認しましょう。
目はパッチリと開いているか、左右の目は濁りが無く同じ色をしているか、目ヤニは出ていないか、涙が異常に流れ出ていないか、しょぼつかせたり痒がったりしていないか等を確認しましょう。
口をあけてみて歯石がついていないか、ニオイはなく歯茎や舌の色はキレイなピンク色をしているか、ご飯の食べ方はおかしくないか、涎を垂らしていないかを確認しましょう。
犬にとって大切な感覚器です。
犬の鼻は鼻涙管で目の涙点と繋がっています。
常に微量の涙によって鼻の表面は適度に湿り気があってひんやりしており、眠っているときは少し乾燥しています。
観察してみて鼻水が出ていないか、咳やくしゃみをしていないかを確認しましょう。
体全体をやさしく撫でながら、腫れやしこりなどが無いか、触ると異常に嫌がる場所が無い状態かを確認しましょう。
毛がもつれていたり、油っぽくベトベトしてはいないか。
皮膚が赤く炎症を起こしていたり、異常に痒がったり、ノミダニが寄生していないかを確認しましょう。
食欲はあるのか、吐いたりしていないか、水を異常に飲んでいないかをチェックしましょう。
毎日のオシッコとウンチの回数や量、色味、臭いは予め状態を把握しておくことが大切です。
また、フードを変えた場合はウンチの状態が変わる場合があるということにも留意してください。
排泄に関しては、血便や下痢、血尿や多尿が無いか、ウンチに寄生虫は居ないかを確認しましょう。
おしり付近に寄生虫の卵がついていないかを確認することも大切です。
もしおしりを床にこすりつけていれば、肛門腺が溜まっている証拠なので、早めに絞ってあげましょう。
※関連記事: 【獣医師が解説】犬の肛門腺は絞らなくてはいけないの?頻度や上手に絞るコツは?
歩き方がおかしい、足を庇う、散歩中に歩くのをやめる、立てない、ぐったりしているなど、日常の動きで気になる異変が無いかを確認しましょう。
犬の平熱は38℃台です。
体温を知る一番簡単な方法は抱っこをすること。
抱っこした時に いつもより火照っていると感じたら高体温、逆に体温を感じにくい時は低体温の疑いがあります。
また、耳で計れたり、肛門に挿入し体温を測定するペット用体温計も販売されているので、それを利用するのも良いでしょう。
自宅でも出来る血圧チェックの方法として 「毛細血管再充満時間テスト」 というものがあります。
手順は、まず犬の口を開き、歯茎を白くなるまで指で押します。
白くなったら指を離し元の色に戻る時間を測定しましょう。
正常であれば2秒以内に戻りますが、もし 2秒以上かかるようであれば血圧の低下が考えられます。
犬の脈拍数に関しては一分間で60~120回ほどです。
犬の心臓は、左前足の肘を脇腹にくっつけたあたりにあります。
ただし犬種によって足の長さが違いますので、すべての犬にこの目安があてはまる訳ではありません。
心拍数を指先や手の平に感じ取ることができたら、その回数を60秒間数えます。
あるいは15秒間の脈拍だけ数え、それを4倍しても構いません。
別の方法は、足の付け根にある動脈を触診するという方法です。
犬がごろんと横になったタイミングで、床に接している方の足を軽く持ちましょう。
人差し指と中指を揃え、股間から太ももの内側に沿って少しずつ下にずらしていきます。
拍動を感じる部分を見つけたら数えましょう。
犬の正常な呼吸数は1分間で10~30回程度です。
犬が休んでいるときにおなかの上下の動きを数えましょう。
犬の病気にも予防接種や一定期間の投薬により防げるもの、日々の生活の中で発病するもの、いち早く病院で処置を行わなければならないものなど様々です。
以下に病気の種類と症状を項目ごとにまとめました。
病院に連れて行った際の説明にお役立てください。
犬に腫瘍が出来る原因について詳しくは分かっていませんが、老化、遺伝、ストレスや免疫力の低下などが原因のひとつと言われています。
そして、犬がなりやすい病気の1つと言われていおり、口腔、皮膚や臓器、血液など種類は様々です。
このような症状が出ますが、症状が現れた時は大分病気が進行している場合が多く、一定期間毎に健康診断を行うなどして用心するのが良いでしょう。
感染症には以下の種類があります。
犬の体内に入ったウィルスは完全になくすことができないことが多く、上記で紹介した病気の中には人間に感染するものもあります。
予防接種で防げる病気もあるため、年に一度必ず混合ワクチンを打つなどして予防してください。
ダニやノミ、蚊が感染経路になる場合もあるので、環境にも注意を払い予防薬をしっかり投与しましょう。
以上で紹介した病気の症状には、 発熱、食欲不振、舌が白くなる、嘔吐、咳、下痢(軟便)、便秘、血尿 があります。
特にフィラリア感染症の場合は、成虫が心臓に寄生するため咳や元気消失、腹水、ビリルビン尿などが認められます。
マダニが原因になるバベシア症では、発熱、貧血、黄疸などが多く認められます。
狂犬病は現在日本では報告されていませんが、感染すると突然凶暴になる、水を怖がる等 の症状があります。
塵やホコリ、花粉、カビ、ノミ、ダニに反応するアレルギー性のものや、ホルモンのバランスが崩れたり、ストレスや不衛生、噛み傷から感染するものなど、原因は様々です。
皮膚を激しく痒がる、皮膚が赤くなる、発疹ができる、海が出る、フケ、脱毛、爛れなどの症状 があれば、すぐに病院に連れて行きましょう。
※関連記事: 【獣医師が解説】犬の皮膚が赤い!臭い!これって皮膚病?原因や治療法は?
犬種によって発病したり、打撲や外傷、遺伝など様々な原因があります。
足を曲げて歩く、足を引きずっている、走る時にウサギ飛びのようになる、横すわりをする、腰を大きく左右に振って歩く、頭を下げて歩くなどの症状 が見られます。
早期の治療や外科手術が必要な場合もあるので、異変に気が付いた時点で病院に連れて行きましょう。
神経や脳に異常をきたし日常生活に支障が起こります。
難病となるものが多く、日常生活では飼い主の介護が不可欠になることもあります。
また、 歩行困難、痙攣、口から泡を吹く、ふらつく、姿勢がきちんと保てない、首を片側に傾ける、グルグル回る、食欲不振、嘔吐、異常に寝る、片目の瞳孔が小さくなるなどの症状 が見られます。
それぞれの部位で下記のような症状が出ることがあります。
これらの症状が現れたら、無理に触ったりせずにすぐ病院に連れて行きましょう。
先天的に呼吸器に異常があり起こるものもあります。
高熱、鼻水、食欲不振、ゼーゼーと荒く呼吸をする、呼吸困難、チアノーゼ(舌や口の中が紫になる)、吐き気、苦しそうに涎を垂らす 等があります。
呼吸困難になれば脳や肺に障害が出ることも多く、一刻も早く治療を受けることが重要です。
元気がない、疲れやすい、運動を嫌がる、呼吸が荒い、酸欠による失神、お腹が膨れる、四肢のむくみ、咳(夜中に悪化するものもある)、息切れ、水を異常に欲しがる、後ろ足の麻痺等 があります。
重篤な症状になる場合も多く、元々心臓病になりやすい犬種や老犬、肥満の場合には要注意です。
フィラリア症は蚊より感染するので1か月に1回予防薬を投与したり、1年効く予防薬を注射することで予防できます。
嘔吐、血の混じった嘔吐、食べ物が誤って気管に入る、首へ触るのを嫌がる、食事が遅い、涎を垂らす、食べるとき大きな声を出す、口臭、脱水症状、体重減少、腹部を痛がる、水を良く飲む、ウンチの回数が増える等 の症状があります。
食欲不振、嘔吐、下痢、オシッコが減る、オシッコが多い、口からアンモニア臭、ぐったりしている、高たんぱく尿、血中コレステロール上昇、腹水、体重減少、水を異常に飲む、発熱、血尿(尿がにごっている)等 があります。
以下のような病気があります。
水を大量に飲む、食べる量が増える、体重減少、オシッコの回数が増える、腹部が膨れる、痙攣、失明、左右対称の脱毛等 があります。
犬種により発病しやすかったり、日々の生活環境や食事の食べ方が原因になる場合もあります。
症状として、 食欲不振、下痢、血便、嘔吐、腹痛、腹部のふくらみ、体重減少、貧血、肺炎、肛門周辺を壁や地面にすりつける等 があります。
寄生虫の種類によっては症状が重篤になる場合もあり、一刻もはやい駆虫と治療が望まれます。
本記事では犬の病気や健康について確認してきました。
愛犬の健康を脅かす病気は、わずかに感じた異変がサインとなっている場合があります。
日頃から愛犬の状態を観察し、健康に気を配ってあげてください。
監修:獣医師 平松育子(ひらまつ いくこ)
山口大学農学部獣医学科(現:山口大学共同獣医学部)卒業後、複数の動物病院で勤務医を経て、ふくふく動物病院を開業する。
また、YICビジネスアート専門学校ペット総合科で講師を務める。
その他、AIAJ認定アロマテラピーインストラクターとして、人とペットが楽しめるアロマテラピーにも取り組む。
飼い主様としっかりコミュニケーションを取ることを大切にし、飼い主様とペットの笑顔に繋がる診療を心がけている。
公開日 : 2016/07/05