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ミーアキャットは哺乳綱食肉目マングース科スリカータ属に分類されています。
簡単に言い換えると、哺乳類で捕食者として肉を食らう、マングースの仲間ということになります。
主に南アフリカ共和国、アンゴラ、ナミビア、ボツワナに分布し、石や岩の多い開けた土地や半砂漠のような荒地に生息しています。
ミーアキャットを英語で表記すると「meerkat」、オランダ語で「 猿 」を意味します。
名前の由来には諸説ありますが、ミーアキャットが猿と見間違えられたことから付けられ、「kat」の発音が「cat」に似ていることから、ミーアキャットと呼ばれるようになったと言われています。
その他に、古い文献においては「meerkat」ではなく「mierkat」と表記されており、「mierkat」はインド・ヨーロッパ語族のゲルマン語派であるアフリカーンス語で「シロアリ(mier)のマングース(kat)」を意味しています。
このことから、ミーアキャットが蟻塚の上で立ったり、シロアリ自体も食べることからそう名付けられたという説もあります。
ミーアキャットの別名は、学名であるスリカータやスリカタ、ミーアカットです。
体長は30cm、体重は1kgには満たないほどの 小動物 です。
昼行性で地面に巣穴を掘って生活し、日の出とともに起き出して日没と同時に巣穴に帰るという、実に規則的な生活を送っています。
とても社会性のある動物の一種で、2〜50頭ほどのグループで行動していることが多いです。
何を食べるのかというと、こんな可愛い顔をして雑食性です。
鋭い牙を持っており、前足の爪は長く、後ろ足の2倍もあります。
これらを駆使して昆虫、クモ、 蛇 の他、果実など植物も食べますが、主に サソリ を食べていることが多いようです。
まさかサソリのような毒性のある動物を食べるなんて思わないですよね。
実際のところ、ミーアキャットはサソリの毒に対する免疫を持っているため問題ないのです。
こういった側面や可愛い顔をして気性が荒いことなども含め、ミーアキャットは「サバンナのギャング」と形容されることもしばしば。
しかし、現地では食物連鎖の比較的下位に位置付けられており、主な天敵は フクロウ 、コブラ、ジャッカルなどです。
そのため、自分よりは弱いものには強く、自分より強いものには臆病という、とても用心深い性格をしています。
ミーアキャットといえば、お馴染みの直立!
直立する理由としては、下記が挙げられます。
アフリカの砂漠地帯といえども、夜間はかなり冷え込むため、体を温めています。
そのため、夜間は巣穴で眠り、日の出とともに直立して日光浴をするのです。
体が温まったところで、仮へと出かけます。
まるで人間のような生活リズムで親近感が湧きますね。
天敵が多いわりに生息地のサバンナ付近には身を隠す場所が少なく、常に周りを警戒しなくてはならないためです。
身の危険を守るために、まずは周辺情報を察知しようとしているのですね。
飼育下での平均寿命は10〜15年ほどと、犬や猫と同じぐらいです。
もちろん、規則正しく生活しているか、過度のストレスがないか、ちゃんとご飯を食べているかなどによって上下をすることがありますが、大まかはこのぐらいと認識しておいて問題ありません。
ミーアキャットはペットとして流通し、販売されています。
しかし、 犬 や 猫 などと違って、愛玩動物として長い歴史を持っているわけではありません。
実際に飼育するにあたっては、いくつかのハードルを乗り越えなくてはならないことも覚悟しておきましょう。
ここでは、ペットとしてミーアキャットを飼う場合のメリットやデメリットを挙げます。
ミーアキャットは自然界では集団生活を営んでおり、協調性が高い動物です。
他の野生動物と比較すれば、人に慣れる部類に含まれるでしょう。
しかし、だからと言って決して慣れやすいという訳ではありません。
犬 や 猫 と同じ感覚で過度の期待を抱かないことが賢明です。
上手く懐いてくれれば、 リード をつけて一緒にお散歩する楽しみもあります。
日の出と共に起きて、日没と共に家に帰るところも人間と共存しやすいところですね。
ミーアキャットをペットとして飼っている人は非常に少ないです。
そのため、ミーアキャットを飼っていると注目の的になることでしょう。
Instagramやtwitterでのリアルタイムな投稿が流行している現代において、ミーアキャットと一緒に散歩をしようものなら、人だかりができたりネット上でも人気者になれるかもしれませんね。
ミーアキャットはペットとしては非常にレアな存在です。
販売している業者も、流通量も少ないのが現実。
そのことから購入単価は高く、20〜40万円位が相場です。
また、群れで生活している動物のため、1頭飼いだとストレスを感じやすくなっています。
もしミーアキャットを飼育するのであれば複数飼いが理想的と言えるでしょう。
そうともなると、かなりの出費を覚悟しなければなりません。
動物園 で飼育している環境が生息地に近く理想的です。
巣穴を掘る性質があるので、自宅に広い庭が必要。
しかし、アフリカの砂漠に住んでいる動物のため、屋外では日本の冬に耐えられません。
室内で放し飼いすれば、カーペットや壁に穴を開けられボロボロにされてしまいます。
人に慣れてきたからといって油断は禁物です。
元々は野生種なのだから、いつ噛みつかれたり、引っかかれたりするかわかりません。
鋭い牙で噛まれたら、大けがすることもあるでしょう。
また、排泄のしつけも難しく、飼い主が指定した場所でさせることは困難です。
ミーアキャットが体調を崩した時、診察してくれる獣医はほとんどいません。
そして、ミーアキャットの病気についても詳しいことがわかっていません。
理想的な飼育温度は28℃ほどが最適だといわれています。
真夏においても飼育部屋ではエアコンがかけられず、真冬でも暑く感じる温度になります。
部屋がいっぱいある家ならともかく、マンションのような集合住宅では飼い主が苦痛を感じることになるでしょう。
日の出と共に起床する性質もあるため、早起きが苦手な人にとっては寝不足になることもあります。
ミーアキャットを飼育するには、動物園の展示スペース並の環境が理想的です。
しかし、一般の家庭では難しいですよね。
そこで、今住んでいる家にミーアキャットを迎えた場合の飼育方法について説明します。
先述した通り、ミーアキャットは流通量が少なく、どこのペットショップでも販売しているわけではありません。
珍獣を取り扱っている専門店か大手のペットショップでの購入、あるいは既に飼育されている方から譲ってもらうのが一般的な入手方法です。
価格は20〜40万円が相場で、ベビーだから安く入手できるというわけではありません。
ネット通販での購入方法もあり、ショップからの距離が遠い方には便利な手段ですが、正直おすすめできません。
宅配便での移動は、ミーアキャットにとって相当のストレスで、特にベビーにとっては死活問題となりかねません。
面倒でも実際にショップへと足を運び、個体を確認した上で購入することをおすすめします。
大切なことですが、購入する前にショップの店員さんに詳細な飼育環境を確認、および獣医さんを紹介してもらうことも必要です。
まず、ケージを用意しましょう!
理想の基準は 縦50×横70×高さ65cm 位になります。
放し飼いは、家財を荒らされる危険があるので絶対にしないでください。
自然界では巣穴を掘って生活する習慣から、ケージのなかにはトンネルを設置し、干し草をたっぷり敷くようにします。
部屋の温度は 25℃ 以上、理想として 28℃ 位に設定しておきましょう。
自然界では、サソリが大好物のミーアキャットですが、自宅で準備できるものではありません。
鶏肉を中心とした食生活で、リンゴ、バナナ、サツマイモなど植物性の餌も与えるようにしましょう。
雑食のため、市販の ドッグフード や キャットフード も食べます。
ミネラルウオーターでの水分補給も必要です。
食事は1日に朝と夜の2回、もしくは朝昼夜の3回を目処にして、あまり与えすぎなよう注意してください。
ミーアキャットは気ままな野生動物で、飼い主がいくらしつけても排泄の場所を覚えません。
しかし、ところ構わず排泄するわけではなく、自分の気に入った場所1か所でする傾向があります。
ここは飼い主さんが妥協し、ミーアキャットが自発的に決めた場所をトイレとして指定してあげてください。
犬や猫のようにはいかないものです。
自然界では体を温まるため日光浴をする習慣があります。
天気の良い日には窓際に連れていき、たっぷり日光浴をさせてください。
慣れてくれば、ケージから出すと自分から窓際に行って日光浴をするようになります。
ミーアキャットの直立姿勢が拝める瞬間です。
前述のとおり、ペットとしての認知度が低いミーアキャットを扱っている獣医さんは少ないのが現実です。
基本的に野生動物のため、かかりやすい病気についても詳しいことはわかりません。
飼い始める前に、行きつけとなる獣医さんを必ず見つけておきましょう。
もし見つからない場合はいざという時に適切な処置を行えないため、飼うべきではないです。
雄のミーアキャットはマーキングをする習性があります。
部屋が臭くなることは覚悟しなければなりません。
また、ミーアキャットは用心深い動物なので、初期の段階での過剰なスキンシップはストレスになります。
本来が野生動物のため、いつ飼い主に噛みついてくるかわかりません。
常に「野生動物を飼っている」との意識をもって接するようにしてください。
気を長くして、心を許すようになるまで待ちましょう。
そして、ミーアキャットは本来活発な動物です。
ケージの中にいれたままでの飼育は運動不足になるばかりか、相当のストレスとなることもあります。
慣れてきたら、散歩に連れて出してあげましょう。
最後に、ミーアキャットは狂犬病の媒介になることがあります。
犬と同じように狂犬病の予防接種を忘れないようにしてください。
原産地 : アフリカ大陸南部 ( 南アフリカ ナミビア ボツワナ アンゴラ 等 )
体 長 : 25〜30cmほど
体 重 : 0.6~1kgほど
食 性 : 雑食性 (自然界ではクモ、サソリ、昆虫、植物の根、果実など)
性 格 : 警戒心が強く用心深い
寿 命 : 10〜15年
価 格 : 20〜40万円位
飼育難易度 : やや難しい
まだミーアキャットの飼育を検討しているという方は、まず動物園で観察してみてはいかがでしょうか。
ここでは、ミーアキャットを観られる動物園を記事とセットで列挙します。
実際に自分の目で観て、どんな動物なのかを感じることも大切です。
・上野動物園(東京都)
・那須どうぶつ公園(栃木県)
→ 那須にある動物のパラダイス!那須どうぶつ王国に遊びに行こう
ミーアキャットは人に慣れるとはいえ、犬や猫のようにはいきません。
ペットとしての歴史も浅く、まだまだ不明な点も多い動物です。
いざ飼育するとなると、相当の労力を消耗することを覚悟しなければなりません。
ミーアキャット、特にベビーの愛らしさに一目ぼれしてしまったら、ペットとして飼ってみたいと思う気持ちもよくわかります。
しかし、飼い始める前にこの動物がどんな特徴を持つ動物なのかを再確認してください。
そして、飼うことを決めたら、責任と愛情をもって育てるようにしてください。
10年以上の付き合いにある可能性があります。
もしミーアキャットをペットとして飼うことがあれば、良きパートナーとして一緒にお散歩できる日が来ると良いですね。
公開日 : 2016/09/07