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サソリは世界中にいる!でもどこでも生きていけるわけじゃない?
まずサソリが何の仲間かご存知でしょうか。
サソリの学術名は「節足動物門鋏角亜門クモ綱サソリ目」と、要は クモ の仲間です。
見た目はエビ等の甲殻類に近い感じがしますが意外ですね。
サソリは遥か昔から存在しており、水生動物だった時を経て陸上に進出しました。
その歴史なんと 4億3千万年以上 と、陸上に存在している節足動物としては 世界最古 です。
星座になっていることやギリシャ神話にも登場することから、古くから人類と関わりを持ってきたのが分かります。
そんなサソリ、神話ではその毒で人をあっさり殺していたりしますが、それはとんでもない誇張なのです…。
現存するサソリの種類は1000ほどと言われていますが、そのうち危険性の高い猛毒を持っているのは僅か25種と非常に少ないんです。
猛毒を持つサソリに出くわすことは滅多にないと言えます。
そもそもサソリの毒は、自分たちの狩りのためにあります。
その捕食方法は、標的を尾の先についている毒針で刺して捕らえ、鋏で分解して食べるというものです。
彼らの主食は コオロギ や幼虫、大きくても トカゲ くらいの 小動物 で、それらを倒す程度の毒性しか持たないサソリがほとんどです。
つまり、人間ほどの巨体には到底毒が回らないんですね。
特にペット向きとされているサソリの毒は、刺されても 多少腫れて痒くなる程度 なのでそれほど怖くはありません。
それらの種類については後ほど紹介しますので、是非参考にしてくださいね。
狩りの話が出たので、そのまま彼らの食事について紹介します。
冒頭でサソリのことを「あまり手間がかからない」と言いましたがその理由はここにあります。
サソリはものすごく 小食 で、一週間の食事はコオロギ一匹程で足りてしまうのです。
そうというのも、サソリは全く活動的ではありません。
昼間は岩の下などの隙間にじっと留まっているのが基本で、動くのは狩りの時くらいです。
サソリの生息地によっては、餌を確保できる可能性が非常に低いことがあります。
そんな環境で生き抜くために、無駄なエネルギーを消費せず、少ない餌でも耐えられるような体になったのでしょう。
場合によっては絶食もでき、中には1年以上耐えることもあるそうです。
だてに世界最古の虫ではありませんね。
サソリの生息地といえば砂漠など暑い地域のイメージがありますが、実際は世界に幅広く分布しています。
ここ日本も例外ではありません。
種によってはかなり寒い地域にも存在します。
しかし、サソリにはどこの出身かによって、環境の得手不得手があります。
新しい環境に順応することはできないのです。
大きく分けて 多湿 を好むものと、 乾燥 を好むものがいます。
多湿系のサソリは湿度が低いところだと弱ってしまいますし、反対に乾燥系のサソリは湿度が必要以上に高い場所では生きていけません。
飼う時はこのことを考えて、それぞれのサソリに適した環境を作ってあげることが最も重要です。
サソリを飼うにあたって準備するべき飼育用品はどれもペットショップやホームセンターで手に入るものばかり。
消耗品も少なく済むので、初期費用こそ多少かかりますが、飼育にかかる費用は抑えられます。
水槽、プラスチックケースなど、脱走を防ぐため蓋がしっかり閉まる物であればなんでも大丈夫です。
高さは要りませんが、床面積が広いものが良いでしょう。
参考価格:1,399円(税抜)
メーカー名:UEETEK
サイズ(幅X奥行X高さ):25.8×15.1×11cm
サソリは水をよく飲むので、毎日きれいな水をあげるようにします。
参考価格:1,299円(税抜)
メーカー名:Uotyle
サイズ(幅X奥行X高さ):18.5×14.8×2cm
サソリは昼間、狭くて暗い所に入るのが習性なのでそれが再現できるものを用意してあげましょう。
参考価格:2,274円(税抜)
メーカー名:スドー
サイズ(幅X奥行X高さ):21.3×12.5×19cm
重量:1.5㎏
生産国:中国
環境作りの為に欠かせないものです。二つが一体化されているタイプが便利です。
参考価格:849円(税抜)
メーカー名:ビバリア
サイズ(幅X奥行X高さ):1.2×7.4×7.4cm
重量:34g
フィルム状の加温器具です。
参考価格:3,700円(税抜)
メーカー名:ビバリア
サイズ(幅X奥行X高さ):24×24×1cm
重量:200g
サソリの種類によって適切な床材が違います。
湿潤系のサソリを飼育するには、ケージ内の湿度を保つ必要があります。
床材は水分を含みやすい水苔がおすすめです。
参考価格:616円(税抜)
メーカー名:プロトリーフ
内容量:150g
生産国:日本
乾燥系のサソリの床材には、デザートサンドを使用すると良いでしょう。
参考価格:1,126円(税抜)
メーカー名:ニッソー
内容量:3㎏
生産国:オーストラリア
あると湿度調整に使えて便利です。
参考価格:460円(税抜)
メーカー名:ミツギロン」
サイズ(幅X奥行X高さ):12×9.8×22cm
容量:500ml
1. ケースをパネルヒーターの上に乗せます。
この時ケース全体を乗せるのではなく、半分だけ乗せて熱い場所と涼しい場所が出来るようにします。
2. ケースの中に床材を敷きます。
サソリの習性を考え、掘って中に隠れることもできるように厚めに敷きましょう。
⒊ そのうえに水入れ、シェルターを置きます。
シェルターは、先ほどパネルヒーターをずらして作った涼しい場所の上に置いてください。
サソリは小食なので、餌の頻度は一週間に一度で十分です。
サソリの体長3分の2程の大きさの物を与えれば、あとはサソリが自分で量を調整しながら食べます。
手間いらずですね!どういうエサが良いのでしょうか。
一番好ましいものは 生き餌 です。
国内で入手できるものならコオロギ、バッタ、カイコ、ミルワームが良いでしょう。
それが困難なときは、冷凍された肉でも大丈夫です。
爬虫類や猛禽類用に作られた100%マウスのソーセージなどを食べます。
ここで大事なのが、 同じ餌ばかり与えないこと です。
サソリは偏った食事を嫌います。餌を均一化せず、いろんな種類のものをあげるようにしましょう。
ただし、たくさん与えても食べずに放っておくだけなので、与えすぎるのは避けてください。
また、良い健康状態を保つために、肉のみでなく 骨や内臓が含まれたもの をあげると効果的です。
それから水はサソリにとって大切なので、毎日取り替えてあげましょう。
サソリは前述した通り、あまり手間がかかりません。
環境づくりさえきちんとすれば、静かに長く生きていきます。
最も大事なことが湿度調整なのです。
飼う予定のサソリが多湿を好むのか、乾燥を好むのかで大きく変わってきます。
多湿を好むサソリは、乾燥に非常に弱いので湿度を高く保たないといけません。
理想は 温度28℃ 、 湿度80% 前後です。
床材は保湿性の高いヤシザイなどがおすすめです。
また、湿度調整には霧吹きを使うと便利です。
乾燥を好むサソリは、反対に湿度が高いと生きていけません。
湿度は 60%より下 を保つようにしましょう。温度は28℃前後です。
床材は乾燥しやすい砂などがおすすめです。
飼うサソリがどちらのタイプか確認してから、環境作りをするようにしましょう。
ここまでご覧頂いた皆さんならお分かりの通り、飼育用のサソリは実はそこまで危険ではありません。
しかし、一般的なイメージはやっぱり「危険な毒虫」という印象が強いです。
仮に脱走してしまったら大騒ぎになること間違いありません。
もし飼う時は、 絶対に脱走させない ようにしましょう。
サソリはわずかな隙間からも脱走できてしまうので、飼育用のケースは必ず 隙間なく蓋がしっかり閉まる物 を選ぶようにしてください。
飼育向きとしてポピュラーなサソリを紹介します。
そのフォルムや飼いやすさ、安全性から人気が高いです。
どれも毒性は弱く、万が一刺されてしまってもすこし腫れるか痒くなるだけで危険ではありません。
体長:10〜20cm(サソリ目最大種)
寿命:最長10年(3年で成体)
生息地:アフリカ
タイプ:多湿系
値段:4,000円〜
ペットとしてもっともポピュラーな種類です。
がっしりしたフォルムと力強い黒い体色が人気を呼んでいます。
体長:10cm
寿命:5年
生息地:タンザニアなど
タイプ:多湿系
値段:4,000円〜
ダイオウサソリより小さく、また赤黒い体色をしているのが特徴です。
これらの中でも飼いやすい種類です。
体長:10cm〜
寿命:最長10年
生息地:東南アジア
タイプ:多湿系
値段:2,500円〜
中にはダイオウサソリと同じ大きさになるものもいるようです。
ただし、ダイオウサソリと比べて横幅が狭くほっそりしているところが大きな違いです。
初めてサソリを飼う方には、レッドクロースコーピオンが最も飼いやすいと言われています。
サイズ、寿命ともにペット向きと言えます。
サソリは世界に広く分布していると前述しましたが、ここ日本も例外ではありません。
しかし、どれも毒性は弱いのでさほど警戒はしなくても大丈夫です。
なかなか珍しいものもいるので採集、飼育する人もいるようです。
ここではその中でも代表的な種類を紹介します。
体長:5〜7cm
寿命:3年〜
生息地:宮古列島、八重山列島、小笠原諸島
タイプ:乾燥系
値段:15,000円ほど
毒はミツバチのものと同じくらいと弱めです。
形、体色ともにサソリの中でも独特ですね。
このサソリはキョクトウサソリの仲間なのですが、この種は基本猛毒を持っている可能性が高いので輸入販売及び飼育が禁止されています。
しかし、マダラサソリは毒の弱さと国内種であることから特別に飼育が許されているのです。
体長:約4cm
寿命:3年〜
生息地:宮古諸島、八重山諸島
タイプ:多湿系
値段:5,000円ほど
このサソリの毒は蚊と同じくらいなので、ほぼ無毒とも言えます。
日本のサソリではこの種類がポピュラーです。
日本のサソリは平均的に値段が高いです。
また、通常のサソリに比べ小さいこと等から飼育も少し難しいとされています。
ここからは番外編として、反対に人間にとっても致命的な猛毒を持つ危険なサソリを紹介します。
ペットとして飼うことはもちろんすすめられませんし、そもそも法律で輸入や飼育が禁止になっていることが多いです。
日本で暮らしているうちはそうそう出会うことはありませんが、凶悪な力を持つサソリはやっぱり見た目も恐ろしいですね。
先ほど「マダラサソリ」がキョクトウサソリの仲間と紹介しましたが、このオブトサソリも同じ仲間です。
そしてサソリノ中でもトップクラスの猛毒を持ち、人間でも死に至ることがあるほど強力です。
また、動きも素早く、獲物を仕留める時も身を守る時もこの毒を振りかざすので、まさに最強のサソリと言えます。
主に中東・ヨーロッパに生息しており、日本への輸入は禁止になっています。
こちらは北アフリカからアラビア半島にかけて生息している乾燥系の種です。
体長約10cmと、小さいですが猛毒持ちです。
2005年以前は飼育できましたが、現在はオブトサソリ同様特定外来生物の指定により輸入及び飼育は不可能になっています。
恐ろしい種類ではあるものの、やはり迫力ある見た目はサソリ愛好家には評判だったようで、一部の上級者に飼育されていたようです。
サソリに少しでも親しみを持っていただければ幸いです。
もし気になったサソリがいたら、これを機に飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。
あなたの生活に新たな刺激をくれること請け合いです。
最終更新日 : 2020/11/05
公開日 : 2016/10/28