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原産国はフランスおよびスペインとされています。
グレートピレニーズはその名の通り、ピレネー山脈で古くから牧羊犬として活躍してきました。
山岳地帯の厳しい環境での生活に加え、オオカミやクマなどの野生動物からヒツジや ヤギ などを守る役割を担ってきた勇猛でたくましい犬です。
白く美しい被毛を持ち堂々とした姿はヨーロッパの貴族にも愛され、フランス王妃として有名なマリー・アントワネットは、護衛としてヴェルサイユ宮殿でグレートピレニーズを飼っていました。
真っ白で優美な姿に勇猛果敢な心を持つグレートピレニーズは、王宮の護衛として最適な犬だったのです。
近代になると護衛としての役割も無くなり、一時期社会から忘れ去られていたグレートピレニーズでしたが、ペットとして注目が集まるようになります。
ピレネー山脈で血統を受け継いでいた犬達を愛好家達が再び繁殖させたことで、現在も素晴らしい姿を世界中で見ることができます。
ゴールデンレトリバー より一まわりから二まわりほど大きな大型犬ですが、真っ白でフワフワの毛を持ち思わず抱き着きたくなるような外見をしています。
頭は大きく垂れ耳です。
ピレネー山脈という寒冷で厳しい環境に 適応した体なので、まさに「モフモフ」という形容がふさわしいダブルコートの 厚い被毛に覆われています。
グレートピレニーズ特有の特徴として、狼爪が後ろ足にあることがあげられます。
普通の犬は狼爪は前足にあります。
大きくがっちりとした体形をしています。
体高は約65㎝~80㎝ほどあるので、幼児よりもはるかに大きいです。
体重は50kg~60㎏ほどで大人の女性ほどの体重があるうえに、被毛がかなり厚く長いのでその分大きく見えます。
日本でよく見かける大型犬である秋田犬やゴールデンレトリバーよりも更に大きな犬ですので、街中や ドッグラン にいたらかなり目立つことでしょう。
当然ながらアパートや一般的なマンションなどで飼える大きさではなく、戸建ての家であってもそれなりのスペースが必要なので、日本の住宅事情も関係しあまり見かけない犬種です。
被毛は長く、厳しい寒さから身を守るためにかなり厚いダブルコートです。
表面の毛は水分などをはじくためにゴワゴワしており、内側の毛は柔らかく密集しています。
手入れをされた被毛は大変美しく、グレートピレニーズの姿を優雅に際立たせますが、それだけ手入れが必要であるとも言えます。
毛色は白が一般的ですが、白以外の毛色や斑点がある犬もいます。
アニメや映画の印象からグレートピレニーズに対して温和な犬であるという印象を持つ人は多いのではないでしょうか。
しかし本来は牧羊犬であり、クマやオオカミと戦うことも想定されて改良された犬なので、おっとりした外見とは裏腹の俊敏性と警戒心の強さも持ち合わせています。
もちろん家族に対しては愛情深く、遊び好きでもあるため、きちんと しつけ ができていれば人間の素晴らしいパートナーとなります。
ただし、かなりの大型犬であることや主人や家畜を外敵から守るほど勇猛な性質も持ち合わせていることから、よい環境やしつけがなされていないと、警戒心や攻撃性が冗長されてしまうこともあるため、しっかりした訓練が必要です。
家族以外の人との触れ合いも多く持たせるようにして社会性を育てることも、過度の警戒心を持たないようにさせるには大切なことです。
70代のある男性が「大型犬を飼育したい」という希望をかなるためグレートピレニーズを飼育し始めましたが、数カ月後に 散歩 の途中で転んで骨折。
グレートピレニーズはまだ生後半年の子犬でしたが、すでに20㎏以上の体格に成長しており、訓練もなされていなかったので、散歩時に飼い主を引っ張って転ばせてしまったのです。
飼い主は自分ではこれ以上飼えないと飼育放棄しました。
グレートピレニーズの子犬は運よく保護団体に保護されたのち、きちんと飼えると判断された飼い主に引き取られることになりましたが、大型犬はなかなか里親を見つけるのが難しいですし、殺処分になる可能性もあったのです。
安易な憧れときちんとした知識も持たずに飼育を決めた結果、悲劇に終わってしまうことはめずらしくありません。
真っ白な モフモフの毛と一見柔和に見える表情から、大型犬を飼いたいと思う人には憧れの犬でもあるグレートピレニーズですが、適切なしつけや訓練を施さないと飼育が困難になるなど人間も犬も不幸になる結果になってしまいます。
人間の指示に従うことができないと前述したようなけがを負わせてしまう場合もありますから、信頼関係を築きながらもしつけはきちんとしてあげましょう。
しつけのポイントをいくつか挙げます。
牧羊犬なので、走るものに反応し追いかけてしまう行動が見られる場合もあります。
人間に合わせて行動できないと飼育が難しくなる場合もありますから、しつけの際はトレーナーやしつけ教室を利用すると良いでしょう。
預けっぱなしではなく、信頼関係を築くとともに飼い主としての心構えも勉強できるので、一緒に参加できる教室をおすすめします。
グレートピレニーズはもともと家族や家畜をクマやオオカミから守る役割を担っていたので警戒心が強い犬だと言えますが、現在の日本ではその警戒心が強すぎると良い結果はもたらされません。
まずは警戒心や攻撃性をおさえて社会性を身に着けさせることが大切です。
グレートピレニーズはピレネー山脈など標高の高い場所で飼われていた犬なので、暑さにはとても弱いです。
気温とともに湿度も高い日本では、夏場の健康管理に十分ご注意ください。
夏場は冷房の効いた場所以外は熱中症にかかる危険があり、命を落とすことも。
被毛が密集しているので、日本のように湿度が高い気候では皮膚病にもかかりやすくなります。
夏場はグレートピレニーズが過ごす場所は、24時間の冷房が必要なので日本では屋外飼育は難しいでしょう。
寒冷な地域の方がグレートピレニーズには過ごしやすい環境と言えます。
その他に、グレートピレニーズは体格の大きな犬ですから、関節を痛めたり膝蓋骨脱臼になったりしやすいです。
膝蓋骨脱臼は、俗に言われる「膝の皿が外れる」という症状です。
膝蓋骨脱臼はときどき片足をあげている、歩き方がぎこちないなどの症状が見られますが、悪化すると足が使えなくなる場合もある深刻なケガです。
発症してしまうと大型犬であるグレートピレニーズにとってはかなりの負担になります。
飼い主がなかなか気がつかない場合もあるので、健康診断やワクチン接種の際に獣医にチェックしてもらうと良いでしょう。
また、予防のために肥満にならないように、日頃から運動量や食事量にも気を付けましょう。
1日中羊を追い オオカミ と戦える体力のあるグレートピレニーズですから、運動は欠かせません。
運動不足はストレスにもなり、問題行動の原因となることもあります。
グレートピレニーズは人間と一緒にゆっくり歩くことを好みますので、無理に走ったりさせる必要はありませんが、1日で合計最低2時間程度の運動は必要です。
ただし、夏場の昼間の散歩は命取りになりかねませんので気を付けてください。
朝夕の涼しい時間帯に1時間くらいの散歩ができると良いでしょう。
散歩はもちろんのこと、飼育環境にグレートピレニーズでも遊べる程度の広さの庭などがあると運動不足解消になります。
体重が重いので、関節などに負担がかかりますのでジャンプなどは控えた方が無難です。
夏場は苦手なグレートピレニーズですが寒さには強く、また牧羊犬であったことから動きも俊敏で色々な地形も問題なく歩けます。
飼い主と一緒に様々な場所に出かけることで、グレートピレニーズと人間双方の生活がより豊かになりますね。
グレートピレニーズの体は寒さを防ぐために厚い被毛で覆われており、換毛期はかなりの量の毛が抜けます。
そのため、ブラッシングをして取り除いてあげる必要があります。
また、換毛期以外でも体格が大きいことから毛が抜ける量は少なくないので、清潔さと美しい被毛を保つために普段からブラッシングしてあげましょう。
シャンプー も月に一度はしてあげたいところですが、40Kg もあるため自宅でのシャンプーはかなり大変です。
シャンプー後は皮膚病を予防するためにも完璧に乾かしてあげることが必要ですので、プロにトリミングをお願いする方が無難でしょう。
爪のお手入れも、その大きな体では大変な作業ですが、トリミングを頼めば爪のお手入れもしてくれますよ。
価格は20万円~40万円ほど。
あまりペットショップでは見かけないことが多いですし、 ブリーダー から求めることが望ましいでしょう。
ブリーダーから購入する際は必ずブリーダーを訪問し、愛情をもってグレートピレニーズを飼育しているか、犬舎などは清潔か、親犬は健康かなどを自分の目で確かめた上で購入しましょう。
購入を希望する子犬が親子兄妹と一緒に過ごせているかも重要なチェックポイントです。
生後8週齢以下の子犬の販売は法律で禁止されています。
生まれてから間もないうちに親から引き離されると生命の危険があるだけでなく、社会性や脳の発達に悪影響をおよぼす可能性が高いためです。
生後2カ月を経過していない子犬の販売及び譲渡の禁止は、動物愛護の観点からも欧米では当たり前に行われていることです。
ごく幼い子犬を希望する人は少なくないですが、子犬のためにも自分自身のためにも、法律を遵守して購入するようにしてください。
購入後も飼育の相談に乗ってくれるかなども確認すると良いでしょう。
法律を遵守していない、犬舎を見せてくれないといった対応のブリーダーは悪質ブリーダーの可能性が高いので、そのようなブリーダーは避けるとともに悪質ブリーダー根絶のために保健所などの行政機関に通報してください。
グレートピレニーズは大型犬ですから、飼育のためにはかなりの費用が必要です。
飼育に必要な設備やグッズ、餌やワクチンなど、飼育にかかる費用をまとめました。
グレートピレニーズは膝蓋骨脱臼などになりやすい犬種なので、床が滑らないように対処してあげる必要があります。
その他に病気やけがの場合は医療費がかかります。
大型犬のため医療費も高額になる場合が多いです。
何らかの手術と3日~4日の入院、薬代等で最低30万円ほどはかかるでしょう。
現在では、様々なペット用の保険も販売されているため、いざというときのために加入を検討されてもいいかもしれません。
ただし、保険料も小型犬や中型犬に比べて高額になりがちなので、どのような病気やけがに対応しているのかを確認し、しっかりした会社に加入することをおすすめします。
グレートピレニーズの平均寿命は11歳と言われていますので、健康な状態で11歳まで生きたとすると500万円以上の経費がかかることになります。
経費の面からも検討して飼育するかどうかを決めてください。
※合わせて読みたい: ペット保険とは?知っておきたいペット保険の種類や選び方のポイント、おすすめペット保険会社10社の特徴をご紹介!
歴史:ピレネー山脈で牧羊犬として改良され、後にペットとして愛好される
毛色:白(部分的に斑点があるものもあり)
寿命:11歳ほど
大きさ:体長65〜80cm、体重50〜60kgほど
特徴:寒冷地に適応したダブルコートの美しい被毛を持つ大型犬
性格:家族に対して愛情深く遊び好きであるが、半面警戒心が強い面もある
かかりやすい病気:熱中症、皮膚病、膝蓋骨脱臼など
グレートピレニーズは大きさや性質、必要な飼育環境から、犬を飼うのが初めての方には少しハードルが高い犬種といえるかもしれません。
しかし、適切に飼育できる環境があり、しつけ等がきちんとできれば、優雅で気品のある姿に愛情深い優しさを持ち合わせた魅力ある犬です。
本記事を参考に毎日の世話やしつけができるか、金銭面でも大丈夫かなど飼育について検討していただければ幸いです。
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公開日 : 2017/03/18