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垂れた耳が愛らしさ倍増!大人気のスコティッシュフォールドの生態や特徴、そのルーツ






ぺたんと垂れた耳が愛らしいスコティッシュフォールド。
穏やかで温和な性格であることと、その見た目の可愛らしさから人気を博しています。

飼ってみたい猫ランキングでも何度も1位を獲得しているスコティッシュフォールドについて、どれぐらいご存知ですか?
スコティッシュフォールドの特徴や生態、誕生から現在にいたるルーツなど、詳しくまとめてご紹介します。

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【目次】垂れた耳が愛らしさ倍増!大人気のスコティッシュフォールドの生態や特徴、そのルーツ

 

スコティッシュフォールドとは

スコティッシュフォールドの名前

スコティッシュフォールドのルーツは1匹のネコ

スージーだけが違うことに気づく

耳が折れた子猫の誕生

耳折れネコの繁殖、そして研究が始まる

品種確立を目指す繁殖スタート、しかし繁殖停止命令が

イギリスから舞台はアメリカへ

スコティッシュフォールドの特徴

特徴その1「折れた耳」

特徴その2「真ん丸な大きな目」

レア度MAX?長毛種のスコティッシュフォールド

一般的な短毛種の豊富なカラー

スコティッシュフォールドの「スコ座り」とは?

スコティッシュフォールドの性格と注意したい点

・性格

・鳴き声

・寿命

・体重

スコティッシュフォールドのかかりやすい病気

耳の病気

目の病気

内臓の病気

病気を知る、普段の様子を確認する、食事に気を付ける

スコティッシュフォールドを飼うには

・ペットショップで購入する

・ブリーダーから購入する

・価格

・日頃のお世話

 

スコティッシュフォールドとは

 

Scottish Fold

 

スコティッシュフォールドという名前を聞いただけでどのような 猫種 か思い浮かべることができる、それほど人気と知名度の高い です。

垂れた耳が特徴的で、真ん丸なフォルムが愛らしさを倍増させています。

この耳こそが「スコティッシュフォールド」最大の特徴となっています。

それは見た目だけでなく、名前についてもあらわれています。

 

スコティッシュフォールドの名前

 

英語で表記すると「Scottish Fold」、日本語では「スコティッシュフォールド」

まずはこの名前についてお話ししていきましょう。

 

スコティッシュフォールドの「フォールド」は英語で書くと「Fold」

これは日本語に翻訳すると、「折る」や「折れる」「折りたたむ」などの意味を持っています。

 

「スコティッシュ」については、スコティッシュフォールドの起源が、イギリスのスコットランドだということから来ています。

つまり、スコティッシュフォールドとは「スコットランドの折りたたまれたもの」という意味となります。

 

始めのころはその折れている耳から、垂れ耳の うさぎ である「lop eared rabbit」にちなんで「ラップ」とも呼ばれていました。

その後、折りたたまれたという意味を持つ「フォールド(fold)」へと変化していったのです。

 

スコティッシュフォールドのルーツは1匹のネコ

 

スコティッシュフォールドの歴史を紐解くためそのルーツを遡ると、1匹のネコにたどり着きます。

 

その猫の名前は「スージー」

真っ白い毛並みの1匹のネコ「スージー」こそがスコティッシュフォールドのルーツの始まりなのです。

 

時は1961年、イギリスはスコットランド地方。

「テイサイド」と呼ばれる農村の、とある農場で生まれた耳の折れ曲がったネコこそが「スージー」だったのです。

 

スージーだけが違うことに気づく

 

「スージー」と名付けられたその白いメスネコは他のネコとは違い、耳がぺたんと折れ曲がっていました。

 

確かに子猫ころは耳が折れ曲がって垂れている固体もそれなりに存在します。

しかしその多くは成長と共に垂れていた耳はしゃんと立ち上がるものなのです。

 

ですがスージーの耳はずっと折れ曲がったままでした。

 

耳が折れた子猫の誕生

 

1963年、不思議な折れ耳ネコのスージーに子猫が誕生しました。

するとさらに不思議なことに、誕生した子猫の中に母猫であるスージーと同じく耳が折れ曲がった固体が存在したのです。

 

誕生した子猫を譲り受けようと訪れた羊飼いの「ウィリアム・ロス」とその妻は、耳の折れた子猫に関心を抱きます。

これは偶然ではなく特別な特徴なのではないかと考え、耳の折れた子猫を一匹譲り受け飼いはじめたのです。

 

耳折れネコの繁殖、そして研究が始まる

 

愛猫家であるロス夫妻に引き取られた白い子猫は、「スヌックス(Snooks)」と名付けられました。

この折れた耳は遺伝的なものであると確信したロス夫妻は、計画的な繁殖を開始します。

 

その後誕生したのは「スノーボール」名付けられたオスの子猫でした。

「スノーボール」は、地元の展覧会へと出陳された記録も残っています。

 

品種確立を目指す繁殖スタート、しかし繁殖停止命令が

 

1966年にスージーの産んだ「スノーボール」はイギリスの猫種血統登録団体となる「GCCF」に登録をしました。

母親であるスージーと同じ折れ耳の白い子猫をベースとして「折れ耳ネコ」の品種確立を目指しはじめます。

 

繁殖というものは簡単にできるものではありません。

この時遺伝子学の研究者である「パット・ターナー」の協力を受け、繁殖は進められていくのでした。

 

当初「GCCF」はこの繁殖計画に協力的な姿勢を見せていました。

しかし、繁殖していく中で骨格や聴力に異常があらわれる個体が出てきたため「GCCF」は難色を示しはじめます。

 

繁殖に協力することで、異常を持つ個体を誕生させてしまうことは、倫理的にあまりよろしくありません。

そのため「GCCF」は1971年にスコティッシュフォールドの繁殖と登録を中止するよう求めてきたのです。

 

イギリスから舞台はアメリカへ

 

イギリスで繁殖中止命令がでてしまい、研究は中断せざるを得ないかと考えれらました。

しかし舞台はイギリスからアメリカへと移り、繁殖と研究が継続されることとなりました。

 

スージーが誕生してから約10年が経過した1971年、「メアリー・ロス」の手によりアメリカの遺伝子学の研究者「ニール・トッド」の元へ数匹の耳折れネコたちが送られました。

アメリカの地で続けられた遺伝子疾患や、繁殖確立のための研究は成果を上げました。

 

1970年代後半には「 ブリティッシュショートヘア 」や「 アメリカンショートヘアー 」、「 エキゾチックショートヘアー 」の3種のネコであれば、スコティッシュフォールドの個性を保持したまま、遺伝子疾患を起こすことなく繁殖できることが分かったのです。

このような流れを受け、1978年にようやくアメリカの愛猫家協会「CFA」に登録され、スコティッシュフォールドという猫種が認定されたのです。

 

 

スコティッシュフォールドの特徴

 

Scottish Fold

 

それではここからは、スコティッシュフォールドの特徴についてお話ししていきましょう。

まずはスコティッシュフォールドの2つある最大の特徴からご紹介します。

 

特徴その「折れた耳」

 

スコティッシュフォールドの魅力であり最大の特徴といえばなんといっても「折れた耳」

これなくしてはスコティッシュフォールドを語ることはできません。

 

前向きに倒れるように折れ曲がった短い耳。

この耳こそが最大の特徴なのですが、実はすべてのスコティッシュフォールドの耳が折れているわけではありません。

 

この愛らしいこぶりな折れ耳は遺伝からなるものなのですが、親から子へ遺伝する確率はなんと30%程度と言われています。

パーセンテージからみると、かなり確率は低くなります。

 

しかも、その30%内でも成長と共に折れていた耳が立ち上がってしまうこともあるのです。

成長だけでなくストレスや病気なども、折れ耳の形状に強い影響を与えることがあります。

つまり、耳が折れていなくてもスコティッシュフォールドな場合もあるということなのです。

 

ちなみにこの折れ耳には4つの種類が存在しています。

 

・先ほども登場した耳が垂れていない「立ち耳」

・立ち上がった耳が少しだけ折れ曲がっている「シングルフォールド」

・シングルよりかなりぺたっと折れ曲がっている「ダブルフォールド」

・完全に頭にくっつくほど折れている「トリプルフォールド」

 

耳の折れ方の度合いによって通気性やお手入れが異なります。

また立ち耳の場合は、他の折れ曲がった耳の個体よりも「骨形成異常症」にかかるリスクが低いと言われています。

しかし、スコティッシュフォールドの価値は、「いかに耳が折れ曲がっているか」がポイントとなるため、1番評価が高いのは「トリプルフォールド」となります。

 

特徴その2「真ん丸な大きな目」

 

全体的に丸みを帯びたイメージのあるスコティッシュフォールドの愛らしさを強調するのは、大きな丸い目です。

ちなみに、目だけでなく顔全体も丸みを帯びた形状をしていますので、より一層愛らしさはアップします。

丸い大きな瞳に見つめられると、愛猫家のみならずハートを鷲掴みにされること間違いなしです。

 

その折れた耳の形状から、スコティッシュフォールドはよく「 フクロウ 」に例えられます。

もしかするとこの真ん丸な大きな目も「ふくろう」のようだと考えられたのかもしれません。

 

レア度MAX?長毛種のスコティッシュフォールド

 

スコティッシュフォールドの毛並みは短毛と長毛、両方存在します。

しかし、長毛のスコティッシュフォールドは遺伝子的に劣勢となるため、その数は少なく大変貴重であると言われています。

 

長毛のスコティッシュフォールドは「ハイランドフォールド」と「ロングヘアフォールド」などと呼ばれています。

このような珍しい長毛のスコティッシュフォールドは、実はルーツの原点となっている「スージー」の血を色濃く受け継いでいると言われています。

「スージー」は長毛の遺伝子を持つネコであったと言われているからです。

 

ちなみにスコティッシュフォールドの交配の歴史を辿ると、ブリティッシュショートヘアとの交配の記録が多く残されています。

そのブリティッシュショートヘアの交配の歴史には、 ペルシャ  のような長毛種との異種交配もおこなわれていました。

このことから、ブリティッシュショートヘアの遺伝子の中に長毛種の遺伝子が含まれていたため、スコティッシュフォールドの長毛種が誕生したのではという説もあります。

 

一般的な短毛種の豊富なカラー

 

目の色もそうですが、スコティッシュフォールドの毛のカラーや模様はかなり豊富に存在しています。

 

アメリカンショートヘアーのような縞模様を持つ「シルバータミー」

クリーム色の縞模様とホワイトが混ざったような配色をしている「クリーム・アンド・ホワイト」

赤っぽい茶色の縞々模様を持つ「レッドタビー」

固体によって模様に大きな差が出るぶち模様の「トーティ」

ホワイト・ブラック・ブラウンが入り混じった三毛となる「ダイリュートキャリコ」

 

これらが代表的なスコティッシュフォールドのカラーです。

もちろん、単色の個体もいますので、すべてを把握するのは難しいでしょう。

 

ちなみに、同じ「シルバータミー」でも色が濃いものや薄いものとなど、個体差も大きくなります。

毛の色や瞳の色も個性的であることも、大きな魅力といえるでしょう。

 

スコティッシュフォールドの「スコ座り」とは?

 

Scottish Fold
By User:Pirorino (ja:File:Sco suwari.jpg) [Public domain], via Wikimedia Commons

 

スコティッシュフォールドを語る上で忘れてはいけないのが「 スコ座り 」です。

 

前足も後足も折りたたんだ状態でまるで箱のような形になっている「 香箱座り

後足は畳んでお尻は地面についているものの、前足は揃えてぴしっと三つ指をついているかのようなスタイルの「エジプト座り」

 

ネコの特徴的な座り方にはさまざまなものがあります。

 

「スコ座り」とはスコティッシュフォールド由来の、どっしりとしたまるで人間のような座り方を指しています。

後ろ両足をどーんと投げだし、お尻を床につけたまま前足は投げ出された後足の間に入れるようなリラックススタイル。

何とも言えない不思議で憎めない愛嬌のある座り方です。

 

このスコ座りはもちろん、スコティッシュフォールド以外の種類のネコも行います。

ですが、スコティッシュフォールドが良く行うことからこの名前が付いたようです。

 

スコ座りをするのは主にお腹の部分の毛づくろいを行うときです。

多くのネコがお腹の毛づくろいをする際はこのような体勢になるのですが、普通のネコは毛づくろいが終われば元の姿勢に戻ります。

なぜか、スコティッシュフォールドはそのままの姿勢で毛づくろいを終えても座っていることが多いのです。

 

なぜスコティッシュフォールドがスコ座りのままでいるのか。

それは関節や軟骨の異常からくるケースが多くあります。

 

折れ耳のスコティッシュフォールドは、先天性の軟骨の異形となります。

このため耳の軟骨以外にも、あちこちの関節や軟骨に異常を抱えていることが多いのです。

 

その異常のせいで、通常の座り方では関節などに痛みが生じるケースがあると言われています。

スコ座りはそれらの異常からくる痛みを緩和してくれるためのものなのです。

 

 

スコティッシュフォールドの性格と注意したい点

 

 

ここからはペットとしてスコティッシュフォールドを飼ってみたいとお考えの方に、ぜひ知っておいてほしい情報をご紹介します。

 

・性格

 

スコティッシュフォールドが愛されるのはその見た目だけではなく、性格にも理由があります。

 

おっとりしていて穏やか、そして甘えん坊で人懐っこい。

これらはペットとして最高の条件といえるでしょう。

 

元々運動量が少なくても大丈夫な性質をしていますので、マンションなどで飼育するのにも適しています。

もちろん、まったく遊ばないわけではありませんが、コミュニケーションをとる程度の運動で十分です。

 

警戒心が低く、人間のことが大好きな性格は、初めてネコを飼う方にはうってつけです。

 

おだやかな性格は、滅多に感情をあらわにすることはありません。

ネコ同士の喧嘩もほとんどしませんので、多頭飼育や小さなお子様がいるご家庭でも安心して飼育できるでしょう。

 

・鳴き声

 

スコティッシュフォールドの鳴き声は小さく、その点でも集合住宅での飼育に適しています。

鳴くこと自体があまりありませんが、お腹が空いたときや、甘えたいときに短く小さな鳴き声を発します。

 

お腹が空いたときはネコらしい「ニャア」「ニャオ」のように鳴き、甘えたいときは鼻にかかったように「ウー」「ンアー」などと鳴くようです。

 

あまり鳴かないのがスコティッシュフォールドの特徴でもありますので、鳴いているときは何か必ず理由があると思っておきましょう。

きちんと普段からコミュニケーションをとって、なぜ鳴いているのかを汲み取ってあげてください。

 

・寿命

 

遺伝子や骨の異常など、先天的な問題を抱えているため、一般的な他のネコに比べるとスコティッシュフォールドの寿命は短命です。

それでもとても短命というわけではなく、すこしだけ短めと考えておけばよいでしょう。

 

一般的な 猫の寿命 がおおよそ15年と考えれば、スコティッシュフォールドは10~13年程度となるでしょう。

昨今では キャットフード の進化もめざましく、栄養状態も良くなっているので長生きする確率もアップしています。

この後ご紹介するスコティッシュフォールドがかかりやすい病気や、先天性の異常などについて正しい知識を持っておくことで、長く共に暮らすことが可能となります。

 

・体重

 

スコティッシュフォールドを飼育する際に注意が必要となるのが「体重」です。

一般的なスコティッシュフォールドの体重は、オスが4kg~6kgでメスは2.7kg~4kgと言われています。

個体差はあると思いますが、あくまでも目安として覚えておいてください。

 

スコティッシュフォールドは運動量が少ない種ですので、栄養たっぷりのフードを与え続けていると肥満のリスクが上昇します。

どの種類のネコにも共通して言えますが、肥満は万病の元となりかねませんので、適度な体重管理をこころがけましょう。

 

スコティッシュフォールドはおとなしい性格をしているので、体重測定は比較的やりやすいですが、簡単な方法をご紹介します。

それは飼い猫を真上からみる方法です。

真上からその姿を見て、ウエスト部分にくびれがなければ肥満と考えて間違いないでしょう。

これはスコティッシュフォールド以外のネコでも共通の確認方法です。

 

体重測定ができれば、先ほどご紹介した一般的な平均体重と、現在の体重との差異を確認しましょう。

もしオーバーしている場合はできるだけ早く体重管理を開始してあげてください。

 

体重管理の方法

 

スコティッシュフォールドの場合は、専用のフードで体重の管理をおこなうこととなります。

もともと運動量が少ないので、運動で体重を落とすのは至難の業です。

また先天性の異常なども潜んでいる可能性がありますので、無理な運動をさせるのも危険です。

 

一度の食事の量を減らし、小分けにして回数を増やすのもおすすめです。

いかに継続して上手に消費カロリーを減らすかが、体重管理成功のカギとなります。

 

ちなみに体重管理を行ってよいのは、健康な成猫のみであることも忘れないでください。

生後1年未満の子猫や、病気や異常を抱えている、妊娠中や子育て中のメス、老猫などは悪い影響を及ぼす可能性があります、

これらの状態の飼い猫の体重管理が気になる場合は、飼い主さんの判断だけでおこなわず、獣医さんに相談しておこないましょう。

 

急激な体重増加に注意

 

スコティッシュフォールドの平均的な成猫体重から、プラスマイナス15%以内であれば基本的には問題はありません。

しかし短期間、数か月でこのパーセンテージになってしまった場合は要注意です。

肥満だけでなく何か病気を患っている可能性も考えられますので、速やかに獣医さんに相談しましょう。

 

痩せすぎの場合

 

どちらかといえば太ってしまいやすい種のネコですが、もちろん個体によってはあまり太れないタイプの子もいます。

痩せすぎというのはきちんと食事がとれていない、栄養が足りていないということになりますので、早急に対応をおこないましょう。

 

1番早いのはフードを変えてみることです。

いつもはドライタイプのフードにしているのであれば、ウェットタイプのフードにしてみるのも良いでしょう。

 

また人肌程度に温めてみたり、水などでふやかしてやわらかくしてみるなどもおすすめです。

可能であれば、茹でた鳥のささみをほぐしてトッピングしてあげるなども良いでしょう。

 

フードだけでなく、餌を与えている器を変更するのも効果的です。

性格によってはヒゲが触れるような高さのある器では食べにくい、食べたくないというタイプもいます。

 

高さのある器を使用している場合は、できるだけ低めの浅い器に変更してみましょう。

こぼして汚くしてしまう可能性もありますが、栄養失調で病気になることに比べたらなんてことはありません。

 

こまめに体重管理をしてあげることは、長く一緒に暮らしていくうえでお互いにとってメリットがあります。

定期的にスタイルチェックや体重チェックをしてあげましょう。

 

 

スコティッシュフォールドのかかりやすい病気

 

Scottish Fold

 

先天的なものや、かかりやすい病気など、知っておくことで何かあった時に速やかに対応することができます。

 

「先天性骨形成異常症」

「遺伝性骨形成異常症」

 

スコティッシュフォールドの先天性の異常を語る上で必ず登場するのがこの2つです。

これに加えて「先天性軟骨形成不全」というものも出てきます。

 

折れ耳のネコはこれらのどれかに当てはまることが多く、骨の異常を起こしてしまうことが多いのです。

これらの遺伝性のいくつかの症状のせいで、骨だけでなく内臓にまで影響を及ぼすケースもあります。

 

「遺伝性骨形成異常症」は生後3ヵ月から2年ほどの間に発症すると言われていますが、多くは子猫の間に発症します。

骨の変形が起こったり、軟骨が増えすぎてしまい「骨瘤(こつりゅう)」と呼ばれるコブができてしまいます。

 

足や尻尾の骨に変形やコブが現れ始め、そのうち脊椎へと進行してしまいます。

このコブは目に見えて分かるサイズになりますので、当然ネコ自身にも痛みを伴います。

歩き方の異変や、痛みを訴えて来るなどがあれば、速やかに動物病院へ連れて行きましょう。

 

余りにも痛みがひどい場合は、鎮痛剤を与えないといけないケースも出てきます。

また、放射線治療を施して進行を抑える治療を行うこともあります。

 

基本的に「遺伝性骨形成異常症」は成長過程で起こる症状です。

成長していく過程で変形は止まるケースが大半ですが、1度変形してしまったらその骨は元に戻ることはありません。

 

折れ耳同士で交配を繰り返していると、どうしてもこのような先天性の異常が起こってしまうのです。

軽度のものから重度のものまで個体差がありますが、最悪歩けなくなってしまう可能性があることを覚えておきましょう。

 

もし骨にコブが見受けられたり、触ると嫌がったり怒る場所があったり、痛みを訴えてきたら急いで動物病院へ連れて行きましょう。

 

耳の病気

 

スコティッシュフォールドを飼育する際に注意したいのは耳のケアです。

 

垂れ耳の場合、通気性が悪くなるので耳の中の湿度が上がってしまう傾向があります。

そのため雑菌が繁殖してしまい外耳炎を起こしてしまうことがあります。

 

外耳炎を起こす原因には他にも「アレルギー」や「寄生虫」などがあげられます。

そのため日頃のケアが重要となります。

 

耳のケアに関しては素人判断でおこなわず、飼育をする際にペットショップの方にアドバイスをうけたり、獣医さんにやり方をレクチャーしてもらいましょう。

骨の異常は耳の骨にもある場合がありますし、そうでなくてもデリケートな部分ですので正しいケアを心がけましょう。

 

今も出ましたが、耳の先天性異常も存在します。

それが先天性の「難聴」です。

難聴とはその名のとおり、聞くことが困難な状態を指していて、呼びかけても反応しない、耳のそばで音を立てても反応がない場合は難聴が疑われます。

 

スコティッシュフォールドの折れ耳は、軟骨の形成異常から来ています。

その先天性の異常のせいで、耳道にも奇形が起きてしまうケースがあるのです。

 

難聴のせいで直接死に至るというわけではありませんが、何かあった時に聞こえないのは、ネコにとっても飼い主さんにとっても大きなダメージになり兼ねません。

気になるようであれば素人判断せずに、獣医さんに相談してみましょう。

 

もちろん、特効薬や劇的に効果のある治療法があるわけではありません。

しかし長く共に生きていくパートナーとして、きちんと知っておくことも大切なのです。

 

目の病気

 

ネコそのものがかかりやすい目の病気は多く存在します。

できるだけ早く見つけてあげて治療を開始することがベストです。

 

「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」は、瞼が内側に反り返ってしまう病気です。

内側に反り返ってしまった瞼が、瞬きをするたびに目に接触し「角膜炎」や「結膜炎」引き起こす原因となります。

 

やけに目やにや涙が増えたり、目をこする動作をよくする場合は要注意です。

 

なぜこのような病気にかかってしまうかははっきりしておらず、遺伝の影響もあるようです。

まぶたの痙攣もひとつの原因と言われていますが、その痙攣の原因もはっきりしていません。

ただ、遺伝が原因になる場合もあるだけでスコティッシュフォールドに特に多く発症するわけではありませんので、その点は安心してください。

 

内臓の病気

 

スコティッシュフォールドは、遺伝的に内臓にも悪い影響を及ぼしてしまうケースが多くあります。

「腎不全」や「心臓病」「尿路結石」などの病気を抱えている固体もいるのです。

 

内臓の疾患に関しては少々厄介で、普段の姿を見ているだけでは病気に気づかないケースもでてきます。

また先天性で疾患を患っていたとしても、成長していく段階でしかわからない場合も多いのです。

 

このような疾患を抱えている可能性があるということを肝に銘じ、毎日観察して様子を把握しておくことが大切です。

目安としてそれぞれの症状などをご紹介しますので、気になる場合は獣医さんに相談してみましょう。

 

「肥大型心筋症」

 

初期症状がほとんどないため、何らかの症状が出てこないと判断するのが難しい心臓の病気です。

その名前の通り、心筋が内側に肥大してしまう病気です。

 

その結果、心臓の動きが悪くなったり、血流悪化で血栓ができてしまう可能性が出てきます。

時には呼吸困難を引き起こすこともあります。

 

動きがやけに鈍くなったり、動きたがらずじっとしているなどの症状が現れると要注意です。

呼吸器系に異常を来しますので、咳をしだしたり呼吸が荒くなっている場合も注意が必要です。

食欲もいつもより落ちてしまうこともありますので食事量も目安にしてみてください。

 

「腎不全」

 

そもそもネコはあまり水分摂取を行いません。

そのせいで腎不全に陥るリスクが高くなっています。

 

きちんと水分を摂取し、腎臓で不要なものをろ過して体外に排出しできなければ、尿毒症など怖い病気を引き起こします。

飲み物としての水分だけでなく、食事からの水分補給でも腎不全や腎臓の病気を防ぐことはできますので、食事にも注意してあげましょう。

 

やたらと水分を摂っていたり、食欲が減退する、嘔吐や下痢もでているなどが症状です。

体重の減少なども要注意です。

水分がうまく摂れていない事で脱水症状を起こすケースも考えられます。

水分をやたらと摂っているのに、色の薄い尿が出ている場合も危険サインですので、速やかに動物病院へ連れて行ってあげてください。

 

「尿路結石症」

 

人間がかかる病気と同じで「腎臓」や「膀胱」「尿道」などに結石ができてしまう病気です。

これも人間と同じで尿道の狭いオスネコに多く発症します。

 

本来であれば結石があれば痛みを覚えているはずなのですが、ネコは比較的痛みを我慢する習性を持っています。

ですから、排尿時のチェックを飼い主さんが行うのが早期発見へと繋がります。

 

尿の量が減っていたり、排尿しようとしているのに出ていない、やたらとトイレに行くなどはわかりやすい症状です。

血尿が出ているなどは危険信号です。

またお腹を触ると嫌がったり、痛みを訴えたりする場合もできるだけ早く獣医さんに相談しましょう。

 

病気を知る、普段の様子を確認する、食事に気を付ける

 

先天性の病気や異常を抱えているかもしれないということを、飼う前にきちんと理解しておくことは大切なことです。

そして普段から頼れるかかりつけの獣医さんをもっておくおことも重要です。

 

その上で、普段からコミュニケーションをよく取ってあげて観察することを忘れないであげてください。

おかしな症状や行動が見受けられたら、迷わず獣医さんに相談してみましょう。

 

スコティッシュフォールドだけでなく、先天性以外の病気の多くは食事の管理である程度は防ぐことができます。

もちろん個体の体質などにも左右されますが、健康管理を怠らない事、定期的な健診をうけることも、長く共に暮らしていくための秘訣といえるでしょう。

 

 

スコティッシュフォールドを飼うには

 

Scottish Fold
By tata_aka_T from Tokyo, JAPAN (I'm Alone) [ CC BY 2.0 ], via Wikimedia Commons

 

さまざまな情報をきちんと理解したら、いよいよ家族の一員としてスコティッシュフォールドを迎えに行きましょう。

 

しかし、どのような手段でスコティッシュフォールドを購入することができるのでしょう。

金額の目安なども一緒にご紹介します。

 

・ペットショップで購入する

 

最も簡単でわかりやすいのが「近隣のペットショップ」に出向く方法です。

 

スコティッシュフォールドは珍しいネコ種ではありませんので、大抵のペットショップで取り扱いがあるでしょう。

たまたまその時いなくても、店員さんに確認して入荷したら連絡をもらうようにしておくと安心です。

自宅から近いペットショップで購入することで、何かあった時もアクセスがしやすく頼れる存在になるケースが多いのが特徴です。

 

ただし、質問したら曖昧にしか答えてくれなかったり、納得できないことなどがあった場合は注意が必要です。

見るからにわかる環境の悪さや、販売されているペットたちに元気がない、店員さんの知識があまりにも不十分などの場合は、頼れる存在になってくれない可能性もあります。

全てがそうというわけではありませんが、やはり生き物を扱う上でこの辺りのチェックは重要です。

 

・ブリーダーから購入する

 

スコティッシュフォールドを扱っているブリーダーさんから譲り受けるというのも1つの方法です。

なんといっても血統がはっきりしていて明確なことが最大のメリットです。

また、ペットショップで販売されているより値段が安いケースもあるのでその点も魅力です。

ただし、ペットショップと同じく、ブリーダーにも悪質なパターンも存在します。

 

スコティッシュフォールドのような人気の種類になると、金銭目当てに無理な交配をしているなどもない話ではありません。

噂や口コミだけを鵜呑みにせず、きちんと足を運んでブリーダーさんの人となりや、飼育環境をきちんとチェックしましょう。

 

多くのブリーダーさんは、その子たちに深い愛情を注ぎ、丁寧に飼育・繁殖を行っています。

相性の良い素敵なブリーダーさんと出会えれば、今後もサポートしてもらえる可能性がありますので、焦らず見極めるようにしましょう。

 

・価格

 

ペットショップの場合10万円前後が相場となっています。

時折20万近くなる場合もあります。

ブリーダーさんから購入する場合も、ペットショップよりも安くなる場合があるだけで、基本的には10~20万円程度と考えておきましょう。

当然子猫のほうが価格は高くなり、生後どれぐらい経過しているかも価格に反映されます。

 

やはり特徴的な折れ耳も価格に影響を及ぼします。

立ち耳タイプのスコティッシュフォールドと、折れ耳タイプでは5万近く差が出ることもあります。

それ以外では血筋なども価格に反映され、チャンピオンの血筋の子猫だと軽く20万を超えるケースも出てきます。

 

・日頃のお世話

 

スコティッシュフォールドは、穏やかでおとなしくとてもいい子です。

鳴き声も小さく問題行動も少ないので、集合住宅での飼育も向いていますし、慣れて来るとお留守番もOKです。

 

しかし飼い主さんがそばにいないと緊張してストレスを抱え込んでしまう可能性があります。

ですので、あまり外へ連れ出すことはおすすめできません。

 

フードに関してはとにかく太りすぎない事と腎臓への負担に要注意です。

直接的な水分摂取だけでなく、フードからの水分補給もお忘れなく。

 

無理に高級なフードを与える必要はありません。

太りやすい体質であることや、内臓疾患を起こしやすい遺伝子を持っている可能性もあることを忘れなければ大丈夫です。

関節に異常を抱えているケースが多くみられるスコティッシュフォールドなので、グルコサミンなどを含むフードをチョイスするのも良いでしょう。

 

量を適切に、腎臓に負担を掛けないフードで体重管理をこまめに行う。

これだけでも十分です。

 

ブラッシングはできれば1日に1回はおこなってください。

せっかくの美しいシルクのような毛並みも、放っておくと毛玉だらけになりかねません。

毛玉は放っておくと、ネコ自身が毛づくろいする際に飲み込んでしまい「毛球症」という病気を起こしてしまいます。

無理強いしない程度に、優しくケアしてあげてください。

 

耳掃除に関しては、耳の病気の項目でお話しした通り、やり方を獣医さんなどにアドバイスしてもらいましょう。

頻度や、力加減なども一緒に教えてもらうことをオススメします。

環境づくりとしては、骨に異常を抱えているケースが多いので、できればフローリングなどの床にはマットなどを敷いて、衝撃を軽減してあげられるとベストです。

 

 

温和で穏やか、見た目だけでなく性格までも可愛いスコティッシュフォールド

 

スコティッシュ フォールド

 

真ん丸で、垂れた耳がなんとも愛らしい。

温和でおとなしく、飼い主さんのことを大好きになってくれる、非の打ちどころのないスコティッシュフォールド。

 

先天性や遺伝的に少々問題は抱えていますが、大切に可愛がってあげればきっと大丈夫です。

抱えている問題に難色を示してしまうかもしれませんが、普段から愛情を持って接していれば、何かあったらすぐに気が付くことができるでしょう。

 

病気や疾患の可能性はスコティッシュフォールドだけのものではありません。

動物と共に暮らすうえでは切り離すことのできない問題なのです。

 

その上で、きちんと理解して対処方法を確認しておくことが大切なのです。

ぜひ、ペットショップやブリーダーさんで、あなたにぴったりな相性のスコティッシュフォールドを見つけてあげてください。

 

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