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猫 を飼っている方はよくご存知かもしれませんが、「香箱座り(こうばこずわり)」は前足をたたんで置物のように座る、実に可愛らしい座り方です。
箱座り、香箱を組む、香箱を作るなどと表現することもあります。
猫の香箱座りはオブジェのごとく微動だにしない姿なので、見ていて癒される方もいるでしょう。
単純にはいつくばっているだけでは香箱座りと言わないこともあります。
考え方によれば、前足を胸毛の奧にたたんで入れている時だけを香箱座りとすることがあります。
足を丸めて座っている状態を香箱座りと思って大丈夫です。
香箱座りの由来は、猫が背中を丸めてはいつくばる様子が香箱に似ていること。
ちなみに香箱とは、名前の通り香を入れる蓋つきの箱です。
茶道具、香道の道具でもあります。
実際の香箱は漆塗りに和柄があしらわれ、繊細なもの。
大正時代の辞書には「夫人が何もせず行儀よく座っている様子」と言う内容での記載もあります。
香箱座りをしている猫をよく見ると、足はもちろんのことしっぽまで体に巻きつけています。
そのような様子から、まるで猫が塊(loaf)のように見えることから、英語では香箱座りを「catloaf」(キャットローフ)と言います。
余談となりますが、森鴎外、芥川龍之介、尾崎紅葉などの作家は自身の作品中で「香箱を作る」と猫の香箱座りを表現しています。
辞書にも「香箱座り」は見当たらないことから、香箱座りはインターネット上での呼び方と言えます。
ときおり猫は香箱座りをしていますが、香箱座りをするのは猫ちゃんの心境も関係しています。
それでは、どんな気分の時に香箱座りをするのでしょうか。
猫が香箱座りをするのはリラックスしている時です。
自分にとって外敵がいないなど、脅威が感じられない時に香箱座りをします。
また、猫が香箱座りをするのは飼い主さんを信頼して安心しているからとも言えます。
飼ってまもない頃は香箱座りをすることが少ないかもしれません。
香箱座りをし始めたら、飼い主さんにもお家にも慣れてきたと考えて良いでしょう。
外敵の警戒をしていないとは言いましたが、実はハプニングに対応できる姿勢になっています。
前足を折りたたんで器用に座っているように見えても、後ろ足はすぐに踏み込める体勢です。
何か急なハプニングがあっても、後ろ足で地面を蹴って立ち上がることができるのです。
猫が香箱座りをする場所もリラックスしている精神状況と関係しています。
猫ちゃん自身が落ち着ける場所を選びます。
例えば、日が射して暖かい床の上、ソファ、カウンター、窓のフチなどでしょう。
香箱座りをしている場所は猫ちゃんのお気に入りの場所ですので、確保してあげてくださいね。
香箱座りをしている猫は十分にリラックスしている状態です。
しかし、最上級のリラックスをしている座り方は香箱座りではありません。
最上級にリラックスしている時、猫は仰向けになってお腹を見せます。
おそらく、猫を飼っている方はお分かりになるかもしれません。
触ってスキンシップを取っているうちに、猫ちゃんが仰向けになったことはないでしょうか。
通常、敵だと思っている動物にお腹を向けることはしませんので、飼い主さんにかなり心を開いている証拠と言えます。
他にも、横座りといって体を横にして前足と後ろ足を重ね気味に同じ方向に向けている姿勢。
こちらもリラックスしてのんびりしている状態です。
人間でいうとテレビを見ながら横になっているような状態でしょうか。
逆に興奮状態、緊張状態にある時にはしっぽが逆立ち太くなります。
こうして見ると、動物の仕草や座り方で心境がわかって面白い部分もありますよね。
可愛いらしい香箱座りですが、たたみ込んでいる前足の様子は気になりませんか?
ガラス張りのテーブルがあればみることができますが、そうそうあるものではありませんね。
そんな時は 猫カフェ に行ってみましょう。
どんなお店でも揃えているわけではありませんが、透明なキャットウォークを設置している猫カフェもあります。
猫の特徴とも言える香箱座り。
しかし、全ての猫が香箱座りをする、もしくはできるわけではありません。
どんな猫が香箱座りをし、どんな猫が香箱座りをしないのでしょうか。
基本的に野良猫は香箱座りをしない傾向にあります。
家で飼われている猫ちゃんと違って、野良猫は外敵が潜んでいます。
眠る時も緊張状態を保ち、戦う体勢を整えているわけですね。
また、 子猫 もあまり香箱座りをしません。
好奇心が旺盛な傾向にある子猫はじっとしていられません。
香箱座りをしないというより、する暇がないと言った方が良いでしょう。
体の大きな猫も香箱座りができない傾向にあります。
香箱座りの際に前脚を折りたたみますが、体の大きな猫は前脚を折りたたむことが難しくなっています。
普段から香箱座りをしているものの、なんだか元気がない…。
その香箱座りは体調が悪くじっと耐えている場合も考えられます。
長時間香箱座りをして餌も食べないという様子が続いたら、具合を悪くしている可能性もあるため病院に連れて行きましょう。
ここまで猫の香箱座りを詳しく見てきましたが、猫だけが香箱座りをするわけではありません。
ネコ科の動物では、 ライオン や トラ の香箱座りが目撃されています。
身近な動物では うさぎ も香箱座りをします。
うさぎの香箱座りの場合、完全に前足が見えなくなる完全体の香箱座り。
前脚が短いうさぎだからできる技ですね。
猫のように前脚を折りたたむのではなく、後ろ脚の間に前足を入れるのがうさぎの香箱座りです。
その他、アルパカや 犬 も香箱座りをすることが確認されています。
このように、猫以外の動物も香箱座りをすることがあるとなると、動物園やペットショップでも動物の座る姿をチェックしてみてはいかがでしょうか。
意外な動物の、のんびりとリラックスした香箱姿を見ることができるかもれません。
香箱座りをして目を瞑っている様はたまりません。
心からリラックスして、飼い主さんを信頼している証拠です。
香箱座りの猫ちゃんに癒されて、飼い主さんもリラックスタイムとしましょう。
公開日 : 2017/12/04