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かっこいい犬、かわいい犬、品がある犬など様々な魅力を持つ 犬 がいます。
その中でぶさかわの代表と言えばやはりパグでしょう。
しわくちゃな顔で鼻がべちゃっとなっているぶさいくさを持ちながらも、つぶらな瞳に小さくてよちよちした姿をしていて可愛いギャップを持っています。
困ったかのような表情で見つめてくるかわいらしさに癒される人も多くいますよね。
この独特な魅力の虜になる人は後を絶たず、遠い昔から現代まで変わらず高い人気を得ています。
本記事では、そんなパグについて詳しくご紹介します。
パグは中国生まれの 犬種 で、紀元前400年前には存在していたと言われています。
中国の王室では魔除けとして重宝され、絵画にも描かれています。
17世紀にオランダ東インド会社がヨーロッパにパグを広めました。
オランダでは王族や貴族から人気を集め、王家公認の犬になった程です。
その後、戦争でオランダの軍人がパグを連れていたりしたことでヨーロッパの他の国々にもパグの存在が広まっていきます。
各国で王族や貴族に気に入られ愛玩犬としての地位を築いていきました。
中には「オランダの英雄」と呼ばれたパグもいました。
オランダがスペインからの独立を目指して起こした「八十年戦争」において、パグがウィレム1世を暗殺から救ったというエピソードがあります。
また、フランスではかの有名なナポレオンの妻、ジョセフィーヌの愛犬でもありました。
ジョセフィーヌが囚われの身となったときには、パグを使ってナポレオンにメッセージを送ったというエピソードもあります。
実はパグ、これほどにも活躍しているのです。
アメリカ大陸には19世紀に伝わり、1885年にパグという種類が犬種として公認されました。
このように広まっていき、現在では世界で人気の犬種。
ペットとして日本でパグが広まったのは戦後のことです。
ただ、日本へ最初に持ち込まれたのは明治、大正時代であると考えられています。
パグの名前の由来は、色々な説があります。
頭の形が握りこぶしに似ていることからラテン語の握りこぶしを意味する「パグナス」。
中国語のいびきをかいて眠る王様を意味する「パー・クー」。
サル のマーモセットに似ている表情をすることからマーモセットの通称「パグ・モンキー」。
ドイツではしかめっ面を意味する「モプス」。
フランスではパグの愛好家であった俳優の名前に因んで「カーリン」。
国によっても様々な名前が付いていて、由来は諸説あります。
パグの特徴は何と言っても、つぶらな瞳としわくちゃな顔による「ぶさかわ」です。
このぶさかわな顔の虜になる人が続出しています。
ブルドッグ も似たような犬種ではありますが、パグは 小型犬 というところも人気の要因のひとつとなっています。
また、よちよち歩きなところもかわいいポイントです。
パグの体型はスクエア体型(横から見ると縦横の長さが同じ正方形になる体型)です。
胴と脚が短く、筋肉質で引き締まった体型をしています。
毛は短毛で滑らかな毛並みをしています。
短毛であるため手入れもしやすいです。
耳に関しては、ローズ耳とボタン耳という2種類の耳があります。
ローズ耳とは、耳が立っていて先が少し垂れている耳です。
一方、ボタン耳は完全に垂れている耳で耳の中が全く見えません。
パグに関してはボタン耳の方が人気です。
潰れた鼻が特徴的なパグは、寝ているときにいびきをかきます。
パグは小型犬です。
体高は25〜30cm程で、小型犬としては平均サイズ。
ただ、体重は6〜8kgで小型犬としては重めです。
体高の割に体重が重い理由としては、骨格がしっかりしており筋肉質であるため。
筋肉質というには柔らかいフォルムのイメージが強いと思いますが、それはパグが太りやすいからです。
パグは基本的に明るくて陽気な性格です。
友好的で多頭飼いもしやすく、人間とも打ち解けやすいです。
また、穏やかで攻撃的になることもあまりないため、ペットとしては安心して飼育することができます。
穏やかなので、番犬には向いていません。
頑固な一面もありますが、食べ物への執着心が強かったりなどかわいらしいレベルです。
良くも悪くも素直であるため、幼少期にきちんと しつけ をしていればとても良い子になります。
逆に幼少期に甘やかしすぎるとワガママになり大変です。
パグの値段の平均は30万円程です。
犬全般に言えることですが、値段には幅があり、パグに関しては40〜60万円で販売されていることが多いです。
ペットショップであれば20万円台でもお迎えすることができます。
血統や健康状態、年齢などで大きく変わるため、ペットショップなどで購入する際は、その値段になっているのはどういった理由があるか確認しておきましょう。
パグの毛色は何種類かに分類できますが、正式に認められている毛色は4種類です。
パグの毛色は数種類ありますが、中でもフォーンが多いです。
フォーンは定番な色で流通量も多いため、アニメなどでもパグを使うときはこの色が多いです。
白っぽい毛色に若干薄茶色がかかっており、顔や耳、そしてトレース(背筋のライン)などが黒い種類。
パグと言えばフォーンというイメージの人も多いため、一番人気の色となっています。
フォーンの次に多い色はブラックです。
全身真っ黒なシンプルな色で、フォーンの次に多い色とは言え、数自体は少ないので希少性から人気の色です。
1900年前後に交配によって生み出された毛色ですが、交配が難しいことがブラックの個体数が少ない理由となっています。
アプリコットはオレンジがかった茶色の毛色です。
かつては日本でも多く見られた色ですが、最近では珍しい毛色となっています。
子犬の土佐犬に近い雰囲気があります。
主な毛色はこの3種類ですが、もう1種類正式に毛色と認められている色があります。
それはシルバーです。
シルバーは最も希少性が高い色で、まず見かけることはほとんどできないと思っても良いぐらいです。
シルバーに出会う機会があればそれだけでもラッキーです。
近年ホワイトも毛並みの種類として考えられるようになってきてはいますが、現在ではまだ正式な毛色として認識されていないため、ミスカラーとされています。
パグの寿命は12~15年程で、一般的な 犬の平均寿命 と同じぐらいです。
かつてはパグは病気になりやすく飼育が難しいことから平均寿命は短めでしたが、今では動物病院など動物への医療技術が発達したことから、犬の平均寿命が延びています。
長生きしてもらうためには、健康状態に配慮してあげることが何よりも大切です。
パグを飼育する上で気を付けなければならないことや、他の犬と比べて意識しないといけないことなどを紹介していきます。
中にはパグならではのこともあるので、頭に入れておきましょう。
肥満にならないよう、食生活には気を配ってあげましょう。
食事量は目安こそあっても、当然個体差があるので適切な量は分かりません。
一般的に体重の1/40が目安と言われています。
また、 ドッグフード に記載されている目安量を参考にしながら、実際にご飯を与えて調節していきましょう。
適切な 餌 の量を見極める1つのポイントは便です。
病気などではない場合、便の固さは食事量で決まります。
食事量が多すぎると、便は柔らかくなります。
逆に食事量が少なすぎると便は固くなります。
ただ、食物繊維を多く含んでいるような血糖値の上がりにくい、満足感を得られるような餌も便の量は多くなります。
食べている餌の食物繊維の量や、消化吸収のしやすさによって、便の性状は変わってきます。
適正な体重は適切な体格によって決まります。
活動性や生活環境、ホルモンバランスも加味する必要があるので、必要カロリーについては動物病院で計算してもらうのがおすすめです。
パグは活発ではなく、太りやすい体質です。
肥満にならないように、散歩などでしっかり運動させる必要があります。
1日30分は 散歩 させるようにしましょう。
それにプラスして遊ぶなどして体を動かしてあげると良いです。
遊ぶときは、コミュニケーションを取ることを意識しましょう。
触れ合うことでパグはさらに懐きます。
ただ、パグは暑さや寒さに弱く、天気などを考慮に入れて運動量を調節してあげる必要性があります。
特に夏場は熱中症にならないように涼しい時間帯に散歩するなど気を付けてあげましょう。
パグは短毛のダブルコートで、暑さにも寒さに弱い体質です。
そのため、夏と冬は、エアコンを使いながら、室温管理に十分注意してください。
暑さにはとても弱く、部屋の中でも、温度と湿度が上がることで熱中症になってしまうことがあります。
夏の室温は23~25℃程、冬は床が冷えていることが多いので、足元の気温が20~25度になっていることを確認しましょう。
室温は良くても直射日光が当たるなど部分的に温度が変わることもあるので注意が必要です。
冷感マットなどを利用して、あらかじめ涼める場所を作っておくなどの工夫をしましょう。
暖房をつけていても、体が震えるなど寒がる様子があれば、ペット専用のヒーターを使うというのも1つの手です。
また、 洋服 を着せてあげるなどして、お部屋の中で過ごす場合も、愛犬の体が冷えないように注意してあげることが大切です。
きちんと温度管理ができる環境でなければ、パグを飼育するのは難しいです。
パグは臭うと言われることも多いです。
しかし、その原因の多くは顔のしわの部分が不衛生になることで臭うようになるためです。
パグは皮膚がたるんでしわがたくさんできます。
特に顔はしわが多く、しわの部分を定期的に拭いてあげるなどしてあげないと、蒸れたり汚れが溜まったりして臭いの元となります。
顔がしわくちゃな分、汚れが溜まりやすいため、パグは他の犬より不衛生になりやすいと言えます。
臭いだけでなく、皮膚病などの原因にもなるので体は清潔に保つよう手入れをしてあげましょう。
1〜2日おきぐらいにタオルで顔や体を拭くようにしましょう。
濡らしたタオルで優しく拭いて汚れを取り、その後乾いたタオルで水分を取ってあげましょう。
乾いたタオルで水分を取ってあげないとその部分が蒸れて雑菌が繁殖する原因にもなります。
月に1〜2回ぐらいは シャンプー もしてあげましょう。
きちんと清潔にしていれば、臭うこともありません。
ただ、繊細な皮膚であることが多く、外耳炎や皮膚炎を持っているパグは多くいます。
炎症のために匂いが強くなっていることもあるので、いつもより匂いが強い、あるいはフケや耳垢が出る時にはすぐに動物病院で診てもらいましょう。
パグは人懐っこいので比較的飼育がしやすい犬です。
パグのしつけにおけるポイントは「叱るより褒めろ」です。
愛情深く、飼い主さんとの触れ合いを好むため、良いことをしたときに褒めてあげると良いことをするように育っていきます。
パグに限らず、叱るよりは褒める方がしつけはしやすいとされています。
その例として、吠えているときに叱るのは逆効果とよく言われます。
犬は吠えているときに叱られると、応援されていると勘違いしてさらに吠えることがあるためです。
やめさせたいことや、良くないことをしたときは徹底的に無視しましょう。
パグのように飼い主さんとの触れ合いを好む犬なら、飼い主さんに無視されることよりも飼い主さんに褒めてもらえることを好んでするようになっていきます。
そのたあめ、褒めるときは大げさなぐらい褒めてあげましょう。
ダメなことをしたときは無視、良いことをしたらオーバーなぐらい褒める、これを繰り返すことでパグの行動が改善されていきます。
パグは褒めて伸ばすタイプです。
病気と言って良いのか怪しいラインですが、パグは肥満には気を付けなければなりません。
パグの肥満率は、犬全体の肥満率の2倍程であると言われています。
体質として太りやすいことももちろんですが、パグの食への執着に加えてあのつぶらな瞳で見つめられたらエサを与えずにはいられなくなる飼い主さんも多いのだそう。
しかし、肥満を軽視してはいけません。
体が重くなるとそれだけ足腰などの関節への負担も大きくなります。
過度の負担で足腰を痛めると運動もあまりできなくなり、さらに健康を悪化させる恐れがあります。
太れば太る程、犬の方も運動するのが億劫になってしまいます。
また、脂肪が増えすぎると心臓や呼吸器にも負荷をかけてしまい、発作を起こしやすくなったりします。
肥満になりやすい体質をつくる要素はたくさんあります。
パグは元々太りやすい犬種です。
面倒を見切れなくなることがないように、無駄に繁殖することは防がなくてはなりません。
そのためペットとして飼育するときは不妊手術をする犬も多いです。
不妊手術をするとホルモンバランスの変化で基礎代謝が低下したり、食欲が増進したりなど、肥満につながりやすくなります。
犬も人間と同様に、年齢とともに基礎代謝は低下します。
運動量も減り、体の抵抗力も弱くなっていくので年齢も気をつけなければならないポイントです。
このようにパグは太りやすい体質になりやすいため、食事と運動には注意を配りましょう。
先述した通り、パグは暑さや寒さに弱いため、体温調節には気をつけなければなりません。
特に暑さによる熱射病には気を付けましょう。
自分で体温調節をすることが上手でないため、飼い主さんが気を配ってあげる必要があります。
パグは少し目が飛び出ているので、物理的な目のダメージには気を付けなくてはなりません。
異物が入りやすかったり、物とぶつかったりして眼球を傷つけてしまうこともあります。
他の犬よりも目は気をつけてあげましょう。
飼育環境なども目を傷める恐れのある障害物は置かないように意識してください。
また、角膜の病気など短頭種がかかりやすい傾向にあります。
短頭種とは、パグなどのように鼻が短い種類のことです。
「鼻ペチャ」とも表現されます。
パグは最も角膜の病気になりやすい犬種であるとされています。
角膜の病気になりやすい犬の特徴としては、小型犬、鼻ペチャ、鼻にシワがある、オス犬などです。
つまり、オスのパグであればかなりかかりやすいということになります。
目の病気の症状は、目ヤニや涙の増加、目を開きずらそうにする、白目が赤い、瞼が腫れる、目をしきりに掻くという形で出てきます。
これらの症状が見られたら、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
パグは皮膚病にもかかりやすい犬種です。
1番大きな要因はしわができやすい皮膚にあります。
体の構造上、顔はしわが多いですし、太りやすいため、太ると体にもたるんでしわができます。
臭いのところでも書きましたが、このようにしわができると、そのしわの部分が蒸れたり汚れが溜まりやすくなったりして皮膚が不衛生になりやすくなります。
雑菌が繁殖すると皮膚病になるリスクが上がります。
皮膚の皺の中や皮膚のたるんだ部分、お腹や顔、手足、指の間、あごなどで皮膚炎の症状は多く見られます。
かゆみがあり、脱毛して皮膚が赤くなったり、赤いプツプツができたりします。
皮脂が過剰に分泌されていると、べたべたしたりかさかさしたりして、独特の臭いを発するようになります。
パグ脳炎は正式には壊死性髄膜脳炎という病気で、パグをはじめ小型犬に多い病気です。
パグに多く見られた病気であったためパグ脳炎と呼ばれていますが、他の小型犬にも見られることが分かっています。
原因ははっきりとは分かっていない病気です。
パグ脳炎は脳が壊死していく脳疾患です。
損傷を受ける脳の部位によって症状が多少異なることもあります。
原因がはっきり分らない以上、早期発見・早期治療が何よりも大切です。
発作を起こして体を痙攣させたり、倒れるようになったりしたら1度動物病院で見てもらうことをおすすめします。
発作=パグ脳炎ではありませんが、どちらにせよ発作を起こすのは体の異常のサインであることには変わりありません。
発作は軽いものであればすぐに治まることもありますが、重いものだと頻繁に繰り返すこともあります。
また、目に異常が表れたりもします。
目の動きがおかしい、目が白く濁っている、視力が低下していてあまり見えていなさそうなど、これらの症状も注意です。
ただ、パグ脳炎でなくてもこれらの症状が見られる病気は他にもあるため、獣医さんにしっかり判断してもらいましょう。
さらに、同じところをぐるぐる回るというのも症状の1つとしてあります。
同じところをぐるぐる回るのは興奮しているときなど嬉しくて行うこともあるので、なかなか症状と気づきにくいこともあります。
本当に嬉しくて回っているのか見極めることが必要です。
原産国 : 中国
値段 : 30〜50万円程
毛色 : フォーン、ブラック、アプリコット、シルバー
寿命 : 12~16歳
体重 : 6~8kg
体高 : 25~30cm
特徴 : つぶらな瞳、しわくちゃな顔
性格 : 明るい、陽気、穏やか、頑固
かかりやすい病気 :肥満、熱射病、目の病気、皮膚病、パグ脳炎
愛嬌があってかわいらしいパグ。
人間との相性も良く、ペットとしてかわいらしい犬です。
意識的に気を付けてあげなければならないことも多いですが、愛情を注げばその分応えてくれる犬なので、パグとの生活を検討している方はぜひ本記事を参考にしてみてください。
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監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/03/08
公開日 : 2017/12/20