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この 猫 は歴史も浅く、ナポレオン(ミヌエット)が産出されたのは1996年のことでした。
ナポレオンを生み出したのはアメリカ人のジョセフ・スミスという人物で、本来は 犬 の ブリーダー でした。
スミス氏は1995年のウォールストリート・ジャーナル紙に掲載されていた マンチカン の記事を読み興味を惹かれます。
マンチカンは良く知られているように足が短いのが特徴ですが、この特徴は必ずしも子猫すべてに受け継がれるわけではなく、足が長い猫も生まれてしまいます。
この足の長い猫はブリーダーにとってはいらない産物なので、多くが捨てられてしまうのです。
アメリカではこの捨てられた子猫たちは保護センターに収容されているという内容の記事を読んだスミス氏は、足が長いという理由で捨てられることがあってはならないと考えました。
そこでスミス氏は、短足猫が一般的になるよう新たな 猫種 を産出することに決めました。
スミス氏は、マンチカンにかけ合わせる猫として純血種の代表格、 ペルシャ を選びました。
さらに ヒマラヤン や エキゾチックショートヘア などの長毛種と掛け合わせ誕生したのがナポレオンです。
長毛種で足が短いという容姿で誕生したナポレオン。
ナポレオンという名前は足が短く体高が低いことから、身長が低かったフランスの皇帝 ナポレオン・ボナパルトにちなんで名づけられました。
ナポレオンは2015年までの名称で、現在は「ミヌエット」という名前に変わりました。
ナポレオンは誰もが知っているフランスの人物。
その固有名詞を使うことに対して異議があったことにより名称変更となったようです。
ナポレオンは実験種として登録はされましたが、その後なかなか正式な猫種として登録することが叶いませんでした。
2002年に「登録種」となることができましたが、TICA(国際猫協会)は新猫種として認めてくれず、ついにスミス氏は繁殖をあきらめてしまいます。
しかし、この頃までにはナポレオンの名前はブリーダーの間では知られるようになっていたため、ほかのブリーダーによって交配が続けられました。
2012年にようやく登録が認められ、キャットショーへの参加もできるようになりましたが、ナポレオンの容姿は毛色や毛の長さなどが多岐に渡るため、純血種として判断しにくいという点などから正式な猫種としての登録を認めない団体もあります。
ナポレオン(ミヌエット)は短い脚と丸みを帯びた体と頭をしており、顔はペルシャ猫に似ています。
しかし、ナポレオン(ミヌエット)の特徴としてはペルシャ猫ほど鼻が低すぎないことが挙げられています。
首も太く、体つきはがっしりとしており目は丸く、耳は小さめ。
毛の長さは長毛と短毛があり、毛色も様々です。
ナポレオンの大きさは2㎏~4㎏で、小さめの猫です。
寿命 は12歳~14歳とほかの猫種に比べると少し短めです。
そもそも、ナポレオンの元になったマンチカンは11歳~13歳と短め。
マンチカンは短足ですが、これは障害を固定化したためです。
新しい品種改良には障害を固定化させるという方法がときどきとられますが、獣医師の中には「障害を固定化するのは虐待に当たる」として反対する人もいます。
マンチカンやナポレオンが短命なのには、 障害を固定化させた猫種であるということが関係しているという意見もあるのです。
ペルシャ猫とマンチカンの血をひくナポレオンは両者の気質を引き継いでいます。
甘えんぼうで従順、好奇心が強く明るい性格。
人懐こく警戒心が薄く、特に家族に対しては愛情深いため抱っこしてもらったりおしゃべりしたり、スキンシップやコミュニケーションが大好き。
遊びも好きなので、猫をかまってあげる時間が取れる人に向いている猫です。
しかし、かまってほしいとき以外はしつこくされると嫌がるという猫本来の気質も持ち合わせています。
とても賢いために覚えも早いのですが、いたずらやして欲しくないこともすぐに覚えてしまうので、して欲しくないことはできないようにするなど注意が必要です。
ほかの猫や動物に対しても寛容なので、多党飼育に向いているとされています。
猫は1匹で飼うことに何も問題がありませんが、もしできるのであれば兄弟で飼うことはとてもおすすめ。
飼い主が相手をしてあげられないときや留守番のときも兄弟で一緒に遊ぶことができますし、血がつながった兄妹はたいていの場合、終生仲がいいものです。
ナポレオン(ミヌエット)は短命の傾向があります。
少しでも長生きしてくれるように、毎日の食事には気を付けたいところですね。
猫は真正の肉食獣ですから、穀物類や添加物が多く入っている キャットフード は避けるなど、品質の良いフードを与えてあげましょう。
また、猫は水分摂取を食事から摂るという特徴があるので、できればドライフードだけでなくウエットフードも食べさせてあげることは猫の健康にとっておすすめです。
ナポレオン(ミヌエット)には長毛種と短毛種がいますが、長毛種は毛玉ができやすいため、週に3~4回はブラッシングする必要があります。
短毛種は週に1回程度でいいでしょう。
ナポレオン(ミヌエット)は完全室内飼育をしましょう。
非常に珍しい猫種であるとともに、ナポレオンは短足であるために、やはり通常の足の長さの猫より運動能力に劣るとされています。
危険を避けるために完全室内飼育を徹底しましょう。
猫はそもそも、知らない場所が苦手で基本的に遠くまで移動しない動物です。
そのため、室内だけで飼育することは猫にとって何らストレスではありません。
行方不明になることや交通事故、病気への感染、人間の虐待など、室内飼育にすれば避けることができることはたくさんあります。
ナポレオン(ミヌエット)は室内飼育が望ましいので、室内で運動できるようにしましょう。
広い場所は必要ありません。
猫にとって重要なのは上下運動ですから、 キャットタワー やキャットウォークを用意し、飼い主さんが十分遊んであげることで運動不足にさせないことが可能です。
ナポレオン(ミヌエット)にはペルシャ猫の遺伝子が入っています。
ペルシャ猫は遺伝や先天性の疾患の多い猫なので、その血をひくナポレオンも気を付けるべき病気があります。
ペルシャ猫のかかりやすい病気を排除するように繁殖が進められましたが、完全に排除することはできていません。
ナポレオンの気を付けた病気として以下のものが挙げられます
心臓が肥大したり心臓を動かす筋肉が太くなったりする病気です。
腎臓にのう胞(水がたまった袋)がたくさんできて腎臓の機能を奪う病気です。
そのほかに、一般に猫がかかりやすいとされている歯肉炎や下部尿路系の疾患、腎臓病にも日ごろから気を付ける必要があります。
気を付けるべき病気はありますが、すべてのナポレオンがこれらの病気を発症するわけではなく、日ごろの生活に注意し、早期発見に努めることが大切です。
ナポレオン(ミヌエット)は20万円~50万円ほどで販売されています。
愛情をもって飼育しているブリーダーから購入するようにしましょう。
実際にブリーダーのもとを訪れ、親猫が適切に扱われているか、清潔かなど自分の目で見て確かめることをお勧めします。
アメリカでは足が長く生まれついてしまった猫をブリーダーが遺棄するという問題が発生しています。
もともと、足が長いマンチカンの遺棄をやめさせようと考えて産出された猫種ですが、やはり同じ問題は起きてしまいます。
そして日本でも同じ問題は起きていて、さらに親猫がブリーダーに遺棄されることもあります。
数は少ないですが里親募集している場合もありますので、そのような子たちの里親になることは大変意義があることです。
1.原産国 アメリカ
2.歴史 足が長いマンチカンのブリーダーによる遺棄を無くすため、マンチカンとペルシャ猫を掛け合わせて産出されたのが起源。歴史はまだ浅い。
3.特徴 足が短く丸い体つきをしている。長毛種と短毛種がある。
4.寿命 12歳~14歳
5.性格 人懐こく、賢い。社交性があるため多党飼育にも向いている。
6.飼育方法 完全室内飼育を徹底する。長毛種は被毛の手入れが必要。
7.気を付けたい病気 心疾患、腎臓疾患
短い脚とモフモフの毛並みでとてもかわいい猫です。
性格も賢くフレンドリーなので一緒に暮らしやすい猫ですね。
寿命が短く、病気の面でも気を付けてあげたいことが多いですが、生活環境を整えること、日々の暮らしの質を良くすることで平均寿命以上を生きることは可能でしょう。
しかしそのためにはお金がかかります。
万が一のときのための医療費のことも考えておくべきですね。
猫を購入するときだけでなく、最後まで看取ってあげるまでには数百万のお金がかかることも理解して家族に迎える決定をして欲しいです。
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公開日 : 2017/12/03