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ブリティッシュロングヘアはイギリス生まれの猫である「 ブリティッシュショートヘア 」の長毛種です。
彼らの祖先は、ネズミ対策のためローマからイギリスに持ち込まれた猫だといわれています。
イギリスではその猫の交配を進め、1870年頃に 「ブリティッシュショートヘア」 を生みました。
しかし、その後第二次世界大戦や長毛種人気の影響で数が激減し、絶滅寸前になってしまいました。
戦後になると熱心なブリーダーが立ち上がり、なんとかブリティッシュショートヘアを復元しました。
そんな経緯を持つブリティッシュショートヘアは、現在イギリスで一番人気の猫で、イギリス人のソウルメイトとまで呼ばれる存在になっています。
それでは、話を本記事の主役 「ブリティッシュロングヘア」 に戻しましょう。
ブリティッシュショートヘアはその名前が示す通り、短毛種の猫です。
ただ、復元中に ペルシャ猫 などの長毛種を交配した影響で、長毛の仔が産まれることがありました。
かつてそういった長毛の仔は、スタンダードから外れる個体として扱われていました。
しかし、その愛らしさから徐々に人気が高まり、あえて長毛の個体を生み出すようになったのです。
ブリティッシュロングヘアは骨太でがっしりとした、立派な体格をしています。
体重は3.5〜7kgほどで、ずっしりとした重さがあります。
ブリティッシュロングヘアの毛色には、多くのバリエーションがあります。
カラーとしてはブラック、チョコレート、ライラック、フォーン、ホワイト、クリーム、レッド、ブルー、シナモンの9種類が知られています。
中でもブルーは 「ブリティッシュブルー」 と呼ばれていて、人気があります。
模様としては単色(セルフ)はもちろん、三毛やバイカラー(白を含む2色)、ぶち模様(スポット)や縞模様(タビー)などさまざまなパターンが見られます。
ブリティッシュロングヘアの特徴は、その名前の由来になっているたっぷりとした長い被毛です。
ペルシャ猫に由来するこの被毛はふわふわとしていて、柔らかな手触りです。
また、顔が丸くて大きく、どの角度から見ても顔が丸っこく見えるのも特徴といえるでしょう。
顔以外の体つきも全体的に丸く、 マズル (鼻から口にかけた部分)はやや短めです。
足もやや短くて足先は大きくて丸く、尻尾は根元が太くて先に行くにつれて少しだけ細くなります。
ディズニー作品「不思議の国のアリス」に登場する、神出鬼没の不思議な猫「チェシャ猫」。
実はこのチェシャ猫のモデルは、ブリティッシュショートヘアなのだそう。
ブリティッシュロングヘアも顔と頬、ウィスカーパッド(ひげ袋)が丸いため、その表情はチェシャ猫のようにどこかにやりと笑っているようにも見えますね。
ブリティッシュロングヘアは優しく、おっとりとした落ち着いた性格だといわれています。
頭が良くて自立心が強いため、べたべたと甘えてくることは少ないようです。
彼らは膝の上に乗るというよりは、飼い主とソファでゆったりと過ごすことを好みます。
一人遊びや留守番も得意なので、共働きや一人暮らしの方にも向く猫だといえるでしょう。
ブリティッシュロングヘアの寿命は15~17年ほどだといわれています。
長い時間を猫と寄り添いながら、ゆったりと一緒に過ごしたいという方にぴったりです。
英名:British Longhair
別名:ローランダー、ブリタニカ
原産:イギリス
大きさ:3.5〜7kg
寿命:15~17年ほど
ブリティッシュロングヘアの歴史や性格について説明してきました。
ここからは実際にブリティッシュロングヘアを飼いたいと考えている方に向けて、購入方法や値段を説明していきます。
ブリティッシュロングヘアは飼育頭数が少なく、いつでも見かける種類ではありません。
ときおりペットショップでも見かけますが、後々のサポートのことを考えるとブリティッシュロングヘアに精通しているブリーダーからお迎えした方が良いでしょう。
ブリティッシュロングヘアは20~45万円程度で販売されています。
国内での流通数、ブリーダーともに少ないことから比較的高値で販売されています。
ブリティッシュロングヘアのお迎え方法や値段を把握した後は、飼い方について見ていきましょう。
ここからは実際にブリティッシュロングヘアを飼う時に、知っておきたいポイントを説明していきます。
キャットフードは成長の段階や体重に合わせて、適切な物を選んであげてください。
体型が良いブリティッシュロングヘアには、高カロリーで高たんぱくのフードが向いています。
ただし、肥満になりやすい傾向があるので、フードやおやつの上げ過ぎに気を付けてください。
※合わせて読みたい: 安心・安全なキャットフードはどれ?猫の餌の与え方や注意点とおすすめキャットフード12選
ブリティッシュロングヘアは長毛種なので、毎日ブラッシングをする必要があります。
そうとはいえ絡みにくい毛質なので、日々のお手入れはそこまで大変ではありません。
換毛期になると抜け毛が増えるため、いつもより多めにブラッシングをしてあげると良いでしょう。
※合わせて読みたい: 猫のブラッシングの効果と、ブラシの種類やブラッシングの方法を解説
ブリティッシュロングヘアの美しい被毛を維持するため、可能であれば月に1回程度シャンプーをしてあげると良いです。
換毛期にシャンプーをすると、抜け毛が一気に取れてすっきりします。
ブリティッシュロングヘアの毛は長いため、水を含みやすく乾きにくい傾向にあります。
濡れている時間やドライヤーをかける時間をなるべく短くするため、吸水タオルを使って水分を取ってあげると良いでしょう。
※合わせて読みたい: 猫にシャンプーは必要?猫のシャンプーの方法と必要な知識を解説
ブリティッシュロングヘアはやや頑固な面があり、しつけがしにくいといわれています。
しかし、彼らは頭が良くて自立心が強い反面、実は甘えん坊な部分も持っています。
そのため、じっくりと時間をかけてしつければ、ダメなことはダメと覚えてくれることでしょう。
ブリティッシュロングヘアのしつけは根気強く行うこと、そしてある程度のところで妥協することが大切です。
※合わせて読みたい: 猫のしつけ〜猫の習性を理解して、トイレ・爪とぎ・甘噛み・登り癖をしつけてみよう〜
ここまでは、ブリティッシュロングヘアを飼う時のポイントを説明してきました。
次はブリティッシュロングヘアと一緒に暮らす時に、必要なアイテムについて説明していきます。
ブリティッシュロングヘアはマイペースで、飼い主とほどよい距離感を保つ傾向にあります。
生活する空間にケージを置き、いつでも入れる自分だけの場所を用意してあげると良いでしょう。
※合わせて読みたい: 猫にケージは必要?!キャットケアスペシャリストが猫用ケージの必要性と、おすすめ猫用ケージ6選を解説
ブリティッシュロングヘアは食べることが大好きな猫です。
体が大きめなので食器はフードが食べやすく、多少のことでは動かないものを選びましょう。
滑り止めがついているものや重量があるものなど、さまざまなタイプを試してみると良いです。
猫と一緒に暮らすうえで、絶対に欠かせないのが猫用のトイレです。
ブリティッシュロングヘアは体が大きめなので、少し大きめのトイレを用意してあげてください。
また、猫のフンやオシッコは臭いが強いため、消臭作用のあるトイレ砂を使うと良いでしょう。
※合わせて読みたい: 猫のトイレについて、しつけ方や掃除方法、オススメの猫砂や猫のトイレなどを紹介!
ブリティッシュロングヘアはかつて、農作物をネズミから守る仕事をしていた猫です。
そのため、走り回って遊ぶような性格ではありませんが、意外と狩りを好むという一面も持っています。
運動不足にならないためにも、狩猟本能を刺激する動きのあるおもちゃを用意すると良いでしょう。
ネズミに近い動きができる、釣り竿や猫じゃらしのようなおもちゃがおすすめです。
※合わせて読みたい: おすすめの猫のおもちゃ20選!おもちゃの種類や、猫のおもちゃ選びのポイントも解説
ブリティッシュロングヘアは比較的丈夫で、長生きしやすい猫だといわれています。
しかし、そんな彼らにもかかりやすいといわれている病気があります。
ブリティッシュロングヘアは 「肥大型心筋症」 になりやすいといわれています。
肥大型心筋症は、猫に多く見られる特に原因もなく心臓が肥大化していく病気です。
年齢を重ねると発症しやすい傾向にありますが、どの年齢でも発症する可能性があります。
心臓が肥大化すると心筋のしなやかさが失われて、体に十分な血液を送れなくなります。
その結果、血圧が上がって血栓ができてしまい、呼吸困難や運動障害を起こし、最悪の場合突然死することもあります。
肥大型心筋症は残念ながら、一度発症すると完治することはありません。
しかし、早期発見できれば進行を遅らせることが可能なので、日頃から猫の様子を観察して早期発見に努めましょう。
他の猫と同じく、膀胱炎や尿路結石などの 「下部尿路疾患」 にもなりやすい傾向があります。
下部尿路疾患を予防するためには、適切なフードを与えること、そして水を飲ませることが大切です。
キャットフードは原料を良く確認し、質が良い物を与えましょう。
どのフードを与えれば良いかわからない場合は、かかりつけの動物病院で相談すると良いでしょう。
また、小さい頃から水を飲む習慣をつけること、いつでも新鮮な水を飲める環境を作ることも大切です。
※合わせて読みたい: 猫と暮らす前に知っておきたい、猫への水の与え方
ペルシャ猫の血を引くブリティッシュロングヘアは、先天性の遺伝病 「多発性嚢胞腎」 を患っている可能性があります。
これは腎臓に液体が入った小さな袋ができて、その数が増えて最終的に腎不全を発症する病気です。
この病気は予防方法も治療方法もなく、発症すればほぼ確実に腎臓の機能が衰えていきます。
しかし、きちんとしたブリーダーであれば、遺伝病を排除したブリーディングを行っています。
多発性嚢胞腎は信頼できる場所から迎えれば、ほぼ防げる病気だともいえます。
ブリティッシュロングヘアは頭が良く、自立心が高い猫です。
子どもや他の動物( 犬 や ウサギ など)にも友好的ですが、猫に対してはその限りではありません。
小さい頃から一緒に育った場合以外は、新しい猫を迎えるのは避けた方が良いようです。
また、べたべたされすぎるのは好まない傾向にあるため、ほどよい距離感を保ってあげてください。
ふわふわの被毛が魅力的な、ブリティッシュロングヘアについて解説してきました。
ブリティッシュロングヘアは日本国内ではまだマイナーで、頻繁に見かける種ではありません
しかし、もともと人気の高いブリティッシュショートヘアに、さらに長毛種の魅力を加えたブリティッシュロングヘアは、今後注目を浴びていくことでしょう。
ブリティッシュロングヘアを迎える際は、ぜひ信頼できるブリーダーを探してください。
そして、ブリティッシュロングヘアと一緒に過ごす、ゆったりとした日々を楽しんでください。
最終更新日 : 2020/10/28
公開日 : 2020/05/29