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チワワの起源はメキシコ説や中国説、ヨーロッパやキューバ説など諸説存在し、まだ明確にわかっているわけではありません。
ただ、現存する説の中ではメキシコ説が有力と言われていますので、今回はその説に沿ってチワワのルーツをご紹介します。
チワワの起源となっているのは、現在のメキシコに位置するトルテカ帝国(7〜12世紀ごろ)、アステカ帝国(15〜16世紀ごろ)で飼われていたテチチ(Techichi)という小さな犬と言われています。
テチチは悪霊を追い払うことができ、死者の魂をあの世へ連れていってくれると信じられていたため、神の使いとされて宗教的意味合いを持って人間と共に暮らしていました。
そのため、儀式の際には生贄として差し出され、人間とともに埋葬され、当時の墓の中からはテチチと思われる小さな犬の化石が発見されているようです。
このテチチがチワワの祖先として考えられています。
1519年、アステカ帝国が滅びるとテチチの存在の行方はわかっていませんでしたが、その後300年以上経過した1850年に、メキシコのチワワ州で現在のチワワの起源となる小さな犬が発見され、州の名前にちなんで「チワワ」と呼ばれるようになりました。
チワワは、その後アメリカに渡って品種改良が進められます。
発見当初は現在のサイズより大きい犬でしたが、この品種改良によって現在までのサイズに改良されていき、また数を増やしていきました。
1904年にはアメリカのAKCに公認されます。
当時まだ犬は使役犬としての役割を求められて飼われることが多かったため、体の小さなチワワはあまり人気はありませんでしたが、徐々に愛玩犬としての犬を求める家庭が増え、チワワの人気も高まっていきました。
日本にチワワがやってきたのは、1970年代のことです。
当時の日本は、バブル時代で景気が良かったために大型犬を飼う家庭が多く、チワワの人気はなかなか出ませんでした。
しかし、マンション住まいの増加や 室内犬 の増加によって、小柄なチワワが徐々に人気が出始め、2021年のJKCの登録犬数は1位の プードル についで2位と高い人気を博しています。
チワワ人気に一役買ったのが、2002年に話題となったテレビCMです。
目を潤ませてこちらを見つめるチワワに心を奪われた方も多いのではないでしょうか。
ウルウルした瞳と小さく可愛らしいフォルムで、思わず抱きしめたくなってしまうほど可愛らしい外見のチワワですが、実は独立心が強く勇敢な性格です。
自分より大きな犬にも立ち向かっていくような勇敢さに加えて、縄張り意識や警戒心も強いので宅急便の方など、見知らぬ人が自宅に入ってきたら吠えて向かっていくこともしばしば。
こんな小さな可愛らしい見た目ですが、意外と男らしい性格なんです。
もちろん、可愛らしい一面も持ち合わせています。
基本的には陽気で明るく、好奇心旺盛な元気いっぱいのわんちゃんです。
また、飼い主が大好きな甘えん坊さんです。
従順で一人の飼い主に深い愛情を注ぐ子が多く、ヤキモチ焼きな一面もあり、飼い主が他の動物や人間と戯れていると拗ねてしまう子もいます。
飼い主からするとヤキモチ焼いてくれるなんて可愛くてたまらないと思いますが、チワワは元々排他的な思考を持っているため、あまり甘やかすと飼い主以外には一切懐かなかったり、お客様や子供に向かって攻撃してしまったりする可能性があるので しつけ は重要です。
頭も良いため、しっかり躾ければ飼い主に従順な素晴らしいパートナーになるはずです。
多頭飼いの場合は相性もありますが、チワワ同士は仲良くなる傾向があります。
チワワの特徴といえば、何と言っても小さな体ですね。
体高は15〜23cm、体重は1.5〜3kgが平均的なサイズで、最も小さい 犬種 とされます。
小さな体に、アップルヘッドと言われるリンゴのような頭と黒く大きい目、大きな立ち耳が特徴的です。
タイプとしては、ドワーフという短足のずんぐりむっくりしたタイプと、ハイオンという足が長めのスラッとしたタイプ、そして中間のスクエアタイプの3つに分かれます。
チワワは、シングルコートで短毛種のスムースとダブルコートで長毛種のロングに分かれます。
光沢のある密集した短い毛が特徴で、頭と耳の毛が特に短いです。
長くて柔らかくふわっとした毛が特徴的で、耳や尻尾、首回りにふわふわした飾り毛があります。
チワワはもともとスムースの短毛種のみでしたが、19世紀のアメリカでの品種改良によって、チワワに ポメラニアン や パピヨン を掛け合わせてロングコートチワワが誕生しました。
チワワの毛色は多彩で多くの種類がありますが、主に3つのカテゴリに分けられます。
それぞれ写真で毛色を紹介していきます。
一色のみの毛色です。
真っ白の単色カラーです。
レッドの単色のカラーです。
黄褐色の単色のカラーです。
ブラックとブラウン、ホワイトとブラウンなど2色が混在するカラーです。
黒と白の毛が混ざっているカラーです。
ブラックとタン(黄褐色)のカラーです。
3色が混在するカラーです。
ブラック&タンの毛色にホワイトが混ざっています。
ここで取り上げたカラー以外にも、チワワのカラーは多数存在します。
なお、まだら模様のマールという毛色も存在しますが、この毛色は遺伝性の疾患がある可能性が高く、イギリスのケネルクラブではマールの毛色は認められていません。
チワワは体も小さく比較的飼い易い犬種ではありますが、お手入れは必要です。
基本的なことはしっかりケアしてあげましょう。
体が小さいので、運動自体はよほど小さなスペースでなければ、家の中で走ったりおもちゃで遊んであげるだけで十分と言われています。
しかし、外に連れて行くことは犬たちのストレス解消には大きな役割を果たします。
私たち人間も、ずっと部屋の中で生活していたら、たまには気分転換に外に出たくなるときもありますよね。
また、外で他の犬と触れ合うことで社会性も身に付きますので、散歩に連れ出してあげることは非常に重要です。
飼い主とのコミュニケーションにもなるため、適度に お散歩 に連れて行ってあげましょう。
基本的に室内飼いの犬種です。
家の中でチワワを飼育できる環境を整えてあげましょう。
また、チワワは非常に寒がりの犬種。
冬は防寒対策をしっかり整えてあげることが大切です。
室内温度を気をつけることはもちろんのこと、状況に応じて 洋服 を着せてあげたり、毛布を準備するなど体を冷やさないように工夫してあげましょう。
スムースは短毛種なのでトリミングは難しいですが、長毛種のロングコートチワワは、 トリミング でカットの形を変えることもできます。
スムースのような全体的に短いカットにしたり、尻尾の先の毛だけを残してあげたりと雰囲気を変える飼い主さんもいます。
一番大事なのは、見た目よりも犬たちが快適に過ごせることですので、夏は写真のようにさっぱりサマーカットにしてあげてもいいかもしれませんね。
また、ブラッシングは犬たちの健康を保つためにも必要です。
スムース・ロングともに、定期的にブラッシングして毛や皮膚の状態を健康に保ってあげるようにしましょう。
チワワで多いとされる病気が、水頭症、膝蓋骨脱臼、結膜炎などが挙げられます。
愛犬に少しでも異変が見られた際は、直ちに動物病院に連れて行ってあげてください。
小型犬に多い病気で生まれつきの脳の病気です。
頭蓋骨の中にある脳の周りには脳脊髄液が流れており、何らかの原因でその流れが滞ってしまうと、脳脊髄液が増えて脳を圧迫します。
それにより、様々な神経症状が出てきます。
異常な興奮状態や攻撃性の増加、噛みつき、歩行の異変、痴呆症状、活気のなさ、目が外側を向くなどです。
重症になると痙攣や昏睡状態にまで進行することがあるので、なるべく早く異常に気付いて治療を行うことが重要です。
難しい名称ですが、人間でもよくいう「膝のおさら」のことです。
膝のおさら部分が外れてしまう病気で、こちらも小型犬がかかりやすく、先天性のことが多いです。
この病気は、症状も軽いものから重たいものまで個体によって様々です。
軽い場合は時々脱臼するくらいで通常は日常生活に支障がないものから、重たい場合は膝が外れた状態から元に戻らずに歩行障害が出たり、骨が変形してしまう場合もあります。
痛みも状態によって様々ですが、わんちゃんは人間に比べるととても我慢強い動物と言われており、人間が異変に気付く頃にはかなり進行してしまっている可能性も高いです。
目とまぶたの裏側を覆っている半透明の膜を結膜と呼びますが、この結膜が炎症を起こす病気です。
短頭種の犬やドライアイになりやすいチワワなどがかかりやすいです。
症状としては、目やにや目の充血、まぶたの周りの赤み、涙がよく出るなどが挙げられます。
チワワ全てがこの病気にかかるわけではありませんが、チワワがかかり易い傾向のある病気をご紹介しました。
また、この病気以外はかからないというわけではなく、この他にも様々な病気がありますので、少しでもわんちゃんに異変を感じた場合は、すぐに動物病院に相談してください。
寿命 は15歳前後が平均的です。
小型犬のため、比較的長生きの犬種ではありますが、先に紹介したようにかかりやすい病気などもあるので、なるべくストレスのかからない生活を心がけ、健康のためにも信頼できる動物病院で定期的に診てもらうようにしましょう。
限りある命ですが、少しでも長く一緒に暮らせるようにしたいですね。
わんちゃんを可愛がっているからこそ、そのわんちゃんの子供が見たいと考える方も多いと思います。
ただ、人間同様に出産は動物にとっても命がけのことです。
特にチワワは体が小さいために難産になる可能性が高く、出産は非常に難しいとされています。
体が小さいために自然分娩が難しく、帝王切開での出産になってしまうことが多いのです。
もちろん、帝王切開の出産自体に問題がある訳ではありませんが、人間と異なり、犬の帝王切開は全身麻酔をかけての手術となるため、リスクが高まるのは確かです。
素人が知識なく妊娠をさせてしまうと、大事なわんちゃんを危険に晒してしまう可能性があります。
安易に妊娠させる前に、母犬の健康状態、母犬と父犬のサイズが問題ないか、遺伝性疾患がないかなど、様々な条件をクリアすることが必要です。
もし出産を検討されている場合は、信頼できるブリーダーさんや獣医師に相談した上で、しっかりと知識をもった上で検討することが大切です。
チワワはその小ささから、ギネス記録にも登録されています。
プエルトリコに住むミラクルミリーという名前のワンちゃんは、体高が9.65cm、体重は450gしかないそうです。
200mlの缶ジュースのサイズが11cmなので、缶ジュースより小さな犬ということになりますね。
アメリカのフロリダ州に住むヘブンセントブランディというワンちゃんは、体長が15㎝、体重は900gとこちらもかなり小さいです。
今までも最小の犬の部門にはチワワのエントリーが多く、世界最小の犬とされるだけありますね。
30万前後が平均的な相場ですが、それぞれの状態や毛色などによって大きく変わってきます。
場合によっては50万を軽く超える値段がついているチワワもいます。
基本的には、ペットショップや ブリーダー で探すのが一般的です。
しかし、人気犬種ゆえに実は 里親 でもチワワの譲渡案件は非常に多いです。
可愛いわんちゃんがたくさんいますので、もしよかったら里親サイトも覗いて見てくださいね。
原産国:メキシコ
原種:テチチ(諸説あり)
誕生年:1850年(AKC登録は1904年)
入手しやすさ:容易
価格:30万円前後
平均寿命:15歳前後
毛色:ブラック&ホワイト、ブラック&タン、ブラウン&イエロー、ピュアレッド、タン、ホワイトなど
体重:1.5〜3kg程度
体高:15〜23㎝程度
特徴:小さな体、アップルドームの頭、大きな立ち耳、黒く大きな目
性格:明るく陽気、番犬気質、忠実、勇敢、甘えん坊、やきもち焼き、知的
かかりやすい病気:水頭症、膝蓋骨脱臼、結膜炎
毛種:短毛種(スムース)、長毛種(ロング)
見た目の可愛さだけでなく、飼い主への従順さと勇敢さを持ち合わせたチワワ。
マンション住まいや核家族が増えた現代ではより飼い易い犬種ですよね。
体も小さいので、外出も一緒にし易いですし、いつも隣で寄り添ってくれる素晴らしいパートナーになることでしょう。
しかし、小さいといっても大事な命を育てることには決して変わりはありません。
家族で話し合ったり、現在の環境を考慮しながら迎え入れてあげてくださいね。
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監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/09/28
公開日 : 2018/05/05