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ハリネズミは、哺乳綱Eulipotyphla目ハリネズミ科ハリネズミ亜科(Erinaceinae)に分類される構成種の総称です。
ネズミ と名前がつきますが、実際はモグラに近い生き物です。
イギリスでは生け垣の下に住んでいることが多いため、英名は「Hedgehog」(生垣のブタ)と呼ばれています。
また、古代エジプトや中世ヨーロッパでは、主に食材として扱われてきた歴史があります。
日本においては、2005年12月にハリネズミ属が属単位で特定外来生物に指定(2006年2月施行)されています。
2015年には環境省の生態系被害防止外来種リストにおける総合対策外来種のうち、ハリネズミ属は重点対策外来種に指定されています。
ハリネズミの大きさは種類にもよりますが、成体で20㎝ほどです。
体重は約250g~600gと個体差があります。
ハリネズミの平均寿命 は2年~5年と言われています。
まだペットとして発展途上の生き物ですので、あくまでも目安として考えると良いでしょう。
ハリネズミには、多くの種類やカラーが存在します。
日本で飼育できる種類には限りがありますが、ここでは人気の種類やカラーを紹介します。
ペットとして飼育されるハリネズミの中で、最も一般的な種類です。
ほとんどの種類が5本指であるのに対し、指が4本しかないことが特徴です。
現在は特定外来種指定をされているため、ペットとして飼育することはできません。
動物園で見ることが可能です。
一般的なノーマルカラーです。
鼻先は黒みを帯びた茶色で、針の色は濃い茶色または黒と白です。
針の色が全体的にシナモン色で、人気の高いカラーです。
鼻先がピンクがかった明るい茶色をしている個体もいます。
全身真っ白な針で、瞳の色は赤目が特徴の美しいカラーです。
上半身と下半身でカラーが異なることが特徴です。
ハリネズミの中でも高額になります。
ハリネズミはアフリカ大陸、ユーラシア大陸、インドネシア、フィリピン、ヨーロッパと広く分布しています。
森林から砂漠まで幅広くに生息し、群れではなく単独で生活しています。
ハリネズミの性別は、生殖器で見分けることが可能です。
オスはお腹の中心にボタン上の小さな生殖器があります。
メスは肛門の近くに生殖器が存在します。
オスとメスで体の大きさや性格に違いはありません。
ハリネズミは1年中繁殖が可能ですが、気温が安定している春や秋がおすすめです。
いきなりオスとメスを同居させるのは危険ですので、日数をかけて少しずつお見合いをさせていきます。
生後6ヵ月以降がハリネズミの繁殖適齢期とされています。
ペアになると、オスは「ピーピー」と鳴きながらメスを追うようになります。
交尾は約4分ほどです。
交尾が終わったら、オスとメスを別々のケージに分けましょう。
妊娠すると、交尾後およそ3週間後にメスは体重が50g以上増えることや、乳首が大きくなると言った変化が現れます。
ハリネズミは一度に2匹~4匹ほど出産します。
出産後約2週間は、母親は非常に気が立っており、少しのことで育児放棄や子食いをしてしまう危険性があるため注意が必要です。
飼い主さんは必要以上にケージ内をいじることや掃除を避け、高栄養、高カロリーのフードを十分に与えるようにしましょう。
赤ちゃんは生後3週間頃から離乳をし、大人の食事に興味を持ち始めます。
生後6~8週間後には、独り立ちが可能になります。
赤ちゃんが大きくなるにつれ食べる餌の量も増えますので、十分に食べられるよう量を増やしましょう。
また、子供のハリネズミは大人より温度差に弱いため、温度管理を徹底することも重要です。
食性は雑食で、ミミズなどの虫や昆虫、 鳥類 の卵やヒナ、果実、甲殻類、魚類、動物の屍骸、小型哺乳類など、様々なものを食べて生活しています。
ハリネズミは基本的に鳴き声を発することは少なく、ボリュームも小さめです。
鳴き声を変えることで、感情を表しているとされています。
「シューシュー」「プシュープシュー」:警戒、威嚇
「ピーピー」:機嫌が良い、求愛、母親を呼ぶ際
「キューキュー」、「キーキー」:激しい苦痛、恐怖
「クンクン」、「フンフン」:リラックス、興味を引くものがある
「ピーピー」と鳴くハリネズミの様子です。
ハリネズミの性格は基本的に臆病です。
しかし、私たち人間のように、ハリネズミの性格には大きな個体差があります。
臆病でずっと巣箱に隠れている子もいれば、好奇心旺盛ですぐに人間に懐く子もいます。
人と遊ぶより部屋の探索が好きな子など、様々な性格が存在します。
お迎えの際は、しっかりと観察して性格を見極めることも必要でしょう。
ハリネズミはまだペットとしてポピュラーではないため、小さなペットショップではなかなか見かける機会はありません。
大型のペットショップや、エキゾチックアニマルを扱っているペットショップ、ハリネズミカフェなどで販売されています。
ハリネズミの値段 はおよそ1万~4万円です。
輸入したものか日本で産まれたものかや、カラーなどで価格が異なります。
ケージはハリネズミがゆとりをもって生活できる広さのものを用意してください。
アクリルやプラスチック製など、様々な種類のケージが販売されていますので、生活環境や飼育方法に適した素材を選びましょう。
参考価格:3,350円(税込)
メーカー名:SANKO
サイズ (幅X奥行X高さ):17.5×48.0×32.0cm
重量:1.3㎏
生産国:中国
ハリネズミはトイレを覚えないため、ケージの底には通気性の良い床材を敷き詰めます。
床材には木材やトウモロコシでできたペレット状のものがおすすめです。
パインチップは動いた際に粉が飛び散ったり、アレルギーがある子もいるため、あまりおすすめできません。
また、床材の下に新聞紙やペットシーツを敷くとより吸水性が上がり、多湿を苦手とするハリネズミに向いています。
暗く狭い場所を好むハリネズミに、寝床は必須アイテムです。
ハリネズミ一匹が丁度は入れるくらいのサイズのものを用意しましょう。
ハリネズミ専用でなくても、木材から陶器製など、様々な素材、サイズ、形状の巣箱が小動物用として販売されています。
ハリネズミには、 ドッグフード や キャットフード のように、工的に作られた「ペレット」と呼ばれる「ハリネズミ専用のフード」を主食に与えます。
ハリネズミ専用のフードは、ハリネズミに必要な栄養を計算して作られているため、必要な栄養をバランスよく補う事が可能です。
市販で見かけることはなかなかありませんが、インターネット上で検索すると様々な種類が販売されています。
人工添加物や保存料、着色剤など余分な材料の使用がないものを選んで購入しましょう。
参考価格:2,099円
メーカー名:SANKO
内容量:1kg
生産国:日本
雑食性のハリネズミは、ミルワームや コオロギ を副食として与えると喜びます。
また、芋類やニンジン、キャベツ、小松菜などの野菜やリンゴ、バナナなどの果物も好んで食べます。
※合わせて読みたい: ハリネズミの餌のあげかた・与え方の注意点・好きな食べ物を解説
エサ入れ、水入れを用意しましょう。
エサ入れはあまり深いものだと食べにくいため、底が浅く、洗いやすいものを設置しましょう。
給水器はボトル式でも、皿状のものでも構いません。
ケージやその子のタイプに合わせて用意しましょう。
1日に5kmも走りまわると言われるハリネズミには、回し車は必須アイテムです。
狭いケージの中では、運動不足になりがちで、運動不足はストレスになってしまいます。
回し車のサイズは大きいほうがよく、32cmのものも販売されており、ケージにゆとりがある方はこのくらいのサイズがおすすめです。
ハリネズミの適温は24度~28度ほどです。
多湿を苦手としますので、湿度が40%以上にならないようにしましょう。
温度が29.5度以上になると、夏眠に入ってしまうと言う説もあるため、温度の上げすぎには注意が必要です。
さらには、20度以下になると冬眠してしまうとも言われています。
飼育下ではうまく冬眠できず死んでしまうリスクもあるため、気を付けてください。
このように、ハリネズミは温度管理を慎重に行う必要があります。
ケージ内に温湿度計を設置し、こまめに温度や湿度を管理してください。
夏場はエアコンや除湿器をフル稼働させ、冬場はペットヒーターにサーモスタットを設置しておくと安心です。
参考価格:3,250円
メーカー名:マルカン
サイズ (幅X奥行X高さ):23x16x1.45cm
参考価格:3,151円(税込)
メーカー名:ミニマルランド
サイズ (幅X奥行X高さ):4.8×3.2×11.8cm
重量:200g
生産国:中国
基本的に単独で生活しているハリネズミは、複数飼育には向いていません。
複数飼育をしたい場合には、ケージやお散歩時間を別々にする必要があります。
基本的に、人間に懐く生き物ではありません。
飼い主さんは自分に害がない存在と認識することで、「慣れる」という表現が正しいと言えるでしょう。
動画やカフェにいる子は特別だと思ってください。
どの個体もあのように懐いてくれるわけではありません。
慣れることもなく、全く触ることもできない「観賞用」に近い存在になってしまう子も少なくありません。
お迎えしてから「思っていたのと違う」と感じる方も多いことでしょう。
そのことから、飼育放棄が後を絶たないことも悲しい現実です。
最初から「懐く生き物ではない」と頭に入れておくことが肝心で、慣れてもらうことを目標に置き、懐いたらラッキーだと考えましょう。
手乗りハリネズミの様子。
飼い主さんに懐いているように見えますが、これは非常に珍しいケースです。
※合わせて読みたい: ハリネズミは人になつく?ハリネズミをなつかせる方法とは
ハリネズミはペットとしての歴史が浅く、まだ飼育している方もそれほど多くありません。
そのため、ペットとして飼育するうえでの情報量や飼育用品が十分でないことも事実です。
飼育書で得られる飼育方法が少ないことや、ハリネズミに合った飼育用品やエサが少ない、診察できる動物病院があまりないなど、まだまだ発展途上と言えます。
ハリネズミをお迎えする際には、情報量が少ないことを頭に入れ、ハリネズミの生体に詳しい方やコミュニティに参加するなどして、お迎え後もハリネズミの生体について手探りで学ぶ必要があるでしょう。
ハリネズミはまだ日本国内で繁殖されれることが少なく、生体は輸入されたものも多く販売されています。
海外から来た個体は、長旅から免疫力が下がり、弱っている子や病気にかかっている子も少なくありません。
「購入後に病気になってしまった」と動物病院を受診する飼い主さんも多いようです。
したがって、生体選びは慎重に行う必要があります。
ペットショップのような販売店には、ハリネズミの活動時間である夕方以降に来店することがおすすめです。
健康状態のチェック方法としては、以下のポイントを参考にしてください。
午前中や日中は寝ているため分かりにくいのですが、活動時間である夕方以降も寝てばかりいると、体調に問題がある可能性があります。
また、下痢をしていたり痩せている、鼻水や目やにがついているような個体は、弱っている可能性があるので購入は控えましょう。
ハリネズミは夜行性の動物です。
午前中から日中はほとんど寝ており、夕方から明け方にかけて活発に活動します。
私たちとは逆の生活パターンであるため、眠っている日中は睡眠を邪魔しないよう、静かな環境に置いてあげましょう。
ハリネズミの活動時間は夜間ですので、仕事で日中留守にしてしまう方でも、夜にしっかりお世話ができれば、十分に飼育することが可能です。
夜間は静かに過ごしたい方や、ワンルームなどハリネズミと部屋を分けることのできない生活環境の方には、夜行性のハリネズミとの同居は難しいと言えます。
夜行性として有名なペットである ハムスター ですら、同じ部屋では夜間の活動音が睡眠妨害に感じられることもあります。
ハムスターより体が大きなハリネズミは、さらに夜中は活動音をうるさいと感じる方も多いでしょう。
ハリネズミはトイレを覚えることができません。
ケージ内の至る場所に排泄してしまうため、毎日の掃除は欠かせません。
掃除をしないと、不衛生な環境で病気にかかってしまうリスクが高まります。
また、ケージから出した際にも自由に糞尿をしますので、お散歩時やその後の掃除も必要になります。
ハリネズミを診ることのできる動物病院の数は限られています。
「エキゾチックアニマル」を扱っている動物病院では比較的診療が可能です。
事前に診てもらえる動物病院をリサーチしておくことは必須です。
遠方になってしまう可能性もあるため、万が一に備え、交通経路の確認や、ハリネズミを運ぶキャリーケースも用意しておきましょう。
また、遠方の際は連れていく前に動物病院に連絡をし、長旅になることを伝えたうえで、獣医師の判断を仰ぎましょう。
約30匹のハリネズミたちと触れ合えるカフェです。
人間に懐いているハリネズミと触れ合い、気に入った子がいれば、生体の販売も行っています。
性格やカラーをじっくり選べることが、カフェならではの強みです。
住所:東京都港区六本木 6-7-2 IWAHORIビル2F
マップ: Googleマップ
連絡先:03-3404-8100
営業時間:13:00~19:00、土日祝12:00~20:00
ハリネズミとの写真撮影をコンセプトに、可愛いハリネズミと触れ合える空間です。
予約前払いの方には、ハリネズミと一緒に撮った写真をその場でプレゼントしてくれるそうです。
気に入った子がいれば、生体販売も行っています。
魅力あふれるハリネズミと記念の一枚を残してみてはいかがでしょうか。
住所:東京都台東区浅草1-14-3
マップ: Googleマップ
連絡先:03-5830-3615
営業時間:12:00〜20:00(最終受付19:00)
ハリネズミの他にも うさぎ や モモンガ 、 チンチラ 、 フェネック など、様々な種類の 小動物 たちと触れ合えることが可能です。
また、別館では フクロウ や ヘビ をはじめとした両生類と触れ合うこともできます。
ペットをお迎えしたいけど、どの種類が良いか迷っている方にもおすすめです。
住所:東京都豊島区東池袋1-29-4 成田ビル6F
マップ: Googleマップ
連絡先:03-5396-7751
営業時間:平日 13:00~18:00(最終受付 両ROOM共に17:00)、土日祝 11:00~19:00(最終受付 ふくろうROOM17:30 / 小動物ROOM 18:00)
そもそもハリネズミの「針」は何でできているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
ハリネズミのトゲは、毛がまとまって固くなったもので、つまりは「毛」です。
質感は人間の爪に似ており、体の半分を覆っています。
ハリネズミの針は、立っている時に触ると痛いです。
ハリネズミは臆病で警戒心が強いため、驚かせたり懐いていない状態で触ろうとすると、実を丸めて毛(トゲ)を逆立てます。
これは、ハリネズミが天敵から身を守る大切な手段ですのでどうすることもできません。
ハリネズミは、いつも毛を逆立ているわけではありません。
また、毛が生える方向に規則性もあるため、毛並みに沿って抱えるようにすれば、抱っこをすることが可能です。
しかし、驚いたりすると急に毛を逆立てることがあるため、飼い主さんは驚いて落としたりしないよう気を付ける必要があります。
人間に懐いていない個体や毛を逆立てられるのが嫌な場合には、皮手袋などを使用すると良いでしょう。
どんなに人間の元で生活している子でも、全く毛を逆立てない個体は稀なようです。
あまり懐かない、温度管理をこまめに行う必要があるなど、初心者向けとはいえないハリネズミ。
しかし、その愛らしい見た目や仕草を見ているだけで、十分に私たちを癒してくれる不思議な生き物です。
まだペットとして発展途上であるハリネズミは、飼育数や情報量も少ないため、お迎えするには事前に必要な知識を取り入れておくことや、ハリネズミの性質や習性を良く理解しておく必要があります。
ハリネズミという生き物がどんなものか実際見て確かめたい方は、まずはハリネズミのいるカフェなどを訪れてみるのも良いでしょう。
公開日 : 2017/12/16