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本記事では以下の様な構成でモモンガの特徴や生態、飼育方法や必要な備品まで徹底解説します!
非常にボリュームのある記事ですがこれを全部読めばモモンガマスターになれること間違いなしです!
モモンガは飼育が難しいので、実際に飼おうと考えてらっしゃる方は必ず最後まで目を通して飼い方や注意点を確認してくださいね!
モモンガの仲間は日本にも生息しており、古来よりよく知られていた動物のひとつです。
生物分類上は、はリスの仲間に属し、主に山間部やより標高の高いエリアの森林地帯に生息しています。
夜行性の動物 であり、昼間は巣穴で寝て暮らしています。
両肢の間に飛膜があり、木々の間などを滑走できる特徴を持っています。
他のリスの仲間同様に、自然界では木の実、果実など植物性のものを食しています。
平均的な大きさは、
体長:14-20センチ
体重:20-200グラム
程度で、人間の手のひらに乗る位の大きさです。
自然界での寿命は、 3-5年位 といわれています。
以上、日本に棲んでいるモモンガの特徴について説明しましたが、他のモモンガの仲間も多少の差こそあれ、同じような生態です。
同じような特徴を持つ動物にムササビがいます。
ムササビも、リスの仲間に属しており、生息地域も食性もほとんど変わりありません。
では、どのような点が異なり、判別されるのでしょうか?
ムササビは
体長:27-48センチ
体重:700-1300グラム
と、モモンガに比べれば大型です。
モモンガが空飛ぶ「ハンカチ」なら、ムササビは「空飛ぶ座布団」みたいな大きさでしょう。
モモンガは前肢と後肢の間にのみ飛膜がありますが、ムササビは首から尻尾にかけても飛膜に覆われています。
余談ながら、マレー半島やフィリピンには、ヒヨケザル(サルの仲間ではありません)という動物が棲んでいます。
このヒヨケザルも飛膜を持ち、ムササビやモモンガと同じように木々の間を滑空することができます。
モモンガは通常20-30メートル(長くて50メートル)位ですが、ムササビは100メートル以上の滑空が可能です。
他にモモンガの方が目が大きいことや、尻尾の形が異なるなどの違いがあります。
モモンガの仲間は世界に広く生息しておりますが、ムササビは意外なことに日本固有の動物です。
上記のように、ムササビとモモンガは遠目から見ると、大きさ以外はあまり変わりないようです。
古代の人は、これらの動物が夜行性のうえ、人里離れた場所に棲んでいるために、あまり実物に触れることがあまいありませんでした。
そのため、我が国でも平安時代位までは、ムササビとモモンガの区別はされていませんでした。
この仲間は、かつて 「モミ」 あるいは 「ムササビ」と呼ばれ、その「モミ」の呼称が転じて「モモ」となり、江戸時代位に 「モモングア」になったと推定されています。
ちなみに「モミ」は 「毛美」との意味で毛並みが美しく、かつて毛皮として重宝させた歴史をもち、「グア」とは鳴き声に由来するものといわれています。
モモンガはかつて、妖怪の一種とされた時代があり、「モモングア」の呼称は忌み言葉だったこともありました。
その「モモングア」が、さらに転じて「モモンガ」になったと伝えられています。
現在においても、山奥の森林地帯で夜中にしか活動しない野生のモモンガやムササビは、気軽に観察できる動物ではないことに変わりありません。
このように、自然界ではなかなかお目にかかれないモモンガ達ですが、ペットとしては下記の3種類が代表種となっております。
1. タイリクモモンガ
2. アメリカモモンガ
3. フクロモモンガ
後述しますが、現在は様々な事情により、上記3種類がすべてペットとして流通しているわけではありません。
輸入規制になって輸入量が激減しているものもあれば、取引自体禁止されている種もあります。
まず、ペットとしてモモンガを飼うにあたって、その性質を知っておく必要があります。
モモンガの仲間は夜行性です。
昼間はほとんど眠っているため、飼い主とのふれあいの時間は非常に少ないといわざるを得ません。
仕事などの関係で帰宅時間が遅い方や、日中家を空けることの多い方には問題ないでしょうが・・・。
癒しを求めて飼い始めたモモンガなのに、寝姿しか拝めないなんて・・・と嘆いても自然の節理なので仕方ありません。
眠っているモモンガを無理に起こそうとすると、ストレスを感じ攻撃的になることがあります。
モモンガの性格は警戒心が強くて臆病です。
従って個体差もありますが、人には懐きにくい動物ですので、過度の期待はしない方はよいでしょう。
また室内飼育が基本となりますが、室内の温度設定にかなり気を使います。
1年を通じて、18-28℃位でエアコン設定をするのが理想的な環境ですが、その時の温度が飼い主が快適と感じかは別問題です。
また大きな物音や環境の変化は大変なストレスになり、最悪ショック死してしまうこともあります。
モモンガのトイレの躾は出来ないと思ってください。
通常はケージに掴まったまま糞尿をしますが、ケージ周辺は排泄物で汚れます。
ケージから出して、室内で運動などさせると時には、室内で排泄される恐れがあるため要注意です。
種類的には、アメリカモモンガはあまり体臭もなく、糞尿も気にするほど臭いません。
しかし、フクロモモンガに至っては臭腺が発達しており、体臭もかなりきついばかりか、糞尿も臭いです。
モモンガの代表種としては、タイリクモモンガ、アメリカモモンガ、フクロモモンガの3種があげられます。
ここでは、3種の特徴と、ペットとして飼育するのに向いている種について解説します。
タイリクモモンガは 大きさ 14-22センチ程度と、通常のモモンガと同じくらいが若干大きめなモモンガです。
生息地は、ロシア(シベリア)、中国、朝鮮半島などユーラシア大陸北部で、北海道にも亜種である「エゾモモンガ」が棲んでいます。
かつてはペットとして人気があり、流通しておりましたが、現在では商取引を含め、譲渡、飼育すべて禁止にされてしまいました。
理由として、日本固有の動物に害を与える害獣4として、2006年に「特定外来生物」の指定を受けたからです。
日本固有種であるエゾモモンガとの交配によって、エゾモモンガが危機にさらされてしまうというのが主な理由です。
日本の外来種対策については こちら をご覧ください。
そのため、新規にモモンガを飼おうと思っている方には縁のない動物だといえます。
この法律に指定される以前から飼育していた人は、環境省に申請して飼育の許可をもらわなければなりません。
もし許可なく飼育した場合処罰の対象になります。
では、タイリクモモンガを除いた2種、アメリカモモンガとフクロモモンガはどちらが飼育に向いているのでしょうか。
「入手しやすさ」「懐きやすさ」「臭い」の3観点から見ていきましょう。
比較的にペットショップで流通しているフクロモモンガに比べて、アメリカモモンガの流通量は多くありません。
2005年に、輸入動物の手続きが強化させてから原産地からの輸入が激減し、現在流通している個体は国内繁殖が主流となりつつあります。
アメリカモモンガを販売しているペットショップは非常に少なく、入手のしやすさではフクロモモンガに軍配が上がります。
アメリカモモンガは野性味が強く、人間になかなか懐きにくい性格があります。
警戒心が強く、飼い主であっても、一度不信感を抱いたらまず懐きません。
ベビーの頃から根気強くふれあえば、懐いてくる個体もあるでしょうが、あまり期待できないのが現実です。
その点、フクロモモンガは集団生活をしている関係上、ベビーの頃からふれあえば、非常に懐く個体もあります。
なかには飼い主がそばにいないことがストレスになってしまう個体までいるようです。
いずれにしても個体差、及び飼い主との距離感も大きく影響しますが、慣れやすさもフクロモモンガに軍配が上がります。
ペットを飼育するにあたって、その臭いは気になるものです。
アメリカモモンガはもともと体臭が少なく、排泄物の量も少ないばかりか、あまり臭いません。
それに比べ、フクロモモンガは臭腺が発達しており、悪臭を発します。
縄張り意識が強くマーキングする必要があるからです。
オスの方が臭いが強いですが、メスも臭いです。
また排泄物の量も多く、とても臭います。
この点では、アメリカモモンガに軍配が上がります。
例えば動物園で動物を見ることは、あくまで鑑賞することが目的であって、その動物との直接のふれあいまでは望まないでしょう。
モモンガらしさを求め、あくまで鑑賞用の動物として捉えるのなら、アメリカモモンガを飼育した方がよいでしょう。
逆にペットとして、癒しやふれあいを求めるのなら、間違いなくフクロモモンガを選択した方がよいといえます。
最近ペットショップなどで見かけることの多くなったフクロモモンガ。
マニアの間では「フクモモ」の愛称でも知られています。
その可愛らしいルックスと、販売価格も手頃なこともあって思わず衝動買いしたい気分になった方も多いのでは・・・。
おそらく、ペットショップなどで最大のライバル動物といえば、種類こそ違いますが、「ハリネズミ」かもしれませんね。
しかし、ハリネズミ同様簡単に飼育できる動物ではありません。
海外でも 「シュガーグライダー」 の名でペットとして絶大な人気を誇るフクロモモンガの実態と飼い方について迫ります!
まず、フクロモモンガは「モモンガ」の仲間ではありません。
通常のモモンガの属するリスの仲間ではなく、 有袋類 ・・・すなわちカンガルーなどの仲間なのです。
その証拠としてメスの腹部には育児囊があり、その中で子育てをします。
フクロモモンガは、オーストラリアやニューギニアなどの森林地帯に小さな群れをつくって生息しています。
生涯を樹木の上で過ごします。
夜行性 で、棲んでいる場所の関係もあり、野生下で見つけることは困難な動物です。
他のモモンガ同様、警戒心が強く臆病です。
また縄張り意識が強く、自分の縄張りに別の個体が侵入してきた際には激しく攻撃する面もあります。
その縄張りを主張するために唾液や臭腺から発する臭いで、マーキングをします。
そのマーキング行為が、ペットとして飼う際の問題点のひとつになっています。
体長:16-21センチ
体重:90-150グラム程度
飛膜を広げた際の大きさは、ハンカチを広げた位になります。
最大で、 50メートル位 滑空が可能です。
雑食性で、ユーカリやアカシアの樹液、果物の他、昆虫等も食べております。
自然界では、縄張り争いなどで、多くが1年程度で命を落とします。
飼育状況下では、 10-15年 生きると言われています。
夜行性で、警戒心が強く、臆病、しかも縄張り意識が強い小動物・・・そんなクセモノである、フクロモモンガの飼い方を解説しましょう。
フクロモモンガと暮らしたい場合、どこからお迎えするのがよいのでしょうか。
ここでは費用や購入場所、お迎えするののはベビー、ヤング、アダルト個体のいずれがオススメかなどをご紹介します。
フクロモモンガは大型ペットショップの他、ネット通販などでも購入できるため比較的入手しやすい動物です。
通常は離乳時期が済んだヤング個体が販売させていることが多いです。
ペットショップ経由の場合、スタンダード品種でヤング個体を購入すると 1-3万円位 。
繁殖個体を専門業者から購入した場合、やはりスタンダード品種のヤング個体で 3-6万円位 で購入可能です。
またペットとしての品種改良も進んでいて、
アルビノ
ブラック
モザイク
プラチナ
など体色を改良した個体も販売されています。
これは飼い主の趣味や嗜好の問題となりますが、10万円を超える場合も少なくありません。
下記写真の真っ白な個体が 「アルビノ」です。
ネット通販で宅配で入手するより、直接販売店も赴いて気に入った個体を購入することをおすすめします。
夜行性の動物のため購入時間は 夕方以降 の方が、ベストな状態を観察できます。
購入する際に、ショップで食べていた餌の種類、および動物病院を紹介してもらいましょう。
どちらを購入するかは飼い主の趣味もありますが、価格はメスの方が高い傾向にあります。
オスの方が懐きやすい傾向がありますが、臭いがきついです。
メスの方は、警戒心が強く懐くのに時間がかかりますが、一旦懐くと非常に甘えん坊になる傾向があります。
ちなみにオスは成長に従って頭頂部の毛が薄く禿げ上がってきます。
フクロモモンガは非常に神経質な動物のため、最初は断然単独飼育にします。
しかし、もともと集団生活を営んでいる動物のため、飼い主が構ってあげる時間が少ない場合は複数飼育を検討します。
オス同士だと喧嘩をしますので、繁殖を望まない前提であればメス同士の方はよいでしょう。
フクロモモンガは約1年で成獣になります。
飼い慣したいのなら、確実にベビーを購入した方がよいといえます。
ベビーの価格はヤングやアダルトの個体と比べて、1-2万程度高い傾向にあります。
そして、なにより非常に飼育が難しく手間がかかります。
いずれにしてもフクロモモンガは環境の変化にはとても弱い動物です。
購入直後は、あまりふれあいを求めずそっと見守ってあげましょう!
フクロモモンガは産まれて直ぐに母親の育児囊で授乳を受けて育ちます。
その期間は意外と長く 、4-6週間 にも及びます。
ベビーを購入した場合は貴方が母親代わりになります。
どんな動物でもそうですが、赤ちゃんは免疫力が少なく弱いので、ちょっとした変化で死んでしまうことも少なくありません。
ベビーには専用のケージは必要ありません。
昆虫用のプラスティックケースに新聞紙などを敷いて育てても大丈夫です。
注意事項として
1. 温度は30℃、湿度は50%に保つ。
2. 8時間毎にスポイトでミルクを与える。
朝晩の冷え込みが厳しい時は、ヒーターをケースの下に設置するなどして保温を保ちましょう。
ミルクは人肌に温めてからあげるようにして下さい。
またミルクはモモンガベビー専用のものを与え、牛乳などは絶対に与えないで下さい。
腹下しなどの原因となります。
この期間は飼い主にとっても非常に負担となりますが、ここで信頼関係を築ければ、フクロモモンガは貴方をかけがえのない存在とみなしてくれるでしょう!
成獣になったフクロモモンガにはどのような飼育環境が必要となってくるのでしょうか。
飼育に必要なものや温度管理、また臭い対策についてもご紹介します。
フクロモモンガの活動範囲は広いので大きめのケージを用意してあげましょう。
また、フクロモモンガはマーキングしながら移動するので、ワイヤーにコーティングされているものがより扱いやすいです。
なおワイヤー製のものを使用する場合は、モモンガが脱走しないようにワイヤーの幅に気を付けてくださいね。
野生のモモンガは生涯の樹木のうえで暮らします。
ゆえに、ケージのなかにも止まり木を設置してあげましょう。
止まり木はケージの高さと同じ位の高さでなるべく一本木が理想といえます。
無農薬、艶出しなどが塗っていないものを選びます。
リス専用の餌入れで問題ありません。
ケージのなるべく高い位置に棚を設置し、その上に設置します。
ステージに取り外し可能な陶器製食器が付いたものもあるので、そちらを取り付けるのもオススメです。
小動物用のぶらさげタイプが一番よいでしょう。
上記写真のサンコーマルチボトルは80cc、125cc、250ccの3サイズがありますよ。
モモンガ用がなければ、リス用で代用します。
布製のものやココナッツを使用したものなど、種類は様々です。
時期により涼しい場所や暖かい場所の確保ができた方がいいので、保温用と涼み用に最低でも2種類の巣箱があるとよいでしょう。
フクロモモンガはケージに掴まって排泄する傾向があります。
ケージの床およびケージの周辺にはペット用シーツを敷いておくと掃除のときに楽です。
モモンガは雑食性ですが、植物性の餌も豊富に食べます。
偏食が激しく、気に入った食材しか食べない傾向があり、栄養失調になりやすいです。
市販のモモンガフード、ゼリーを中心に、いちごやブルーベリー、スライスリンゴ、小松菜などをあげましょう。
ゼリーの中には水分補給用のものもあるので、お水をうまく飲めない子にはそちらもオススメです。
ゆで卵の白身や煮干し、時々ミルワームなどの昆虫も与えるようにします。
やはりお手軽なのはモモンガフードですが、偏食が激しい個体では食べない傾向があります。
またドッグフードやキャットフードでも代用できますので、種類を替えるなどして徐々に慣らすようにしてください。
主食をなんとかモモンガフードやドッグフードなどにできれば、飼い主も安心です。
ネギ類やスイセン、チューリップの球根などは有害ですので、くれぐれも与えないよう注意してください。
熱帯~亜熱帯地域に棲んでいるフクロモモンガは寒さには弱いです。
適温は、 18-28℃ といわれていますが、 20℃を下回ったらエアコンなどで調節するようにしましょう。
直射日光を嫌うため、ケージは太陽が当たらない場所に設置します。
しかし、カルシウム不足を補うため、 適度の日光浴 も必要になってきます。
ケージの中だけでの生活はフクロモモンガにとって、運動不足及びストレスとなります。
時々飼い主の目に入る範囲内で、室内に放してみましょう!
慣れれば、短距離ですがモモンガの醍醐味である滑空を見ることができます。
注意事項として
1. 排泄される危険
2. コードなどを齧られる
3. 水におぼれる
4. 行方不明になる
などの心配があります。
まず、外に脱走しないように窓は確実に締めます。
上記心配事項を解決する場所としては、浴室が最適な場所といえるでしょう。
もちろんバスダブの水をすべて抜いておくことが大前提ですが、排泄させても掃除が楽です。
仮に目を離してしまい、行方不明になった場合、夜まで待ちましょう。
昼間に脱走した場合、どこか狭い場所で眠っている場合もあるからです。
家具などの後ろに潜んでいた場合、むやみに移動すると事故の原因となります。
夜が来るのを待って、ケージの入り口を開けておきます。
自分から戻ってくる場合もあるからです。
部屋の所々に餌やおやつを置いておきます。
空腹になって戻ってくるかもしれません。
フクロモモンガは臭う動物であると触れました。
臭腺については、自然界で生き抜くために備わった特性のため、ある態度は我慢するしかありません。
動物病院で、スカンクやフェレットのように臭腺を取り去る手術もありますが、フクロモモンガの場合臭腺が多く、費用的にも個体にも大きな負担となります。
毎日こまめにケージを掃除し、ペット用の消臭剤を置くようにするか、空気清浄器を設置します。
消臭剤を使用する場合、人間用では、フクロモモンガにとって臭いがきつすぎて、ストレスになるため、必ずペット用にしてください。
ある程度臭いは軽減されますが、フクロモモンガは 「臭う動物」 であるとの認識は忘れないでください。
フクロモモンガは本来警戒心が強く、臆病な動物です。
正直なところ、飼い主が非常に根気強い心構えがないと警戒心を解いてくれません。
ベビーのフクロモモンガを購入した方が懐きやすいといわれています。
まず慣らすステップとして
1. いきなり触れたりしないで、しばらく様子を見て環境に慣らす。
2. 専用のポケットや巾着袋に入れて、飼い主の臭いを覚えさせる。
3. 徐々に手すがらに餌を与えるようにする。
4. 慣れてきたら充分なスキンシップをとる。
という流れになります。
飼い主の臭いを覚えさせるのが、最も大事なことなので、ケージの中に飼い主の臭いのついたハンカチなどを置いて覚えさせる方法もあります。
また、大きめの上着のポケットや専用のポーチに、餌と一緒に個体を入れて休ませてあげます。
仮に眠ってしまってもそのままにしてください。
飼い主に慣れて安心しようとしているのですから。
フクロモモンガは飼い主に一旦心を許すと、非常に甘えてきます。
飼い主がそばにいないと逆にストレスを感じる個体もいるほどです。
ただ個体差が激しいことは充分覚悟してください。
フクロモモンガはペットとして人気が出てきたといっても診察してくれる動物病院は多くありません。
購入先に確認するなどして、情報収集に努めましょう。
フクロモモンガが罹りやすい病気として
1. くる病、骨粗鬆症など代謝性疾患
2. ストレスからくる自傷行為
3. 下痢
4. エアルジア症・トリコモナス症など寄生虫に関する病気
などがあります。
偏食が原因の栄養失調、餌が合わない、ストレスなど生活習慣に関わるものが多いです。
上記のエアルジア症などは野生採取種に多く、最初から体内に原虫を宿していた場合がほとんどです。
その他、ケガや事故として
1. 高いところから落ちて骨折する。
2. 水場で溺れる。
なども比較的多い事例です。
飼い主が予防できることは、極力予防に努め、適切な診察を受けさせることが長生きさせる秘訣です。
ペットとして飼育できるモモンガで、フクロモモンガと双璧をなすアメリカモモンガ。
有袋類のフクロモモンガと違い、リス科モモンガ属のモモンガです。
残念ながら事情により輸入量が激減して、入手の機会が少なくなっていますが、根強い人気を誇っております。
それでは、アメリカモモンガの特性について説明していきましょう。
褐色がかったグレーの体毛と大きな目が特徴で、一見みたらほとんどリスのような外形です。
まさに「空飛ぶリス」とよぶにふさわしい動物です。
アメリカモモンガの標準的な大きさは
体長:13-15センチ
体重:50-80グラム
と、フクロモモンガと比較しても小型のモモンガであり、シマリスと同じくらいの大きさです。
目ばかりでなく、耳も大きく、尻尾は平たい形状になっており、リスのように背中に合わせて持ち上げていません。
この点は尻尾を持ち上げているタイリクモモンガとは異なります。
また長い口ひげはセンサーの役目を果たしています。
アメリカモモンガは、その名のとおりアメリカ合衆国の他、カナダ南部、メキシコ、中米の北部に生息しています。
広葉樹の多い森林地帯で暮らし、最大12メートルもある比較的高い樹木に巣穴をつくることもあるようです。
熱帯~亜熱帯エリアに生息しているフクロモモンガよりも寒さには強いですが、逆に暑さにが弱い性質があります。
また、生まれた地域によって体毛の色が変化する特色があり、その体毛色の濃淡などで、どこの出身なのか知ることもできます。
完全な夜行性の動物であり、一生のほとんどを木の上で過ごします。
基本的に単独生活をしていますが、寒さが強い冬などは仲間同士で寄り添って寒さをしのぐ習性があります。
基本的には 警戒心が強く臆病な性格 です。
しかし、ストレスで死んでしまうこともあるタイリクモモンガと比較すると、精神力は強い面があります。
野性味が強いため、人には懐きにくい傾向があります。
長距離での滑空が可能であり、最長で1度に、 50メートル 移動することができます。
非常に甲高い声で鳴きますが、高すぎて人間の耳には非常に聞き取りにくいです。
自然界では雑食性であり、木の実や果物のほか、昆虫や鳥のヒナまで食べることもあります。
自然界での寿命は5年程度といわれていますが、飼育下では長ければ15年近く生きることもあります。
北米大陸には、アメリカモモンガの他 「オオアメリカモモンガ」 というモモンガが生息しています。
その名の通り、アメリカモモンガよりも大型で
体長:25-30センチ
体重:120-150グラム
と倍近い大きさがあります。
アメリカモモンガほどではありませんが、このオオアメリカモモンガもペットとして飼育することができます。
米国では開拓時代からペットとして飼育されてきた歴史のある、アメリカモモンガ。
ペットとして考えた場合、どんな問題点があるのでしょうか?
アメリカモモンガは現在、入手することが難しい状態が続いています。
2005年以降、輸入手続きが強化されたため、規制対象動物として輸入量が激減してしまいました。
現在細々と流通しているものは、 繁殖個体がほとんど です。
ペットショップなどで取り扱っている場所も少ないうえ、年に何回か流通する程度です。
また繁殖自体が難しい動物のため、高値取引が続いている現状です。
アメリカモモンガの情報が少ないため、ネットなどで販売先をこまめにチェックし、アポをとって確認するのが一番適切な方法かと思われます。
予約販売を行っているショップも多く存在しています。
おおよその購入金額としては、3万円程度です。
この金額が高値がどうかの判断は人それぞれですが、なかなか入手できない点では「高嶺」な存在といえるかもしれません。
フクロモモンガはベビーのうちから育てれば懐きやすい傾向がありますが、アメリカモモンガはそうはいきません。
個体によっては、ベビーから育てると非常に懐いてくる個体もありますが、あまり期待しない方が無難かもしれません。
警戒心が強いため、飼い主に一旦不信感を抱いてしまうと、信頼関係を再築することは困難だといわれます。
観賞用の小動物と割り切っておいた方が、後悔しないかもしれません。
フクロモモンガの説明でも触れましたが、モモンガは夜行性の動物です。
飼い主の生活スタイルにもよりますが、ふれあう時間は少ないことも覚悟しておきましょう。
アメリカモモンガを飼うにあたって準備するケージ、その他飼育キットは基本的にフクロモモンガと同じで構いません。
餌についても、フクロモモンガと同様の餌を与えて大丈夫です。
また飼育にあたっての注意事項も、おおかた同じと考えて頂いてよいと思います。
そこで、フクロモモンガの飼育と異なる点を説明していきましょう。
アメリカモモンガを飼育するにあたっての理想的な温度は、18-23℃位が最適です。
寒冷地に近い環境でも生息しているため、寒さには強いですが、暑さと湿気には弱いです。
しかし、18℃を下回る環境は好ましい状態とはいえません。
また日本の真夏の環境はモモンガにとって熱中症の危険が高く、致命的になります。
エアコンで適度な温度管理を心がけるようにして下さい。
自然界では単独行動をしている動物のため、単独飼育が望ましいです。
複数飼育は可能ではあり、逆に複数飼育の方が状態がよい個体もありますが、オス同士は喧嘩するため避けた方が無難です。
単独飼育した方が、飼い主には慣れやすいというメリットもあります。
齧歯類であるモモンガは一生にわたって歯が伸び続ける傾向があります。
歯が伸びすぎると、うまく餌を食べることができなくなるため、栄養失調を起こす危険性があります。
固めの木で作られた止まり木やおもちゃを設置し、自分で齧らせて歯切りするか、定期的に動物病院で歯切りをしてもらう必要があります。
それでも、アメリカモモンガは、臭いも少なく鳴き声も小さいなどのメリットもあるため、集合住宅などで飼育するのにも適切なペットといえるかもしれません。
日本国内に棲んでいるモモンガは、 「ホンドモモンガ」 および 「エゾモモンガ」 の2種類です。
ともに夜行性でリスの仲間ですが、生息地や特徴が若干異なります。
日本固有種で北海道を除く、本州・四国・九州に生息しています。
山地から亜高山帯の森林地帯で暮らし、夜行性のために、自然界で目撃できることは稀です。
大きさは
体長 : 15-20センチ
体重 : 100-200グラム
と比較的小型です。
雑食性で、自然界での寿命は、 4-5年 といわれています。
日本国内では北海道に生息するタイリクモモンガの仲間です。
生活エリアは広く、平野部から高地にまで及び札幌市内の公園付近にも生息していることが確認されています。
古来はアイヌの人々に子守の神様として敬われてきた歴史を持っています。
ペットとしてのタイリクモモンガが 「特定外来生物」 に指定されたのは、本種との交配により、エゾモモンガの種が消滅してしまう恐れがあったからだといわれています。
大きさは
体長:オス 16-18センチ メス 15-17センチ
体重:80-120グラム (平均的な体重、しかしオスの方が重い)
とオスの方がやや大型です。
民家の屋根裏にも巣穴をつくることもあり、そのルックスの愛らしさもあって、よくテレビ番組で紹介されています。
食性は雑食性で、寿命は、自然界では、 3-4年程度 といわれています。
日本に生息しているモモンガなら生活環境も変化がなく、ペットとして飼いやすいのでは・・・と思うかもしれません。
この2種類とも個性的で魅力があり、飼い主の心をくすぐる動物だと思います。
もし飼育できるなら、基本的に他のモモンガの飼育方法と考えてよいでしょう。
しかし結論から述べますと、国産のモモンガをペットとして飼うことは禁止されています。
『 鳥獣保護管理法 』という法律によりモモンガは保護対象動物に指定されているのです。
そのため、狩猟はもちろんのこと、飼育も処罰の対象となってしまいます。
森林の伐採や乱開発により、モモンガの生息地域は狭まりつつあります。
地方自治体によっては、個体数の激減により 「絶滅危惧種」 に指定しているところもあります。
古代より我々日本人に馴染みのあったモモンガ・・・優しく見守ってあげましょう!
生息地 : オーストラリア、ニューギニア島および周辺島嶼
体 長 : 16-21センチ
体 重 : 90-150グラム
特 徴 : 有袋類 人に懐きやすい 体臭が強い
食 性 : 雑食性
寿 命 : 飼育下で最大15年程度 (自然界では7年位)
生息地 : カナダ南部、米国、メキシコ、中米北部
体 長 : 13-15センチ
体 重 : 50-80グラム
特 徴 ; 野性味が強い 暑さに弱い 輸入制限あり
食 性 : 雑食性
寿 命 ; 飼育下では最大15年程度 (自然界では5年位)
生息地 : ユーラシア大陸北部
体 長 : 14-22センチ
体 重 : 130グラム程度
特 徴 : マイペースな性格だが、精神的に弱い。特定外来生物に指定のため新規飼育禁止。
食 性 : 雑食性
寿 命 : 飼育下では10年程度 (自然界では3-5年)
生息地 : 本州、九州、四国
体 長 : 15-20センチ
体 重 : 100-200グラム
特 徴 : 日本固有種 飼育は禁止
食 性 : 雑食性
寿 命 : 4-5年
生息地 : 北海道
体 長 : 15-18センチ
体 重 : 80-120グラム
特 徴 : タイリクモモンガの亜種 飼育は禁止
食 性 : 雑食
寿 命 : 3-5年
いかがでしたでしょうか?
モモンガの仲間は、その生息地域や夜行性といった特徴から、自然界で最も観察しにくい動物のひとつです。
こうした特徴をもつモモンガを飼うことは決して容易なことではありません。
飼い主の日常生活が制限されてしまうことが多いかもしれません。
しかし国の内外を問わず、根強い人気を誇っているのは何故でしょうか?
おそらくその愛くるしい表情と仕草など、飼い主の苦労を忘れるほどの魅力があるからなのかもしれません。
しかし、事前に正しい知識がないまま飼い始めてしまったために、「こんなはずじゃなかった!」 と後悔している人が多いことも事実です。
うまく飼育すれば、10年以上の長い付き合いになるます。
皆さんも、モモンガの性質・特徴を理解したうえで、この小動物を飼育してみませんか?
最終更新日 : 2020/11/29
公開日 : 2016/10/23