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世界で一番小さなキツネ、フェネックの生態や飼い方について元飼育員が解説






あなたは「フェネック」という動物を知っていますか?
フェネックは大きな耳、ふさふさで大きなしっぽがかわいらしい世界で一番小さなキツネです。

ペットとしての人気が高く、最近では動物カフェでもその姿を見かけるフェネック。
一体どのような動物なのでしょうか。

本記事では元動物園飼育員である筆者が、フェネックの生態や飼い方について解説していきます。

【目次】世界で一番小さなキツネ、フェネックの生態や飼い方について元飼育員が解説

 

フェネックの生態

フェネックの分布

フェネックの大きさ

フェネックの鳴き声

フェネックの食性

フェネックの特徴

フェネックの繁殖 

フェネックの生態まとめ

フェネックはペットとして飼えるのか

フェネックの購入方法

フェネックの値段

フェネックの飼い方

1. フェネックのエサを用意する

2. フェネックの飼育環境を整える

3. フェネックの病気について

フェネックを飼う時の注意点

1. 臭い対策が必須

2. 人に慣れにくい

3. 夜行性の動物である

フェネックがいる動物園・水族館

【東京都】井の頭自然文化園

【愛知県】豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)

【京都府】京都市動物園

さいごに

 

 


フェネックの生態

 

岩の間から見えるフェネック

 

フェネックは、北アフリカや中東の砂漠地帯に生息しているイヌ科の哺乳類です。

小型犬 ほどの大きさの動物ですが、砂漠地帯での暮らしに適応した面白い特徴をたくさん持っています。

 

それでは早速、大きな耳とふさふさのしっぽを持つフェネックの生態をご紹介します。

 

 

フェネックの分布

 

砂の上に寝転がるフェネック

 

フェネックは北アフリカ(アルジェリア、エジプトなど)や、中東の砂漠地帯や砂地の乾燥地帯で暮らしています。

 

砂漠地帯は非常に乾燥していて、昼間は暑く夜は寒いという特徴があります。

フェネックはそんな砂漠に適応した、暑さや乾燥に強い動物です。

 

 


フェネックの大きさ

 

 

フェネックは野生のイヌ科動物の中で、一番体が小さい動物です。

 

大人になっても体長は35〜40cm、体重1.3〜1.6kgと小型犬ほどの大きさにしかなりません。

ふさふさとしたしっぽは非常に長く、17~30cmほどになります。

 

 

フェネックの鳴き声

 

 

フェネックは 「ワンワン」「キューキュー」「ホロロロ」 といった様々な声で鳴きます。

鳴き声だけ聞いたら、一体どんな動物が鳴いているか想像もつかないですよね。

 

また、フェネックはその小さな体からは想像もできないほど、非常に大きな声で鳴きます。

声の大きさを知らずに飼ってしまうと、トラブルの原因になってしまう可能性があります。

 

 


フェネックの食性

 

巣の中にある卵2つ

 

フェネックは小型の哺乳類や鳥類、卵、昆虫、果実、葉などを食べる雑食性の動物です。

野生では食べ物の少ない砂漠地帯に生息しているため、食べられるものはなんでも食べているようです。

 

動物園では馬肉やハツカネズミ、バナナや野菜などを与えています。

 

 

フェネックの特徴

 

フェネック

 

フェネックは砂漠地帯での生活に適応した特徴を持っています。

 

フェネック最大の特徴といえば、「 コウモリ のようだ」とも例えられる大きな耳です。

この耳は周囲の音を敏感にとらえるだけではなく、体の熱を外に出す働きをしています。

 

もう1つの大きな特徴は、足の裏にびっしりと毛が生えていることです。

足の裏の毛が靴のような役目を果たすため、焼けるように熱い昼間の砂漠の上も歩くことができます。

 

また、足をスコップのように使い、砂漠に巣穴を掘って昼間の暑さや夜の寒さをしのいでいます。

 

 


フェネックの繁殖 

 

岩の上にいる2匹のフェネック

 

フェネックの繁殖は、非常に難しいです。

 

フェネックは生まれてから9~11か月ほどで性成熟を迎えます。

その後、50日ほどの妊娠期間を経て、1回に1〜4頭(時には6頭)の赤ちゃんを生みます。

 

しかし、フェネックは神経質な性格であるため、相性が良い個体を見つけることが難しいです。

また、せっかく子を産んでも上手に育たないこと、育児放棄をしてしまうことも多いです。

 

動物園でもフェネックの繁殖に苦労していることを考えると、個人がフェネックを繁殖させるのはかなり難しいと考えた方が良いでしょう。

 

フェネックの生態まとめ

 

分類:哺乳綱 ネコ目 イヌ科 キツネ属

和名:フェネック、フェネックギツネ

学名:Vulpes zerda

英名:Fennec、Fennec fox

分布:北アフリカ(アルジェリア、エジプトなど)、中東

大きさ:

体長・35〜40cm
体重・1.3〜1.6kg

鳴き声:「ワンワン」「キューキュー」「ホロロロ」など

食性:雑食

繁殖:

性成熟・生後9~11か月
妊娠期間・約50日

寿命:12〜14年

 

 

フェネックはペットとして飼えるのか

 

眠っているフェネック

 

かわいらしい姿をしているフェネックは、ペットとしての人気がとても高い動物です。

この項目ではフェネックをペットとして飼う時の購入方法、値段を解説します。

 

フェネックの購入方法

 

岩の上からこちらを見るフェネックの全身

 

フェネックは国内のブリーダーや動物取扱業者、あるいは海外から輸入・購入できます。

 

しかし、先ほども説明した通り、フェネックは繁殖させること自体が非常に難しい動物です。

そのため、国内でフェネックを取り扱っているブリーダーや業者は多くありません。

 

また、フェネックは野生では数が減っているため、ワシントン条約の 「付属書Ⅱ」 に分類されています。

付属書Ⅱの動物は必要な書類を用意し、正式な手順を踏めば商業目的の取引・輸入が可能です。

ただ、必要な書類を用意するのは、そう簡単なことではありません。

 

また、イヌ科のフェネックは、狂犬病予防のため 「犬等の輸出入検疫制度」 という制度も適用されます。

狂犬病にかかっていないことを証明するため、輸入時に動物検疫所で180日待機させなければなりません。

待機はただ時間がかかるだけではなく、待機中のエサ代や獣医師による診療代などの費用が全て実費になるうえ、万一命にかかわる自体があったとしても一切保証はされないという条件まで付いてきます。

 

この状況をまとめると、フェネックを輸入することは可能ですが、かなりの手間と費用がかかります。

このような背景からフェネックの輸入数は2004年頃から激減し、年々入手が困難になっています。

 

フェネックの値段

 

 

フェネックは繁殖や輸入が難しいため、1匹あたり60〜100万円、時には100万以上で取引されています。

しかし、非常に人気が高く、この価格であっても予約して数か月待たないと購入できない状況も多々あります。

 

繁殖も輸入も難しいこと、そして人気も高いことを考えると、価格が下がることはあまりないでしょう。

 

 


フェネックの飼い方

 

右からフェネックの顔アップ

 

フェネックは入手が難しく、また非常に高価な動物であることが伝わったでしょうか。

どうしても飼いたいという思いと十分な資金があれば、購入することは不可能ではありません。

 

この項目ではフェネックをペットとして飼う場合の飼い方や、必要なものをご紹介します。

 

1.  フェネックのエサを用意する

 

 

フェネックは雑食の動物であり、どんなものでも喜んで食べます。

 

動物園では馬肉やネズミなどを与えていますが、毎日生肉を用意するのは非常に大変なことです。

自宅でフェネックを飼う場合は、  キャットフード を主食にすると良いでしょう。

慣らせばドライフードも食べますが、より生肉に近いウェットフードをおすすめします。

 

副食としては野菜や果物、虫やゆで卵などを少量与えると良いでしょう。

しつけや投薬が必要になった時に備えて、大好きな食べ物を探しておくことをおすすめします。

なお、毒性があるネギ類やチョコレート、アボカドなどは与えてはいけません。

 

また、与えるエサの量については個体差がありますが、肥満にならず、痩せすぎない量がベストです。

エサは基本的に朝と晩の1日2回与え、フェネックの様子や体格を見ながら与える量を調整してください。

小さい頃から定期的に体重を測って記録しておくと、健康管理に一役買ってくれますよ。

 

2.  フェネックの飼育環境を整える

 

フェネックを飼うためには、エサ以外にも用意しておくべきものがたくさんあります。

この項目ではあらかじめ用意しておきたいものを紹介していきます。

 

ケージ

 

 

まずはフェネックを入れておくためのケージを用意する必要があります。

フェネック専用の部屋が用意できる場合はケージがなくても構いませんが、トイレを覚えないため基本的に放し飼いはしない方が良いでしょう。

 

フェネックは運動量が多いため、ケージは中~大型犬用のものをおすすめします。

 

エサ皿・水入れ

 

 

エサ皿や水入れに関しては、小型犬用のもので十分です。

なるべく丈夫で洗いやすいもの、重量があるか滑り止めが付いているものを選ぶと良いでしょう。

 

ヒーター

 

 

フェネックはある程度の寒さには耐えられますが、気温が下がる時期はヒーターが必要です。

自分で温度調整ができるように、ペット用の遠赤外線ヒーターを使うと良いでしょう。

 

トイレ・ペットシーツ

 

 

残念ながら、フェネックは基本的にトイレを覚えない動物です。

そのため、トイレや ペットシーツ を用意しても、使ってくれない可能性が高いです。

 

ただ、かなり根気強くトレーニングをすることで、トイレを覚えるフェネックもいるようです。

トレーニングを行う予定がある場合は、トイレやペットシーツを用意しておいても良いでしょう。

ペットシーツは何かと応用ができるため、買っておいても良いかもしれません。

 

おもちゃ

 

 

フェネックは遊び好きな動物です。

コミュニケーションを取るために、イヌやネコ用のおもちゃを用意して一緒に遊ぶと良いでしょう。

 

ただしフェネックは噛む力が強いため、おもちゃはあっという間に壊れてしまいます。

壊れることを見越して、いくつか買い置きをしておくと良いでしょう。

 

穴掘りができる場所

 

緑と黄色のフェンスとフェネック

 

野生では砂漠に穴を掘って暮らしているフェネックは、穴掘りが大好きな動物です。

ストレス発散や運動のために、穴掘りができる場所を用意してあげましょう。

 

ただしフェネックを庭に放すと、穴を深く掘って敷地から脱走してしまう可能性があります。

庭に放す場合は目を離さないようにするか、穴を掘っても外に脱走できない構造にする必要があります。

 

3.  フェネックの病気について

 

 

フェネックはイヌ科の動物であることから、イヌと同じ病気にかかります。

特に致死率が高い ジステンパー や、じわじわと体を蝕んでいく フィラリア に注意しましょう。

 

イヌの場合、ジステンパーやフィラリアは予防接種で防げる病気です。

しかし、フェネックにとっては、予防接種をすること自体のリスクが高いとも言われています。

予防接種をするかどうかは、かかりつけの動物病院とよく相談した方が良いでしょう。

 

フェネックはいわゆるエキゾチックアニマルであり、一般的なペットではありません。

つまり、フェネックの診療経験があり、十分な治療ができる動物病院は決して多くありません。

 

フェネックをお迎えする時は、必ず事前にフェネックの診察が可能な動物病院を見つけおきましょう。

また、万一の通院や治療時のために、まとまったお金をあらかじめ用意しておくことをおすすめします。

 

 

フェネックを飼う時の注意点

 

縦長写真・フェネック顔アップ

 

ここまでフェネックを飼う方法や、用意しておきたいものについて説明してきました。

この項目ではフェネックならではの注意点や、知っておいて欲しいことを説明していきます。

 

1. 臭い対策が必須

 

 

フェネックをはじめとした、 キツネ の仲間の排泄物には強烈な臭いがあります。

食べるものによって左右されますが、ウンチは特ににおいが強く、ツンとした独特の刺激臭があります。

 

そして、ウンチが非常に臭うにも関わらず、ほとんどのフェネックはトイレを覚えません。

また、排泄物を汚いと思わないため、ウンチやオシッコを踏んだり、平気でその上で寝転がったりします。

そして、足の裏の毛にたっぷりウンチやオシッコが付いた状態で歩き回るため、フェネックが動き回る場所は強烈な臭いになることを覚悟しておいてください。

 

ケージはある程度風通しが良い場所に置き、こまめに換気することをおすすめします。

また、臭いは水で洗った方が取れやすいため、洗い替えのケージを用意しておくと良いでしょう。

 

2.  人に慣れにくい

 

2匹のフェネック

 

フェネックは非常に人に慣れにくい動物です。

 

もちろん他の動物と同じように、フェネックにも様々な性格の個体がいます。

小さい頃からしっかりと慣らせば、ベタ慣れになる個体もいます。

しかし、どれだけ慣れていても、数日~数週間離れるだけで関係性が崩れてしまうとも言われています。

 

フェネックは基本的にペットと親密な、べったりとした関係を築きたい方には向かない動物です。

 

3.  夜行性の動物である

 

眠そうな2匹のフェネック

 

ぜひ覚えておいて欲しいのが、フェネックが 夜行性の動物 であるということです。

彼らは昼間眠っていますが、夜になると活発になって大きな声を出しながら動き回ります。

 

毎晩大きな鳴き声をあげながらバタバタと動き回る彼らと、同じ空間で生活できるでしょうか。

大きな鳴き声が家族や近所の方の迷惑にならないでしょうか。

 

フェネックを飼う時はフェネックや自分のことだけではなく、周囲のこともよく考える必要があります。

 

 

フェネックがいる動物園・水族館

 

 

ここまでフェネックをペットとして飼う場合の飼い方や、注意点について説明してきました。

どれだけ大変でもフェネックを飼ってみたい!と考えている方は、一度動物園に行って彼らのにおいや声の大きさを確認してみてはいかがでしょうか。

 

この項目では、フェネックを飼育している動物園を紹介していきます。

 

【東京都】井の頭自然文化園

 

 

東京都内にある井の頭自然文化園は、動物を身近で観察したり触れあったりできる動物園です。

 

同園ではフェネックが群れで飼育されているため、群れにならではの行動を観察できます。

また、積極的に繁殖に取り組んでいるため、タイミングが良ければフェネックの赤ちゃんに会えるかもしれません。

 

井の頭自然文化園の基本情報

 

住所:東京都武蔵野市御殿山1-17-6

電話番号:0422-46-1100

入園料:

一般    400円
中学生   150円
65歳以上   200円

開園時間:9:30~17:00

休園日:月曜日(祝祭日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~翌年1月1日)

公式ホームページ:  井の頭自然文化園

 

※合わせて読みたい:  「井の頭自然文化園」の見どころを徹底ガイド!沢山の小動物に水辺の生き物も

 

【愛知県】豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)

 

 

愛知県にあるのんほいパークは動物園と植物園、遊園地と博物館が一度に楽しめる公園です。

 

同園のフェネックは夜行性動物館で飼育・展示されています。

動物園ではどういった巣箱や床材、エサ皿を使っているかじっくり観察してみると良いでしょう。

 

豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)の基本情報

 

住所:愛知県豊橋市大岩町字大穴1-238

電話番号:0532-41-2185

入園料:

大人    600円
小・中学生 100円

開園時間:9:00~16:30  

休園日:月曜日(祝祭日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~翌年1月1日)

公式ホームページ:  豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)

 

【京都府】 京都市動物園

 

 

動物の生態を生かした展示方法が評判の京都市動物園でも、フェネックが飼育されています。

 

フェネック舎には隠れ家が多数設置されているので、どこにフェネックがいるか探してみてください。

舎内には体重計も設置されているため、運が良ければフェネックの体重測定を見られるかもしれません。

 

京都市動物園の基本情報

 

住所:京都府京都市左京区岡崎法勝寺町 岡崎公園内

電話番号:075-771-0210

入園料:

一般            600円
中校生以下      無料

開園時間:

3月~11月  9:00~17:00
12月~2月  9:00~16:30    

休園日:月曜日(祝祭日の場合はその翌日)、年末年始(12月28日~翌年1月1日)

公式ホームページ:  京都市動物園

 

 

さいごに

 

フェネック

 

本記事では世界で一番小さいキツネ、フェネックについて解説してきました。

フェネックが一筋縄ではいかない動物であることが伝わったでしょうか。

 

フェネックは動物園をはじめ動物カフェやふれあい体験でも見かける、比較的身近な動物です。

しかし、トイレのしつけができないこと、夜行性であること、鳴き声が大きいことを考えると誰にでも飼える動物ではありません。

 

フェネックを飼う時は彼らの生態を把握した上で、十分な準備を行ってからお迎えしてくださいね。


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