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ターキッシュバンは、トルコのバン地方で古代から生息していると考えらえている 猫の種類 です。
バン地域はイランやイラク、そしてロシアと接する地域で、イスラム教の聖なる山とされるアララット山がある山岳地帯です。
その厳しく寒冷な気候によりターキッシュバンはがっしりとした体とカシミヤのような被毛を持つようになりました。
ターキッシュバンの起源は古く、トルコから持ち出すことが禁止されているバンキャットに次いで、ターキッシュアンゴラとともに数少ない希少猫とされています。
ターキッシュバンはノアの箱舟のお話しにも登場します。
その話によると、ターキッシュバンはトルコのバン湖のほとり、アララット山に箱舟が着いたときに泳いで上陸したと語られています。
紀元前1200年頃に造られたとされる猫の像には頭としっぽに色がついていました。
その模様について伝説で語られているのは、しっぽはノアの箱舟でドアが当たって色がつき、頭には神の手がふれたことで色が付いたとされています。
また、イスラム教ではアッラーがターキッシュバンの背中に触れたためにときどき背中に模様があるターキッシュバンが現れると言われています。
このターキッシュバンの被毛の模様はバンパターンと呼ばれてヨーロッパでも注目されました。
19世紀のトルコを描いた作品には度々ターキッシュバンが登場します。
ターキッシュバンがヨーロッパに紹介されたのは1955年頃。
バン地方を旅行していた2人のイギリス人記者がホテルのマネージャーから2匹のオスとメスの子猫をもらいました。
その猫たちが湖で泳いでいるところを見た2人の記者は驚いて2匹を連れ帰り、このめずらしい習性をもつ猫たちをヨーロッパに紹介したのです。
美しい毛並みと「泳ぐ猫」として人気を得たため、品種として繁殖されるようになりました。
この2人のイギリス人は「記者」だったという説と、愛猫家の旅行者だったという説があります。
1969年にイギリスでターキッシュバンとして猫の血統団体に登録されました。
1970年代になってからアメリカに初めてターキッシュバンが持ち込まれ、1985年に国際猫協会(TICA)に、1988年にCFAに品種として登録されました。
トルコではターキッシュバンは国宝級の貴重な猫とみなされており、トルコ農業大学とアンカラ動物園によって血統が保全されています。
胴体は長く、ふさふさとしたしっぽを持っています。
耳の間隔が通常の猫に比べて少し狭く、アーモンド形の大きな目の印象的な顔立ち。
被毛はセミロングですが、季節によって若干変化します。
冬期は体温を維持するため長く密集した被毛で、夏期は尻尾を除いて短い毛に変化します。
美しい毛はビロードのように滑らかで柔らかい触り心地で、さらに水をはじく性質があります。
この被毛があるため、ターキッシュバンは泳ぐことが可能なのですね。
被毛には「バンパターン」と呼ばれる模様があります。
体のほとんどの部分は白く、耳の周辺と尻尾にだけ色がついているのがバンパターン。
バンパターンと言われていますが、地中海地方原産の猫にはよくみられるパターンで、他の猫種にもみられる模様です。
目の色は琥珀色か青色。
また、琥珀色と青色の目もつオッドアイの猫が生まれることがあります。
ターキッシュバンの最大の特徴は、泳ぐことが好きな猫であるということ。
一般的な猫も泳げるかもしれませんが、体が水で濡れることを嫌う猫は多いですですね。
ターキッシュバンは被毛が水をはじくこともあって、水に濡れることにあまりちゅうちょしないようです。
そのため、お風呂などに飛び込んでしまう場合があるので注意が必要です。
体重 オス4kg~8㎏ メス 4kg~7kg
標準的な猫より少し大きめ。
完全に成熟するまでに約3年から5年ほどかかると言われています。
12歳~17歳。
遺伝疾患等が少ない猫なので寿命も長めです。
愛情をかけて育てられたターキッシュバンは、社交的で家族への愛情が強い猫です。
社交的なので他のペットともうまく付き合うことができます。
非常に賢く、愛情深く安定した性格なので飼育しやすいでしょう。
活発で遊びが大好きな猫でもあります。
ターキッシュバンは人間の好みによって生み出された猫ではなく、古くから自然発生して現在まで存在してきた猫です。
そのため、体は丈夫で遺伝疾患も少ないとされています。
ターキッシュバンはまれに肥大型心筋症を発症することが報告されています。
猫に時々見られる病気です。
肥大型心筋症は心室壁が厚くなってしまい、心臓の収縮がうまく行われなくなってしまう病気。
原因ははっきりとはわかってしません。
症状としては、呼吸困難、後ろ足のマヒ、失神、そして最も怖いのが突然死です。
自覚症状があまりなく事前に病気を見つけることが困難ですが、猫が口を開けて呼吸するなどの通常とは違う様子が見られたら早急に獣医を受診してください。
この病気の予防は困難です。
早期発見し、投薬治療などを施すことで 寿命 を延ばすこともできますから1年に1回は健康診断を受けることをおすすめします。
被毛の色が白く、オッドアイの猫は時折、聴覚障害を発症することがあります。
これはターキッシュバン特有の病気というわけではありませんが、ターキッシュバンは被毛の大部分が白く、オッドアイが発現しやすい品種でもあります。
聴覚障害は先天のものがほとんどで、治療はほぼできません。
外で暮らすには耳が聞こえないのは致命的ですが、室内飼育をすれば問題なく暮らせるでしょう。
日本は高温多湿の気候であり、ターキッシュバンは長く防水性のある被毛です。
そのため、とくに夏期は皮膚病を発症していないかブラッシングの際などに確認するようにしましょう。
一般的な猫は狭いところが好き。
ところがターキッシュバンはせまいところが苦手な傾向があるので、 ケージ に長時間閉じ込めたりするのはお勧めできません。
室内で自由に過ごさせてあげるようにしましょう。
ターキッシュバンは活発で運動能力も高い猫。
その希少性からも室内飼育が推奨されますが、室内でも飽きないで運動できるように キャットタワー やキャットウォークなどを準備してあげるといいでしょう。
また、とても頭がいいので飼い主と一緒に楽しむ遊びを覚えることができます。
投げたものをとってくるなどもお手のもの。
猫じゃらしで遊ぶのも大好き。
柄の長い激しく動かすことができる猫じゃらしだと最適です。
たくさん遊んであげるといいですね。
運動能力が高く高い場所を好むので、壊されたり落とされたりすると困るものはターキッシュバンが触れる場所には置かないことをおすすめします。
物を落として遊んだりしてしまいます。
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ターキッシュバンは狭い場所が苦手ですし、車酔いをしやすいかもしれません。
車内で嘔吐したりトイレをしてしまう可能性があります。
個人的には 猫との旅行 などは脱走の危険を伴いますのでおすすめしません。
車での移動は必要最低限にしましょう。
ターキッシュバンは水への抵抗感が極めて低い猫です。
そのため、お風呂への飛び込みはもちろんのこと、水洗トイレで遊んでしまうこともありますので、トイレのふたやドアの管理に注意してください。
また、水道やシンクでも遊びたがります。
洗濯機など危険が伴う家電などに入ってしまわないよう注意が必要です。
ターキッシュバンがシンクなどで遊ぶのが困る場合は、常に水分を拭きとるなどして対処しましょう。
ターキッシュバンはとても珍しい希少種の猫です。
しかも現代の日本は猫にとって安全な場所はほぼありませんから、完全室内飼育をおすすめします。
ターキッシュバンはビロードのような美しい長い被毛を持っていますが、シングルコートで毛玉ができやすいアンダーコートがないので、ブラッシングにはあまり手がかかりません。
春と秋の換毛期以外は抜け毛もそんなに多くないので、長毛種としてはお手入れが簡単な方です。
ターキッシュバンの被毛は水や汚れをはじくので、シャンプーもほぼ必要ありません。
一般的な猫と同様にターキッシュバンも歯周病になりやすいです。
歯周病は他の病気の原因となりますから早期から予防に取り組むといいでしょう。
歯みがきを週に何回か行うことが理想ですが、猫の歯磨きはかなり難しい場合もあるので液体歯みがきなどを利用しても効果が期待できます。
週に1度程度耳の状態を確認してください。
耳の外側が汚れている場合は柔らかいコットンなどを湿らせて優しく拭き取ってあげましょう。
内耳に赤くなっていたり匂いがするなどの異常が見られる場合は、自分で対処しようとせずに獣医で見てもらってください。
価格は30万円~40万円。
ターキッシュバンは希少種ですしブリーダーからの購入になるでしょう。
とても珍しい猫なのですぐには手に入らないかもしれません。
予約が必要な場合もあるでしょうし、ある程度迎え入れるまでに時間が必要な可能性もあるでしょう。
ブリーダーの中には利益だけを追求し、猫の健康状態などには留意しない悪質な業者も多数います。
特に最近の猫ブームによりせまい室内で、24時間光を照射することで年に何度も子猫を生ませるような業者もいます。
猫に愛情を持ち、きちんとした知識をもって繁殖しているブリーダーから購入するようにしてください。
購入を決める前にブリーダーがどのような環境で猫の繁殖を行っているかご自分の目で確認されることをおすすめします。
ターキッシュバンの購入費以外に飼育するための費用が掛かります。
猫はきれい好きなので猫の数プラス1個のトイレを用意しましょう。
ターキッシュバンは大きめの猫ですから、一般的な猫用のシステムトイレは小さすぎるかもしれません。
さらに猫は小さいトイレを嫌いますから大きめのものを用意しましょう。
5,000円×2個=10,000円
ターキッシュバンは活発な猫。
キャットタワーがあると猫の住環境がよりよくなりますね。
10,000円~20,000円
水飲み用と食事用を用意しましょう。
陶器かステンレスがおすすめ。
水を飲む場所は複数用意した方がいいので、水用の食器も複数個準備してください。
5,000円
必ずしもなくてもいいかもしれませんが、猫が落ち着ける場所を用意してあげるといいですね。
3,000円~5,000円
爪とぎを用意すると家具や壁での爪とぎをある程度減らすことができます。
複数個用意しましょう。
3000円~5000円
ブラッシング用のブラシを用意してください。
2000円~3000円
歯ブラシ、猫砂など
2000円~4000円
猫の購入費の他に52,000円ほどの費用が掛かることが分かりますね。
年齢・体重などによって変わりますが、1日の食事量を60g~70gとすると1ヶ月で約2kgの キャットフード が必要です。
健康のためにも穀物や添加物の少ないフードを選んであげたいですね。
そして猫はあまり水を飲まない動物なので、できれば食事からも水分をとらせたいもの。
そうするとウエットフードも必要になってきます。
1ヶ月フード代 3,000円~6,000円
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猫はきれい好きなので、トイレの砂はいつでもきれいな状態を保ってあげてください。
1ヶ月の砂代 2000円~5,000円
完全室内飼育でも人間が菌やウイルスを持ち込んでしまう場合があります。
ワクチンでしか防げない、治療法がない病気もあるので完全室内飼育でも最低3種混合ワクチンを年に1度接種しましょう。
4,000円~6,000円
爪とぎの種類によりますが、ボロボロになったら替えてあげる必要があります。
1ヶ月 1,000円~2,000円
年間の費用は14万円。
17年生きたとすると238万円の費用が掛かります。
また、病気になったときは診療代がかかりますが動物の診療代は高額です。
そのために保険の加入も検討された方がいいかもしれません。
費用の面からもターキッシュバンを飼育するかどうか検討が必要です。
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1.原産国 トルコ
2.歴史 大変古くから存在していた猫でトルコでは希少種として大切にされている。
3.大きさ 体重 オス4kg~8㎏ メス 4kg~7kg
4.特徴 防水の長毛でバンパターンと呼ばれる独特の模様がある。泳ぐのが好きという大変珍しい特技がある。
5.性格 愛情深く社交的。運動能力が高く遊ぶことが大好き。
6.気を付けたい病気 心臓病、聴覚障害、皮膚病
7.寿命 12歳~17歳
美しい容姿と泳ぎが得意という珍しい特技を持った希少種のターキッシュバンはとても魅力的な猫ですね。
猫と暮らすということは、ものを壊されたり家や家具が傷ついたりすることがあるということです。
ターキッシュバンは活動的な猫なので一緒に暮らすためには工夫と寛容が必要でしょう。
猫と暮らすためのアイテムも最近ではたくさん出てきていますから、お家の事情に合わせて使用するといいですね。
猫は 犬 のようにはしつけができません。
したいようにするのが猫。
それを許せるか許せないかで猫と暮らすことができるかどうかが決まります。
許せない方は動物と暮らすのはお勧めできません。
一度家族として迎え入れたら最後まで責任を持って、愛情をかけて面倒を見てあげてほしいと思います。
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公開日 : 2017/06/17