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ペットショップだけではなく、湖や池などでも姿を見ることのできる爬虫類の一種です。
日向ぼっこが好きなため、晴れた日には岩や流木の上で気持ちよさそうに日の光を浴びている姿を見たことがある方もいると思います。
日本で見ることのできるカメは基本的に水陸両方で生活していますが、リクガメなどの外国の陸棲のカメは、基本的に水の中に入って生活することは稀と言っても良いでしょう。
水棲のカメは基本的にあまり大きくならないですが、リクガメの中でもケヅメリクガメなどを選んでしまうと、将来非常に大型の個体になってしまい飼育が大変になってしまいます。
ここでは、飼育がしやすく、手に入れることも容易な人気のあるカメをご紹介します。
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ペットショップの爬虫類コーナーでミドリガメと一緒になって販売されていることが多い水棲の亀で、日本でも野生の個体が暮らしているカメです。
日本にはもう一種類イシガメも生息していますが、そちらは現在数が減っているため、ペットショップで売られていることは稀と言えるでしょう。
幼体はゼニガメと呼ばれ、元々はイシガメの幼体を指す言葉でもあります。
クサガメは人に慣れやすく、懐くと名前を呼べばこっちに来てくれたり、散歩をさせると飼い主の後をついてきたりもします。
爬虫類ですが 犬 のようなところもあり、ぼんやりとした顔つきもかわいらしいカメです。
餌も生餌が必要というわけではなく、専用のペレットが数多く販売されています。
生体も餌も値段が比較的安価なことから、ミドリガメ同様買いやすいペットです。
ミドリガメと比べると少々高く、1,000~1,500円程度で販売されていることが多いです。
カメが好むおやつもあるので、飼育をする場合は、時々与えてみると喜んで食べてくれますよ。
※合わせて読みたい: クサガメについて詳しく知ろう!特徴からその生態、飼い方を解説
黒に近い甲羅を持つゼニガメと違い、ミドリガメはその名前の通り黄緑色の甲羅を持つ水棲のカメです。
出店のカメすくいなどでその姿を見たことがある方もいるかもしれません。
500~1,500円程度で販売されていることが多いです。
元々はアメリカ合衆国原産のカメですが、非常に頑丈で日本の生態系に適応してしまい、現在では野生でもその姿を見ることができます。
しかし、クサガメやイシガメなど他のカメの生態系を脅かすだけではなく、ハスや 水草 などの植物も食害することから、日本では要注意外来生物に指定されているカメです。
2022年5月11日には「改正外来生物法」が可決され、 ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の輸入や販売、放出は禁止 する一方で、 個人の販売目的でない飼育や個人間の無償譲渡は容認 されることになりました。
ミドリガメの寿命は30年ほどなので、もし飼育する際は相応の覚悟を持ってお世話する必要があります。
一方で、原産国であるアメリカでは開発による生息地の減少などの原因があり、その生息数は減少しています。
要注意外来生物ではありますが、個人で最後まで責任を持って飼育するにあたっては問題ありません。
ミドリガメは30cm以上とかなり大きくなるカメなので、成体になった時のことを考えて計画的な飼育をすることが望ましいと言えるでしょう。
※合わせて読みたい: ミドリガメの飼い方
温和な個体が多く、足がしっかりしていて、まるで小型の恐竜を飼っているような気持にさせてくれるリクガメたち。
有名なところでいうとゾウガメや、ピンタゾウガメの最後の一頭として有名な「ロンサム・ジョージ」が挙げられます。
彼らは非常に大型になるため、飼育には適していません。
しかし、リクガメといっても最大30cm程度の可愛らしいサイズのカメたちもいます。
ここでは、そういった小型で人気の高いリクガメをご紹介します。
※合わせて読みたい: リクガメの種類と飼い方
ヨツユビリクガメとも呼ばれる可愛らしい小型のリクガメです。
平均28cmほどで、見事な半円型の甲羅が特徴的なことからメロンパンと呼ばれることもあります。
アフガニスタンや中国など、こちらも日本に似た気候を持つ国が原産なため、寒さには強い種類です。
カメは冬眠する種類が多い生物ですが、飼育下ではリクガメに最適な気温を保ち、冬眠をさせないことをおすすめします。
冬眠での事故は多く、春になって目覚めるはずのカメが永遠に起きてこないというケースは少なくありません。
ブリーダーさんでも時折失敗することもありますので、寒さに強いと言ってもヒーターは用意してあげてください。
ロシアリクガメも丈夫な体を持ち、入門におすすめなリクガメなのですが、寒さが続くと消化不良や肺炎などの呼吸器異常の原因にもなってしまいます。
リクガメも今では多くのペットショップで販売されており、ヒーターや紫外線ライトなどの商品は多く揃っているため、そうした器具を揃えることで安心して飼育することができます。
※合わせて読みたい: 4つの爪が特徴の飼いやすいリクガメ!「ロシアリクガメ」の特徴や飼い方を解説
成体で20cm程度の小型のリクガメです。
イタリアやギリシャ、トルコなど日本の気候に比較的似ている地域で暮らしています。
原産地では生息地域の開発により生息数が減少しており、野生個体の捕獲が禁止されているため、日本で流通しているのは全てブリードされた個体です。
また、リクガメの中ではかなり寒さに強く冬眠する性質を持っていますが、飼育下では越冬させた方が冬眠での死亡事故の可能性はなくなります。
カメは雑食性で、水草や貝、魚を食べることもありますが、リクガメは基本的に植物を食べます。
栄養バランスが優れているリクガメフードもありますが、その他にもチンゲン菜やカボチャ、人参などを与えると喜んで食べてくれます。
ヘルマンリクガメはあまり大きな種類ではないため、細かく切ってから与えた方が良いでしょう。
ちなみに、ほうれん草やキャベツは甲羅の形成に役立つカルシウムの吸収を阻害してしまうと言われています。
時には甲羅がへこんでしまう原因にもなるので、美しい形の甲羅を維持したい場合はそうした野菜を与えるのは避けることをおすすめします。
ギリシャリクガメはフランスやブルガリア、モロッコなどに生息している25cmほどのリクガメです。
多くの種類が存在しており、また模様もよく似ているためどこの地域原産であるかがぱっと見ただけではわかりません。
冬眠もできる種類とできない種類がいるため、初心者向けの中ではかなり温度管理には注意をしないといけないリクガメです。
初心者向けのリクガメなため丈夫ではありますが、そうは言っても爬虫類の特性として温度変化には弱いので気を付けてください。
秋頃になると動きが鈍ってくる、少しの寒さでも辛そうにしているなど、冬眠に向いているかいないかはその仕草である程度見分けることもできます。
しかし、そもそもリスクの高い冬眠はさせない方が良いです。
屋外ではなく、必ず屋内で飼育することをおすすめします。
ここで取り上げたロシアリクガメ、ヘルマンリクガメ、ギリシャリクガメはリクガメの中でもかなり人気が高いため、ペットショップでは3種のうちどれかは見かけることができるほどです。
ブリード個体が多く出回っているため値段もそう高くはなく、1~3万もあれば大抵の個体は購入することができます。
※合わせて読みたい: 意外と飼っている人が多い!?ギリシャリクガメの生態や飼い方について解説します
寿命が長いカメたちは、一度家族になると長い年月を一緒に過ごすことができます。
専用のフードもあること、そして昆虫やピンクマウスを与える必要がないことから、そうした餌が苦手な方にはおすすめの爬虫類です。
カメレオンは以前は敷居が高い珍しい生き物とされてきましたが、現在では大型のペットショップで見かけることが多くなってきた爬虫類です。
ゆっくりとした動きに大きな目、背景の色に合わせて自由自在に体の色を変える特性は、カメレオンならではと言っても良いでしょう。
その魅力から、現在流通しているカメレオンの中には野生の個体だけではなく、ブリードされた個体も増えてきています。
どちらかというと上級者向けで飼育しやすいとは言い難いカメレオンですが、こちらではその中でも比較的飼育がしやすい種類をご紹介します。
※合わせて読みたい: カメレオンの種類と飼い方
エボシカメレオンは、その名前の通り、平安時代に男の人がかぶっていた帽子、烏帽子(えぼし)に似た冠を持っています。
流通されている個体はブリードが多いため、健康の面でも心配はありません。
ブリードされていると言っても原産国はアラビア半島などの暖かな場所なため、ヒーターやライトなどは必須です。
しかし、カメレオンは昆虫食です。
それも生きた昆虫が必要となるのですが、エボシカメレオンをおすすめする理由には、昆虫だけではなく果物、そして植物も食べることができるという点が挙げられます。
もっともそれだけでは栄養が偏りますし、主食はやっぱり昆虫となるので、生餌を与えなくてはいけないことは避けられませんが、繁殖方法が確立されていることや昆虫のみを食事にするわけではないという点からおすすめできるカメレオンの一種です。
カメレオンの中では比較的大型なため、飼育ケースは大き目のものが必要となります。
かつ、飼育環境はテラリウムであるのが望ましいと言えます。
カメレオンは滴る水を飲む習性があるので、住んでいる環境をどれだけ再現できるかがポイントです。
その理由は、カメレオンの移動は地面を這うものではなく、木や枝を伝って動くためです。
大きな水槽を用意する、テラリウムの環境を作る、気温や湿度の管理もするなど、そうした面ではまったく初心者向けの爬虫類とは言えないのですが、エボシカメレオンは比較的丈夫なのでカメレオン入門には最適です。
※合わせて読みたい: 烏帽子を被っているようなカメレオン「エボシカメレオン」の特徴や飼い方を解説
瑠璃色の体が美しい、50cm程度のカメレオンです。
カメレオンと聞いた場合、パンサーカメレオンを想像する方は多いと思います。
体の色を自由自在に変えることが非常に得意で、背景にあわせてするすると変わる様子はまるで手品でも見ているような気分にさせてくれます。
神経質な性格の個体が多いカメレオンですが、パンサーカメレオンは人に懐くことが可能です。
そのため、エボシカメレオンと同様に人気がある種類で、ブリードも成功していることから国内繁殖された個体も多いです。
まだまだ飼育の面ではまったく初心者向けとは言えないカメレオンですが、その美しい体の色は非常に見栄えがする美しいペットです。
個体にもよるものの一匹5万円ほどはしますし、テラリウムを作れるような水槽も高価ではありますが、長生きをしてくれた時の感動は言葉に表せないと思います。
また、保護色として体の色を変えるのではなく、気分によって変えたりもする、実はちょっとお茶目な爬虫類でもあります。
※合わせて読みたい: 「パンサーカメレオン」の特徴や飼い方を解説!ヒョウのような美しい模様とカラーが魅力の飼いやすいカメレオン
今回ご紹介したのは飼育がしやすい爬虫類ですが、一度飼育に慣れてしまえば手が出せる爬虫類たちはもっと沢山います。
最初から飼育が難しい種類に手を出してしまうと心配事が尽きないと思うので、まずは入門と言われている爬虫類たちから飼育していくことをおすすめします。
たとえ入門と言われている爬虫類であっても、飼育するための知識を得るためには飼育本を2〜3冊は読むようにしましょう。
どんな動物にも言えることですが、爬虫類は特に環境によって病気になってしまう動物です。
紫外線ライトの強さや、カルシウムやビタミン添加、温度や湿度が管理されているかどうかで、爬虫類が元気に暮らせるかが決まります。
本記事が、爬虫類の知識を少しでも深めたいと考えている方の参考になれば幸いです。
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2023/06/23
公開日 : 2017/12/28