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パンサーカメレオンは 「爬虫綱 有鱗目 カメレオン科 フサエカメレオン属」 の動物です。
体の色(模様)がネコ科の猛獣・ヒョウの柄に似ているため、“パンサー”カメレオンと名付けられたといわれています。
パンサーカメレオンの飼い方について解説する前に、まずはその生息地や大きさ、特徴などをご紹介します。
野生のパンサーカメレオンは、本来マダガスカル島の北東部のみに生息しています。
しかし、人の手によって近隣の島にも移入され、現在はレユニオン島、モーリシャス島でもその姿が確認されています。
爬虫類 である彼らはカルシウムを吸収するために、日光を浴びてビタミンD3を合成する必要があります。
そのため、うっそうと木々が茂る深い森林よりは、適度に日光が入る森林を好み、1日のほとんどを樹上で暮らしています。
パンサーカメレオンは昼行性で昼間は狩りを行い、夜は細い枝にしっぽを巻き付けて眠ります。
パンサーカメレオンの体長はオスで50〜60cm、メスは最大でも30cmほどです。
オスは体が大きく、成体になるとメスの倍ほどの大きさになることが知られています。
パンサーカメレオンは鳴かないため、鳴き声はありません。
鳴き声ではありませんが、威嚇をする時に「シャー」という音を出すことがあります。
パンサーカメレオンは肉食性(動物食)の動物です。
野生では昆虫や節足動物を主食にしていますが、時には カエル やげっ歯類などの両生類や哺乳類なども捕食します。
パンサーカメレオンの特徴の1つは、周囲の状況や気分に合わせて体の色が変化することです。
特にオス同士が縄張りをめぐって戦う時、メスにアピールする時は体の色が非常に鮮やかになります。
逆に縄張り争いに負けたオスや狩りをする時、天敵から隠れる時は目立ちにくい地味な色に変化します。
パンサーカメレオンのもう1つの特徴は、とても長い舌を持っていることです。
カメレオンの仲間は総じて舌が長く、平均して体長の2倍もの長さがあるといわれています。
カメレオンは獲物を見つけると舌を弾丸のように発射し、目にもとまらぬ速さで捕まえてしまいます。
舌の先はねばねばしていて獲物をくっつけられる仕組みになっていて、なんと自分の体重の3分の1ほどの重さの物までくっつけられるんです。
なお、カメレオンが狙いを定めて獲物を捕らえ、口の中に入れるまでにかかる時間はわずか0.07秒ほどです。
パンサーカメレオンはオスメスともに生後半年~1年ほどで性成熟を迎え、繁殖可能になります。
メスは性成熟を迎え、交尾の準備ができると妊娠色と呼ばれる特有の色合い(薄いピンク色)に変化します。
産卵を迎えたメスは土に穴を掘り、1回の産卵で10~50個もの卵を産みます。
産み落とされた卵がふ化するまでには、なんと半年~1年半もの時間がかかります。
なお、パンサーカメレオンのオスとメスを見分ける際は、体の色に注目すると簡単に見分けられます。
オスは産地によって異なるものの基本的に派手な色合いですが、メスは産地を問わず茶褐色の地味な色合いです。
パンサーカメレオンの寿命ははっきりとわかっておらず、2~3年とも6~8年ともいわれています。
しかし、実際には飼育難易度が高いため、2~3年生かせるだけでも飼育に成功したといえるでしょう。
分類:爬虫綱 有鱗目 カメレオン科 フサエカメレオン属
学名:Furcifer pardalis
英名:Panther chameleon
分布:マダガスカル島北東部、レユニオン島、モーリシャス島
大きさ:オスで50〜60cm、メスで30cm
鳴き声:鳴かない
食性:肉食性
繁殖:
性成熟・生後半年~1年ほど
産卵数・10~50匹
ふ化までにかかる日数・半年~1年半
寿命:2~3年ほど、もしくは6~8年ほど
パンサーカメレオンは、ペットとして飼育できます。
この項目ではパンサーカメレオンの購入方法と、その値段と種類について解説します。
パンサーカメレオンは、ペットショップで販売されています。
人気が高く流通量が多いため、扱っているショップは少なくありません。
しかし、初めてカメレオンを飼育する際は、専門知識があり信頼できるショップから購入した方が良いでしょう。
なぜなら、そういったショップであれば、何か困った時に相談に乗ってくれる可能性が高いからです。
また、カメレオンはストレスに弱いため、粗悪な環境で育てられているとお迎え直後に死んでしまう可能性もあります。
その他、カメレオンのベビーを育てるのは難しいため、初心者の方はある程度育った個体を迎えることをおすすめします。
パンサーカメレオンは1匹3万~6万円程度で販売されています。
ただしカラーや状態によって価格に幅があり、10万円を超える個体も珍しくありません。
パンサーカメレオンは産地(ローカリティ)によって、様々なカラーバリエーションがあります。
この項目では特に人気が高い種類とその特徴を紹介しますが、品種の呼び方や商品名はショップや個人によって異なる可能性があります。
マダガスカル北部に生息する、パンサーカメレオンの中でも特に派手なカラーを持つ種類です。
カラーバリエーションも豊富で、緑や青、赤やオレンジなどあらゆるカラーが存在します。
「アンバンジャレッド」「アンバンジャブルー」など、「産地+カラー」という名前で呼ばれることもあります。
マダガスカル北部の離島に生息する、美しいカラーから非常に人気がある種類です。
基調は緑色ですが、「ノシベブルー」と呼ばれる目にも鮮やかな青色の個体がいることで有名です。
マダガスカル北部の都市アンビローブ周辺に生息する、アンバジャに並んで派手なカラーを持つ種類です。
縦に入る帯状の模様のカラーが赤色の場合は「レッドバー」、青色の場合は「ブルーバー」と呼ぶこともあります。
パンサーカメレオンはエボシカメレオンと並んで、比較的飼いやすい種類だといわれています。
そうとはいえ、飼育の難易度が高いことには変わりがないため、飼育する前には念入りな準備を行いましょう。
この項目ではパンサーカメレオンを飼育するために、必要なものを説明していきます。
パンサーカメレオンの主食にはコオロギ、バッタ、ミルワームなどの昆虫を与えます。
入手しやすさや管理のしやすさから、フタホシコオロギを主食にしている人が多いようです。
野生のパンサーカメレオンはさまざまな物を食べていますが、ペットの場合は1種類のエサだけでも飼育できます。
そうとはいえ、1種類のエサだけを食べさせていると、栄養が偏る可能性があります。
そのため、エサに爬虫類用のサプリメントをまぶす、あるいはエサの昆虫に野菜やサプリメントを食べさせてからカメレオンに与えるなどの工夫をすることが大切です。
なお、パンサーカメレオンは急にエサを食べなくなる、「拒食」を起こしやすいことが知られています。
拒食の理由には強いストレス、水分が足りない、体調が悪いといったがあげられることがほとんどです。
拒食が疑われる場合は慌てずに、まずは色々なエサを試してみると良いでしょう。
ケージは高さがあり、パンサーカメレオンがある程度自由に動き回れる大きさの物を選びましょう。
水槽や小動物用のケージ、鳥カゴを使う人や自作をしている人もいますが、基本的には爬虫類専用のケージを使うと良いでしょう。
なお、ケージにはプラスチック、ガラス、メッシュなど様々な材質のものがあります。
そして、それぞれに移動しやすい、空気がこもりやすい、掃除がしやすいなどのメリットとデメリットがあります。
自分の生活スタイルや飼育頭数などの条件から考えて、どのケージを使うか吟味すると良いでしょう。
パンサーカメレオンは樹上性の動物であり、野生では1日のほとんどを木の上で過ごします。
そのため、ケージには止まり木を複数設置し、自由に移動できる状態にしておいてあげてください。
止まり木は市販されている物でも、公園や庭に落ちている物や剪定された物を使っても構いません。
拾ってきた物は一度煮沸消毒し、しっかりと乾かしてから使うと良いでしょう。
パンサーカメレオンは自力で体温を調整できず、気温に合わせて体温が変化する変温動物です。
そのため、ケージの中には保温球を設置し、体を温められる場所を作ってあげてください。
ケージが複数個ある場合は部屋ごとエアコンやヒーターを使い、暖めてしまうのも良い方法です。
なお、カメレオンは寒さより熱さに弱いため、夏場はエアコンを使った温度管理をする必要があります。
夏場は必ずエアコンを入れ、室温が30℃を超えないように調整してください。
パンサーカメレオンの体調を管理するためには、温度計と湿度計が欠かせません。
できればケージ内に複数個の温度計と湿度計を設置しましょう。
そして、ケージのどの部分が暖まりやすいのか、湿度が溜まりやすいのか把握しておくとパンサーカメレオンの体調管理に役立ちます。
パンサーカメレオンの健康を維持するためには、しっかりと水を飲ませることが大切です。
野生では樹上で暮らすパンサーカメレオンは、地面に下りて池や川から水を飲むようなことはしません。
水分は植物の葉や樹皮から流れ落ちる水(露)を舐めて摂取するため、水は動くものだと認識しているようです。
そのため、パンサーカメレオンは水入れを用意しても、そこから水を飲むことはありません。
パンサーカメレオンに水を飲ませるためには爬虫類用のドリッパーを使って葉っぱや枝にぽたぽた水を落とす、あるいは葉っぱや枝、ケージの壁に霧吹きで水を吹きかけるなどの工夫をする必要があります。
パンサーカメレオンの飼い方を説明した後は、飼育する際の注意点をご紹介します。
パンサーカメレオンが健康に生きるためには、適度な紫外線が欠かせません。
紫外線を照射できるライトも販売されていますが、できれば日光浴をさせてあげましょう。
日光浴の際は直射日光に当てるのではなく、日陰があり風通しの良い場所に30分~1時間ほどケージを置きます。
屋外で日光浴をさせる際はネコやカラスなどに狙われないよう、カメレオンから目を離さないようにしてください。
日光浴をさせられない環境の場合は、ケージに紫外線を照射できる爬虫類用のライトを設置します。
ライトは消耗品であるため、定期的に交換してください。
野生のパンサーカメレオンの天敵は主に猛禽類だと言われています。
そんな彼らにとって、上からつかまれる姿勢は天敵に捕まった時の姿勢であるため、強いストレスを感じてしまうようです。
そのため、移動させる時は絶対に上からつかまず、下から手を差し伸べて手に乗るように誘導しましょう。
パンサーカメレオンはストレスに弱いため、乱暴につかむようなことは絶対にしないでください。
飼いやすく魅力的なカメレオン、 「パンサーカメレオン」 について解説してきました。
カメレオンの仲間はストレスに弱く、爬虫類の中でも飼育難易度が高いことで知られています。
お迎えする前には最低1冊は飼育書を購入してしっかりと読み込み、可能な限り知識をつけておいてください。
パンサーカメレオンは非常に美しく魅力的な動物ですが、残念なことに寿命が長いとはいえません。
しかし、その分世代交代が早く繁殖を楽しめるため、そういった面を含めて飼育している愛好家の方も多いようです。
パンサーカメレオンを自宅に迎えたら、ぜひ1日でも長く一緒に生活できるように日々楽しみながらお世話をしてあげてください。
最終更新日 : 2021/03/24
公開日 : 2021/01/27