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アキクサインコをお迎えする前に知っておきたいこと、飼う際の注意点
アキクサインコ は、オウム目インコ科に属する 鳥類 の一種で、学名はNeopsephotus bourkiiです。
普段は数十羽の群れで生活していますが、繁殖期には数百羽の群れを形成します。
暑い日中を避け、夕暮れや明け方に飲水のために水辺に集まる習性がある事から、Night Parrotとも呼ばれています。
基本的に天敵から身を守るため地味な色味が原種のアキクサインコですが、全体的に桃色で黄色のポイントカラーのルビノーやルチノーが、とても美しいと女性を中心に人気を高めています。
アキクサインコは、オスは体長21㎝程、体重は45g~55g程で、メスは全長19㎝程、体重は35g~45g程です。
オスのほうがやや体が大きい中型 インコ です。
寿命は8年~15年と言われていますが、うまく飼育するとそれ以上生きた例も報告されています。
中型インコとしては平均的な寿命の長さです。
アキクサインコの原種は、灰褐色の背面、桃色の腹部、尾羽・風切り羽は黒色、翼や腰羽の一部に青色と、地味な色合いをしています。
淡い色合いで人気が高い種類としてルビノー(主にピンク色で翼の端が黄色、瞳は赤色)やルチノー(淡いピンク色で翼は黄色、瞳は赤色)が存在します。
ルビノーは翼の端のみが黄色なのに比べ、ルチノーは翼全体が黄色なのが特徴です。
海外では色変わりとして青や緑、白と言ったカラーバリエーションも産まれており、繁殖をすると様々なカラーが誕生することもアキクサインコの魅力の一つです。
オーストラリアの固有種で、オーストラリア大陸の西部から東部にかけての内陸部に群れを成して生活しています。
アカシヤの林を好み、森林や草地、荒野で過ごしています。
野生での数は減ってきているものの、ペットとしては人気が高まっている傾向にあります。
アキクサインコの性別の区別は、種類によって判別がつきやすいものと困難なものが存在します。
基本的に比較すると、体が大きな個体がオスであることは共通です。
見分けやすいのが「ローズ」という種類です。
ローズのオスは体から頭にかけて全体的にピンク色です。
これに比べメスは頭の途中に髭のように黒色が入っているため、判断が比較的容易です。
アキクサインコは雛の色変わりに繁殖を希望される方も多いかと思います。
判別が難しい種類に関しては、動物病院で検査をすると分かります。
アキクサインコの繁殖は、難しいほうではありません。
年齢差の少ない若いペアであれば、成功率は高いでしょう。
繁殖には広めの ケージ と巣箱が必要です。
発情期に入ると、オスはメスに吐き戻しをするほか、羽を広げるようなしぐさをします。
メスは巣箱に頻繁に出入りをするようになります。
交尾後は3日~5日程で産卵に入ります。
卵を持ったアキクサインコのメスは、見た目に分かるほど腹部が膨らみます。
1日置きに産卵し、平均6個程の卵を産みます。
卵は産んでから1週間ほどで検卵を行うと、有精卵か無精卵かを判別することが可能になります。
有精卵の孵化率を上げるためにも、余分な無精卵はなるべく取り除きましょう。
雛は平均19日程で孵化し、母鳥から餌をもらいながら成長していきます。
孵化してから約40日程で、巣箱から出てくるようになります。
巣箱から出てたと言っても、まだ十分に自立できていないため、巣箱から出ても2週間は親鳥と同居をさせる必要があります。
ケージ内を自由に移動できるようになった頃が、親と分けるタイミングです。
産卵は親鳥の身体に負担が大きいため、連続した産卵は危険です。
次の卵を産んでしまう前に、雛が巣立ちしたのちは巣箱を一時撤去し、親鳥の体力を回復させましょう。
また、産卵期には繁殖用の高カロリー、高カルシウムの餌を与える必要があります。
雛が孵化した後は、雛に与える 餌 の量も計算に入れ、常に十分な餌を食べられる環境を維持してください。
野生化では植物の種子を主食として生活しています。
一部昆虫を食べることもあるので、雑食性と分類される場合もあります。
鳴き声は美しく、音量は小さめです。
声は高めで可愛らしく、隣近所が近くてもトラブルになることはほぼないと言えるでしょう。
小型インコのセキセイインコよりもボリュームが小さく、美しい声です。
ペットショップなどで見かける セキセイインコ のヒナの鳴き声に似ているかもしれません。
おしゃべりは得意とせず、アキクサインコにおしゃべりは期待できません。
しゃべらない個体がほとんどで、まれに「おはよう」などのワンフレーズをしゃべることができる子がいる程度です。
インコやオウムなどのコンパニオンバードを飼うにあたり、多い悩みの一つが鳴き声の大きさですが、アキクサインコは鳴き声が小さいので、鳴き声に関しての問題は少なく、その面では飼いやすいと言えるでしょう。
アキクサインコは、インコの中でも穏やかで大人しい性格です。
日中はあまり活動せず、夕方から夜にかけて活動的になります。
自分の時間を静かに楽しむことを好みますので、人には懐きますが、触られることはあまり好みません。
また、インコ特有のかじる行為も少ないため、飼いやすいと言えるでしょう。
人気が高まっているとはいえ、セキセインコのようにポピュラーではありません。
鳥類の専門店や、鳥を多く扱っているペットショップを探してみましょう。
アキクサインコの価格は、ノーマルで1万5千円~2万円程、色変わりで2万~3万円程です。
雛やカラーの入り方などによって、値段は多少異なります。
大人しいアキクサインコにあまり大きなケージは必要ありません。
しかし、長い尾羽や、羽を広げてもゆとりのある空間は必要です。
1羽飼育でも最低35角の広さは確保しましょう。
ケージ内には止まり木、エサ入れ、水入れが最低限必要となります。
おもちゃも入れてあげると退屈しのぎに良いのですが、夜中に地震や大きな音などが鳴ると、パニックになって暴れてしまうことが多い種類です。
そのため、ケージ内に余分なものを入れすぎないことが、パニック際にケガの防止に繋がるでしょう。
このパニック行動は オカメインコ にも多く報告されており、「オカメパニック」とも言われています。
パニック行動について詳しく知りたい方は、オカメインコの書籍などを参考にしてみると良いでしょう。
飼育下でのアキクサインコの餌は、主食として混合シードかペレットを与えます。
アキクサインコにおすすめなのは、ペレットと呼ばれる総合栄養食です。
混合シードは、ヒエ、キビ、アワなどを中心に数種類の種子類をブレンドした総合栄養食です。
自然食に近く、嗜好性が高いことが特徴です。
しかし、数種類の種子の中で、好きな種類のみを食べる選り好みをしてしまいがちなことが欠点です。
選り好みをしてしまうと、アキクサインコにとって必要な栄養素をバランスよく摂ることはできません。
また、混合シードの中には、高カロリーなもののブレンドもあります。
アキクサインコは見かけによらず大食いで、肥満に注意しなくてはならないぶん、混合シードを与えることで肥満のリスクが高まってしまいます。
混合シードだけでは栄養が補いきれないため、別途副食でビタミン類やミネラル類を補給させる必要もあります。
ペレットは、 ドッグフード や キャットフード のように、人工的に作られた総合栄養食です。
インコに必要な栄養を考えて作られているため、ペレットのみで必要な栄養を摂取することができます。
ペレットは、トウモロコシなどの穀物を主原料に使用し、インコやオウムに必要なビタミン類やミネラル類などがバランスよく配合されています。
選り好みはありませんが、混合シードに比べ嗜好性が低く、食べてくれるようになるまで時間がかかる個体が多いことが欠点です。
1日に必要な給餌量は体重の10%で足りるため、商品自体の価格は混合シードに比べ高価ですが、1日の単価は決して高くありません。
また、副食が必要ない分、余分な食費を抑えることができます。
ペレットは混合シードに比べ消化が良く、低脂質なため、肥満になりやすいアキクサインコの主食として適しています。
病気などで療法食が必要になった際にも、ペレットを使用することが多いため、普段から慣れさせておくと安心です。
繁殖目的の際にも、ブリーダー用や高カロリー食などと言った、バリエーションが豊富なこともペレットの強みです。
総合栄養食のほかには、小松菜やブロッコリーなどの野菜類、リンゴやぶどうなどの果物をおやつとして与えてあげましょう。
ペレット食の子には、混合シードもおやつとして与えると喜びます。
アキクサインコは基本的に日本の気候に強いとされていますが、暑さに強く寒さを苦手とします。
真夏にはエアコンなどを使用し、冬場はひよこ電球などでケージ内の温度を整える必要があります。
健康な成鳥では、20度~26度ほどを目安に温度を調整しましょう。
暑がっている際は、体を細くし、脇を広げます。
寒い際には、体を膨らませてじっとしています。
暑さや寒さのサインを見逃さないよう注意しましょう。
アキクサインコは大人しくのんびりしている性格なため、複数飼育には向いています。
同じアキクサインコ同士はもちろん、ほかのインコや動物とも仲良くすることが可能です。
しかし、気の強い性格のインコと同居させると、いじめられてしまう可能性もあります。
ほかの種類のインコとの同居の場合には、その種類が同居に向いているか把握しておくことは必須です。
また、同じアキクサインコ同士や複数飼育に向いている種類同士であっても、相性が悪いとケンカをしてしまうことがあります。
その場合はケージを分け、放鳥時間も分ける必要性があることを頭に入れてから、新しい子をお迎えしましょう。
アキクサインコは大人しい性格で、日中はあまり活動的ではありません。
しかし、全くケージの中だけでの生活で良いというわけでもありません。
アキクサインコもれっきとしたインコですので、広い空間を自由に飛び回れる放鳥時間は必要です。
放鳥時間には、以下の項目に注意してください。
放鳥に費やす時間には、個体差がありますが、長すぎても短すぎても良くありません。
ケージを開けっ放しで飼育する自由放鳥は、アキクサインコにとって危険であり、かえってストレスにもなるので良くありません。
放鳥時間は、1日2時間くらいを目安に行うと良いでしょう。
アキクサインコは繁殖をさせると美しい色変わりが産まれやすく、ペアリングや繁殖をしたいという方も多いと思います。
しかし、安易に繁殖をさせることは禁物です。
繁殖は、親鳥にとって体に負担がかかるため、寿命を縮めてしまいがちです。
また、一度に6個ほどの卵を産み、全てが孵化した場合は、飼育にかかる手間暇や費用は数倍になります。
きちんと最後まで飼いきることができるのか、里親は決まっているかなど、繁殖は計画的に行いましょう。
アキクサインコは手乗りインコとして飼い主さんに懐きますが、体を触られることをあまり好みません。
そのため、体中をべたべた触られることを嫌がります。
一人遊びも行いますが、独りで放って置いても良いというわけではありません。
基本的に群れで生活しているため、独りになることを苦手とします。
おもちゃをかじって遊ぶなどはあまりしませんが、飼い主さんの肩に止まり、さえずるような遊びを好む個体が多いようです。
飼い主さんの側にいることで、安心してのんびり遊ぶことができるのです。
アキクサインコは飼い主さんとべったりと言うより、適度な距離感を持って接することを好む種類です。
そのため、手乗りにはなりますが、スキンシップをおろそかにしていると、すぐに手乗りから崩れてしまいがちです。
肩に止まってくれなくなる、触らせてくれなくなる、そうなってしまわないよう、適度な距離を保ちつつも、毎日の愛情とスキンシップは重要です。
アキクサインコは、日中に活発に動くことはせず、夕方から寝るまでの時間に良く動き回ります。
そのため、日中は仕事などで留守にしがちな方でも、飼いやすいインコだと言えます。
普通インコは日中活発に行動するため、アキクサインコはとても珍しい種類です。
夕方以降に帰宅しても、そこから放鳥時間を確保できれば、アキクサインコは十分に遊ぶことができます。
しかし、帰宅時間が深夜になってしまう方には、アキクサインコの飼育は難しいと言えるでしょう。
アキクサインコは夕方から活動的になるとはいえ、夜行性ではありません。
夜は静かな環境でゆっくり睡眠をとらせてあげる必要があります。
アキクサインコは、ほかの手乗りになる中型インコに比べると、のんびりしている性格です。
そのため、独りでいることは苦手としても、飼い主さんとべったりという関係も好みません。
アキクサインコとは、適度な距離を保ちつつ、つかず離れずの関係性を保てる方が飼育に向いていると言えるでしょう。
同じ中型インコでもべったり懐かせたいという方は、 コザクラインコ や オカメインコ 、 ウロコインコ などがおすすめです。
ピンクとイエローの美しいパステルカラーに、大人しい性格のアキクサインコは、コンパニオンバードとしてとても魅力的です。
日中仕事などで留守にしがちでも、独りの時間をのんびりと過ごすことができ、夕方から夜でもしっかり遊ぶことができます。
アキクサインコは、コンパニオンバードの中でも珍しい種類であると言えるでしょう。
しかし、その一方でポピュラーなインコと同じような飼育方法はストレスになってしまうため、しっかり特徴や性格を把握して接する必要があります。
お迎えを検討されている方や飼い主さんは、しっかりとアキクサインコの生態を理解し、お互いの良い距離感と関係を保ちましょう。
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公開日 : 2017/11/17