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オカメインコはおとなしく人に慣れやすい性質から、日本では近年のペットブームにおいて人気を博しています。
日本名で「オカメインコ」と称されていますが、実は オウム目・オウム科に属するオウムの仲間では一番小さな種類 です。
オカメインコの特徴といえば、"チークパッチ"と呼ばれる頬にある丸いオレンジ色の斑紋と美しい冠羽
翼の表面は飛行中に確認できる白い斑紋があり、胴部は敵に見つからないように目立たない灰色をしています。
野生のオカメインコはオーストラリア大陸の内陸部にのみ分布し、樹木が散開した草原や森や低木地になどに生息しています。
体長:30~33cmほど
体重:80~180gほど(※個体差あり)
オカメインコの体調は、長い尾羽が全体長のおよそ半分を占めています。
オカメインコの平均寿命は、一般的に15~25歳といわれていますが、海外の資料によると32歳まで生きたという報告があります。
食餌の内容と与え方、適度な運動がオカメインコの寿命を決める要因です。
オカメインコの英名は「Cockatiel」(コッカテイル)。
Cockatielの名称の由来は、1845年にヨーロッパではじめて野生のCockatielのペット繁殖が行われた時に、ポルトガル語の「Cacatilho」(小さなオウム)に因んで名づけられたといいます。
日本名の「片福面鸚哥」(オカメインコ)の由来は、頬の部分に当たる赤い模様がオカメに似ていることから名づけられました。
Cockatielについての世界初の報告は、英国の探検家 James Cook(通称:キャプテン・クック)がオーストラリアへ旅をした1770年にまで遡ります。
彼の旅行記にはCockatielについての文献はほとんどありませんが、この時少なくとも1羽のCockatielが乗組員とともに英国へ持ち帰られたと推測されています。
世界ではじめての捕獲繁殖は1850年代にフランスで行われました。
およそ100年後、羽毛の色が突然変異したことなどから急速に注目される存在になりました。
当時は、ペット繁殖のために少数のCockatielを輸入しましたが、気候やストレス、飼育ケアについての知識不足のために生き残ったのはごく僅かだったようです。
1984年、オーストラリア政府は、地元の野生動物を保護するための輸出入禁止を決定。
1999年、「環境・生物多様性保護法(EPBC法)」を制定し、現在アメリカやヨーロッパをはじめとしたCockatielのほとんどが1800年代に輸入されたCockatielの子孫だということです。
オーストラリアから英国やヨーロッパへペットとして注目されたCockatiel。
奈良時代に完成した「日本書紀」には、日本で一番古い文献としてオウムが記録されています。
江戸時代には著名な絵師「伊藤 若冲」(いとうじゃくちゅう)の作品にもオウムやインコなどが描かれており、江戸時代の地位の高い人物のペットとして飼育されるようになったようです。
日本でペットとして本格的に普及されはじめたのは1910年代。
明治時代末期に輸入されたと言われています。
庶民の間でもインコ・オウムをペットとして飼育する文化が定着し、以降、様々な鳥の種類が輸入されるようになりました。
当時はセキセイインコと比べて人気が低かったようですが、1960年頃(昭和40年代)から手乗り文鳥やインコブームが到来し、世界中でオカメインコの豊富なカラーが誕生したことをきっかけに、日本では販売価格が高騰したといわれています。
以来、ペットとして長く愛されているインコ・オウムの仲間たち。
日本で見ることができるのはおよそ400種のうち100種にも満たないと言います。
その中で最も身近で人気のある種類は、過去10年の統計などによると断トツのトップがオカメインコなのです。
人懐こく甘えん坊な性格や頬の丸い"チークパッチ"、そして豊富な羽毛カラーなどから2位のセキセイインコを差し置いてトップに浮上。
飼育が意外と難しいながらも、繁殖しやすく長生きする個体も多いことが人気の理由となっているようです。
オカメインコは品種ごとにさまざまなカラーバリエーションがありますが、 セキセイインコ や コザクラインコ などに比べると羽毛のバリエーションは限られています。
理由は、野生のオカメインコの羽毛を構成する色素が 黄色・黒 の2色のみであるため、必然的に限られた色になってきます。
オカメインコの品種は以下の要素で構成されています。
ここでは、オカメインコの代表的な品種と特徴について解説します。
野生のCockatielまたはオカメインコの原種となる色です。
羽毛の色はシンプルなダークグレーで、頭部の鮮やかな黄色が特徴です。
オカメインコの特徴となる頬のチークパッチに注目。
幼鳥の頃は見分けがつきませんが、成鳥になると頭部が鮮やかな黄色でオレンジ色の丸いチークパッチが鮮明なのがオス。
灰色に黄色がぼんやり混ざった頭部にチークパッチが不鮮明なのがメスです。
オカメインコの品種の多くは、ノーマルグレーの突然変異(変異種)と言われています。
1958年にアメリカで誕生した品種で、日本では別名「白オカメ」とも呼ばれています。
ノーマルの黒い色素が欠落した変異種です。
首から下のボディがクリーム色の羽毛に包まれ、頭部と冠羽は明るい黄色、チークパッチがオレンジ色のペットショップでもお馴染みのタイプ。
ボディが白(クリーム色)のため頭部の黄色が鮮やかに映え、チークパッチのオレンジもノーマルより色鮮やかで白・黄色・オレンジのパステルカラーが可愛らしいですよね。
雛の頃は赤目が特徴で、成鳥になるとブドウ色に変化します。
ノーマルに比べオス・メスの見分けがしづらく、成鳥になると尾羽の裏に黄色の縦縞模様が見られるのがメスの特徴です。
1969年にオランダではじめて誕生した変異種です。
1970年代後半にはドイツで飼育され、1984年に Dale Thompson 氏によって米国に輸入されました。
オカメインコの特徴となる黄色の頭部、オレンジ色のチークパッチが見られないのがホワイトフェイスの特徴のひとつです。
ホワイトフェイスの突然変異は黄色い色素を産生する遺伝子が欠落しているために、灰色と茶色の色調を生み出すメラニン遺伝子だけが残ります。
したがって、ノーマルグレーやルチノーの特徴となる頭部のグレー&黄色の色調が抜け、オカメインコとしては珍しいコントラストとなっています。
成鳥となったオス・メスは顔面の側部および尾羽の側部が白くなり、翼に白い斑点または縞模様が現れます。
1967年にベルギーではじめて誕生した変異種です。
ノーマルグレーとよく似ていますが、全身がグレーの代わりにシルバー&茶色がミックスした銀茶色(シナモンカラー)をしています。
シナモンの変異は、メラニンを減少させて変色した遺伝子が影響し、顔部の色彩がグレーに変化せずに茶色の色素だけを残します。
色素の変化は口ばし、足、目にも見られます。
シナモン色の濃淡は個体によって異なりますが、成鳥となったオス・メスは、全体的にダークなシナモンカラーに変化します。
ノーマルグレーとの違いは、足はピンクがかった黄褐色になり、爪は茶色、光の照射によってブドウ色に反射する美しい色彩の瞳が特徴のひとつです。
鳥類専門家によると、シナモンの変異は太陽光に感光し、強い日差しを浴びると背中に斑紋や多彩なパターンが現れ、日差しが弱い冬の季節は真のシナモンに戻るということです。
1967年に西ドイツで誕生した変異種です。
羽毛1枚1枚のメラニン色素が欠落することによって、セキセイインコのような白と黄色の波模様(または水玉模様)が現れるのがパールの特徴です。
黄色味が強い個体を「ゴールデンパール」、白みが強い個体を「シルバーパール」と呼ばれています。
遺伝子的には、パールはノーマルグレーよりも全体的に黄色の色素が強く出ると言われています。
生後5~6ヶ月からはじまる幼鳥から成鳥となる換毛期になると、美しい水玉模様と尾羽の黄色が徐々に消えていきます。
換毛期の羽毛にはより高い濃度のメラニン色素が含まれているため、羽毛に現れる水玉模様を隠して単色になります。
しかし、個体によってメラニン色素の濃度や羽毛色の変化も異なり、一度ノーマルに変化してから再び模様が現れる個体や、成鳥になっても模様が消えない品種も誕生しています。
#オカメインコ #エメラルド
— こんぱまる名古屋店 (@compamal_ngy) October 11, 2019
No.9051
お店番 3トリオのうちの1羽!!
カメラ📷に緊張して硬い表情f(^^;
ゆっくり慣れていこうね!(^w^) pic.twitter.com/vNQWobwTGM
1980年代、米・テキサス州ではじめて誕生した変異種です。
突然変異のエメラルドの名称には多くの論争があったようです。
海外をはじめ日本でも、この品種をオリーブまたはシルバーと呼ばれることもあります。
オカメインコには緑色の色素がないため、実際には緑色ではありません。
メラニンが大幅に減少し、黄色と濃いグレーの色素が重なることで灰色の斑点がオカメインコの全身に現れた結果、エメラルド(またはオリーブ)に見えることがありますが、個体によって様々です。
頭部は濃いグレーで背中はスパングル模様に似たグラデーションが、胸や下半身には波模様が現れます。
海外のエメラルドの繁殖者の間では一般的にメスが不足している理由から、エメラルドの突然変異の子孫の割合はオスの傾向が高いということです。
1949年、米・カリフォルニア州で飼育していた鳥小屋の中で、オーナー夫妻が突然変異したオカメインコを発見。
その後1979年までパイドの突然変異による品種改良を続けました。
パイドは、ほぼ原種に近く、メラニン色素が部分的に欠落することによって、身体のところどころに白の斑模様が現れるのが大きな特徴です。
ノーマルグレーやシナモンの背中の部分がランダムな斑模様に変化したものや、全身白一色の羽毛にシナモンカラーの羽が現れるなど、パイドの現れ方や割合などによって呼称も変わります。
パイドの魅力は、世界中で同じ模様を持つ個体が存在しないという点でしょう。
なお、一見ノーマルグレーやシナモンに見えても、実はパイドの遺伝子を隠し持つ可能性があります。
世界で一羽だけのパイド模様であることから、オークションや品評会などでは高額で取引されるなどオカメインコの品種の中では極めて貴重な存在です。
オカメインコの品種は、上記に紹介した以外にも 身体の羽色・ 身体の模様・ 顔の色彩 、3つの要素の組み合わせによる色々な種類があります。
「ホワイトフェイス(略称:WF)」は、顔の色彩が白いことから呼ばれる品種です。
この他にも、顔の色彩から名づけられた「パステルフェイス(略称:PF)」「イエローフェイス(略称:YF)」などもあります。
例えば、下記の組み合わせは「ホワイトフェイスパール」(※ノーマルは省略されることが多い)と呼ばれます。
このように、オカメインコの品種の呼称は3つの要素から構成されており、顔の色+羽の色+模様の組み合わせで様々な品種に分かれます。
オカメインコをこれから飼育したい方が気になるのが生体販売価格ではないでしょうか。
オカメインコの販売ルートには、主にペットショップとブリーダーがありますが、ここではペットショップでの平均的な販売価格をご紹介します。
上記以外にも品種がありますが、ペットショップで良くお見かけするタイプのオカメインコの平均相場をご紹介しました。
オカメインコをブリーダーから入手する場合、ノーマルでは7千円~1万円以内で購入できますが、ペットショップでの販売価格は高くなっています。
オカメインコを購入する際に注意すべき点は、生産地を確認することです。
繁殖先が国内なのか、海外から輸入された個体かをペットショップの店員に必ず教えてもらいましょう。
どんな動物にもいえることですが、海外からの輸入の場合、飛行機などの長旅で健康状態に少なからず影響を与えています。
病気になっている可能性もあり得るため、できるだけ国内で繁殖された健康なオカメインコを選ぶことをおすすめします。
国内で繁殖された生産地(繁殖施設等)が記載されている場合、オカメインコの健康状態や安全面などの保障から比較的高い値段で販売されています。
個体によるという前提はありますが、オカメインコの基本的な性格や特徴をご紹介します。
基本的に人懐こく甘えん坊のようです。
飼い主さんの姿が見えると、ケージから出して欲しいとおねだりします。
ケージから出すと、肩や腕に止まったり、毛繕いをしたり、「頭を掻いて~」とおねだりしたり...。
聞けば聞くほど飼い主を虜にしてしまいそうですね。
なお、オカメインコは簡単な単語や短い言葉を真似する学習能力も優れているようです。
さらに口笛をソフトな音色で奏でることもできるんです。
ペットとして繁殖されたオカメインコは、活発で遊び心があり、好奇心が旺盛。
特にオウムを飼育する初心者には最適です。
オカメインコは温厚で甘えん坊な反面、とても臆病な性質がオカメインコの特徴のひとつでもあります。
ペットショップや飼い主さんの情報によると、オカメインコは恐怖や不安などから通称「オカメパニック」と呼ばれる現象が現れます。
オカメパニックとは具体的にどんな現象なのでしょうか。
オカメインコが不安や恐怖を感じる時の兆候は、地震や夜間の物音、強烈な光の刺激を感じると、翼を激しくバタバタさせるような行動です。
元々、野生の鳥類には外敵から身を守るための反射的行動として、ちょっとした揺れや物音を察知すると空中へ高く舞い上がる習性があります。
ペットで飼育されるオカメインコは、どのような場面でオカメパニックが出現するのでしょうか。
等々、個体によってパニック現象が発生する場面は様々です。
パニック現象は、オカメインコが不安や恐怖を感じなくなるまで続きます。
特に、飼い主さんにとても懐いているオカメインコは、仕草や行動で飼い主さんを惹きつけるほどの知能を持っています。
飼い主さんの姿が見えない時や相手にされない時など、オカメインコが寂しくて孤独を感じると不安が募り、羽を掻きむしったり翼をバタつかせるなどして自分のフラストレーションを表現するのです。
オカメインコが恐怖を感じている時は、ケージをバスタオルなどで覆うか、安全な場所に移動しましょう。
なお、成長ホルモンの変化が要因となり、突然、攻撃性が現れたり激動することもあります。
ホルモンバランスが乱れた時のメスは、不快感を表現するために大きな叫び声を上げることもあるようです。
このような場面では、オオカメインコが落ち着くまで静かに見守りましょう。
また、孤独を感じた時にパニックが現れたら、できるだけ毎日オカメインコと接する時間を増やしてあげてください。
オカメインコは、特に夜間の恐怖や不快感からパニックを引き起こす確立が非常に高いです。
静寂な夜間には、日中気づかないような微かな物音や人間の行動などによってパニックが発生するケースが多いようです。
人間がトイレに起きた時など、突然蛍光灯を点けた時の光の刺激や、扉を開けた時の物音などに注意してあげましょう。
オカメインコは、インコやオウムの仲間では比較的丈夫で飼育しやすいのが特徴ですが、雛から幼鳥の寒い季節は慎重な飼育が必要です。
オカメインコを飼育するなら、できれば雛から育てた方が人慣れしやすいと思われる方も多いでしょう。
雛はとても繊細で体が弱い面があるため、ちょっとした環境の変化や温度変化、餌の与え方ひとつで体調を崩しやすいことがあります。
初心者には雛ではなく、自分で餌が食べられるようになった幼鳥をおすすめします。
オカメインコは、とても人懐く甘えん坊なので、雛からでなくても飼い主に十分に懐いてくれます。
一人暮らしの飼い主さんには、おっとりした性格のメスを、おしゃべりや口笛を教えたいならオスをおすすめします。
オカメインコは主に植物の種子や穀物を好みます。
アワ・ヒエ・キビ・カナリーシードのミックスフードを与えるのが一般的です。
オカメインコが健康で長生きするためには、餌の内容や与え方が大きなポイントとなります。
オカメインコに与える1日当たりの餌の量は、一般的に個体の体重の10%が適量だと言われています。
食べこぼしの量を含めると、1日当たり体重の20%を与えるのが理想的です。
梅雨から夏の季節には湿気でカビや細菌が発生する可能性がありますので、できれば新鮮なフードに毎日交換することをおすすめします。
参考価格:1,488円(税込)
メーカー名:とりっぴー
内容量:600g
生産国:日本
主食がシードの場合、 小松菜・チンゲン菜・豆苗 などの青菜を副食として与えましょう。
ビタミンAが不足するとmオカメインコは病気を発症することもあり得ます。
青菜に含まれる豊富なビタミンAやミネラルを摂取させてあげることが必要です。
水分の多い白菜やキャベツは、下痢を起こしやすいため与えないように注意しましょう。
上記の青菜を丁寧に水洗いし、水気を切ってから長時間放置せずに新鮮なうちに与えてください。
良く懐いたオカメインコにありがちなのは、飼い主が食べているものを物欲しそうにおねだりすること。
誘惑に負けた結果「少量だけなら大丈夫!」 と、つい与えてしまうことがあるかもしれません。
オカメインコが消化できない成分が含まれていたり、人間の食物による過度のカロリー摂取により病気を引き起こしたり突然死に至ることさえあり得ます。
例え微量でも、人間が食べるものは絶対にオカメインコに与えないでください。
学名:Nymphicus hollandicus
英名:Cockatiel
和名:オカメインコ
分類:オウム目オウム科オカメインコ属オカメインコ
原産地:オーストラリア内陸部
品種:ノーマルグレー・ルチノー・シナモン・パール・エメラルド・パイド・ホワイトフェイスなど
体重:30~33cm
体重:80~180g
寿命:15~25歳(※32歳まで生きた例もあり)
性格:温厚で人懐こい、簡単な単語や口笛を真似する学習能力に優れている
特徴:臆病な性質から「オカメパニック」を引き起こすこともある
オカメインコは闘争心が弱く、人懐こくて甘えん坊。
その反面、臆病物で淋しがり屋なために、時にパニック症状を引き起こすこともあります。
常に注目されたいためにおねだりをする知恵もあり、飼い主の心を虜にしてしまうのがオカメインコの魅力です。
最終更新日 : 2021/04/26
公開日 : 2017/08/04