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犬はもともと肉食獣ですが、人間と一緒に暮らすようになり雑食性も持っているため、りんごを食べさせても大丈夫です。
りんごには犬の健康を害するものは含まれておりません。
ただし、与える量や与え方には気を付ける必要があります。
犬は甘い味を好むため、りんごを含む果物を好きな子は少なくありません。
りんごをあげるとおいしそうに食べるワンちゃんは珍しくないでしょう。
しかし、どんな犬でもりんごが好きかというわけではありません。
どちらかと言えば、りんごを好むワンちゃんの方が少数派かもしれません。
筆者の家には3匹の愛犬がいますが、3匹中りんごを好んで食べる子は1匹だけです。
他の2匹は生のままのりんごのままでは食べませんが、調理したりお菓子に入れたりすると喜んで食べます。
このように、りんご好きかどうかは分かれるでしょう。
りんごは犬に与えても良い食材ですが、必ずしも与えなければならない食材というわけではないので、りんごを好きな子にだけ与えるようにすると良いですね。
りんごには様々な栄養が含まれており、人の健康にも効果的です。
そして、りんごに含まれている栄養素は、犬の健康にとっても良いものがたくさんあります。
りんごにはポリフェノールがたくさん含まれています。
ポリフェノールの代表的な効果は抗酸化力です。
犬の体が酸化することは体調不良や老化の一因となりますので、ポリフェノールで健康を保つ効果が期待できます。
りんごにはビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB6などのビタミン群が含まれています。
これらのビタミン群は体を正常に保ち、免疫力アップのために効果的な栄養素です。
犬は体内でビタミンCを生成できますが、老犬や病気の犬はより多くのビタミンCを必要としますので、食事からビタミンCを補うことができることは健康にとって良いことです。
特に 老犬 には与えてあげたい食材の1つと言えます。
りんごにはクエン酸、りんご酸といった有機酸が含まれますが、これらも犬の健康に有効な成分です。
食べ物の消化を助けて腸内環境を適正に保ち、疲労回復にも効果があると言われています。
また、尿管結石の元になるシュウ酸カルシウムが結晶化することを抑制する働きもあります。
りんごに含まれるペクチンは水溶性の植物繊維です。
ペクチンは腸内環境を改善し、不純物を体外に排出することを促進するので、便秘の解消に効果があります。
また、ペクチンは腸内の善玉菌を増やす働きもありますので、免疫力アップにも効果が期待できるでしょう。
その他、りんごの食物繊維は血糖値の急激な上昇を抑える効果もあります。
ただし、犬はもともと肉食動物であるため、植物性のものの消化はあまり得意ではありません。
適量のりんごを与えることは腸内環境の改善に効果が期待できますが、与えすぎは下痢を発症させる原因となるため、与え方には気を付けなければなりません。
りんごに含まれるカリウムには利尿作用があり、塩分を体外に排出する働きがあります。
そのため、腎臓病予防のためには良い食材であると言えるでしょう。
しかし、腎臓病にかかってしまった犬が、りんごを食べることによって症状が改善するということはあまり期待できません。
あくまでも予防のために良い食材であるという認識で与えるようにしてください。
腎臓病の改善には不純物や毒素を排出することが大事なので、食事療法をすることが多いです。
りんごは不要なものを体外に排出する働きがある食べ物ですが、腎臓病の子に与える際は、与えても良いかどうかを獣医に確認した上で与えるようにしましょう。
りんごは犬に与えても良い食材で健康効果も期待できますが、犬の体はたくさんの植物繊維を消化できるようにはできていませんから、与え方には注意が必要です。
犬にりんごを与える際は、与えすぎに注意し適量をあげるようにしてください。
りんごにはペクチンなどの食物繊維が豊富に含まれています。
それは適量であれば犬の健康に良い効果が期待できますが、与えすぎは消化不良を引き起こし、下痢や嘔吐を発症させる可能性があります。
りんごが好きなワンちゃんであっても、丸ごと1個のりんごをガリガリ食べてしまうということはあまり考えられませんが、りんごが好きな犬がいるお宅では、りんごを犬が勝手に口にしないように管理した方が良いでしょう。
また、どんな食物にも言えることですが、アレルギー反応を出す可能性もあります。
リンゴはアレルゲンになりやすいものではありませんが、それでも最初はごく少量にしてみて、吐き気や下痢がでないことを確認するようにしましょう。
りんごはブドウ糖や果糖が含まれています。
これらが含まれているため甘い味がして犬はりんごを好みますが、糖分の取りすぎは健康に良くありません。
肥満の原因にもなってしまいますので、与えすぎないように注意が必要です。
りんごを丸ごと犬に与える飼い主さんはあまりいないでしょうし、適切な与え方とは言えません。
もしりんごを犬に与える際は、りんごを切ってから犬に与えることになりますが、切る際の大きさには注意が必要です。
犬にりんごを与える際の大きさは、犬がりんごを喉に詰まらせない程度にする必要があります。
目安としては下記のようにすると良いでしょう。
犬にリンゴを与える際は、皮をむいてから与えても良いですし、皮付きのまま与えても大丈夫です。
ただし、リンゴの皮をむかないで犬に与える場合は、皮についている汚れや農薬等をよく取り除いてから与えなければなりません。
りんごは洗剤をつけてよく洗った上で、犬に与えるようにしましょう。
りんごの種まで食べる人は少ないと思いますが、犬にもりんごの種は与えないようにしましょう。
もしりんごの種を食べると中毒症状が現れることがあります。
中毒症状が現れるのはごく稀なことであり、少々食べてしまったくらいでは発症する可能性は低いですが、犬の口には入らないようにあらかじめ注意してください。
色々と健康効果のあるりんごですが、体調が悪い子や病気の犬は食物繊維が負担になったり、りんごに含まれる糖分などが病気の悪化を招いたりする可能性もあります。
病気の犬にはりんごを与えないようにしましょう。
何らかの持病がある、食事制限があるなどの場合には、りんごを与えても良いかかどうか、獣医に確認してからあげるようにしてください。
犬は品質の良いちゃんとした ドックフード を与えてもらっていれば、基本的には他の物で栄養を補てんする必要はありません。
きちんと総合栄養食をとっている場合、それ以上のものを食べることは肥満の原因になることがあります。
りんごを犬に与える量の目安は、体重10㎏ほどの犬であれば、人間が食べる量の5分の1程度が適量です。
りんご1個の重さを300グラム程度とすると、4つに割った一切れは75g程度になります。
小型犬 なら一切れの3分の1程度、 中型犬 は一切れ3分の2程度、 大型犬 は二切れ程度を上限として与えると良いでしょう。
犬にりんごを与える際は、 おやつ やドッグフードのトッピングとして与えると良いでしょう。
りんごは甘くて良い香りがするので、与える量や大きさに注意すれば、生のままでもりんごを好きな子なら喜んで食べてくれます。
ヨーグルトに少しだけトッピングしても良いでしょう。
りんごに含まれるビタミン類は熱に弱いので、加熱するとビタミンの効果は薄れてしまいますが、消化は良くなります。
筆者は生であげることも多いですが、りんごを細切れにしてココナッツオイルでさっと炒めてあげることもあります。
犬はココナッツオイルも好きな子が多く、進んで食べてくれますよ。
ココナッツオイルで炒めたものであれば、生のりんごを食べない他の2匹も食べてくれます。
りんごケーキは人間のおやつとしてもおいしいですが、犬のおやつとしても喜んでもらえますし簡単に作れます。
<材料>
25㎝のプライパン1個分
<作り方>
りんごを生地の下に敷くので、通常のホットケーキを焼くよりも時間がかかります。
焦げやすいので、ゆっくり焼いてください。
かなり大きなケーキができますが、犬の大きさに合わせて適当な量を与えるようにしてください。
目安は体重10㎏の犬であれば、人間が食べる量の5分の1くらいです。
出来上がったケーキにはちみつやメイプルシロップをかけていただくと、飼い主もおいしくいただけます。
筆者は愛犬達と一緒におやつタイムに食べています。
おいしいものを食べるのも犬の幸せの一つであると筆者は考えています。
りんごは健康にも良い食材ですし、犬の食生活を豊かにできるものとして魅力的な食材でしょう。
愛犬がおやつの時間を楽しんだり、食事に飽きないようにするために、メニューにときどき取り入れてみると良いですね。
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監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2022/08/25
公開日 : 2019/01/28