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ブリタニースパニエルは、英語では「Brittany Spaniel」ですが、ブリタニーはフランス語読みではブルターニュとなります。
ブルターニュはフランスの地方の名前ですね。
そんなブリタニースパニエルの原産国はフランスで、ブルターニュ地方に多く存在していた犬です。
ブルターニュはイングランドのウェールズ地方と近く、古くから交易も盛んでした。
そのような歴史的背景と外見上の特徴から、ブリタニ―スパニエルはウェールズ・スプリンガー・スパニエルと同一の祖先をもっていたと考えられています。
ブリタニースパニエルはとても古くから存在している 犬種 で、その姿を確認できる最初の記録は17世紀に描かれた絵画とタペストリーです。
現在のブリタニースパニエルの姿にほぼ近い形に定まったのは、1800年代半ばであるとされています。
スピードがあり敏捷で、非常に優れた狩猟犬としての能力を発揮したブリタニースパニエルは、特に鳥の狩りのために好んで使用されるようになりました。
狩猟が盛んなブルターニュの田舎の地域で狩猟犬として多く用いられていたブリタニースパニエルですが、ヨーロッパの他の国ではドッグ・ショーでも人気犬種となり、1907年に正式にフランス原産の犬として登録されました。
そのとき、ブリタニースパニエルとして登録されたのは白とオレンジの毛色をもつボーイという名の犬でした。
ブリタニースパニエルがアメリカに紹介されたのは1931年です。
すぐに人気犬種となり、1934年にはアメリカン・ブリタニー・クラブが設立されました。
アメリカ産のブリタニースパニエルは、フランス原産のブリタニースパニエルと体格や性質が少し異なる点があるため、フランス原産の犬と区別してアメリカン・ブリタニーと呼ばれることもあります。
第二次世界大戦後には、ブリタニースパニエルが絶滅危機を迎えてしまいます。
経済や生活環境の悪化から人々は犬を飼ったり繁殖させたりする余裕はなくなり、また食糧不足などにより多くの犬が命を落としました。
戦争中、フランスではブリタニースパニエルの繁殖が全く行われず、本来の白と茶の毛色を持つブリタニースパニエルはほとんどいなくなってしまったのです。
そのため、苦肉の策として黒と白の毛色の犬もブリタニースパニエルとして認めることにしました。
現在でもアメリカとカナダ以外の国では、黒いぶち模様があるブリタニースパニエルも正式犬種として認められています。
ブリタニースパニエルという名前ではありますが、スパニエルの面影はほとんどありません。
そのため、多くのブリタニースパニエルの愛好家たちが、犬種名から「スパニエル」を取り除くことを希望していました。
1982年、アメリカン・ケンネルクラブではスパニエルを取り除いて、「ブリタニー」を正式な犬種名と変更しました。
ただ、他の国では現在でもブリタニースパニエルという名前で登録されていることころも多くあります。
ジャパンケンネルクラブによると、日本での飼育頭数は2016年時点でわずか42頭で、登録されている133犬種の中で76位です。
日本ではまだまだ珍しい犬種ですが、欧米では家庭犬としても人気犬種で、アメリカン・ケンネルクラブでは194犬種中25位となっています。
ブリタニースパニエルは 中型犬 になります。
体重:オスは約13㎏~15㎏、メスは約13㎏~15㎏
体高:オスは約48~51cm、メスは約47~50cm
名前にスパニエルが付きますが、スパニエルの特徴はほとんどなく、ポインターの特徴が強いとされています。
たれ耳で毛先がウェーブした被毛となっており、筋肉質な体を持っています。
主に鳥の狩猟に使用される狩猟犬であるため、足が速く俊敏でジャンプ力も優れており、嗅覚も鋭いです。
しっぽは生まれつき中程度の長さのものが正式なブリタニースパニエルとされていましたが、長い尾で生まれてくる個体もいるため断尾が認められていたこともあります。
しかし、現在では動物愛護の観点からヨーロッパで断尾が禁止されている国もあり、長い尾のブリタニースパニエルもいます。
被毛の色はオレンジ・アンド・ホワイトが多く、他にぶちの色がレバーのもの、ブラックのものも存在しています。
アメリカではオレンジとレバーしかブリタニースパニエルとして認めていません。
しかし、ヨーロッパではでは過去の絶滅の危機の際に、ブラックも正式なブリタニースパニエルであるとして危機を脱したため、現在でもブラック・アンド・ホワイトの毛色もブリタニースパニエルとして認められています。
ブリタニースパニエルは狩猟犬であったため、好奇心も強く、自分で考えて行動できる自己判断能力も優れている犬です。
神経質さはあまりなく、大らかな性格でフレンドリーなので、他の犬や子供たちとも仲良くなれます。
また、飼い主には忠実で、人と一緒に活動することを喜び、飼い主さんに喜んでもらうことで幸せを感じます。
賢い犬だけに、良い面を伸ばしてあげるように、早期からのしつけと社会化は必要となるでしょう。
※合わせて読みたい: 犬のしつけをマスター!愛犬のしつけ方や正しい飼い方を把握しよう
猟犬として活躍していた運動能力の優れた犬で、毎日の十分な運動は欠かせません。
運動不足は攻撃性や破壊行動、無駄吠えなどの問題行動の原因になりますから、十分に運動させるようにしましょう。
なお、ブリタニースパニエルは他の中型犬よりも多くの運動を必要とします。
1日に少なくても1時間は運動させてください。
1週間のうちに1回~2回は思い切り走らせたり、フリスビーやボール遊びなどで狩猟本能を満足させてあげたりすると良いでしょう。
機敏な動きが得意なので、 アジリティー に挑戦してみてもいいですね。
好奇心も旺盛な犬種であることから、新しいことや楽しいことを覚えるのも得意です。
ただし、2歳になり骨格や筋肉がしっかり発達しきるまでは、無理な運動はさせないようにしてください。
賢く飲み込みも早いために、正しい方法で行えばしつけはそんなに難しくありません。
正しいしつけには、していいことや悪いことに対する態度を飼い主さんが一貫させること、コマンドの言葉は分かりやすく同じ言葉を使用すること、怒鳴ったり感情的になったりしないことが大切です。
言葉が分からない犬にとっては、意味の分からない理由で怒鳴ったり不機嫌になったりされることは不安となります。
アイコンタクト、マテ、コイなどの基本的なしつけは必ず身に付けさせましょう。
ブリタニースパニエルは広い場所を駆け回ることが必要ですので、呼び戻しのコマンドはしっかり教えてください。
自分で戻ってくることを教えないと、人間が走って捕まえることは難しいです。
犬を飼うのが初めての人でも飼いやすい犬ですが、正しいしつけが分からない、自信がないときはしつけ教室の利用をおすすめします。
犬と飼い主さんが一緒に参加できるしつけ教室だと、飼い主さんは犬の扱い方を学べますし、犬は他の人や犬と出会う良い機会にもなりますよ。
他の犬種と同じように、ブリタニースパニエルも社会化は必須です。
ブリタニースパニエルは明るくフレンドリーな性格なので、他の人や犬と仲良くなるのは難しくありません。
特に生後4か月~1年くらいの精神的に色々なことを吸収する時期に、人間社会を経験し、他の人や犬と交流しコミュニケーション能力を養うことは大切です。
公園や犬が行ける公共の場所などに積極的に出かけて、周囲の環境や人間社会に対する適応力を育てましょう。
もし一緒に遊べる犬友達を見つけることができれば、運動不足の解消にも繋がり社会化も促進されます。
ブリタニースパニエルは人間が大好きな犬です。
家族と一緒にいたいし、飼い主さんに喜んでもらうことが好きです。
そのため、長時間つながれっ放しにされたり、放っておかれたりする生活には全く向いていません。
問題行動の原因となります。
また、近年の日本の気候、特に夏場は犬が外で暮らすにはかなり危険です。
ブリタニースパニエルは暑さに強くないため、エアコンで温度や湿度を管理してあげる必要もあります。
可能な限り、ブリタニースパニエルは室内飼育をしてあげましょう。
ブリタニースパニエルは豊富な運動量が必要な犬です。
散歩の他にもちょっとしたゲームやボール遊びなどで運動不足を解消できるように、庭があるお家が望ましいです。
ジャンプ力がある犬で、多少の塀などは飛び越えてしまいますので、脱走には注意してください。
なお、たくさんの運動が必要なことから、狭いアパートなどで飼育するのは難しいでしょう。
中型犬ですがたくさん運動する犬なので、しっかりした骨や筋肉を作るために、低カロリー高たんぱくの品質の良い食事を準備してあげましょう。
ブリタニースパニエルは少し太りやすい傾向があります。
肥満はそれだけでも健康に良くありませんが、ブリタニースパニエルの場合は太ることにより運動量が減る、運動できないことによって問題行動が出るという悪いサイクルに陥ってしまう可能性があります。
十分な運動量と共に、品質の良いフードを与えることによって、ブリタニースパニエルの健康を守ってあげましょう。
※合わせて読みたい: 安心・安全なおすすめドッグフードランキング!犬の餌やりの方法や注意点も解説!
ブリタニースパニエルは短毛種なので、被毛のお手入れはあまり面倒ではありません。
1週間に1回程度、ブラッシングをして抜け毛を取り除き、皮脂を被毛に行き渡らせましょう。
また、1か月間~2か月に1回程度 シャンプー をしてあげてください。
ブリタニースパニエルの寿命はおよそ14歳~15歳。
中型犬の平均的な寿命です。
食事や生活の質に気を付けることで、もっと長生きしてもらうことは難しくはないでしょう。
ブリタニースパニエルは一般的には体が丈夫で、遺伝疾患も少ない犬です。
股関節が変形しうまく歩けないなどの症状が出ます。
重度の場合は手術などが必要になる場合もありますが、軽度である場合は食事や運動に気を付ければ十分に幸せな生活を送れるでしょう。
歩き方がおかしいなどの気になる点があるときは、早目に獣医に相談してください。
ブリタニースパニエルに限らず、犬にときどきみられる疾患です。
予防は難しいですが、発症しても現在では良い薬が発売されているので、適切な投薬により普通に生活を送れます。
ブリタニースパニエルはフレンドリーで陽気な性格であるため、子供とも仲良くできます。
運動が好きなので、特に十代の子供とはとても仲良くなれるでしょう。
どんなにフレンドリー犬種でも、幼い子供と犬だけにしておくことは、たとえ数分間であってもしてはいけません。
必ず大人の監視の中で犬と子供を遊ばせるようにしましょう。
ブリタニースパニエルは現在も猟犬として使われることも多い犬です。
他の犬とは仲良くできますが、 鳥 や ハムスター など狩猟本能がかき立てられるような動物との同居はリスクが高いでしょう。
ブリタニースパニエルの価格は相場的に18万~20万円ほどとなっております。
日本ではまだまだ珍しい犬種なので、 ブリーダー から購入することになるでしょう。
実際に飼育されている場所を自分の目で見て、親犬を大切に扱っているか、その犬種を愛して繁殖に取り組んでいるかなどを確認し、優良なブリーダーから購入するようにしましょう。
日本では法整備が緩いために、残念ながら悪質ブリーダーが横行している状態です。
原産国 : フランス
値段 : およそ18万~20万円
毛色 : オレンジ・アンド・ホワイトが多く、他にぶちの色がレバーのもの、ブラックのものも存在している。
寿命 : およそ14歳~15歳
体重 : オスは約13㎏~15㎏、メスは約13㎏~15㎏
体高 : オスは約48~51cm、メスは約47~50cm
特徴 : たれ耳で、毛先がウェーブした被毛で、筋肉質な体格をしています。
性格 : 好奇心も強く、自分で考えて行動できる自己判断能力も優れています。
かかりやすい病気 : 股関節形成異常、てんかんなど
ブリタニースパニエルは性格的には犬を飼育するのが初めての方でも飼いやすい犬です。
しかし、運動量が豊富であるため、ブリタニースパニエルの運動や遊びに時間を割いてあげられる人でないと飼育は難しいですし、犬も不幸になってしまいます。
欧米では人気犬種なので、日本でもこれから人気が出るかもしれませんね。
飼育を希望する際は、十分お世話をしてあげられるかどうかよく検討してみてください。
▼犬の飼い方に関する記事
最終更新日 : 2020/10/21
公開日 : 2018/08/27