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ペットショップでは、生後3〜5週間前後の ウサギ の赤ちゃんが販売されていることがあります。
しかし、本来ウサギが母親から乳離れするのは、生後4〜6週目位です。
ウサギの母乳には、栄養源の他、いろいろな病原菌に対する抗体が含まれており、授乳を通して赤ちゃんウサギにも抗体が移ります。
基本的には、完全に離乳した赤ちゃんウサギが販売されますが、心身共にまだ不安定なことも。
環境の変化に弱くデリケートであるため、生後1ヶ月前後の赤ちゃんウサギは、新しい飼い主に慣れず、突然死してしまう危険性もあります。
初めてウサギを飼育したいという方は、生まれたての幼い赤ちゃんを譲り受けることは控えましょう。
どうしてもお迎えしたい小さな赤ちゃんウサギがペットショップにいる場合には、予約をしておき、体調が安定するまではお店で預かっておいてもらうのが望ましいです。
子ウサギの健康状態が安定してくるのは、生後1ヶ月半〜2ヶ月以上が経った頃です。
良心的なペットショップであれば、生後1ヶ月半未満の赤ちゃんウサギを引き渡すことはないでしょう。
ただし、良質なウサギのブリーダーや、ウサギに詳しい飼育員がいるペットショップの場合には、生後1ヶ月であっても、体調がしっかりしている赤ちゃんウサギを譲ってくれることがあります。
生後1ヶ月位であれば離乳しており、オシッコの仕方もお母さんウサギやブリーダーから教わっているので安心でしょう。
※合わせて読みたい: ブリーダーからうさぎを譲り受ける際のメリット・見極め方・注意点
赤ちゃんウサギを譲り受ける場合、オスかメスかまだ判別できないケースがほとんどです。
ウサギの性別がわかるようになるのは、生まれてから4ヶ月前後だからです。
もしウサギを飼う際にオスかメスか選びたい場合、ある程度成長している可能性が高いですが、ショップ店員の方に性別がわかっている子を希望する旨を伝えましょう。
なお、メスウサギの場合は、今後赤ちゃんを産ませてあげる予定がないのであれば、生後半年から3歳の間に避妊手術が必要になります。
3歳以上のメスウサギは、妊娠・出産できなかった場合に子宮ガンになってしまう危険性が非常に高いためです。
一方オスウサギは、獣医さんによって去勢を推奨する派・しない派に分かれるので、相性が良い医師と出会ってから、どうすべきか相談して決めると良いでしょう。
去勢する場合は、やはり体力がある生後半年から3歳の頃に対処するのが望ましいです。
ちなみに、筆者は現在4歳半のオスウサギを飼っており、去勢はしていません。
これまでに3つの動物病院でお世話になっていますが、いずれの先生も「精巣腫瘍などにならない限りは、このまま自然体で生活させてあげたほうが良い」という意見だったからです。
体が小さいウサギは、 犬 や 猫 と比べると注射の痛みや麻酔に耐えられる力が少ないため、必要に迫られない限り手術はしたくないとのことでした。
ただ、オスウサギは縄張り意識が高く、一度発情期を迎えてしまうとオシッコを撒く「スプレー行為」が頻繁にあるので、行動範囲を制限しないと大変です。
しかし、スプレー行為の有無にかかわらず、ウサギを長生きさせてあげるためには、清潔を保つことが大原則です。
掃除を怠ると、飼い主がアレルギーを発症してしまうこともあります。
オスかメスかで育て方の基本は変わらないので、気にしすぎる必要はないかもしれませんね。
店頭で実際に赤ちゃんウサギを選ぶ際の注意点は、「衛生的な環境で育てている店かどうか確認すること」そして「健康な個体を選ぶこと」です。
ウサギのケージ の中や周囲は、極端に汚れていませんか?
不衛生な状態で動物を売っている店は、決して良い業者ではありません。
また、ウサギの健康状態を確認するためには、目や鼻から涙・目ヤニ・鼻水が出ていないか、おしりが便で汚れていないかを見ておきましょう。
スタッフの方にお願いすると抱っこさせてもらえることが多いので、元気な子か、自分に懐いてくるかもあわせてチェックできると良いですね。
ウサギの赤ちゃんを家に迎え入れる時、最も大切なのがケージ周りの環境づくりです。
ケージ本体の大きさは、幅60×奥行き45×高さ55cm以上の物が望ましいです。
ケージの床は、金網だと爪が引っかかるので避けましょう。
すのこやプラスチック製が理想です。
なお、足が触れる面が固いと、足裏が脱毛して「ソアホック」と呼ばれる皮膚炎になるリスクがあります。
床面には、チモシー(牧草)を敷き詰めるか、チモシーマットを置きましょう。
床が汚れたり湿ったりしても、やはりソアホックになりやすいため、チモシーやチモシーマットはこまめに交換し、すのこは洗って日に当てて乾かしましょう。
もちろん、ケージ全体も定期的な手入れが必要です。
ケージの中には、飲みやすい場所に給水器をつけ、トイレも設置しましょう。
食用のチモシーを補充する箱かお皿も必要です(食用のチモシーは、床に敷く商品と同じでも、違う種類の物でもOKです)。
給水器とトイレは、ペットショップに居た頃と同じ位置に、なるべく似た形状の物を準備してあげてください。
ケージを置く位置ですが、気温の変化に弱いので、昼夜で温度が激しく変わる部屋は避けましょう。
エアコンの風や日光が直接当たらず、かつ風通しが良い場所が理想的です。
また、壁に面しているとウサギが落ち着くので、できるだけ部屋の角に置き、ケージの正面以外は段ボールで囲ってあげましょう。
もしも多頭飼いする場合は、同じケージで育てることは厳禁です。
去勢や避妊手術前のオス・メスが一緒の場合はすぐに妊娠してしまいますし、オス同士の場合はケンカをし、最悪の場合は死に至ることさえあります。
必ず、別々のケージを用意してあげてください。
ウサギは生後3週間位から離乳し始め、母ウサギと同じ餌を食べるようになります。
無事に生後1ヶ月半以上のウサギをお迎えした場合、ミルクは不要で、チモシー・ペレット(ラビットフード)・野菜が主食になります。
ペレットには、生後6ヶ月までの赤ちゃん用、生後7ヶ月以上の大人用、老齢期のシニア用があります。
子ウサギの内は、カルシウムやたんぱく質が豊富なアルファルファも与えます。
このアルファルファは、成長期が終わった後は膀胱結石の原因になりやすいため、1歳頃からは不要です。
成長期である生後4~6ヶ月頃まではアルファルファとチモシーを混ぜて与え、徐々にアルファルファの量を減らしていき、大人になる頃にはチモシー中心の食生活をさせてあげましょう。
野菜は、子どもの内にさまざまな種類の物をあげておき、味に慣れてもらいましょう。
ウサギは偏食家なので、成長期・大人になってから初めて見る物はあまり食べてくれません。
ペットショップで好きな野菜を聞いておき、飼い始めは好きな物を与え、新しい生活に慣れてきたら少しずつ違う野菜に挑戦すると良いですね。
ニンジン・キャベツ・セロリ・明日葉・香菜など、個体によって好みは異なります。
ネギ類はウサギの体に合わないので、あげてはいけません。
水分が多いレタスも、下痢を誘発するので与えすぎ注意です。
おやつには、リンゴ・バナナなど自然で育った果物を少量与えるのがベストです。乾燥させた物でも構いません。
小麦粉を使用したウサギ用おやつも販売されていますが、本来ウサギの体と相性が良い物ではありません。
あげるとウサギは喜んで食べますが、小麦粉はウサギの胃腸の中でうまく消化できず、ひどい時はお腹に詰まったまま重体になります。
人工的な物は、極力ウサギに摂取させないように気をつけましょう。
▼合わせて読みたい
・ うさぎの餌やりの方法。与えていい食べ物と・ダメな食べ物のまとめ!
・ うさぎや小動物の主食チモシー。チモシーの種類、選び方、与え方は?
「食事が偏りがち」「何をどの程度の量であげて良いかわからない」という時は、一人で悩まず、ウサギの診療ができる動物病院や、ウサギ専門店からアドバイスしてもらうのが一番です。
ブリーダーから購入したウサギであれば、親ウサギの食生活や生態も把握しているはずなので、確認してみると良いでしょう。
また、ウサギを診察できる動物病院やウサギ専門店では、ウサギの健康のために良いチモシーやペレットを取り扱っていることも多いです。
現在の健康状態の確認も兼ねて、食生活の相談も積極的に行いましょう。
赤ちゃんウサギは、もともとお母さんウサギや兄弟とくっついて、温め合って育ってきたはずです。
店頭に出されるにあたり、急に家族と離され、自身で体温を調節する力がまだありません。
新しい環境の気温に慣れるまで、2、3日は丁寧に様子を見てあげるようにしてください。
最適な室温は18~24度、湿度は40~60%位です。
人間とウサギの位置とで温湿度が異なる可能性もあるので、できればウサギのケージの近くに温湿度計を置くと管理しやすいです。
北向きなど部屋が寒い場合は、段ボールや毛布でケージを囲い、ペットヒーターも購入しておきましょう。
また暑い時期は、ケージの中に大理石やクールマットを入れてあげると安心です。
汗をかくこともできないので、特に真夏はエアコンをほぼ24時間稼働させ、室内が暑くなりすぎないよう徹底してあげてください。
新しい環境に慣れてもらうためには、飼い主の触れ合い方、距離の取り方も重要です。
お迎えしてから最初の一週間は、ウサギを刺激しないよう注意してあげてください。
例えば、初日と2日目は、餌・水・トイレの交換時以外は干渉せず、ケージの中が安全であることを教えましょう。
3日目・4日目からは、餌を手で直接を与えたり、頭をなでてあげたりしても良いでしょう。
ただし、この時はケージ越しにコミュニケーションをとるのが無難です。
5日目・6日目は、ウサギが部屋、飼い主にも慣れているようであれば、ケージの外に出して散歩させてあげましょう。
抱っこやトイレのしつけも、この頃から始めると良いですね。
ただ、個体差はあります。
トイレをすでにお店で覚えてきた子もいれば、ずっと抱っこされているほうが嬉しいと感じる子もいます。
ウサギは表情豊かな動物なので、反応を見ながら適宜対応してあげましょう。
なお、抱っこする時には、必ず座って低い位置で持ち上げることも忘れずに。
強い勢いで暴れ出すので、落っことしてしまいます。
ウサギにとって骨折は非常に危険であり、また未成熟なウサギの赤ちゃんは、打ち所が悪いと亡くなってしまう可能性すらあります。
※合わせて読みたい: 最初の1週間が重要!うさぎを家にお迎えする際の注意点を流れに沿って解説
ウサギと人間は、よく似た生き物です。
子ウサギの内は、トイレもきちんと覚え、噛み癖がなくても、物心がつくと急に反抗期が始まります。
特に柱や壁・コード類にはご注意ください。
ケージの外で遊ばせていると、一瞬で齧られてしまいます。
電気コードについては、感電してしまう危険もあるので、ウサギが届かない位置へのせる、もしくはペット用サークルを使ってウサギが近づけないようにするといった対策を事前に行っておきましょう。
スプレー行為が始まった場合も要注意です。
ベッドやソファなどに一度オシッコの臭いが付いてしまうと、そのままトイレにしてしまいます。
防水カバーをかけて保護し、万一マットレスや本体まで汚してしまう場合には、ウサギがベッドに乗れないように工夫しなくてはなりません。
赤ちゃんの時にしつけたつもりでも、思春期や大人になってからウサギはいたずらをし始めます。
飼い主にかまってほしい気持ちから、怒られるとわかっていながら粗相をすることも多々あります。
油断せず、また根気よく、ウサギが大人になってもしつけを心がけてくださいね。
うさぎのトイレや噛み癖などのしつけ方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
▼合わせて読みたい
・ うさぎのトイレのしつけ方!うさぎの特性と気持ちを理解してあげましょう
・ うさぎの飼い方としつけ方!褒め方・叱り方・トイレや噛み癖の直し方9のコツ
ウサギは本能的に、天敵である肉食動物に襲われないよう、体調が悪くても隠してしまう性質があります。
ちょっとした変化に気づくためには、日々の観察が不可欠です。
軟便が続いている時や、1日食欲がない時は、すぐに病院へ連れて行きましょう。
また、ウサギは鳴き声が小さく、苦しい時に「キュッキュッ」と微かに高い声で鳴くこともあります。
どんなに飼い主に心を開いていても、体調不良を訴えることはほぼないと考えておき、毎日しっかりと見てあげてください。
なお、犬・猫しか対応できない動物病院も多いので、近所でウサギの診察ができる医院も早い段階で探しておきましょう。
可愛い赤ちゃんウサギを健康に育んでいき、ぜひとも長生きさせてあげてくださいね。
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公開日 : 2018/05/08