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チモシーとはイネ科の多年草。
牧草として広く普及している植物です。
ヨーロッパ原産で、日本でも牧草地などで栽培されています。
栄養豊富な植物であり、草食動物のエサとして普及。
また、小動物の床材のワラとしても利用されています。
このページでは、 小動物 のエサとしてのチモシーをメインに紹介していきます。
チモシーとは、前述した通り、牧草として栽培されるイネ科の植物。
和名はオオアワガエリ。
ヨーロッパの原産で、牧草としてアメリカから伝わり、日本には明治初期に北海道に導入されました。
現在は北海道や東北地方を中心に栽培されていますが、道ばたや空地にも自生しています。
丈は50cm~1m。
晩春から初夏にかけて5~15cmの円柱状の穂を出します。
種子は小さく軽く,1000粒で約0.5gほど。
チモシーは刈りとる時期で呼び方が変わります。
この刈りとる時期によりブランドが異なり、栄養価も変わってきます。
春から夏にかけての最初の時期に刈り取られたチモシー。
大きな穂と太くて長いしっかりとした茎、幅広で長い大きな葉が特徴。
牧草自体は固いものの、栄養が豊富。
特に食物繊維が豊富で、草食動物のエサとしてぴったり。
1番刈り牧草を好んで食べる うさぎ や チンチラ であれば、他の牧草に変える必要はないと言えます。
1番刈り牧草が刈り取られた後に再び生えてきて、夏の終わりから秋に刈り取られた牧草。
穂がほとんど無く、細い茎と柔かい葉がたくさん付いています。
1番刈り牧草に比べて柔らかく嗜好性が高い種類。
生まれて間もない幼少期の子うさぎや体力の衰える老齢期、病中病後、歯の悪いうさぎやチンチラにぴったり。
また、敷き草としてもちょうど良い硬さでしょう。
2番刈りの後、冬の初めに刈られる牧草。
栄養は豊富ではありませんが、柔らかく、非常に食べやすいという特徴があります。
1番刈りの補助として与えると良いでしょう。
収穫時期だけでなく、産地によってもチモシーの硬さや味が異なります。
日本で多くみられるのは、アメリカンチモシー、カナディアンチモシー、その他外国産チモシー、そして北海道産チモシー。
北米やヨーロッパで生産されるチモシーは、一般的に降水量が少ない地域で栽培されます。
そのため、堅く噛み応えがあります。
これに対し、国産は少し柔らかめ。
硬さは柔らかい方が小動物の好みですが、うさぎやチンチラなどは硬い牧草で伸び続ける歯を削るので、噛み応えのある牧草もある程度与えた方が良いでしょう。
まれに、「外国産のものは農薬が付いているから不安」という声がありますが、農薬に関しては外国産であろうと国産であろうと害虫駆除・消毒の上で食べられるように品質管理を行っているため過敏になる必要はありません。
牧場では刈り取った牧草を収納スペースに収めるため、プレスという行程を経て牧草を売りに出します。
このプレスの仕方によっても、好みが異なることがあります。
プレスはシングルプレス、ダブルプレスとに分かれ、牧草をまとめる時に掛ける圧縮プレスの強弱を表しています。
緩やかな圧縮。
葉や茎が潰れたり崩れたりすることが少なく、クズの出る量が少ないのが特徴。
葉や茎が自然に近い形の牧草を与えられます。
茎が長く残るためロングを好むならシングルプレスがおすすめ。
また、シングルプレスのものは牧草の様子や状態が分かりやすいのも特徴。
日本で見かける牧草のうち、アメリカンチモシー(1番刈り、2番刈り)、カナダチモシー(1番刈り、2番刈り)、北海道チモシー(1番刈り、2番刈り、3番刈り、アルファルファ)などはシングルプレスです。
高圧縮が掛かったもの。
圧力が高いため葉が崩れやすく、茎も潰れていることがほとんど。
ぎっちり圧縮しているので、シングルプレスに比べて同じ重さの牧草でも半分程度の小さな固まりになります。
そのため、一度にたくさんの量の牧草を運ぶことができ、輸出入や移動で重宝されています。
茎や穂が柔らかく食べやすいのが特徴。
シングルプレスが硬すぎて苦手なペットにはぴったりです。
潰れているものが多いためショートを好む小動物にも最適。
シングルプレスに比べて、クズが出やすいのも特徴です。
日本で見かける牧草のうち、ダブルプレスのものは、アメリカンチモシー(1番刈り、2番刈り、3番刈り)、カナダチモシー(1番刈り、2番刈り、オーツヘイ、アルファルファ、スーダングラス、オーチャード)など。
これまで、チモシーの種類についてご紹介してきました。
それでは、実際チモシーをお店で選ぶとき、どのように選ぶのが良いのでしょうか。
ここで、ペットにとって1番良い、チモシーの選び方を見ていきましょう。
チモシーを選ぶなら、まず第一に、ペットの好みに合わせる必要があります。
小動物のエサとして最もおすすめなのは、1番刈り。
栄養価が高い上、ある程度の硬さがあるため、うさぎやチンチラの伸び続ける歯を削る役目を果たします。
チモシー1番刈りが好きなペットには、あえて2番刈りや3番刈りを与える必要はありません。
1番刈りが好きではないうさぎの場合、2番刈りや3番刈りと併せて1番刈りを与えると良いでしょう。
ただし、あまり2番刈り、3番刈りの量が多すぎると、1番刈りを全然食べてくれなくなるので注意。
少量趣向性の高い牧草を与えることで、牧草を食べること自体に慣らせて1番刈りも食べさせるように誘導します。
お店で牧草を選んでいるとき、「プレミアム」という名の入ったものを見たことはないでしょうか。
プレミアムチモシー、プレミアムアルファルファなど、プレミアムと付く牧草には何か意味があるのでしょうか。
それとも、ただ名前をそう付けて購買欲を上げようという魂胆なのでしょうか。
プレミアムの名は、1番刈りと2番刈りの違いや別の草の混入割合でグレード分けがされた商品のグレードの1つです。
チモシーは大麦や小麦と同一地帯で栽培されることが多く、他の草が混ざりやすい商品。
このチモシーに他の草があまり混入していないものが、プレミアムと銘打たれています。
グレードは高いものから、スーパープレミアム、プレミアム、ナンバーワン、ナンバーツー。
プレミアム以上のものを買っておけば、混入率も少なく、間違いがないでしょう。
多くの人がペット用品店や専門店で購入するためあまり気にしないところですが、実は牧草の乾燥のさせ方も牧草を選ぶ要素になります。
例えば農場などで購入する場合、太陽で干しているものなどよりは、乾燥材入りのビニール袋で保存されたものの方が、エサ用には適切。
日光にあたると、牧草の香りが消えてしまうためです。
太陽の光を浴びてしっかり乾燥させたものより、涼しい冷暗所で乾燥させたものの方が良いということ。
もちろんこれは、購入後も言えることです。
牧草の保存は涼しく湿気のないところで。
また、青々した牧草はしっかり乾燥されてエサとして良さそうに見えますが、その分硝酸が多く含まれている可能性もあります。
割ったときにぱきっと良い音がなり、香りが損なわれていないものを選んでください。
穂がたっぷりの1番刈りシングルプレス。
香りにこだわった最高級グレードの高繊維低カロリーのチモシーです。
丈が長いため、歯の健康維持をサポートしてくれます。
トレーサビリティがしっかりしていて安心なチモシー。
北米産のシングルプレス。
牧草の鮮度と香りを保ち、光・酸素による酸化から守るアルミパックを使用しているのでいつまでも新鮮。
前述してきた通り、チモシーは うさぎのエサ となります。
うさぎのエサとして与える牧草の種類は2種類。
1つはこれまで紹介してきたチモシー。
もう1つはマメ科で高タンパク、カルシウムも多く含むアルファルファです。
アルファルファは日本では栽培に適しておらず、輸入品がほとんどのためチモシーと比べて少し値段が高い傾向にあります。
成長期のうさぎには、このアルファルファとチモシーを同じぐらいたくさん与えます。
その後、体重が安定した維持期以降のうさぎのメインとなる食事はチモシー。
チモシーは高繊維質、低タンパクでうさぎの健康を維持させるのに最適です。
特に、うさぎは繊維質を与えることが重要。
ペレットや生野菜のみでは、食物繊維を始めとした栄養が不十分な状態になってしまいます。
また、乾燥した牧草はうさぎの歯の健康を保つ事においても重要です。
チモシーをメインに、ペレットと少量の野菜や補助となる牧草などを与え、健康的に育てましょう。
チモシーの与える量は、チモシーはいくら与えても与えすぎになることはありません。
常に食べ放題になるように、新鮮なものを用意しておきましょう。
ただし、穂の部分などの趣向性の高いものを食べ放題にさせておくと偏食が進むので注意。
うさぎと同じく、 チンチラ も新鮮な乾燥干し草を与えて飼育します。
チンチラの場合うさぎとは異なり、アルファルファをメインに与えます。
袋詰めかキューブタイプのアルファルファを毎日新鮮な状態で与えます。
補助の牧草として、チモシーを与えるのが良いでしょう。
ただし、チモシーはチンチラにとっては栄養価が少なすぎるため、あくまでメインはアルファルファであることを覚えておいてください。
チモシーはヘルシーな反面、繊維質が高く、腸に優しい牧草。
ベビー時期で環境が変わった直後や、下痢をしているとき、高齢のチンチラなどに与えると良いとされています。
普段からミックスして与え、状況に併せて割合を変えるのもおすすめ。
アルファルファよりチモシーは趣向性が低いため、アルファルファだけで育てているとチモシーを食べることはまずありません。
幼少期から味を覚えさせおくのが良いでしょう。
その他の フェレット や ハムスター などの小動物も、牧草を床材の敷き草として使用することがあります。
敷き草として干し草を使うなら、柔らかいものを選んでください。
ペット用品店では、エサ用ではなく、敷き草としての牧草も販売しています。
食べていた牧草を突然食べなくなるということがあります。
小動物は意外と舌が肥えていて、些細な味覚の変化も気がつくもの。
突然食べなくなったことには何か理由があるはずです。
突然牧草を食べなくなった場合の対処法をご紹介しましょう。
突然牧草を食べなくなった場合、その牧草の香りがなくなった、古くなったなどの理由が考えられます。
より新鮮な牧草を購入して与えてみてください。
または、牧草の香りを出すことにより、嗜好性を高め興味を引きつけるのも良いでしょう。
方法は、牧草を切る、レンジでチンする、叩く、潰すなど。
こうすることで、牧草の断面が崩れるため、香りが出やすくなり、再び食べてもらえるかもしれません。
肝心の牧草を食べる前にペレットやおやつをたらふく食べていては、牧草を食べなくなるのは当然。
ペレットの与える量は商品パッケージに記載された適量、おやつはごく少量が基本です。
「ペレットやおやつは全て食べるけれど牧草は食べない」のであれば、それはすでにペレットとおやつが多すぎる証拠。
エサの内容を見直してください。
牧草入れに問題がある場合も、牧草を食べなくなる原因となります。
食べにくいエサ入れは牧草を食べたいという気持ちが薄らいでしまうことがあるのです。
エサ入れを替えたり、年齢やケガなどによって今までのエサ入れが使いにくくなったりというときに、牧草を食べなくなってしまいます。
実は牧草を入れ物に入れるよりは床に置いた方が良い場合もあるので、一度直置きであげてみましょう。
今まで食べていた牧草を突然食べなくなるのは、単にその牧草の味が好きじゃなくなったからかもしれません。
こうなると、1種類の牧草しか与えてこなかったときに大変困ったことになります。
常日頃から数種類の牧草を食べる習慣を身につけさせておくことがおすすめ。
ただし、色々な種類の牧草を混ぜてあげるという形ではありません。
朝の食事はカナダ産の1番刈り、昼は北海道産の2番刈り。
夜はアメリカ産の3番刈りといった形で分けて与えます。
色々な硬さや味に慣れていれば、味覚の変化や体調変化で突然牧草を食べなくなっても選択肢がたくさんあって安心ですね。
牧草を突然食べなくなったら、ペレットを与えるタイミングを見直してみるのも良いかもしれません。
基本的に牧草を与えるタイミングとして良いのは、ペレットを与える前とされています。
牧草には腸内活動を活発にさせる効果があり、活発な消化活動後であればペレットの吸収率も上がるためです。
さらに、ペレットでお腹いっぱいになってしまって牧草を食べないということにならないためにもこのタイミングは有効です。
今までのペレットと牧草の与えるタイミングを変えることで、牧草を再度食べるようになるかもしれません。
牧草に問題がない場合、体調の変化によって食欲がなくなっている可能性を疑いましょう。
特に季節の変わり目などはペットも体調を崩しやすい時期。
室内温度は適正か、飼育環境は衛生的で安全かを再度確認してください。
フンや毛並みなどの状態もチェックして、異常があればすぐに動物病院へ。
ペットと暮らす前に必ずしてほしいことが、アレルギー検査です。
自分だけでなく、一緒に暮らす家族にも受けてもらう必要があります。
ペットを飼い始めたは良いけれど、アレルギーが発症して飼い続けることが困難、そんなことはあってはなりません。
動物アレルギーの他に、うさぎやチンチラを飼う人は牧草アレルギーも検査しておきましょう。
特に、うさぎの主食であるチモシーはイネ科の植物で、イネ科アレルギーによってうさぎを手放さなければならなくなったという話も少なくありません。
うさぎのペレットも原材料がチモシーなので、イネ科アレルギーがあるかどうかのチェックは必須とも言えるでしょう。
ただし、アレルギーがあるからといって必ずしもうさぎを手放さなければならないわけではありません。
うさぎ専門店ではアレルギー対策牧草も販売されています。
ネットには様々な対策法が公開されており、軽度のアレルギーであれば対策することで一緒に暮らしていくことも可能。
しかし、牧草を与えるときに手袋をするなど手間がかかることも多いので、何にせよこれからうさぎを迎えるという人はアレルギーテストを受けておくのが良いでしょう。
チモシーという牧草をひとつでも、さまざまな種類が存在します。
よりペットが好み、健康的でいられるものを与えたいものですね。
この記事があなたの牧草選びに役立てば幸いです!
公開日 : 2017/08/04