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ニホントカゲは、トカゲ科トカゲ属に分類される 爬虫類 です。
国内に姉妹種が3種類分布していますが、どの種類も見た目が良く似ていることから、近年まで単一種と見なされてきました。
青い尻尾と全身の光沢が美しいニホントカゲですが、その数は年々数は減少傾向にあります。
尻尾が短く胴が長いため、少し大きめに見えるかもしれません。
うまく飼育すれば、20年以上生きた例も報告されています。
日本全国に生息しています。
ニホントカゲは一種類ではなく、生息場所によって3種類に分類されます。
平地から高地にわたり、比較的良く見かけることができる トカゲ です。
昼行性で、日当たりの良い川辺付近の石やコンクリート上で日向ぼっこを好んで行います。
冬場は穴を掘って冬眠をするため、見かけることはほとんどありません。
また、毒は持っておらず、万が一噛まれても毒の心配はないです。
オスの成体は褐色で、側面に茶褐色の太い縦縞が入っています。
繁殖期になると、オスは喉から腹部にかけて赤みを帯びます。
メスは黒や暗褐色で、5本の明色の縦縞模様が入っており、幼体の色彩に似たまま成体になる個体が多いようです。
ミミズ、クモ、ハエ、 コウロギ 、芋虫などの小昆虫類を主食に生活しています。
屍骸はあまり好まず、生餌を食べることがほとんどです。
虫のほかには、たまに果実を食べることもあります。
ニホントカゲの天敵はモズなどの 鳥類 、 猫 、 タヌキ や イタチ などの哺乳類、 蛇 などの爬虫類と多く存在ます。
敏捷性の高いニホントカゲですが、スタミナがないため比較的捕まりやすい生き物です。
ニホントカゲの種類は、現在3種に分類されます。
3種類は見た目が非常に似ているため、これまで単一種としてみられてきました。
しかし、近年のDNA調査などにより、違う種類であることが判明しています。
3種類の大きな違いは生息地が異なることで、見た目で違いを見分けることは困難です。
ここでは、ニホントカゲとほか2種類を紹介します。
本州西部から、西日本に分布しています。
伊豆諸島にのみ分布しています。
東日本、ロシア沿海地方に生息しています。
ニホントカゲ
ニホンカナヘビ
写真を見ると両者は見た目がだいぶ違います。
しかし、どちらも良く見かける「トカゲ」であることから、同じ生き物だと思われがちです。
見かけることの多いトカゲは、実はニホントカゲだったりニホンカナヘビだったりします。
ここでは、ニホントカゲと ニホンカナヘビ の分かりやすい違いをまとめました。
全身に光沢があるニホントカゲに対し、ニホンカナヘビには光沢がありません。
ニホントカゲは尾が短いのに対し、ニホンカナヘビは体全体の3分の2を尾で占めています。
ニホントカゲには、首と胴に括れが存在しますが、ニホンカナヘビには存在しません。
ニホントカゲは基本的に捕獲が難しくないので、捕獲したものを飼育することが一般的です。
4月から10月にかけての天気の良い日中に、水辺付近のコンクリートや石の上で日光浴をしていることが多いため探してみましょう。
野生下でのニホントカゲは、冬場は土の中で冬眠をしています。
そのため、冬場にニホントカゲを捕獲するのは困難でしょう。
自力で捕獲する以外に、購入場所としては大型のペットショップや爬虫類専門店などでニホントカゲを販売している店舗があります。
販売店では、およそ1,500円~2,000円程度と、リーズナブルな価格で販売されていることが多いです。
しかし、ニホントカゲの数は減少傾向にあるため、今後値段は高くなると予想されます。
始めに、ニホントカゲの飼育方法として「屋外飼育」か「屋内飼育」を選びます。
屋外飼育は、ベランダなどの屋外で飼育します。
温度管理や日光浴は外気温で行うため、自然に近いスタイルで飼育することが可能です。
野生のニホントカゲは冬眠をしますので、冬場は冬眠ができるよう飼育環境を整える必要があります。
屋内飼育では、温度管理ができるため、冬眠をさせないことも可能です。
冬眠をさせるかさせないかを選択することができることが最大のポイントとなっています。
冬眠をさせないと1年中活発に活動する姿を見ることができますが、自然に日光浴ができない分、紫外線ライトなどの飼育用品が必要となります。
ニホントカゲのケースには、基本的に爬虫類用ケースがおすすめです。
ほかにも、プラスチックケースや水槽を飼育ケースとして使用することもできます。
ニホントカゲにとってストレスにならないよう、ケースの大きさは60㎝以上のゆとりが必要です。
また、脱走防止のため、しっかりと蓋のついたケースを購入しましょう。
飼育ケースは直射日光の当たらない場所に置いてください。
直射日光が当たる場所は、気温の寒暖差が大きくなりがちです。
ニホントカゲは気温の寒暖差を苦手としています。
ニホントカゲの飼育環境の例です。
レイアウト次第では、インテリアのように美しい飼育ケースができあがりますよ。
コケなどの植物を入れる際には、ニホントカゲにとって毒性のないものを選ぶようにしましょう。
床材はニホントカゲの隠れ場所や体温調節のために必要ですので、必ず使用しましょう。
床材には捕獲した場所の土でも良いのですが、虫が湧いてしまったり雑菌が繁殖しやすいなど、衛生上あまり好ましくありません。
爬虫類用の土や、園芸用の土がおすすめです。
必ず床材として土を深さ5㎝ほど敷いてあげましょう。
野性のニホントカゲは、アスファルトの上などで日光浴をしています。
日光浴を行うことで、体温調節などを行っています。
飼育下でも同じような環境を作り、日光浴をさせてあげることは必須です。
使用するものは石やレンガ、 流木 などです。
また、隙間に隠れることも好むため、隠れ家やシェルターになるような場所も作ってあげると良いでしょう。
屋外飼育の場合は必要ありませんが、ニホントカゲにとって日光浴は、体温調節や新陳代謝を正常に保つために必要不可欠です。
室内飼育でしっかりと日光浴ができない場合には、紫外線ライトやスポットライトを当てる必要があります。
日当たりの良い場所で日光浴ができれば良いのですが、窓越しではUVカット加工でなくても紫外線は不十分です。
紫外線ライトやスポットライトを使用する場合には、ケース全体ではなく、ケースの半分ほど光が当たるようにしましょう。
紫外線の当たる場所に、石を置いて日向ぼっこがしやすいようにしてあげましょう。
人工的に日光浴を効率良く行うことは難しく、強すぎれば熱射病、不足すると紫外線不足に陥りやすいため、室内飼育では紫外線ライトやスポットライトを必ず使用するようにしましょう。
ニホントカゲの主食は「虫」です。
基本的には生餌を与えます。
ペットショップで購入できる虫は、「コオロギ」、「ミルワーム」、「モリチャバネゴキブリ」、「ミミズ」などが存在します。
ミルワームはカルシウムが不足しがちなため、ミルワームのみを与えるのはおすすめできません。
また、野生のミミズには寄生虫がいる場合があるので、エサように販売されているものが安心です。
ニホントカゲには、比較的動きの遅いコオロギが適していると思います。
エサを与える際の注意点として、ニホントカゲの頭より大きな虫を与えると、詰まらせて死んでしまうことがあります。
与える虫は、顔の半分ほどのサイズのものか、カットして与えてください。
エサを与える回数は、週に2回~3回程度です。
単一の虫のみでは飽きて食べなくなってしまう場合があるため、何種類かローテーションすると良いでしょう。
虫が逃げ出さないよう、飼育容器にはしっかりと蓋をしましょう。
また、毛虫などの有毒な虫は与えてはいけません。
尻尾の付け根が痩せてきたら、エサ不足のサインですので、すぐに補充してあげましょう。
また、ニホントカゲはエサを全く食べない場合があります。
エサを食べない場合には、以下の方法を試して見てください。
生餌のほうが食いつきが良いため、基本的に生餌を与えましょう。
ニホントカゲも虫の種類に好みがあるため、虫の種類を替えてみるのも良いでしょう。
飼育環境や温度環境が合っていないと、エサを食べない場合もあります。
今の飼育環境や温度がニホントカゲにとって過ごしやすいものか、今一度見直してみましょう。
ニホントカゲは神経質な一面もあるため、人がずっと眺めていると、ストレスからエサを食べなくなってしまうことがあります。
捕食される側であるニホントカゲのためにも、あまりじっと見つめないようにしましょう。
トカゲの特徴として、自ら餌を食べないと一度決めてしまうと、餓死するまで食べないという習性があります。
何をしてもエサを食べる傾向にない場合には、その可能性があります。
残念ですが、その場合は野生に返してあげましょう。
虫そのものだけでは栄養が偏ってしまいがちです。
爬虫類専用のビタミン剤やカルシウム剤などの栄養剤が販売されていますので、エサにつけて補給させてあげましょう。
ニホントカゲのエサとなるコオロギやミルワームは、販売されている状態では栄養状態が良くない場合があります。
エサとして与える前に、果物や野菜などの栄養のあるものを与え、虫自体の栄養状態を良くしてから与えることがポイントです。
ミルワームは人間用の粉ミルクの中に入れて飼育すると、ミルワームが粉ミルクを食し、カルシウム不足を回避することができますよ。
ニホントカゲは飲水量が多いので、水は常に飲めるようにしておきましょう。
爬虫類用の浅い皿の容器がおすすめです。
浅い容器は床材が入りやすいため、水が飲めなくなってしまわないよう注意しましょう。
冬場、冬眠をさせないのであれば、気温は25度前後を保ちます。
寒い場合はパネルヒーターやエアコンなどで温度が下がりすぎないように注意しましょう。
成体では冬眠をさせたほうが長生きすると言われています。
いきなり寒くしてしまうと上手く冬眠することができず死んでしまうことがあるため、冬眠をさせるには事前に準備期間が必要となります。
湿度に関しては、乾燥を苦手としますので床材の土が乾いたら、霧吹きなどで土を湿らせてあげましょう。
常に湿っている状態も良くないため、必ず土が乾いてから湿らせてください。
屋外飼育の際には、必ず直射日光の当たらない場所に飼育ケースを置いてください。
直射日光が当たる場所は、高い確率で熱射病にかかってしまいます。
屋外では直射日光が当たらなくても、十分な紫外線を浴びることができます。
ケースを置く場所は、雨風の当たらない場所に起きましょう。
雨が吹き込むと、雨水がケース内にたまり、溺死してしまう可能性があります。
また、天敵が多いため、飼育ケースの網などは頑丈な作りのものを使用しましょう。
冬眠をさせる場合には、9月中旬から10月中頃まで、エサの量を増やして良く太らせてあげましょう。
寒くなり冬眠するまでエサを多く与えてしまうと、お腹の中にエサが残った状態で冬眠をしてしまいます。
未消化のエサが体内に残っていると、冬眠中に腐敗してニホントカゲが死んでしまいますので、寒くなってきたら徐々にエサを減らしていきます。
ニホントカゲの性格は、神経質です。
そのためストレスに弱く、大きな物音などを苦手とします。
また、捕食される側ですので、じっと見つめられることもストレスに感じ、エサを食べなくなってしまうことがあります。
可愛いのでついつい長時間眺めてしまいがちですが、ニホントカゲとは適度な距離感を保ち、そっと鑑賞しましょう。
基本的には一匹のみの飼育がおすすめです。
ニホントカゲは縄張りを持つため、複数で飼育するとケンカのリスクが高まります。
特にオス同士は激しいケンカになりやすいため、繁殖目的以外は単独で飼育しましょう。
ニホントカゲの特徴と魅力として、「青い尻尾」が挙げられますよね。
どうして尻尾が青いのか、気になった方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ニホントカゲの青い尻尾について調査しました。
尻尾が青いのは、「幼体」のみで「成体」には存在しません。
ですから、青い尻尾のニホントカゲは幼体である事の証でもあります。
また、ニホントカゲのほかにもオカダトカゲや、オキナワトカゲ、イシガキトカゲなどの幼体も、同じように青い尻を持っています。
ニホントカゲはトカゲ特有の「自切」を行います。
これは、天敵につかまった際に、自ら尻尾を切り離し逃げる行動です。
ニホントカゲの幼体は、尻尾を青く目出せることで、より天敵から身を守ることができると考えられています。
切り落とした尻尾は、時間経過と共に再生されます。
ニホントカゲは、日本に生息するトカゲです。
見た目はよく似ていますが、西日本、東日本、伊豆諸島に3種類の姉妹種が生息しています。
ニホントカゲは飼育することも可能ですが、冬眠する生き物であるということや、与えるエサが「虫」だということもあり、飼育するには事前に予備知識が必要になります。
また、成体になれば丈夫な個体ですが、幼体は非常に繊細で弱い生き物です。
幼体を飼育する際には、爬虫類飼育初心者には難しいかもしれません。
ニホントカゲと良い関係を築くためには、適切な飼育管理と適度な距離感が欠かせません。
公開日 : 2018/01/12