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まずは、爬虫類とはどういった生き物なのかというところからお伝えします。
その特性を知らずして爬虫類を飼育することはできません。
また、生体のお値段や飼育用品、寿命なども合わせて知っておきましょう。
ほぼ全ての爬虫類に共通する特徴として、触れられるのが好きではないということが挙げられます。
種類によって少し違いはありますが、犬や猫のように、触れ合うことを目的として飼育するペットではありません。
せっかく爬虫類を飼うなら、爬虫類の個性を尊重して飼いましょう。
爬虫類の値段はピンからキリまで。
千円以下でお迎えできる子ガメもいれば、何十万円もするヘビもいます。
動物自体にかかる値段の他に、設備にかかるお金を計算に入れておきましょう。
犬や猫は私たちと同じ環境で暮らせますが、爬虫類は多くの場合、温めてやったりUVライトで紫外線を与えなければなりません。
テラリウム全体の温度を上げるだけでなく、ホットスポットと言って、特に暖かい部分を必要とすることもあります。
例えば、60cmガラス製アクアリウム、100ワット熱帯魚用オートヒーター、水中フィルター、20ワット爬虫類用蛍光灯等を合わせて、8,000円から1万円くらいかかります。
その他、毎月の電気代も覚悟しなければなりません。
触れ合いを好まない爬虫類なので、散歩に連れて行ったり、遊んであげたりする必要はありません。
種類によっては、大人になると一週間に2回くらいしか餌を食べないものもいます。
もちろん、だからといって世話をしないで良いというわけではありません。
爬虫類は割と長生きで、種類によっては10年から20年一緒に暮らせます。
そのため、飼う前に10年後の自分を想像してみましょう。
10年後、飽きないで、そして元気で、動物の世話を続けられるでしょうか。
ペットを飼うには、家族の理解も必要です。
将来の結婚相手が嫌だと言ったら…
餌にコオロギやマウスをあげる場合、餌をかわいそうに思ったり、見た目に抵抗のある人もいます。
爬虫類の中でペットとしてよく飼われているのは、何といってもカメでしょう。
子ガメは見ていると本当に愛らしくて、つい気軽に迎えてしまうこともあります。
ただ、大きくなるということを忘れないでください。
体が大きくなっても良い環境を与えられるかどうか、飼育する前に十分検討しましょう。
子ガメのうちは、アクアリウムやテラリウムの中で、加温して飼うことをおすすめします。
庭で飼う場合は脱走に注意してください。
意外に思われるかもしれませんが、金網はよじ登ってしまいます。
柵は高さが必要なのではなく、よじ登れないことが重要。
また、犬に咬まれて甲羅が割れてしまうことも多いので、犬を飼っている場合は棲み分けをするのが無難です。
おすすめの理由は、何といってもそのサイズ。
子ガメはどの種類もかわいいものですが、成長すると30cmに達する種類もいます。
その点、ミシシッピニオイガメは、最大でも13cmほどと家庭で飼うには理想的な大きさです。
頭の横に明るい色の筋があるのが特徴。
ニオイガメという名前は、攻撃されるとニオイを出すからですが、飼っていて問題になることはほとんどありません。
原産地はアメリカ、カナダです。
半水棲ですが、水底を歩いていることが多いので、水深は13cmくらいにしましょう。
レンガや石、浮嶋で陸場を作ってあげてください。
日中の水温は25度から29度、夜間は15度から18度を保ちます。
十分に日光浴をさせることができない場合、UVBランプで陸場を照らします。
UVBはガラスにカットされてしまうので、直接、または金網越しに照射します。
日光やランプが強すぎる時に隠れられるよう、シェルターも入れてあげましょう。
水が汚れると病気になりやすいので、できれば毎日、水を半分換えたいところ。
それが無理なら、高品質のフィルターを付けてあげてください。
それでも週2回、水を半分換えた方が良いでしょう。
水は一晩汲み置きしたものを使うか、中和剤でカルキ抜をしたものを使用します。
ミシシッピニオイガメは3,000~6,000円で販売されています。
雑食ですが、配合飼料のレプトミンなどが便利です。
成長期は毎日、大人になったら1日置きくらいに与えましょう。
その他、ペットショップで爬虫類の餌用に売っているコオロギもおすすめです。
野菜、鳥のささみなども食べます。
命に危険が及ぶ可能性もあるため、犬や猫の餌や乳製品は食べさせないでください。
食べ残しの餌は、そのままにしないで棄ててください。
※合わせて読みたい: 大人になっても手の平サイズの水棲カメ!「ミシシッピニオイガメ」(ミシニ)の特徴や飼い方を解説
ペットショップで、甲羅の長さ4cmくらいの幼い子ガメをミドリガメという名前で販売していることがあります。
大抵の場合、ミシシッピアカミミガメのことです。
耳の辺りに赤い線が入っているのが特徴です。
成長すると甲羅の長さが28cmになり、色も茶色に変わります。
環境省では、2020年からミドリガメを特定外来生物に指定することを検討していました。
もし特定外来生物に指定された場合は、売買や飼育、譲渡は禁止され、指定以前に飼っていた人は届け出なければなりません。
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は500円ほどで販売されていることが多く、中には安易な気持ちで飼い始める人もいます。
成長して大きくなったカメを持て余し、川や池に棄ててしまう人が続出しました。
その結果、生態系のバランスが崩れ、元から日本に棲んでいたカメやその他の生物が、大幅に減少することとなってしまったのです。
そこで、特定外来生物にするという話が持ち上がりました。
2022年5月11日には「改正外来生物法」が可決され、 ミドリガメの輸入や販売、放出は禁止 する一方で、 個人の販売目的でない飼育や個人間の無償譲渡は容認 されることになりました。
※合わせて読みたい: ミドリガメの飼い方
ヤモリはトカゲ類の中で最大の科のひとつで、700種を超えます。
ちなみに、日本語でヤモリとイモリは音が似ていますが、ヤモリは鱗で覆われたトカゲの仲間。
イモリはカエルと同じように、体表がヌルヌルした両生類です。
ヤモリの体調は2.5cmから60cm以上になるものまで、種類によっていろいろです。
棲む場所も、熱帯雨林、砂漠、人家と変化に富みますが、どの種も昆虫を捉える名人。
夜行性の種が多く、目が大きいため、つぶらな瞳がかわいらしいです。
漢字では家守とか守宮と書きますが、本当に家を守ってくれるかどうかは定かではありません。
そうとはいえ、垂直なガラス面を忍者のように歩いたり、害虫を捕まえてくれたり、頼もしい存在です。
※合わせて読みたい: ヤモリの種類と飼い方。飼育グッズ、餌、病気や選び方のコツまで
原産地は中東。
成長すると、18cmから28cmになります。
幼いうちはよく人に慣れ、触っても我慢してくれる子が多いです。
ヒョウモンというくらいで、美しい斑点があるのが特徴です。
英語名はレオパード・ゲッコー。
丸々とした尻尾には、栄養が蓄えられています。
雄同士は激しい喧嘩をするので、2匹以上の雄を一緒に飼ってはいけません。
乾燥したテラリウムで飼い、水入れを置くか、スプレーで湿気を与えます。
気温は低温部25度、ホットスポット30度、夜間は21度くらいに下げます。
必ず隠れ家になるものを入れてください。
ヒョウモントカゲモドキは、爬虫類の中ではペットとして飼われることが多く、品種改良が進んでいます。
淡い黄色に黒の斑点の子もいれば、濃い黄色、オレンジ色の子もいます。
そのため、色や模様で値段にもかなりの開きが出てきています。
3,000~5,000円ほどで入手可能ですが、中には1万円以上する個体もいます。
コオロギやワーム、ピンクマウスを与えます。
ピンクマウスとは、生まれたてのハツカネズミのベビーで、冷凍ものも売っています。
冷凍の場合、中までしっかり解凍してから与える必要があります。
幼いうちは毎日餌を与えますが、成長したら1週間に2~3回にします。
尻尾に栄養を蓄えているので、十分栄養がついた大人なら、一週間餌を与えなくても大丈夫です。
※合わせて読みたい: ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)の飼い方と特徴
ヘビは昔から神秘的な動物とされ、古代エジプトでは王権のシンボルでした。
日本にもヘビを祀った神社がありますね。
ヘビの毒は確かに危険ですが、使い方によっては薬にもなる。
そんなわけで、ヘビは医学と知恵の象徴でもあるのです。
現実のヘビは、とてもデリケート。
環境の変化にも敏感で注意が必要です。
飼い主が咬まれることも多く、毒がなくても、傷の手当のため、救急セットを用意しておくことをおすすめします。
設備面では、ちょっとしたすき間でも逃げ出してしまうので念には念を入れてください。
種類によっては特定動物に指定され、飼うために地方自治体の許可が必要なものもあります。
※合わせて読みたい: 蛇の飼い方と種類まとめ!ペット人気急上昇中?
コーンスネークはナミヘビ科。
原産地は北アメリカで、ヨーロッパやアジアにも生息しています。
成長すると100cmから130cmになりますが、2mを超えることもあります。
夜行性で、木登りが得意。
色や模様がきれいなので人気があり、丈夫なため、比較的飼いやすいと言われています。
乾燥したテラリウムで飼い、水入れや隠れ家の他、餌を置いたり体をこすりつけるための平たい石を入れてやります。
低温部は24度、ホットスポットは30度に保ちましょう。
色や模様によって、5,000円くらいで手に入るものから、珍しい色や模様の個体は1万円以上するものもあります。
最初からピンクマウスを与えて大丈夫です。
孵化してからまだ日が浅い場合は、卵の栄養が体内に残っていて、餌を食べないこともあります。
たいていの子ヘビは生まれてから一週間から10日で脱皮し、それから餌を食べ始めます。
幼いうちは、週1回から2回ほど餌をあげましょう。
※合わせて読みたい: コーンスネークの特徴や飼い方、エサ、飼育用品などを解説
鳴き声がしないことや散歩に行かなくても良いなど、その飼いやすさから近年人気が出ている爬虫類。
その姿は実は愛嬌もあり、一緒にいればいるほど愛すべき存在になります。
ペットショップに行ったら、ぜひ爬虫類のコーナーを訪れてみてください。
この先長い時を共にする、運命のパートナーが待っているかもしれません。
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最終更新日 : 2022/05/17
公開日 : 2016/05/13