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大人になっても手の平サイズの水棲カメ!「ミシシッピニオイガメ」(ミシニ)の特徴や飼い方を解説






あなたは「ミシシッピニオイガメ」という水棲カメの一種をご存知でしょうか。
もしかしたら「ミシニ」という略称であれば聞いたことがある、という方もいるかもしれません。

ミシシッピニオイガメは、大人になってもあまり体が大きくなりません。
また、温和で人に懐きやすいことから、世界的にペットとしての人気が高まっています。

本記事ではそんなミシシッピニオイガメについて、その生態や飼い方を解説していきます。

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【目次】大人になっても手の平サイズの水棲カメ!「ミシシッピニオイガメ」(ミシニ)の特徴や飼い方を解説

 

ミシシッピニオイガメの生態

分布

大きさ

鳴き声

食性

特徴

繁殖

寿命

ミシシッピニオイガメの生態まとめ

ミシシッピニオイガメはペットとして飼えるのか

ミシシッピニオイガメの購入方法

ミシシッピニオイガメの値段

ミシシッピニオイガメの飼い方

ミシシッピニオイガメの餌

水槽

カルキ抜き(水質調整剤)

ヒーター・サーモスタッド

水温計

陸地(足場)・隠れ家

ミシシッピニオイガメと混泳できる生き物

家を留守にする時のポイント

ミシシッピニオイガメを屋外で飼う時のポイント

さいごに

 

 

ミシシッピニオイガメの生態

 

 

ミシシッピニオイガメは 「爬虫綱 カメ目 ドロガメ科 ニオイガメ属」 の動物です。

生息地であるアメリカやカナダではごく一般的に見られる水棲ガメで、その大きさや穏やかな性格から世界中でペットして飼われています。

 

まずはそんなミシシッピニオイガメの生息地や大きさ、特徴などを見ていきましょう。

 

分布

 

ミシシッピ川のイメージ

 

野生のミシシッピニオイガメは、アメリカ東部~カナダ南東部の広い範囲に生息しています。

 

ミシシッピニオイガメは夜行性で、昼間は川底に潜んで休んでいます。

明け方や夕方になると、餌を探すために活発に動き始めます。

 

大きさ

 

 

ミシシッピニオイガメの甲長(甲羅の長さ)は8~14cmほど、体重は600gほどです。

幼体(ベビー)は2~3cm前後で販売されていることが多く、小さいほど飼育難易度が高いといわれています。

 

鳴き声

 

 

ミシシッピニオイガメには声帯がないため、鳴き声はありません。

しかし、個体によっては気管から空気を出し、「フシュー」といった空気が抜けるような音や、カエルのような「ゲコゲコ」といった音を出すことがあります。

 

食性

 

 

ミシシッピニオイガメは肉食傾向の強い、雑食性の動物です。

野生では魚類や昆虫類、甲殻類や貝類などを中心に、果実や水草、藻類なども食べています。

 

特徴

 

 

ミシシッピニオイガメ最大の特徴は、敵に襲われると臭腺から悪臭を放つ分泌液を出すことです。

そうとはいえ、穏やかな性格をしているので、飼育下ではほとんど臭いを出すことはありません。

 

また甲羅に丸みがあること、頭部に2本ある白色~黄色のラインが入っていること、貝類や甲殻類を食べるためにやや頭が大きめであることも特徴といえます。

子どものうちは甲羅に「キール」と呼ばれる3本の隆起がありますが、成長に伴って目立たなくなります。

 

繁殖

 

 

ミシシッピニオイガメは甲長が5~6cmくらいになると性成熟を迎え、繁殖できるようになります。

性成熟に達するまでの年数は野生下より飼育下の方が早いものの個体差が大きく、オスは生後2~7年、メスは2~11年程度ほどといわれています。

 

ミシシッピニオイガメは水中で交尾をした後、2~6月の間に1~9個の卵を産みます。

そして卵は60~84日で孵化し、稚亀は孵化した瞬間から自分の力だけで生きていきます。

 

なおミシシッピニオイガメは、成熟すると性別が見分けられるようになります。

オスは生殖器がある分メスより尻尾が太くて長く、尻尾の先端には鍵爪状の鱗が突き出しています。

 

また、メスに乗る時(交尾の際)に滑らないよう、腹甲が若干へこんでいます。

 

寿命

 

ミシシッピニオイガメの顔アップ

 

ミシシッピニオイガメの寿命は、30年ほどといわれています。

中にはなんと、50年以上生きたという記録もあります。

 

ミシシッピニオイガメの生態まとめ

 

分類:爬虫綱 カメ目 ドロガメ科 ニオイガメ属

学名:Sternotherus odoratus

英名:Common Musk Turtle, Stinkpot Turtle

別名:ミシニ

分布:アメリカ東部~カナダ南東部

大きさ:

甲長・8~14cmほど
体重・600gほど

鳴き声:鳴かない

食性:雑食(肉食傾向が強い)

繁殖:

性成熟・オス生後2~7年、メス生後2~11年
産卵数・1~9匹
孵化までにかかる日数・60~84日

寿命:30年ほど

 

 

ミシシッピニオイガメはペットとして飼えるのか

 

 

ミシシッピニオイガメは、ペットとして飼育できます。

カメの中でも特に人懐こい性格で、慣れると飼い主の顔を覚えて踊るように餌をねだる(通称・エサくれダンス)こともあります。

 

この項目ではミシシッピニオイガメの購入方法と、その値段について解説します。

 

ミシシッピニオイガメの購入方法

 

土管とミシシッピニオイガメベビー

 

ミシシッピニオイガメは、ペットショップで販売されています。

比較的安価であるためか、チェーンのペットショップでもその姿を見かけることがあります。

 

しかし、初めてカメを飼育する方は、できればカメや爬虫類の専門店から購入することをおすすめします。

なぜならカメは寿命が長い上、ペットショップに爬虫類の知識を持ったスタッフがいるとは限らないからです。

 

ミシシッピニオイガメの値段

 

 

ミシシッピニオイガメは、1匹5,000円前後で販売されています。

カメの中では比較的繁殖が容易であるため、値段は落ち着いているようです。

 

 

ミシシッピニオイガメの飼い方

 

流木の入った水槽にいるミシシッピニオイガメ

 

ミシシッピニオイガメは性格が温和で飼いやすいことから、 “ニオイガメの入門種” と呼ばれています。

多くの爬虫類が必要とするバスキングライトや紫外線ライトが不要(※)であるという点も、ミシシッピニオイガメが飼いやすいといわれている理由の1つといえるでしょう。

(※幼体のうちは紫外線が必要、あるいは生涯を通じて紫外線が必要だとする説もあります。)

 

この項目ではミシシッピニオイガメを飼育するために、必要なものを説明していきます。

 

ミシシッピニオイガメの餌

 

 

ミシシッピニオイガメの主食は、水棲カメ用の配合飼料(人工飼料)にすると良いでしょう。

飽きを防ぐため、ときおり煮干しや乾燥エビ、生餌(メダカや金魚などの小魚)を与えます。

 

量は配合飼料に記載された量か、カメの頭の大きさくらいの量を目安にしてください。

餌の回数は1日1回で構いませんが、幼体のうちは数回に分けて与えた方が望ましいとされています。

 

なお、ミシシッピニオイガメはストレスや水温の低下、日光不足で餌を食べなくなることがあります。

どうしても餌を食べない時は、嗜好性が高い物(生餌や冷凍アカムシなど)を与えてみてください。

 

水中に残った餌は腐敗して水質を悪化させるため、食べ残しがあればすぐに取り除いてください。

 

水槽

 

 

水槽のサイズは最低でも45cm水槽、できれば60cm水槽を選びましょう。

水の深さは深い方が良いとされていますが、あえて浅くしている方もいるようです。

 

水位が高いと水質が悪くなりにくく、ミシシッピニオイガメが泳ぎ回る姿も見られます。

また、水槽にろ過器を設置すると、さらに水質の悪化を遅らせることができます。

 

水位を低くする場合は水質は悪化しやすいものの、生体の変化に気づきやすくなります。

この場合はあえてろ過器を設置せず、毎日水を全量取り換えて水質を維持します。

どちらの方法が自分に向くのか、1度試してみると良いでしょう。

 

なお、ミシシッピニオイガメは、アクアリウムやアクアテラリウムで飼育する方もいます。

その場合砂利や水草を使ってレイアウトをしますが、砂利があると水換えの手間が増えるうえ、ミシシッピニオイガメが砂利を誤飲してしまう可能性もあります。

 

水草も食い散らかされてしまうため、プラスチック製の人工水草を使う方もいるようです。

 

カルキ抜き(水質調整剤)

 

 

水槽の水換えをする際には、カルキ抜きを使用しましょう。

中にはビタミンや雑菌を抑える成分が含まれた、カメの水槽専用の物も販売されています。

 

ヒーター・サーモスタッド

 

 

ミシシッピニオイガメは気温が下がると、冬眠をする習性があります。

しかし、カメを冬眠させることは難しく、冬眠したまま二度と目が覚めないことも珍しくありません。

そのため、基本的にはミシシッピニオイガメは冬眠をさせずに飼育することをおすすめします。

 

気温が下がってきたら水槽にヒーターやサーモスタッドを付け、水温を一定に保つように心がけてください。

 

水温計

 

 

ミシシッピニオイガメの健康を管理するために、水温計は欠かせません。

特にヒーターを設置している時や夏場は、こまめに水温をチェックする習慣を付けましょう。

 

なお、ミシシッピニオイガメに適する水温は26℃前後といわれています。

30℃を超える場合は水槽用のファンやエアコンを使い、水温を下げてください。

 

陸地(足場)・隠れ家

 

 

ミシシッピニオイガメは水棲ですが、意外と陸地に上がることが多いといわれています。

水槽内には陸地を設置し、常に乾燥した場所を作ってあげてください。

 

また、ミシシッピニオイガメは臆病な一面があるため、水槽内には隠れ家も設置してください。

隠れ家はしっかりと身を隠せるように、全身がすっぽりと隠れるサイズの物を選びましょう。

 

 

ミシシッピニオイガメと混泳できる生き物

 

 

ミシシッピニオイガメは、幼体のうちはどんな生き物とも混泳できます。

 

しかし、甲長が5cm以上になるとやや気性が荒くなり、他の生き物を食べてしまうことが多いです。

特に熱帯魚(ネオンテトラやグッピーなど)やエビ類(ミナミヌマエビなど)はほとんどの場合食べられてしまいます。

混泳をさせる場合は泳ぎが上手くて動きが早く、体が丈夫な魚を選びましょう。

 

なお魚類だけでなく、イモリなどの両生類との混泳も難しいです。

イモリとの混泳に挑戦する場合は障害物をたくさん用意する、広い水槽にするといった配慮が必要になります。

 

また、カブトニオイガメやヒメニオイガメ、クサガメとの混泳も不可能ではないものの、推奨できません。

それぞれのカメが理想とする水深が違うことに加え、カメは群れを作らずに卵から孵った瞬間から単独で行動することから、混泳すると個体間での争いが起きてしまう可能性が高いと考えられるからです。

 

繁殖を目的とする場合を除いては、カメ同士の混泳も望ましいとはいえません。

 

 

家を留守にする時のポイント

 

 

ミシシッピニオイガメを始めとしたカメの仲間は、非常に寿命が長いことで知られています。

カメを飼い始めた後、出張や旅行などで家を長期間空けなければならない…ということもあるでしょう。

 

実はミシシッピニオイガメは、絶食に強い傾向があります。

そのため2~3日餌を食べなくても問題なく、成体であれば5~7日くらい絶食できるといわれています。

 

むしろ家を留守にする際は、エサよりも水質の悪化を心配する飼い主が多いです。

水質の悪化を最小限にするためには出かける直前に水換えを行い、水を清潔な状態にしておくことが大切です。

 

なお、カメを留守番させる方法は以下のように様々なものがあります。

 

  • 出かける2日前ほどから餌を抜き、留守中に水質が悪化しないようにする
  • 出かける前にやや多めに餌をやり、直前に水換えをしておく

 

自分のカメの様子を見つつ、ベストな留守番の方法を見つけ出してください。

カメを預かってくれるペットホテルがあれば、そちらを利用しても良いでしょう。

 

 

ミシシッピニオイガメを屋外で飼う時のポイント

 

 

ミシシッピニオイガメは地域によりますが、屋外でも飼育できます。

ただ、雪が降るような地域での屋外飼育は難しいため、極端に気温が下がる地域では屋内飼育をおすすめします。

 

屋外飼育には大きめの水槽やプラ舟(トロ舟)、人工池、古いバスタブなどを使います。

水槽の周りには柵やネットを張り、脱走しないようにしておきましょう。

 

屋外でミシシッピニオイガメを飼育する場合は、冬眠させる前提で飼育します。

野生のカメは11月~3月頃、水温が5~10℃程度になると冬眠するため、それまでに準備を整えておきます。

 

冬眠させる時は夏にたっぷりと餌を食べさせ、冬眠する2週間前から絶食させて胃腸の中身を空にします。

冬眠が始まったらあく抜きした落ち葉を甲羅の上に5~10cmほど乗せ、水槽全体を覆って暗くします。

 

そして、ときおり水温や水の高さを確認しつつ、3月頃の目覚めを待ちます。

 

 

さいごに

 

水中を泳ぐミシシッピニオイガメ

 

大きさと人懐こさが魅力のニオイガメの入門種、 「ミシシッピニオイガメ」 について説明してきました。

 

ミシシッピニオイガメを迎える時は、30年先まで面倒を見られるかどうか一度考えてみましょう。

そして、万一飼いきれなくなった時は絶対に野外に捨てず、世話を引き継いでくれる人を探してください。

 

なぜなら、人の手で育てられた動物は自力で餌を取ること、住みかを探すことに慣れていないからです。

彼らにとって野外は自由ではなく、過酷で厳しい場所である…ということを覚えておいてくださいね。

 

もしミシシッピニオイガメを自宅に迎えたら、カメと過ごすゆっくりとした時間を楽しんでください。

体は小さくても愛嬌たっぷりなミシシッピニオイガメは、素敵な家族の一員になってくれることでしょう。


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