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愛嬌のある顔立ちに頭から鼻にかけて一本入っている白い線、長い尻尾にすらっとした体のライン。
ハクビシンはその大きさと相まって、非常にタヌキに似ている哺乳類です。
しかし実際は イヌ 科のタヌキに対し、ハクビシンは ネコ 科の生き物なのです。
そのため、木に登ったりなんと電線に登ったりもすることがあるなど、とても身軽で優れた身体能力を持っています。
今回はそんなハクビシンについて、生態と特徴をメインに保護した際の注意点についても紹介させて頂きます。
ハクビシンは中国全土からインド、そして台湾や日本に生息しています。
主に低地で暮らしていますが、雑食性で適応能力が高いため、生息地の一つであるインドでは2700mの高さでもその姿が確認されています。
日本では四国や関東などで主に暮らしており、近年では東京区内でもその姿を見かけることが多くなってきました。
また、北海道でも局所的に目撃例が存在しています。
しかし、日本で唯一のジャコウネコ科の哺乳類であることから、本来は外来種であるのではないかと推測されている生き物です。
ただ日本の昔話にある「ぶんぶく茶釜」では、綱渡りをするタヌキの姿が描かれていることから(タヌキは綱渡りができません)、実際には昔から日本でも生息していた可能性もあると言われています。
大きさはそれほどでもなく、大型の個体で80cmほどです。
オスのほうがメスよりも大柄なのも特徴です。
体重も2,3kgの個体が多く、猫とくらべると少々ずんぐりむっくりしているのですが遠目から見ると猫と勘違いしてしまうかもしれません。
手のひらに毛が生えていないため木登りも得意で、好物の柿やナシ、イチジクなどの木に登ってその果実を食べてしまうこと、また体毛がなめらかであることから少しの隙間でも侵入し、果樹園の果物や野菜などを食べてしまうため害獣にも区分されています。
また、電柱に登って移動するという驚きの移動方法を行うこともあります。
電線の上を歩いている中型の生き物の写真が時折SNSにアップされていますが、こちらは概ねハクビシンと考えても良いでしょう。
昼間は木の洞、タヌキや キツネ が放棄した巣穴、民家の屋根裏などで眠り、夜に活発に活動します。
猫科ですが草食よりの雑食であるため、中国では鍋料理としても食べられていますが、肉には独特の臭みがあるため濃い味付けにするのが一般的なようです。
ハクビシンの大きな特徴は、白鼻狗という名前の由来にもなっている額から鼻にかけて一本通った白い線です。
頬も白いため、その英名や種族名はハクビシンの顔の模様に由来する名前が多くつけられています。
また、ジャコウネコ科であるハクビシンはオスもメスも、性器のそばに会陰腺と呼ばれる臭い匂いを出す腺を持っています。
会陰腺の大きさは ウズラ の卵よりも少し大きめなぐらいで、威嚇の際にそこから匂いを出して敵を怯ませることが目的です。
同じように匂いを出す生き物としては、日本に元から生息している イタチ も有名でしょうか。
イタチは威嚇の際にいたちのさいごっ屁、と呼ばれるぐらいに強烈な匂いを出しますが、ハクビシンの会陰腺からの匂いはそこまで強烈なものではありません。
しかしどっちにせよ臭いのは確かです。
猫科やイタチ科の生き物にほぼ共通して言えることなのですが、排泄物の匂いも強烈です。
最近ではハクビシンが民家の屋根裏を住処にすることも増えており、まず悩まされるのが夜中の騒音と糞尿の悪臭だと言われています。
ハクビシンは野生の生き物なため、ノミやダニなどの被害を受ける可能性も少なくありません。
また、10~20頭の群れをつくって生活することも多いと言われています。
貯め糞という一か所にまとめて糞をする性質も持っているため、家にハクビシンが住んでいなくても敷地内に中型の動物らしきものの糞がある場合は要注意と言っても良いでしょう。
ハクビシンがそこを排泄する場所に決めてしまい、取っても取っても糞をされる可能性があります。
ハクビシンの糞自体は草食よりの雑食ということもあり、果物の種などが中心でそこまで臭いものではありませんが、尿が非常に匂います。
ネコ科の哺乳類には多いことなのですが、ハクビシンの尿にはアンモニアが大量に含まれているため非常に強いアンモニア臭がするのです。
下で忌避剤なども紹介させて頂こうと思いますが、どうしても糞をされてしまうようでしたら有刺鉄線などの導入も考えたほうが良いでしょう。
特にハクビシンは木登りも得意で高い場所にもするすると行けてしまうので、ベランダなどの普段使う場所に糞をされた場合は速やかに取り除いてかわりにハクビシンが嫌がるようなにおいの元を置いておく、もしくはネットを張ってしまうことをお勧めします。
また、姿かたちが非常に似ているタヌキですが、こちらは足跡の指の数で判別することができます。
ハクビシンは足の指の数が五本ですが、ハクビシンは四本です。
こうした特徴だけではなく糞そのものの形や色なども違うため、ハクビシンとタヌキは似ていても見分け自体はそう難しいわけではありません。
屋根裏に巣を作ってしまったときは業者さんに頼んでの捕獲や掃除などが必要になってしまいますが、糞のみである、もしくは果物を少々齧られてしまったといった被害でしたら、労力とお金はかかりますが多少の工夫でハクビシンの被害を減らすことも可能です。
こちらでは三次元移動が出来てかつ家の屋根裏などに巣を作ったり、庭に入り込んで排泄をすることもある猫などの被害に悩んでいる方にもおすすめな忌避グッズを紹介させて頂きます。
強い匂いを出す薬品を撒くことで動物がその場所に入らないことを目的としている商品です。
安価で、大抵のホームセンターに売っているので、ハクビシンの被害に悩んでいるようでしたらまずはここから初めてみても良いと思います。
天然由来の成分で作られた薬なため、ベランダであれば色素沈着を防ぐためにお皿の上に置いて使ったほうがいいのですが、地面に置く場合はそのままそこに置いても平気なタイプが多いです。
しかし残念なことに個体によって反応は様々で、最初は匂いを警戒して糞をしなくなってもしばらくするとその匂いに慣れてしまう、もしくは薬品の匂い自体が薄れてしまってまた糞を・・・という可能性があります。
それから、残念なことにそもそも商品自体も中々強烈な匂いがするため、独特の匂いが無理、という方にはあまりお勧めできません。
パッケージの通り、猫や ネズミ 、 蛇 などにも効果がある商品です。
こちらは人間でいうモスキート音の動物バージョンの商品です。
動物が近寄ると嫌がる周波数の超音波を出し、不快な気持ちにさせてそこを通り過ぎるか、もしくは近寄らないようにすることができます。
人に対しては効果はなく、聞こえても気にならない程度の音ですので安心して使うことのできる商品の一つです。
値段も中々安価ですし、太陽光で充電できるものも多いです。
ハクビシンだけではなく猫や犬、 鳥 などにも効果があるのでその被害に悩まされている方にも必見な商品だと思います。
ただ、こちらも「不快感を出す」商品なので動物は無視しようと思えば無視できてしまいます。
良質の餌場である、などの魅力的な点がその場所にある場合は無理をしてでも近づいてくる場合もなくはないので、こちらを買えばすべてが解決というわけではありません。
動物の被害で一番効果があるのがこうしたネット類になります。
設置も中々大変ですので労力と時間もかかりますが、その効果は高いです。
物理的に入れなくなってしまえば糞をされることも、家の中に侵入されることも防ぐことができます。
野生動物の被害に対して、一番良いのは土地や家を荒らしている個体のみを追い出すのではなくそもそもそこに動物が入れないようにしてしまうことです。
上で紹介した超音波装置と組み合わせれば更に効果が高くなります。
こちらで紹介したのはフェンスネットですが、業者さんに頼むことで鉄線を張ることも可能です。
しかし鉄線だけあって設置に7万程度とお値段が張りますので、被害も少量だけの場合はこちらのフェンスネットでもある程度効果はあります。
あまりにもハクビシンの害がひどいとき、最終的にはこういった捕獲機を使うか、業者さんに頼むことになると思います。
必ずかかる、というわけではないため商品単体で見れば業者さんに頼んだほうがお安いかもしれません。
特に屋根裏に巣を作られてしまった場合はこうした罠ではほとんど効果がありませんので、業者さんに頼んで巣や掃除をしてもらったほうが良いです。
屋根裏の場合は追い出すだけではなく、侵入経路の特定とその場所を塞ぐ処置をすることも重要です。
そもそも巣を作る=心地よい場所ということなので、初めのハクビシンを追い出してもまた第二第三のハクビシン、もしくはイタチなどが現れる可能性は少なくありません。
また、ハクビシンは野生動物ですので許可のない捕獲、殺害は禁止されています。
もしこうした罠を使ってハクビシンを捕える場合、必ず行政の許可を得てから使用してください。
ハクビシンが生息している地域では、怪我をしている、親とはぐれてしまった、もしくは何らかの事故で親を失ってしまったハクビシンに出くわす時があるかもしれません。
勿論そうした個体に出会ったときは真っ先に動物病院へ連れて行く、もしくは鳥獣保護センターに連絡を取り指示を仰ぐなどの対処をお勧めしますが、ここではその時にどのような対処をすればいいのかを説明させて頂きます。
怪我をしている、病気で弱っている成体のハクビシンを保護する際に気をつけなくてはいけないのが噛みつきやひっかきでの人間の怪我です。
動物の爪や牙は鋭く、かつ沢山の病原菌やばい菌を持っています。
家で飼育している 小動物 や犬猫、 爬虫類 や両生類を触ったことがある人なら一度は体験しているかもしれませんが、引っかかれたり噛みつかれたりしたあとにその傷をちゃんと処置しておかないとその場所が膿んでしまうことがあります。
自然と比べて清潔な家で飼育している生き物ですらそうなりますから、野生の生き物はその比ではありません。
動物病院、もしくは鳥獣保護センターに連絡をしてから布などで目を塞ぐように包み、暴れるのが収まってから保護をすることをお勧めします。
あまりにも暴れて手が付けられない場合は自分で捕獲しようと思わないほうが良いです。
まず真っ先にしてほしいことは保温、そして歯が生えているかどうかの確認です。
どんな動物でも体温が奪われる=死に繋がることも少なくありませんので、まずは保温をしっかりした後にどれぐらいの食べ物を食べられるのか確認してあげてみてください。
この際、野生動物ということもありノミやダニなどがいる可能性がかなり高いです。
なるべく素肌で触れないように布で包むことをお勧めします。
歯が少しでも生えてきているようでしたら熟したバナナや柿などの柔らかめの食べ物を与えても問題はありません。
バナナはハクビシンの好物の甘い果物ですし、常にスーパーで販売されています。
ハクビシンを保護したときにかなり使える果物といって差し支えないです。
まだ母乳を飲んでいるような状態だった場合は猫用ミルクなどのペット用に調整されたミルクを与えても問題はないとおもうのですがハクビシンの保護に関しては実例が少なく、コレ!といった方法が確立されていません。
しかしペット用のミルクを与える、保温をする、子供でも食べられるような柔らかな果物を与える、もしくは野生のハクビシンが食べているような昆虫や市販の鶏肉などを与えれば保護の期間中に大きな問題は起きないとみても良いでしょう。
ハクビシンは アライグマ のように凶暴性が高い生き物ではありません。
どちらかというと臆病で大人しい、犬猫のような性格と言っても良い生き物です。
だからと言ってペットにできるのか?というと少し難しいものがあります。
成体は人間に対する警戒心が高いこと、また鳥獣保護法により野生のハクビシンは許可なしに捕獲してはいけないということになっているためです。
大きな怪我をしていて野生では暮らしていけそうにない、もしくは子供の時から保護しているため野生に返せそうにない、などの特別な理由がない限りは飼育許可が下りないことのほうが多いと言えるでしょう。
このように、ハクビシンの愛嬌のある可愛らしい顔立ちから確かにペットにしたい!と考える方も少なくないと思いますが、ペットとして飼育するのはあまり現実的ではないのが現状です。
子供の時から保護、飼育をしていれば人間に怯えることもなく懐いてくれるそうですが、かといって子供のハクビシンをどのように入手するか、というところも問題です。
かつ、犬猫のように飼育方法が確立されていない生き物なので不測の出来事に対応できない可能性もあります。
ハクビシンはエキゾチックアニマルに分類されるため、多少の処置はしてくれても専門に見てくれる病院も殆どありません。
もしハクビシンを保護してもそのまま飼育しようとはせず、市の保護センターに助けを求めることをお勧めします。
タヌキはイヌ科、ハクビシンはネコ科という大きな違いがあります。
しかし貯め糞をする習性が同じなこと、またその容姿が非常に似ているのでぱっと見ではあまり見分けがつかないかもしれません。
糞の様子だけで見分けるのなら、果物などの種子が多く含まれている糞がハクビシン、 ウサギ の糞のようにころころと小さい糞で、あまり種子が見られないのがタヌキの糞です。
ハクビシンが本当は日本に元々住んでいたのか、それとも人為的に入ってきたのか、それはまだわかっていません。
日本唯一のジャコウネコ科であることから外来種ともいわれていますが、外来生物には指定されていないのでなんとも言えないところです。
基本的にアジアに多く分布しているので、日本に元からいた可能性もなくはない生き物です。
ハクビシンの手や足の裏には実は毛が生えていません。
このおかげで木や壁を登っても滑らずに登りきることもできるのです。
どこをどうやってそこにいったのか、電線の上を歩くハクビシンもいます。
このように非常にすばしっこく、狭い箇所も通り抜けることのできる生き物なので捕獲はそこそこ難しいと言われています。
基本的に人間に害を加える生き物ではないですが、屋根裏に住み着いてしまったときは話が別です。
貯め糞をする場所が屋根裏でなければそこまで被害はひどくないかもしれませんが、天井部分で排泄をされるとそこから悪臭が漂ってきたり沢山の菌類が繁殖する場合が多いです。
ハクビシンが屋根裏に住み着いているときは業者さんに頼んで早めの対処をお願いすることをお勧めします。
侵入経路を塞ぐ処置も忘れずにやっておくとベストです。
仮にハクビシンを手に入れたとして、多くの県や市では飼育するための特別な理由が必要となります。
これ以上野生で生きていくことが出来そうにない個体や人の手で育てられた個体がそうです。
そうした個体以外でハクビシンを飼育することは非常に条件が難しいですし、大人の個体は人間を怖がって恐慌状態になってしまう可能性が高いため飼育には向いていません。
野生動物であるハクビシンはペットショップやブリードでも流通していないので、飼育は現実的ではないのです。
庭の果樹の実が少し食べられてしまったり、目立たない箇所に糞をされていたり・・・大きな「害」であると思わないときはなるべくそっとしておいてあげてください。
食害が酷いときや匂いが不愉快であると感じた時は別です。
人家の屋根裏に侵入したり甘いものが大好きで果物を食害することから害獣として扱われることも多いハクビシンですが、自然開発が進み、住処が減ってきている現在ではこれもしょうがないことなのかなとも思います。
夜行性のハクビシンはキツネやタヌキと同様に車にはねられてしまうことも多いそうです。
最も、だからと言って個体数が減っているというわけでもなく、増えているというわけでもないと言われています。
東京23区には確認されているだけでも1000匹以上のハクビシンが生息しているそうですが、ハクビシンを見た、という投稿がSNSにあまりないことをみるとそこまで人と密接した暮らしをしているわけではなさそうですね。
この記事がハクビシンの知識を少しでも深めたいと思っている方の参考になれば幸いです。
公開日 : 2017/12/25