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犬は人間の言葉を話すことができません。
その代わり尻尾を振ったり鳴いたり、耳を動かしたりと、色々な感情や意味を込めたカーニングシグナルを発しています。
犬が舐める大きな理由はコミュニケーションのためであり、カーミングシグナルの一種です。
現在、ペットとして飼われている犬の祖先は オオカミ もしくはオオカミの亜種と考えられています。
群れで生活をしていたので、相互にコミュニケーションを取ることはとても重要でした。
その習性は現在のペットとして飼われている犬も引き継いでいます。
犬にとって家族=群れです。
群れとコミュニケーションを取る重要な手段が舐めるという行為なので、人間の家族のことも舐めるのです。
母犬は仔犬を育てるときに、子犬のことをとてもよく舐めてあげます。
排泄を促すために舐めたり、また出てきたウンチやオシッコも舐め取ってあげたりします。
それ以外にも、常に子犬たちをペロペロ舐めて体をきれいにしてあげるなど、人間のように手がない代わりに犬は舌で子犬の世話をするのです。
母犬が子犬を舐める行動には愛情がたくさん詰まっているのですね。
子犬達は目を開いて固形物を食べられるようになると、母犬の口を舐めて食事を催促するようになります。
そうすると母犬は半分消化されたものを吐き出して子犬に与えるのです。
現在ペットとして飼われている犬は、野生時代のように吐き出して食べ物を与えなくても、飼い主が適切な離乳食を子犬に与えられますが、習性は強く残っているため母犬に対して同じ行動を取ります。
このように舐めることの基本的な意味は、愛情表現や相手に対する欲求、甘えであるのです。
つまり、相手に悪い感情を抱いていないときに舐めるのですね。
犬は野生時代は群れで暮らしており、コミュニケーションを取る必要がありましたので、舐めるという行為は群れの他の犬に対しても行われました。
筆者は4匹の犬と一緒に暮らしていますが、犬同士で舐め合う姿もときどき見られます。
特に仲が良い同士で相手を舐めることが多いようです。
犬が人を舐めてくるときはどんな気持ちなのでしょうか。
犬が人の顔を舐めるときは愛情表現という意味合いが強いでしょう。
顔を舐めるということは、子犬が母犬への甘えや愛情からする行為と同じと考えられます。
そのため、犬が顔を舐める対象は飼い主であることが多いです。
ものすごく人懐っこい犬は飼い主以外の顔も舐めることがあるかもしれませんが、信頼関係があり、家族としての絆が深い人間に対して見せる行為です。
顔を舐めるという行動は飼い主さんへの強い愛情を表しています。
犬が人の手や足を舐めるときも好意的な気持ちからです。
ただ、顔を舐めてくるときよりは、控えめな愛情表現と言えるでしょう。
我が家の愛犬の様子を見ていると、筆者の手足を舐めてくるときは、こっちを見て欲しいというような気持ちの時が多いです。
また、おやつを持っている手を舐めてきて「早くちょうだい」と催促することもあります。
飼い主や家族以外の手や足を舐めるのは、「あなたを悪く思っていませんよ」、「あなたに好意を持っていますよ」という気持ちの表れと言えるでしょう。
犬が飼い主を舐めるときの気持ちをまとめると以下の通りとなります。
犬を叱っている時や何らかの理由で飼い主が怒っているときなどに、飼い主の手や足を舐めるという行動を取ることがありますが、これは飼い主に怒りを沈めて欲しいという気持ちからです。
犬も反省して飼い主が怒っている状態を不安に思っているので、叱るのはほどほどにしてあげましょう。
犬が飼い主の服を舐めるときは、飼い主の服から何か良い匂いがしている可能性があります。
筆者も外食をして帰ってきた際は、激しく匂いをかがれて服を舐められることがあります。
特においしそうな匂いがするときなどは、匂いにつられて服を舐められることは珍しくないでしょう。
飼い主が食べたものの汁が服に付いていて、それを犬が嗅ぎつけて舐めているということも考えられます。
その反対に、飼い主の服から変な匂いがする時も舐めることがあります。
犬は自分の慣れ親しんだもの以外の匂いがすることは好きではありません。
特に飼い主が違う匂いをまとっていたときは不信感を抱くこともあるでしょう。
犬は汚れていると感じると舐めることがあるので、飼い主から変な匂いがすると感じたときは、それをきれいにするという意味で服を舐めるときもあります。
もし愛犬に舐められるのが嫌な場合は、その場から立ち去るなど犬に舐められない状況を作ると良いでしょう。
犬は群れの仲間や飼い主との関係をとても大事にする生き物なので、飼い主が舐められるのが嫌だということを理解できるとだんだんしなくなります。
ただ、筆者は犬の舐めるという行動は犬のコミュニケーション手段の1つであり、また愛情表現でもあるので、それを取り上げる好ましくないと考えています。
愛犬が「大好き」と言ってくれているのに、それを辞めさせるのは可哀想な気がしますよね。
もちろん、病気の感染をはじめ犬に舐められることが大丈夫かなと不安になる飼い主もいらっしゃると思いますが、きちんと犬を飼育していれば舐められることに対してそれほどリスクを感じる必要はなくなります。
例えば、以下の点に気を付けることで犬を清潔に保つことは十分にできます。
ただし、犬に害はなくても人間には害を与えてしまうパスツレラ菌などの感染が全くないわけではないので、直接犬に口を舐められることは避けた方が良いす。
犬に口や口の周辺を舐められそうになったら、犬と飼い主の間に手を入れて顔の代わりに手を舐めてもらうようにすれば、犬の愛情表現を拒否しなくて済みますよ。
犬は自分の体を舐めることもありますね。
猫 ほどではありませんが、犬もグルーミングをします。
特に食事が終わった後は、自分の口の周りや前足などを舐める光景がよく見られます。
野生で生きていた頃の犬は、狩りをして獲物を食べていましたから、食事の後は口や足などが血で汚れてしまいます。
そのままにするのは不潔ですし、また狩りをするときに狩る動物に血の匂いを嗅ぎ付けられてはいけませんので、きれいにする必要がありました。
現在人間と一緒に暮らしているペットの犬たちは、そのように血が付いてしまうような食事をしていませんが、そのときの習性は今でも残っているため、食後には口の周りや足を舐める光景が見られるのです。
また、犬は自分自身に違う匂いが付くことを嫌います。
自分の体にいつもと違う匂いが付いてしまったり、変な匂いがすると感じた時は、それを舐めて取ろうとします。
中にはシャンプーの後に一生懸命、自分の体を舐めるワンちゃんもいますよね。
舐めることで気持ちを落ち着かせようとしている場合もあります。
自分の体を舐めることによって、ストレスから気をそらそうとしているのです。
飼い主に叱られているときに、犬が自分の口の周りや鼻をペロペロと舐めることがあります。
これは、犬が飼い主さんのいうことを聞いていないのではなく、すごく気にして不安でストレスを感じているので、気を落ち着かせようとしているということがあります。
そのような様子が見られるときは、犬も反省しているので、叱るのは終わりにしてあげてください。
体に異常がある場合も、犬は自分の体を舐めることがあります。
怪我をした以外にもかゆい、違和感があるという時も辞めるので、もし愛犬が同じ箇所を何度も舐めるようであれば異常がある可能性があります。
ストレスによって自分の体を舐め続ける場合があります。
気を落ち着かせるために舐めることがあると前述しましたが、強いストレスを長く感じ続けると、その舐める頻度がエスカレートすることがあり、時には毛を舐め続けて脱毛してしまうこともあるのです。
犬はあまり自分自身を グルーミング する動物ではありません。
犬がいつも自分の体を舐めている、一箇所をしつこく舐めるというような様子が見られたら、皮膚に異常がある、ストレス等による心理的負担があることが考えられるので注意が必要です。
愛犬の体をよく調べてあげるとともに、獣医に相談することをおすすめします。
犬が自分の体を執拗に舐めるのが癖になるまで放置をすると、脱毛や炎症を招いてしまうこともあります。
また、それを防止するために エリザベスカラー を付けて生活せざるをえなくなってしまう場合もありますので、愛犬の様子がおかしいと感じたら専門家に相談してください。
犬が床や家具を舐めてしまうのは、そこに何か食べ物の匂いがする、もしくは変な匂いがする場合でしょう。
舐めることで床に落ちているほこりや髪の毛などを口にすることや、絨毯などの繊維が犬の体に入ることは犬の健康にはよくありませんね。
もし犬が床や家具を舐めていたら、犬が気になる匂いを取り除くようにきれいに掃除してください。
しつこい匂いには消臭剤などを使用すると良いでしょう。
消臭剤や消毒液を使用する際は、必ずペットにも安全であると保証されている商品を使うようにしてください。
スーパーで一般的に売られている消臭剤は、ペットの健康には配慮していないものも多くあります。
絨毯のような拭き取るのが難しい場所の匂い除去には、重曹を使うと良いですよ。
匂いが気になる部分に重曹をふりかけておき、1時間程度放置します。
その後、重曹を掃除機で吸い取ると匂いを取ることができます。
重曹は犬の健康を害することもなく、手軽にドラッグストアで手に入れることができるお掃除に便利なものです。
また、犬が床や家具を舐めないようにする苦い味のプレーも売っているので、活用してみるのも一つの手でしょう。
暇なので退屈しのぎに家具や床を舐めてしまうこともあります。
他にすることがなく舐めるのが癖になってしまうと、かじって破壊する行為に発展することもあります。
家の中で暇を持て余してしまう時は、運動不足であることが考えられます。
1日2回の 散歩 を実施するとともに、ときどきは ドッグラン で思い切り走らせてあげるようにすると良いでしょう。
犬の問題行動の多くは運動不足が原因であるとされています。
十分に運動できた犬は、おうちでは休息してくれることが多いです。
また、子犬や若い犬は十分運動しても暇を持て余すこともあるので、かじって遊べるおもちゃを与えてあげても良いでしょう。
犬の舐める行為は基本的には愛情表現ですから、飼い主としてはそれを受け止めてあげることがより犬との絆が深まる結果になると思います。
ただ、一箇所をずっと舐めてしまう時のように、気を付けなければならないこともあります。
普段から愛犬の様子をよく観察して、もしも異常を感じたら獣医やトレーナーなど、プロに相談することをおすすめします。
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公開日 : 2018/11/22