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マイクロブタとは、その名前の通り非常に体が小さいブタのことです。
大人になっても、40Kgを超えることはほとんどありません。
ここからはマイクロブタの歴史や、その品種について説明していきます。
マイクロブタは、なるべく体より小さくなるように品種改良されたブタです。
多くのブリーダーが長い時間や手間をかけて、現在のマイクロブタや ミニブタ を作り出しました。
労力をかけてブタを小型化してきた当初の理由は、実験動物として使うためでした。
ブタは内臓が人間に近いこと、子をたくさん産むことから、実験動物に向いているとされています。
しかし、一般的な食肉用のブタは大人になると体重が200~300kgとなってしまうことから、どうしても実験に使いにくいという事情があったようです。
このような歴史もあり、今までほとんどのブタは食肉用や実験動物用として使われてきました。
ただ、小型化が進むに連れてブタが賢いこと、感情が豊かなことが広く知れ渡り、ペットとして飼われることも増えてきました。
現在イギリスやアメリカでは、一般的なペットになっています。
実はマイクロブタ、そしてミニブタという品種や種類のブタはいません。
ベトナムポットベリー種やゲッティンゲン種のうち、小さい個体をミニブタと総称しています。
マイクロブタは、ミニブタに更に品種改良を加えて小さな個体を作出した結果ですが、品種としては確立していません。
あくまで大人になった時の大きさで「マイクロ」や「ミニ」という区別をしています。
マイクロブタは体がなるべく小さくなるように親を選び改良されてはいますが、基本的には雑種のブタと考えた方が良いでしょう。
正直なところマイクロブタがどのくらいの大きさになるのか、どんな特徴が出るのかは誰にもわかりません。
マイクロブタだと聞いていたのに、気付いたら40kgを超えてしまったということもありえます。
マイクロブタの生態は、ミニブタや食肉用のブタとほとんど変わりません。
マイクロブタの祖先は、野生のイノシシです。
イノシシや他のブタと同じく、雑食性でミニブタ用のフードやドッグフード、野菜や乳製品など何でも喜んで食べます。
マイクロブタの体重は、大人になった地点で18〜40kgほどとされています。
マイクロブタより少し大きいとされているミニブタは、大人になった段階で40〜70kg程度、時には100kgを超えることもあります。
ここでマイクロブタもミニブタも「意外と大きいぞ」「ミニではないのでは…?」と思った方も多いのではないでしょうか。
実は、食肉用のブタは大人になると体重が200〜300kgほどになります。
そう、マイクロブタやミニブタとは”食肉用のブタに比べたらマイクロ・ミニ”なブタということ。
残念ながらどのようなブタでも チワワ のような 小型犬 サイズで止まることはまずありえません。
SNSや動画で見かける小さくてかわいいブタは、そのほとんどが生まれてそれほど経っていない子ブタです。
マイクロブタのカラーにはピンクのほか、黒色や茶色などがあります。
黒いブチ模様がある個体もいますが、成長する間に模様が消えることもあれば、突然模様が出てくることもあります。
マイクロブタは とても賢く、陽気で甘えん坊な性格 をしています。
そして、飼い主さんの愛情を欲しがる、寂しがりやな面が強いです。
犬のように分離不安(飼い主さまと離れると精神的に不安定になる)と診断されることもある程です。
1頭で留守番させる時間が長い方には、不向きなペットと言えるかもしれません。
マイクロブタはかわいらしい見た目をしていますが、 想像以上に鳴き声が大きい 動物です。
日頃から「ブッブッ」と小さめの声を出しますが、そこまでうるさくはありません。
しかし、嫌なことがあった時や驚いた時、痛い思いをした時にはとても大きな金切り声(ピギー!!!ピギャー!!!)をあげることがあります。
子豚の小さな体から「こんな大きな叫び声が!?」と驚きます。
一軒家でも集合住宅でも、マイクロブタを飼う場合は近所の方の了解を得ることをおすすめします。
マイクロブタの大きな声は、ご近所トラブルの原因になる可能性があります。
マイクロブタの寿命は、10〜15年ほどです。
犬や猫と同じくらい生きると考えれば良いでしょう。
マイクロブタをお迎えする前には、可能な限り10年~15年先のこと(住環境、家庭環境など)を考えておくことをおすすめします。
英名:Micro pig
別名:マイクロピッグ、ティーカップピッグ
原産:イギリス
大きさ:18〜40kgほど
寿命:10〜15年ほど
ここからは、実際にマイクロブタを飼うために必要な情報をご紹介します。
残念ながら、日本ではマイクロブタを扱っているブリーダーや牧場がほとんどありません。
少しずつ取り扱っている業者が増えてきましたが、問い合わせが多く、予約しないと購入できないことが多いようです。
確認が取れる範囲では、日本各所にマイクロブタカフェを展開している mipig や兵庫県の ハリネズミのお茶室 にて販売されていました。
なお、海外にはマイクロブタのブリーダーが複数存在するため、生体を個人輸入する方もいるようです。
しかし、ブタはペットではなく家畜扱いになるため、検疫が非常に厳しくなっています。
多くの手間と費用が掛かることを考えると、マイクロブタを1・2頭だけ輸入することは現実的ではありません。
マイクロブタは現在、1頭20~40万円ほどで販売されています。
日本国内でマイクロブタを繁殖させているブリーダーや牧場が少ないことから、やや高めになっています。
もし妙に安いマイクロブタがいたとしたら、それはミニブタか食肉用ブタの子ブタかもしれません。
海外ではミニブタだと言われて飼ったところ、実は食肉用のブタの子どもで、最終的に体重が200kgを超えてしまったという事例もあります。
正直なところ、養豚に携わっている人でも生まれて間もない子ブタの種類を見分けるのは困難です。
マイクロブタやミニブタは、信頼できる業者から購入することをおすすめします。
信頼できる業者の具体的な条件は下記の通りなので、ぜひ参考にしてください。
マイクロブタはペットですが、法律上は家畜のブタと同じ扱いになるため 「家畜伝染病予防法」 という法律が適用されます。
この法律により、マイクロブタを飼育する場合は、毎年必ず『定期報告書』というものを提出しなければなりません。
書式は地域によって多少の違いがあるので、お住まいの地域の『家畜保健衛生所』に確認をとるようにしてください。
ここからは、実際にマイクロブタを飼うためのポイントを解説していきます。
マイクロブタを初めて飼う方に、ぜひ知っておいて欲しいことがあります。
それは 「ブタは非常に食欲旺盛な動物」 であるということです。
エサを与えれば与えるだけ食べてしまうため、必ず1日に与えるエサの量と時間を決めてください。
食べたくて噛む、鳴くという問題行動も出やすいので、噛みと鳴きに急かされて餌をあげすぎないようにしましょう。
また、食肉用のブタのエサはより早く、より効率的に太るように設計されています。
そのため、ペットとしてマイクロブタを飼う場合は、必ずミニブタ専用のエサを主食にしてください。
副食としては様々な野菜、果物を適量与えます。
ブタに与えられる野菜はキャベツ・ニンジン・小松菜・さつまいもなど、果物はリンゴ・オレンジ・バナナなどがあります。
生のタマネギや人間用に加工された食品は与えないようにしましょう。
マイクロブタには定期的なお手入れが必要です。
基本的なお手入れとしては、豚毛ブラシのような固いブラシを使ってブラッシングを行います。
被毛が無いため、繊細な肌の豚さんもいるので、強すぎず優しいブラッシングに注意しましょう。
また、ぬるま湯を含ませたタオルで体を拭いてあげると良いでしょう。
毎日する必要はないですが、汚れた所(口周り、目周り、おしり周り、お腹など)はキレイにしてあげます。
タオルで拭いても取りきれない汚れがある場合は、お風呂に入れてシャンプーをします。
シャンプーは刺激が少ない犬用のものを使うと良いでしょう。
月に一度の頻度が目安です。
あまり高頻度にシャンプーをしてしまうと、乾燥肌から皮膚炎になってしまうこともあります。
また、爪切りも月に一度が目安です。
犬猫や人と違って、蹄(ひづめ)のケアが必要です。
電動の犬用爪ヤスリがあると丸みを作って削ることが出来るので、とても便利です。
歯磨きは、人と同様に毎日できるのが理想ですが、無理せず数日に一回は頑張れると良いでしょう。
歯磨きをすると良いことがあるとトレーニングできると、賢い動物なのでスムーズに行うことができます。
その他、週に一度は耳のケアもしてください。
耳の奥にまで指や綿棒を入れる必要はありません。
耳の穴には触らず、外側(耳介)だけをウェットテッシュで優しくぬぐうだけで大丈夫です。
マイクロブタはとても頭が良く、一説には犬と同じくらい賢いと言われています。
キレイ好きでもあるため、トイレを覚えさせることができます。
マイクロブタの体がしっかりと入る大きめのトイレとトイレシーツを用意して、なるべく早いうちにトイレを覚えてもらいましょう。
また、きちんと信頼関係を築くことができれば、お手やおまわりなどの芸も覚えます。
全国の動物園や牧場には、様々な芸でお客さんを楽しませているブタがいます。
賢い動物は、しつけが簡単かと言われれば、そんなことはなく、逆に人間がしつけられてしまうパターンもあります。
賢い犬種でよく見られることですが、学習能力の高いブタにも当てはまることが多いので、十分に気を付けてください。
マイクロブタの適温は18~25℃(諸説あり)ほどです。
そして、ブタは体温調節が苦手で、小さいうちは寒さに弱く、大人になると暑さに弱い傾向があります。
寒い時期は毛布やエアコン、ヒーターを使って体(特にお腹)を冷やさないように注意しましょう。
体が冷えるとすぐに下痢や膀胱炎を起こして、体力を消耗してしまいます。
また、暑い時期にはエアコンを使う、水浴びや泥浴びをさせるなどの暑さ対策が必要です。
マイクロブタの体温が上がりすぎないように、工夫をしてあげてください。
マイクロブタに限らず、ブタは食べることと寝ることが大好きな動物です。
もともと太りやすい体質なので、運動をさせないとあっというまに太ってしまいます。
庭で放し飼いにしているなど、自然に運動ができる環境でない場合は外を散歩させた方が良いでしょう。
散歩はなるべく小さい頃から挑戦して、外の環境に少しずつ慣らしてあげることが大切です。
なお、外を散歩させる時にはハーネスとリードが必要になります。
マイクロブタの様子をよく見て、拾い食いをしないように注意してください。
どうしても散歩が嫌いなマイクロブタの場合は、カロリーが低いエサ(葉野菜など)をばらまいて探す遊びをさせる、穴掘りをさせるなど少しでも体を動かす習慣をつけましょう。
マイクロブタは水浴びや泥浴びが大好きです
もし庭があるなら地面にホースで水をまき、水たまりを作ってあげると良いでしょう。
マイクロブタが泥んこになって遊ぶ姿はとってもかわいいですよ。
地面がない場合は、プラ舟や子供用のプールなどを使って水場を作ってあげましょう。
ただし、マイクロブタはとても力が強いので、頑丈な素材のものを使うことをおすすめします。
マイクロブタ飼いの中には、風呂場を水場として使用している方もいるようです。
ここからは、マイクロブタと一緒に生活するために、実際にどんなものが必要なのかをご紹介します。
まずはマイクロブタの部屋となる、ケージを用意しましょう。
ブタ用のケージは市販されていないため、中型犬〜大型犬用のケージを代用します。
室内で飼う場合、特に留守番をさせることがある場合はケージに入る習慣をつけておくことをおすすめします。
マイクロブタはとても鼻の力が強いため、食器をひっくり返してしまうことがあります。
食器も水入れもひっくり返しにくい形をしているもの、ある程度の重さがあるものをおすすめします。
筆者が勤めていた動物園では、食器はステンレス製のバット、水入れはプラスチックの洗面器に重しを入れたもの使っていました。
マイクロブタはウンチやオシッコの量が多いため、トイレのしつけはほぼ必須事項です。
ブタ用のトイレは市販されていないため、 中型犬 〜 大型犬 用のトイレとペットシーツを使うと良いでしょう。
マイクロブタがペットシーツを食べてしまわないように、カバーを付けておくことをおすすめします。
何度も書きますが、マイクロブタはキレイ好きな動物です。
ペットシーツが汚れていると、トイレ以外の場所でウンチやオシッコをしてしまうことがあります。
ペットシーツは多めにストックして、こまめに変えられるようにしておきましょう。
ハーネスとリードは、マイクロブタを散歩させる時に必要になるアイテムです。
なぜハーネスなのかというと、ブタは体の構造上、首輪を付けてもすぐに抜けてしまうからです。
脱走を防ぐため、散歩中はハーネスを使うことをおすすめします。
ハーネスもリードもマイクロブタの体の大きさに合わせて、中型~大型犬のものを使うと良いでしょう。
なるべく小さいうちからハーネスに慣らしておくと、散歩や通院が非常に楽になります。
※合わせて読みたい: 犬の首輪・リード・ハーネスの種類と選び方、おすすめ商品も紹介!
マイクロブタのお手入れには豚毛ブラシのような固いブラシを使います。
肌が柔らかい子どものうちは、なるべく優しくブラッシングしてあげると良いでしょう。
マイクロブタは体が大きくなると、肌が固くなってきます。
肌が固くなったら、もう少し力を入れてブラッシングしても構いません。
ブタ用のシャンプーは市販されていないため、低刺激の犬用シャンプーを使います。
しっかりと毛に覆われていないブタの皮膚は、とてもデリケートです。
たまに洗う分には問題ありませんが、洗いすぎると皮膚病の原因となってしまうことがあります。
マイクロブタの場合は定期的に洗うというよりは、汚れが目立ってきたら洗うようなイメージで良いでしょう。
偶蹄目(ぐうていもく)の動物であるマイクロブタには、全ての足に4本ずつひづめが生えています。
ひづめは散歩に行っている場合は自然に削れますが、伸びすぎてしまった場合はニッパーやヤスリを使って削る必要があります。
マイクロブタが小さい頃はひづめも柔らかく、人間用の爪切りでも切ることができます。
しかし、マイクロブタの体の成長に伴って、ひづめは固く大きくなっていきます。
ひづめが固くなってきたら大型犬用の爪切り、あるいはニッパーやヤスリでないと歯が立ちません。
ただ、どんな道具を使っても、ひづめを切ったり削ったりすることは簡単ではありません。
上手くできない場合やどうしても苦手な場合は、動物病院で切ってもらうと良いでしょう。
できればマイクロブタを購入したブリーダーや牧場で、ひづめのケア方法を聞いておくことをおすすめします。
ここでは、マイクロブタがかかりやすい病気について説明していきます。
マイクロブタがどんな病気にかかりやすいのか、どんな対策をしておくと良いのかをご紹介します。
ブタは尿路結石や膀胱炎などの、泌尿器系疾患にかかりやすい動物です。
これらの病気を防ぐためには、適切なエサを与えること、そして小さい頃から水を飲ませる習慣をつけておくことが大切です。
そうとはいえ、水があまり好きではないマイクロブタも多くいます。
水をあまり飲まない場合は、果汁100%のジュース(りんごジュースやオレンジジュース)や、きな粉をほんの少しだけ混ぜて味をつけると飲んでくれるかもしれません。
ただ、これは最終手段にとっておきましょう。
味が無いと飲まないようになってしまうことがあるからです。
また、エサに水を混ぜて食べてもらうのも良い方法です。
水分は多くとれて、そして満腹感も得られるので、食べ過ぎも予防することができます。
一方で、水でふやけたエサが嫌いというブタもいます。
その場合は無理はせずに廃棄して、新しいエサを入れてあげてください。
どうしても水をしっかり飲まない場合は、水分が多い野菜を与えて水分補給をさせると良いでしょう。
疥癬は「疥癬ダニ」が皮膚に寄生したことによって起きる皮膚炎です。
もともとブタは色々なものに体をこすりつける習性がありますが、やたらとかゆがる、血が出るまでかく、部分的に毛が抜けるなどの症状が見られたら疥癬かもしれません。
マイクロブタの様子がいつもと違う、何かおかしいな?と思ったら、すぐに動物病院に相談してください。
以前は豚コレラと呼ばれていましたが、コレラという名称が「人にも移るのでは?」と間違った恐怖感を与えてしまうことから、豚熱と呼び名が変更されました。
豚熱は日本各地で発生し、世間を騒がせている伝染病です。
非常に感染力が強く、感染した場合の死亡率が100%に近いと言われている恐ろしい病気です。
人が感染することはありませんが、大切なマイクロブタを守るためにはどうしたら良いのでしょうか。
まず、豚熱を予防するワクチンがあります。
このワクチンは通常の動物病院で取り扱っているものでは無いので、お住まいの地域の家畜保健衛生所に問い合わせて、接種が可能かどうかを確認しましょう。
豚熱のワクチン接種を行っている都道府県は、豚熱の流行があった地域となります。
そのワクチン接種県から、ワクチン非接種県に移動することが禁止されている(引っ越しや旅行などできない)ので注意してください。
また、豚熱の原因は、ブタの唾液や糞尿中に含まれているCSFウイルスです。
感染したブタと直接接触するほか、感染しているブタに寄生していたダニから感染することもあります。
近所で豚熱が発生した場合は、散歩を避けて、なるべく室内で過ごさせた方が良いでしょう。
マイクロブタに豚熱が疑われる症状(発熱、食欲不振)が出た場合には、必ず家畜保健衛生所に相談してください。
病気ではありませんが、多くの病気の原因となるのが肥満です。
もともと寝ることと食べることが大好きなマイクロブタ。
一度太ってしまうと動くことが億劫になり、どんどん太っていってしまいます。
肥満はマイクロブタの関節や内臓に負担をかけ、関節炎や心疾患などを引き起こす原因となります。
日頃からマイクロブタの食事の量や時間、食べさせるものに注意して太らせないことが大切です。
マイクロブタを飼いたいと思っている方に、お願いしたいことがあります。
それはマイクロブタがどれほど大きくなってしまっても、飼える環境を整えておいてほしいということです。
ブタに限らず、動物の体の大きさは遺伝の影響が大きいとされています。
しかし、マイクロブタは品種として固定されていないことを考えると、親がどれほど小さくても子どもがとても大きくなってしまう可能性があります。
人間に置き換えて考えると、身長が低い親から身長が高い子どもが生まれることもありますよね。
それと同じことが、マイクロブタでも起こる可能性があるということです。
マイクロブタ の体重は18〜40kgとされています。
ただ、大人になったら18kgではなく、40kgになるかもしれないと考えておいてください。
40kgという大きさは、犬で例えると ボルゾイ や ドーベルマン 、 バーニーズマウンテンドッグ などの大型犬くらいのサイズです。
40kg もある動物を、10年から15年の間を飼いきれますか?
40kg もある動物を、動物病院に連れて行く手段はありますか?
実際のところ、海外ではブタを飼いきれずに捨てる人が増え問題になっています。
ブタは頭が良く、とてもかわいい動物です。
しかし、かわいい・SNS映えするといった安易な気持ちでは、決して飼えない動物であるということを知って頂きたいと思います。
また、一般的なペットと異なり、マイクロブタは家畜に該当するため、『家畜伝染予防法』の適応動物であることも忘れていはいけません。
あまり知られていないことですが、家畜の伝染病が拡大するのを防ぐために、予防的な殺処分を実施することがあります(必ずではありません)。
豚熱の発生が認められた農場の半径3km以内にいる豚は、病気の感染や発症に関係なく殺処分対象になりえるということです。
犬や猫であれば、たとえ狂犬病であっても予防的に殺処分されるということはありません。
家畜に該当する豚であるが故の法律です。
農家にとって豚は財産です。
移動制限や定期報告書など、一般的なペットよりも法律による制限が多いことは覚悟しておきましょう。
小さなブタ、マイクロブタについて説明してきました。
ブタはとても頭が良くてひょうきんな性格をしている、他のペットにはない魅力をたくさんも持っている動物です。
ただ、実際ブタやミニブタと関わってきた筆者としては、ブタは誰にでも飼える動物とは言えません。
海外ではマイクロブタはミニブタを安易に飼い、飼いきれなくなっている人が続出していることからわかるように、ブタは一筋縄ではいかない動物でもあります。
万一飼いきれなくなってしまった場合は、しっかりと次の飼い主を探してあげてください。
なぜなら、マイクロブタのように改良を重ねられ、人に飼われた動物は野生では生きていけないからです。
マイクロブタは人間に捨てられてしまったら、飼い主を探して歩き回り、お腹が減ってふらふらになりながら死を待つしかありません。
そして、マイクロブタの飼い主さまの心境の変化としてよく見られるのが、『豚肉を食べるのをためらう』というものです。
食用の豚と家族の豚、同じ豚なのにそれを食べるのか?という感情が芽生えてくるのは普通のことです。
明確に言えば、食用の豚とペットの豚は同じではありませんが、人間のエゴによって運命が異なっている、その矛盾について深く考える人も多いようです。
このような葛藤が生まれる可能性も考慮しましょう。
厳しいことも多く書きましたが、よく人に慣れたブタは本当にかわいいものです。
だからこそ、マイクロブタには飼い主さんの良きパートナーになってもらいたいと考えています。
マイクロブタをお迎えする時は、事前にブタについてよく勉強することを強くすすめます。
マイクロブタも飼い主さんも幸せに暮らせますよう、切実に願っています。
※合わせて読みたい: ミニブタの種類、性格、大きさ、エサ、値段、飼い方
監修:獣医師 山口 明日香(やまぐち あすか)
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医学科卒後、2つの動物病院に勤務し、現在も臨床獣医師として働く。
ワークライフバランスを整えるため、在宅でのLINEおよび電話による健康相談、しつけ相談も開始。
その過程で、病気のみならず各種トレーニングと問題行動の大変さ、大切さを知る。
今後は学校飼育動物学で学んだ動物飼育と、子供の情緒の発達についても発信し、獣医動物行動研究会において問題行動の知識を深め、捨てられる動物が減るように正しい情報を伝えるべく模索中。
最終更新日 : 2021/10/14
公開日 : 2018/09/21