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ボルゾイは、ロシア原産の超大型犬。
寒い地域に適した、極寒の環境下でも優れた視覚を活かし狩りをするサイトハウンド(視覚ハウンド)です。
このボルゾイ、体は流線型で顔が細く、豊かな被毛も相まって美しい佇まい。
しかしその実、足がとても速く、最高速度はなんと時速50km。
日本ではボルゾイはまだまだ知名度が高くはありませんが、走るときの勇姿と普段の優雅な佇まいがギャップとなり、今話題になっています。
普段はおとなしいボルゾイの、走る姿をぜひご覧ください。
ボルゾイは、極寒の中で大型の獲物を追う走行能力を持つ犬種。
流線型のスマートな体と細い顔、豊かな被毛が特徴的です。
普段は優雅で気品のある姿ですが、脚力が強く、足が非常に速いのも特徴。
最高速度は50kmと、信じられないほど速く走ることができる犬です。
ボルゾイは立ち上がった状態なら2mになる超大型犬。
成犬だと70cmにもなります。
標準的なオスの体高は75〜85cm、メスは68〜78cm。
日本ではなかなかお目にかかることのない犬種ではありますが、画像で見る以上に実際は大きな犬という認識が正しいようです。
体重は体高にもよりますが、25~45キロ。
かなり大きい犬ですが、スマートな体のせいか、どんな動きをしていても満ち溢れる気品のせいか、あまり威圧感はかんじられません。
ボルゾイの魅力のひとつとして、長い絹糸のような美しい被毛が挙げられます。
この被毛は、極寒の地で雪や寒さから体を守る役目を果たしてきました。
多くの個体はまっすぐ、またはウェーブがかった被毛を持ち、中には巻き毛になっているものと、個体によって特徴が異なります。
カラーバリエーションは豊富で、ブルーとブラウン以外は全てあると言っても過言ではありません。
白をベースにグレー、黒など、レモン、クリーム、ブラックなどの斑点があるものも。
ちなみに、日本で最も人気が高く市場価値も高いものは、白系のボルゾイです。
ボルゾイは非常に落ち着いた性格で、マナーの良い犬です。
所作に貴族を思わせる気品があって優雅。
ただし、外では、自慢の脚力を生かして野生に帰ったように駆け回る、ギャップの大きい犬でもあります。
独立心旺盛でしっかり者ながら、繊細な面も持ち合わせており、しつけの面で注意が必要。
忠実で頭が良く大人しいため、子どもや先住犬とも仲良く付き合えるタイプです。
しかし、社会化不足や愛情不足だと他人に対して警戒心が強く神経質になるなど、飼い主の育て方や接し方によっては性格が真逆になることも。
ボルゾイの寿命は7歳から13歳。
遺伝病の有無や生活環境によって個体差が激しい犬種です。
個体差が大きいため統計抽出が難しく、専門書やインターネットでも寿命が少しずつ違うように記載されていることも。
寿命は目安と捉え、自分の犬の健康状態を見てあげるのが良いでしょう。
ボルゾイはロシアで原産された犬種。
またの名をロシアン・ウルフハウンドと言い、狩猟犬として活躍。
ロシアの貴族階級は、狩りのために何百年もの間、ボルゾイの交配を行なってきました。
13世紀頃ロシアで流行していた狩猟犬を使った野ウサギ狩りで、ボルゾイの元となるハウンド犬がよく用いられていました。
15〜16世紀になるとウサギではなくオオカミ狩りが盛んになり、ハウンド犬にベア・ハウンドやロシアン・シープドッグなど大型犬を掛け合わせ大型化・多被毛化させていきました。
そして、17世紀頃にボルゾイの犬種としての基準が確立していきます。
この頃に出されたボルゾイを使った狩りの規則書の中に、ボルゾイについての最初の基準が記されています。
当時の狩りは非常に派手なもので、狩りの大会が始まると祭りさながらの賑わいだったようです。
1回の大会では多くの貴族が集まり、100頭以上のボルゾイが狩りに参加したこともあった模様。
19世紀まではロシアに7つのタイプのボルゾイがいました。
当時のロシア皇帝は訪れてきた王族にボルゾイを贈って国交のためにボルゾイが使われていました。
しかし、ロシア革命後、ロシア国内の貴族社会の崩壊でボルゾイの多くが始末される結果に。
ボルゾイの運命は、贈り物としてボルゾイを受け取った他国の王族たちの手に委ねられることに。
ロシアにいたボルゾイは、社会情勢の変化により激減してしまいました。
社会の変化に人間だけでなく犬までも巻き込まれていったのです。
現在では、アメリカを中心に欧米でボルゾイは人気を集めており、ショードッグやモデルとして注目されています。
ショードッグとして有名な犬の市場価値は数百万以上とも言われています。
高貴な気品を纏うボルゾイ。
アメリカなど欧米では人気ながら、住環境や運動時間に問題が出る日本ではあまりお目にかかりません。
ボルゾイをペットショップで見かけることもなかなかありませんよね。
ペットショップでの希少性、動物福祉の面から見ても、ボルゾイを家に迎えるのなら信頼のできるブリーダーから直接購入するがおすすめ。
しつけが特に必要な大型犬として、落ち着いた個体を譲ってくれるでしょうし、しつけや病気などの専門的な知識も伝授してくれます。
ボルゾイの価格は個体や時期によっても幅があり、10~30万前後。
安く売られている場合は性格的に不安定さがないか、遺伝病がないかなどの確認も必要です。
ボルゾイは超がつく大型犬。
多量のフードが必要です。
ドッグフードも良質なものを与えなければいけないことを考えると、えさ代がかなり高くつくということを覚えておきましょう。
毎日年齢に合った1日に必要なフード量を、2回に分けて与えます。
フード内のガスを抜くために、スプーンなどでつぶしてから与えるのもおすすめ。
2回に分けて与えること、えさをつぶすことにより、胃腸へ負担を減らすことができます。
※関連記事: おすすめドッグフードランキングと安全なドッグフードの選び方!
ボルゾイは極寒の土地で広大な場所を獲物を追って掛け回ってきた犬種。
飼育環境には、それなりのスペースと徹底した温度管理が必要です。
基本的には室内で、自由に庭など広い場所に出られるようにするのがおすすめ。
温暖な地域なら冬場に温かい犬小屋があれば屋外飼育も可能ですが、夏場は注意が必要です。
日本の高温多湿はボルゾイにとってストレスとなるので、特に夏は温度管理を徹底しましょう。
部屋の中では大人しくマナーの良いボルゾイですが、突発的に走り出すこともあるので、怪我をしそうなものはボルゾイのいる部屋から出しておきましょう。
前述した通り、ボルゾイは狩猟犬として広大な土地を駆け回ってきた犬種。
毎日散歩など運動の時間を確保する必要があります。
2時間ほどの長めの散歩に加えて、ドッグランなど広い場所でのダッシュやボール遊びなど、激しい運動の時間も取りましょう。
外で駆け回る際も、最高時速50kmの犬種ですから、周囲に犬や人が多いと危険です。
多量の運動が必要なボルゾイは、運動不足に陥るとストレスとなります。
ストレスは犬の情緒を不安定にし、犬が神経質で攻撃的になる恐れも。
しつけがうまくいかなくなるため、運動は必要不可欠です。
被毛の手入れとしては、週に2〜3回のブラッシングをおすすめします。
できれば毎日、被毛の状態をチェックできると良いでしょう。
比較的、雄の被毛の方が多い模様。
換毛期には大量に毛が抜けるので、ブラッシングの回数を増やしましょう。
ブラッシングはコミュニケーションにもなるので、たくさんしてあげれば信頼関係を築くきっかけにもなります。
超大型犬のボルゾイは、走れば最高時速50kmあり、噛みつく力もかなり強い犬。
室内外で飼い主がコントロールできるようにしつけが必須です。
子犬のうちはやんちゃな面が目立つボルゾイ。
子犬の間から根気よく人間のルールを繰り返し覚えさせる必要があります。
また、ボルゾイは神経質な面があり、怒りながらのしつけはストレスとなってしまいます。
叱るよりも褒めて伸ばすことを意識しましょう。
飼い主が褒めると、ボルゾイは飼い主を喜ばせたことを覚え、さらに飼い主を喜ばせようと頑張ってくれます。
ボルゾイの優しい性格に向き合い、しつけを進めていくことがおすすめです。
※関連記事: 犬のしつけ7つのシチュエーションからわかる対処法と注意点
ボルゾイの純血種は、ダルメシアンのように近親での交配が繰り返されたことで、遺伝的弱点を持つ個体が多いようです。
ボルゾイは比較的頑丈な体を持っていますが油断大敵。
毎日自宅で健康チェックをし、異常があればすぐに動物病院へ。
また、定期的に獣医師による健康診断を受けましょう。
胃捻転は、大型犬によく見られる胃がねじれてしまう病気。
超大型犬であるボルゾイも胃捻転になりやすい犬種とされています。
えさの食べすぎや水の飲みすぎ、早食いや食べた後すぐに激しい運動をするなどが原因。
胃捻転になると、よだれが増える、おなかが膨れる、呼吸がしずらいなどの症状が現れます。
胃捻転にならないように、えさは数回に分けて与える、フードをつぶしてガスを抜くなどの工夫をしましょう。
また、散歩や運動のタイミングを考えることも重要。
食事後30〜1時間ほど空けてから散歩に行くようにしてください。
胃捻転になってしまうと手術が必要になりますので、予防と健康チェックをしっかり行いましょう。
垂れ耳を持つボルゾイは、耳の外耳炎になりやすい犬種です。
外耳すなわち穴から鼓膜までが炎症し、かゆみや異物感が症状として出ます。
耳あかがたまったり、細菌や酵母菌、寄生虫が繁殖する、異物が入ってしまうことで発症。
垂れ耳の犬種は特に、耳の通気性が悪く、細菌が繁殖しやすい環境です。
定期的に綿棒やコットンで耳掃除をしましょう。
春から秋にかけては気温と湿度が高いため特に注意。
耳の後ろをかく、頭を振るなどかゆそうな様子を見せたら要注意。
耳の穴が赤く腫れていたり耳から異臭していたりするのも外耳炎の症状です。
症状が出たらすぐに医師の診断を。
ボルゾイはもともと寒い地域で適用するために作出された犬種。
日本の高温多湿に向かない犬です。
夏場は特に徹底した温度管理を行わないと、たちまち熱中症になってしまいます。
夏は涼しい朝晩に散歩に出るようにし、水分をたくさんとらせてください。
被毛を短く切ってあげるのも熱中症対策になります。
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中世ヨーロッパなどで流行した貴族による犬を使った狩り。
ボルゾイはロシアで狩りの大会立役者として活躍していました。
その狩りとはどのようなものだったのでしょうか?
まず、嗅覚が優れたセントハウンドという獣猟犬と数人の動物を追い込む役割の人間たち(日本でいう勢子)がオオカミの通った道を辿ります。
その後に馬に乗った猟師たちが続き、オオカミが発見されると、2、3匹組で編成されたボルゾイが放たれます。
ボルゾイは極寒の環境下でも優れた視覚を活かし狩りができるため、セントハウンドに対してサイトハウンド(視覚ハウンド)と呼ばれていました。
ボルゾイは果敢にオオカミに襲いかかり、猟師たちが追いつくまでオオカミを押さえつける役割を持っていました。
忠実さと勇敢さが必要なこの役割を、当時の人たちは100%の信頼を持ってボルゾイに担っていたのです。
ちなみに、捕まえたオオカミは、キャッチ・アンド・リリースで逃がすこともよくあったようです。
ボルゾイの名前はなかなか日本だと聞き慣れませんが、そんな中、2016年9月にボルゾイがお茶の間を騒がせたことがあります。
それは、福岡県朝倉市で飼育されていたボルゾイ6匹が逃走したというニュース。
ボルゾイが超大型犬であり、最高時速50kmに達することから、「危険です!超大型犬ボルゾイが逃走中」と近隣に警戒令が出されました。
その後ボルゾイは最終的につかまりましたが、逃走中に4匹の他犬種に襲い掛かったという目撃証言が出ており、そのうち2匹の犬が死んでいます。
ボルゾイ6匹は発見後、保健所に預けられていましたが、飼い主が引き取りに来たようです。
犬が不幸にならないためにも、特に大型犬はしっかりしつけをする必要があることを教えてくれた事件です。
美しいシルエットと気品あふれる仕草のボルゾイ。
ボルゾイ好きなら持っておきたいアイテムですよね。
ここでは、そんな美しいボルゾイのグッズをご紹介します。
ボルゾイの気品あるシルエットが特徴的なステッカー。
車や冷蔵庫に貼ってボルゾイ好きをアピールしましょう!
ボルゾイのことが全て分かる専門書。
「ボルゾイオタク」には堪らない一冊です。
本革使用のキーホルダー。
スマートなボルゾイの質感と可愛らしい表情がグッド。
名称: ボルゾイ
歴史: ロシア原産。狩りで活躍していた犬種。何種類か種類があったが、ロシア革命により激減した種類も。
毛色: ホワイトが主流だが、カラーバリエーションが豊かでブルー・ブラウン以外は全て存在。
寿命: 7〜13歳
性格: 穏やかでマナーが良いが、外に出るとかなり活発に。
ボルゾイは穏やかでマナーの良い性格ながら、運動能力に優れた犬種。
日本だと住環境の確保が難しいですが、適切な運動ができれば、家庭で最高のパートナーとなってくれます。
お迎えをお考えなら、この記事が役に立てば幸いです。
公開日 : 2017/04/28