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・無毒のヘビは幼体が有毒のヘビに擬態していることが多いです。
・シマヘビは「無毒」ではありますが黴菌を持っていないというわけではありません。
アオダイショウ に ヤマカガシ 、ハブにマムシ・・・日本には毒の有無にかかわらず中型から大型の ヘビ が多数存在しています。
シマヘビは、その中でも全長80~200cmとアオダイショウに次いで大きな体をもつヘビです。
昔からヘビは害獣となる ネズミ を食べてくれる存在として信仰の対象の一つでもありました。
その中でも毒を持たないシマヘビは、身近な存在ということもあって昔から親しまれてきた生き物です。
毒を持つ蛇であるヤマカガシと同じ科であることから、両種は似た特徴を持つので、今回は生態、特徴、飼育方法だけではなく、シマヘビとヤマカガシとの違いや見分け方についても解説させて頂きます。
シマヘビは耕地や河川敷、その他にも森林や草原に住んでいます。
同じくそうした場所に好んで住む蛇の一種にアオダイショウがいますが、シマヘビは基本的に地表性でありアオダイショウは樹上性の特性が強いため、住み分けはしっかりとなされています。
しかし、地表性であまり木や壁に登って移動する習性が強くないシマヘビは、都会では車に引かれてしまったりうまく獲物が追えないなどの条件が重なって、殆どその姿を見ることができなくなってしまっています。
好んで捕食するのはネズミ、小鳥などの 小動物 や、 トカゲ 、 カエル 、ヘビなどの 爬虫類 や 両生類 です。
同族であるヘビもシマヘビにとっては好物なため、共食いも積極的にする傾向があります。
もっとも、ヘビは基本的に同族を捕食しますので、こちらはシマヘビに限らずほぼすべてのヘビに見られる傾向と言っても良いです。
繁殖期は4~5月で、7~8月に卵を4~15個ほど産卵します。
繁殖期にはオス同士が争う際に、体を絡みつき合わせて争う「コンバットダンス」と呼ばれる行動を見ることができます。
卵を産んだ後のメスはしばらく産んだ卵の傍を離れず卵を守るため、7~8月に卵の傍にいるヘビを見つけたらそっとしておいてあげてください。
「シマ」がついているため体に横縞模様があるかと思いきや、シマヘビの体に横の縞模様があるのは子供の時のみが多く、大人になると縦縞のみになることが多いです。
これらは個体差が大きく、そもそも縦縞模様がない個体やヤマカガシのように首元が黄色く変色している個体もいます。
ヘビは地域によって個体差が激しく、体格でも伊豆諸島のシマヘビは2mに達する個体もいるのに対して、北海道のシマヘビは80cmに満たない体格をした個体が多いのです。
また、日本に生息するヘビたちの中で、シマヘビのみ瞳孔が赤みを帯びているという特徴があるのですが、瞳孔が見える=かなり近くに近寄らなくてはわからないということになります。
そうした面からも、一目でヘビを見分けるということは中々に難しいものであるため、毒を持つ持たないに関係なく安易にヘビに近寄るのは避けることをお勧めします。
その他、シマヘビは威嚇の際に尻尾を激しく震わせ、地面にたたきつけるという威嚇方法を取ります。
また、毒を持たないヘビではありますが、野生動物なため、その牙は決して衛生面が良い状態ではないということにも注意しましょう。
シマヘビはアオダイショウやヤマカガシと比べると、神経質で攻撃的な個体が多いともいわれているヘビです。
口内から破傷風菌が検出されたという報告もあるため、噛まれた場合はなるべく早く傷口を消毒、洗浄する必要があります。
日本に広く分布している蛇はアオダイショウ、シマヘビ、ヤマカガシ、ニホンマムシの4種類です。
沖縄にはハブも生息していますが、シマヘビが生息していないため割愛させて頂きます。
シマヘビとヤマカガシは特に子供の時が間違われやすいです。
これは同じナミヘビ科であるということ、そして毒を持たないシマヘビが幼体でも毒を持つヤマカガシに擬態をしているのではないかと言われています。
毒を持たないアオダイショウも、幼体はマムシのような模様をしている個体が多いです。
その一方で、大人になれば鱗の模様から違ってきますので、見分けることは簡単になります。
シマヘビは毒を持ちませんので、手に入れることに何か規制がかけられている生き物というわけではありません。
野生のものも捕まえられますし、通常個体でしたらショップ等で5,000円程度で手に入れることができます。
ただ、野生の個体は本当にシマヘビなのか・・・という懸念がありますので、もし野生の個体を捕まえるようでしたら念入りに他のヘビとの比較をして特定をする、もしくは専門の方に判別をしてもらったほうが良いです。
また、メラニズムの現れたシマヘビ(カラスヘビ)は希少なので値段が20,000円程度と少々高額な値段で販売されていることが多いです。
アルビノ、と呼ばれる白い体に真っ赤な目をした動物はどんな生き物に関わらず非常に人気が高まっています。
その真逆の存在がメラニズムと呼ばれる黒い色素沈着の体をもつ生き物です。
シマヘビには時折メラニズムの個体が現れ、こちらがカラスヘビと呼ばれています。
メラニズムの個体が見られる一方で、アルビノの個体は非常に少ないのもシマヘビの特徴です。
そんなシマヘビですが、飼育が難しい生き物ではありません。
他のヘビと同様に、脱皮のための水入れやストレス緩和のための隠れ家など、基本的なものを用意してあげれば飼育に問題はないと言われています。
シマヘビの飼育に特に必要なものは
の3つです。
シマヘビは最大で2mにもなるヘビです。
最もそのサイズになるのは海鳥の卵や雛しか食べるものがないために大型化せざるを得なかった伊豆諸島祇苗島産の個体であると言っても良いですが、2m近くに成長するポテンシャルを秘めたヘビではあります。
実際に150cm程度には成長しますので、そのサイズのヘビが入っても問題ない大きさのケージをはじめから用意することをお勧めします。
シマヘビは夜行性ではなく、昼行性のヘビです。
そのため、他の爬虫類同様、日中に日光浴をすることを好みます。
この時重要なのは温度で体の活性を高め、餌の消化を促すことですので、飼育ケージの気温を一定に保てているようならあまり必要ではないと言われています。
しかし、シマヘビは日光浴が好きな種類のヘビですので、設置してあげると喜んでバスキングライトに当たる姿を見せてくれます。
ちなみに爬虫類や両生類飼育でおなじみの紫外線ライトですが、こちらは特定の種類を除けば基本的にヘビには必要ありません。
ヘビは自分の体内でビタミンD3を作れるものが殆どなためわざわざ紫外線をあてなくても良いのです。
このため紫外線ライトは必要ない・・・と言われているのですが、紫外線をつけて何か問題があるわけではないのでヘビ本人が快適そうなのであれば付けてあげてください。
野生のシマヘビが食べているものはネズミやカエル、トカゲ、小鳥などですので、大抵はピンクマウスや冷凍ウズラなどを与えれば餌付いてくれます。
しかし、単純に好みの問題であったり元々野生下でカエルを主食にしていたなどの個体は、マウスや ウズラ に餌付いてくれない可能性があります。
その場合は餌用にカエルを購入する、もしくは野生のカエルを捕まえてくるしかありません(怪我や拒食の原因になるので無理に食べさせようとすることはお勧めしません)。
今では餌用のカエルも生餌しか食べない生物向けに販売されています。
野生のカエルは寄生虫をもっている可能性が非常に高いですし、現在では環境開発や外来生物の影響でその数は年々減りつつありますので、できれば餌用に売られている外国産のカエルがお勧めです。
しかし、餌用に生餌を購入した場合、生態系を乱す原因になってしまうため決して野生に放つことはしないでください。
幼体はヤマカガシと似ていますが、毒は一切ありません。
アオダイショウやヤマカガシと比べると神経質で攻撃的な面も目立ちますが、基本的には無害なヘビです。
一方でアオダイショウは見かけることができます。
これは地表性のシマヘビと樹上性のアオダイショウの体のつくりに秘密があります。
アオダイショウは壁や下水道の中などどのような場所でも移動できますが、シマヘビは地面を移動することが殆どなため交通事故にあいやすいのです。
このため生息地が道路や塀などで分断されているような場所でシマヘビを見かけることは少なくなっています。
一見真っ黒な体は元がシマヘビだとはわかりませんが、メラニズムのシマヘビです。
アルビノのシマヘビは滅多にいないと言われていますが、一方で同じ無毒で大型ヘビのアオダイショウはアルビノの方が有名です。
地域によってヘビの模様には差があるため個体による、としか言えないのですが、シマヘビはヤマカガシに、アオダイショウはマムシにそっくりな擬態を幼体時にしています。
成体になってしまえばある程度見分けは付くようになるのですが、幼体の見分けは非常につきづらいです。
毒蛇に似たようなヘビなのか、それとも毒蛇なのかは見ただけで判断することはとても難しいため、擬態しているんじゃないか、と無闇に触ることは避けてください。
もしシマヘビに噛まれたらすぐに消毒、洗浄を行ってください。
すべての個体がそうである、というわけではありませんが破傷風菌検出の事例があります。
地域と個体によって鱗の色が変わるヘビたちは中々見分けがつきにくい生き物です。
くりくりした瞳とその動きは大変に魅力のある生き物なのですが、種類がわからない限り不用意に触ることだけは決して避けてください。
この記事がシマヘビの知識を少しでも深めたい方の参考になれば幸いです。
公開日 : 2018/02/07